可塑剤
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可塑剤(かそざい)は、熱可塑性合成樹脂に加えて柔軟性や対候性改良する添加薬品類の総称である。可塑とは「柔らかく形を変えやすい」という意味の語である。
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[編集] 解説
一般に熱可塑性樹脂はガラス転移点温度を持ち、この温度以下では分子配列が秩序だった結晶性を示し、この温度から融点までの温度帯では分子配列はアモルファス状態である。アモルファス状態の熱可塑性樹脂は柔軟性を示し、光の透過性が高かったり樹脂の特性として有用な場合が多い。一方、結晶性の樹脂は不透明であったり、低温で結晶化が進行すると衝撃や外力に対して脆い性質を示し、樹脂を利用する上で欠点とされる特性を示すことが多い。
融点やガラス遷移点は樹脂の種類と重合度により決定付けられるので、希望する製品の温度特性と必ずしも合致しない。そのため、熱可塑性樹脂に添加物を加えることでアモルファス状態の温度帯を広げ低温でも脆弱性が現れないようにしたり、柔軟性を増大させ、希望の温度特性・物理特性を持った樹脂に調合する。この目的で添加される薬品が可塑剤である。また、可塑剤により弾性が増すことで、射出成型時に金型から外しやすくなるなどの成型性も向上する。
可塑剤は、樹脂の間隙に入り込むことで樹脂が規則正しく配向するのを阻害しガラス遷移点以下でもアモルファス状態を維持する。したがって可塑剤は嵩高い側鎖をもつものが有用な特性を示すことが多い。また、目的の樹脂となじむ性質がないと樹脂と添加剤とで相分離を引き起こすので、可塑剤は種々の樹脂に対して相分離しない広い相溶性を示す特性が求められる。
特にポリ塩化ビニル樹脂は可塑剤を添加することでいろいろな特性を持った製品が調合される。その代表としてはフタル酸エステル類が使用され、DOPやDINPなどが理想的な汎用の可塑剤としての特性を持ち、生産量も多い。
一方、フタル酸エステルの一部に環境ホルモン様作用を示す懸念もあったが、2003年の環境省検討会 [1]は、「げっ歯類を用いた1世代試験」「試験管内(in vitro)試験」について比較的低用量では明らかな内分泌攪乱作用は認められなかったとしている。
[編集] 主な可塑剤
- アジピン酸エステル (Adipate)
- アジピン酸とアルコールのエステル。低温柔軟性と耐熱性を持たせる可塑剤で、食品用ラップフィルム等に使用される。
- DOA(DEHA)(Dioctyl adipate) アジピン酸ジオクチル
- DINA(Diisononyl adipate) アジピン酸ジイソノニル
- トリメリット酸エステル (Trimellitate)
- トリメリット酸とアルコールのエステル。耐熱・耐候性に優れた低揮発性の可塑剤で、耐熱電線被覆や自動車用合成皮革等に使用される。
- TOTM(Trioctyl trimellitate) トリメリット酸トリオクチル
- ポリエステル (Polyester)
- カルボン酸とグリコールから成る低分子ポリエステル。低揮発性・耐油性の可塑剤で、機器内配線用電線被覆やガスケット等に使用される。原料の種類及び重合度により性能が異なり、品種は多岐にわたる。
- クエン酸エステル (Citrate)
- 低毒性が特徴の可塑剤。ポリ塩化ビニリデンの食品用ラップフィルムに使用される。軟質ポリ塩化ビニル玩具へも使用が拡大している。
- ATBC(Acetyl tributyl citrate) アセチルクエン酸トリブチル
- エポキシ化植物油 (Epoxidized oil)
- 耐熱性を持たせる可塑剤として、食品用ラップフィルム等に使用される。樹脂の熱安定剤としても優れている。
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- ESBO(Epoxidized soybean-oil) エポキシ化大豆油
- ELSO(Epoxidized linseed-oil) エポキシ化亜麻仁油
- セバシン酸エステル (Sebacate)
- アジピン酸エステルより低温柔軟性、耐熱性優れている。ゴム製品にも使用される。
- アゼライン酸エステル
- マレイン酸エステル
- 安息香酸エステル

