名鉄5000系電車 (2代)

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名鉄5000系電車
名鉄5000系(2008年4月1日、新安城駅にて撮影)
名鉄5000系(2008年4月1日、新安城駅にて撮影)
編成 4両編成
起動加速度 2.0km/h/s
営業最高速度 120km/h
減速度 3.5km/h/s(常用最大)
4.0km/h/s(非常)
編成定員 522(座席192)人
車両定員 先頭車125(座席44)人
中間車136(座席52)人
全長 先頭車18900mm
中間車18830mm
全幅 2744mm
外板間2,730mm
全高 先頭車3979mm(冷房装置上面)
中間車4110mm(パンタグラフ折畳)
屋根高3600mm
車両質量 ク5000形33.6 (31.2) t
モ5050形37.0 (36.4) t
モ5150形37.0 (36.0) t
ク5100形30.5 (28.3) t
括弧内は5010 - 5014編成の数値
軌間 1067mm
電気方式 直流1500V
架空電車線方式
モーター出力 150kW×4/両
主電動機 直流複巻電動機TDK8225-A
編成出力 1200kW
歯車比 82:17 (4.82)
制御装置 界磁チョッパ制御
駆動装置 中空軸平行カルダン駆動方式
ブレーキ方式 回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキ
保安ブレーキ
耐雪ブレーキ
増圧ブレーキ
保安装置 M式ATS
製造メーカー 日本車輌製造
種別・行先表示器(犬山駅

5000系電車(5000けいでんしゃ)は、名古屋鉄道通勤形電車

目次

[編集] 概要

名鉄では2006年9月29日特急列車の運行体系を見直すことを発表した。それによると、2000系「ミュースカイ」で運転される中部国際空港アクセス特急以外の列車はすべて一般車を連結した一部特別車編成に順次変更されることになった。これにより、1000系の全車特別車編成は余剰となることから廃車となり、同系列の主要機器を流用し、新規に製造された車体と組み合わせることとした。さらに老朽化した7000系パノラマカーを置き換えた。

なお、名鉄において機器流用車が製造されるのは1993年に落成した1030系2次車(1134F→その後1380系に改造)以来、15年ぶりのことである。

名鉄では1955年から1986年まで初代5000系が在籍しており、本系列は2代目であることから、「新5000系」と称されることもある。

[編集] 車体

3300系・3150系とほとんど同一の日車式ブロック工法による19m級片側3扉ステンレス車体である。ただし、先頭車前面は普通鋼製である。1000系の運転台機器を流用した関係で、先頭車前面は非貫通構造となり、1200系・1800系に似ているが、将来の非常用貫通扉設置改造が可能な設計とされている。

車体側面の帯色は3300系・3150系と共通で、側窓下に赤帯を1本配する。先頭車前面は3300系・3150系とはブレーキ方式が異なり(後述)、併結が不可能であることから、識別のため、3300系・3150系で用いられているダークグレーのライトベゼルとガーニッシュをやめ、前面窓下の赤帯も、ピンストライプから太めの子持ちラインに変更されている。

前面および側面の種別・行先表示器は、3300系・3150系ではオーロラビジョンR-STAYを採用していたが、本系列では名鉄初のフルカラーLED式に変更された。行先表示がLEDとなっている場合、側面の表示器は走行中は消灯するケースが多いが、5000系では走行中も点灯したままである。

[編集] 車内

客室のカラースキームはライトグレーを基調とする。

座席は2007年に落成した3150系2次車と同様にすべてロングシートで、一人当たりの掛け幅は470mm、座面高さは430mmである。座席モケットの色はブルー系を基調とする。構造は片持ち式が基本であるが、各車両の車端部1か所は機器艤装スペースを確保する観点から脚台付きとしている。客用ドア間の座席部には一部をライトブルーに着色したスタンションポールを2か所に配する。座席部のつり革の位置は床面から1,630mmである。

優先席は各車両10席に拡大された。座席モケットは赤系で、加えてつり革とスタンションポールをオレンジ色とすることで、一般座席との区別を明確にしている。ただし、JR東日本E233系などに見られる床や壁は本系列では施されていない。車椅子スペースは両先頭車の運転席後部に設置されている。3300系・3150系では折り畳み式の補助座席が設置されていたが、本系列では手すりと車椅子固定用のベルトを設置したため、荷物棚を含めて廃された。また、バリアフリー対策として3300系などと同じドアチャイムを装備している。

なお、優先席や車椅子スペースの形態は車体のフルカラーLED式種別・行先表示器とともに本系列以降の新造車両での標準仕様となった。

床は2次車まではブルーグレー系の濃淡の2色塗りであったが、2009年度製造分の3次車は前年の2次車投入後に落成した2300系瀬戸線4000系と同一で、バリアフリー対策として淡いブルーグレー系の単色にドア付近のみ黄着色、という仕様に変更されている。

車内案内表示器はLED2段表示式で、各車両の客用ドア上部3か所に千鳥配置している。

運転台は1000系の機器を流用したため主幹制御器とブレーキ弁を配した2ハンドル式である。計器パネル部にはタッチパネル式のモニタ装置(TICS)も設置されている。ただし従来の3300系などとは表示様式が異なっている。

[編集] 走行機器など

主回路システムは1000系から流用した東芝GTO界磁チョッパ制御である。電動機も流用品の直流複巻電動機を装備するため、ブラシの保守点検が必要であることから、電動車の客室内床面には主電動機点検蓋(トラップドア)が設置されている。2008年時点では日車式ブロック工法車体で唯一の直流電動機搭載車である[1]

ブレーキシステムは3300系・3150系の電気指令式とは異なり、1000系から流用した回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキである。車体重量の変化に対応してブレーキ力を調整する応荷重装置は乗車定員が増加したことから改造された。設計上は1380系・1800系・1850系との相互連結を考慮したものとなっており、1800系を連結した試運転も実施された。これにより120km/h運転も可能である。このため特急の突発的な代走にも使用できる。また5700系・5300系との連結も確認されている(この場合は120km/h運転は行わない)。

流用元の1000系「パノラマSuper」に似たライン(2008年4月18日、名鉄名古屋駅にて撮影)
1000系から流用のパンタグラフ
(モ5155 2008年7月1日 大江駅
1000系から流用の住友金属FS598形台車(M台車)
電動台車は当初から片押し式ブレーキ
(モ5153 2008年7月1日)
同じくFS098形台車(T台車)
この型の付随台車のみ1000系時代から両抱き式ブレーキ
(ク5002 2008年7月1日)

電動空気圧縮機 (CP) についても流用品のC-1000形交流電動機駆動タイプを装備する。種車の1000系全車特別車編成では3号車にトイレの汚物処理タンクを設置する関係で両先頭車に艤装されていたが、本系列はトイレは設置されていないため、他の4両固定編成の系列と同様に豊橋制御車・ク5000形と岐阜方電動車・モ5150形への艤装に変更された。

補助電源装置は直流330Vを給電するDC/DCコンバータをク5000形・モ5150形に搭載する。

2007年度製造分の1次車 (5001 - 5004F) は全編成ともボルスタ付き台車を装備しているが、2008年度製造予定の2次車からはボルスタレス台車装備の編成も落成する。ボルスタ付き台車に関しては、乗車定員が増加したことからブレーキ力を高めるため、ブレーキてこ比が変更された。制御車に装備する付随台車ではブレーキ配管を2つに分割することで各軸制御に変更し、滑走防止装置が設置された。今後落成予定のボルスタレス台車装備編成についてはユニットブレーキ式であり、所定のブレーキ力が確保可能なことから、前述の変更はされない予定である。

冷房装置は1000系流用品のインバータ制御集約分散式を各車に2基搭載する。周波数の変更で、1基あたりの能力は17000kcal/hに強化した。能力強化に伴い、種車の1000系にあった熱交換器(ロスナイ)は取り付けられていない。パンタグラフも1000系流用品の菱形を搭載する。

[編集] 編成・運用

※個別の編成を指す場合は、豊橋方のク5000形の車両番号を用いて「5001F」(「F」は編成を意味するFormationの頭文字)のように表記される。

  豊橋中部国際空港        名鉄岐阜 製造年度 機器供出元編成
ク5000(Tc1) モ5050(M2) モ5150(M1) ク5100(Tc2)
機器類 DCON, CP CONT DCON, CP
5001F 5001 5051 5151 5101 2007年度 1008F
5002F 5002 5052 5152 5102 2007年度 1005F
5003F 5003 5053 5153 5103 2007年度 1003F
5004F 5004 5054 5154 5104 2007年度 1009F
5005F 5005 5055 5155 5105 2008年度 1006F
5006F 5006 5056 5156 5106 2009年度 1002F
5007F 5007 5057 5157 5107 2009年度 1004F
5008F 5008 5058 5158 5108 2009年度 1007F
5009F 5009 5059 5159 5109 2009年度 1010F
5010F 5010 5060 5160 5110 2008年度 1017F
5011F 5011 5061 5161 5111 2008年度 1018F
5012F 5012 5062 5162 5112 2009年度 1019F
5013F 5013 5063 5163 5113 2008年度 1020F
5014F 5014 5064 5164 5114 2009年度 1021F
凡例 
CONT:主制御器 (1C8M) DCON:補助電源装置(DC/DCコンバータ)36kVA CP:空気圧縮機

1次車は2008年2月から3月にかけて4本が落成し、その後同月23日より順次営業運転を開始し、同月30日からは7000系5700系6両固定編成の運用の一部を置き換えた。その後、2次車は2008年5月に4本が落成し、同年6月のダイヤ改正より本格的に運行を開始、これにともない7000系6両編成(P6編成)は定期運用を終えた。3次車は2009年5月に2本 (5008F,5009F) が落成し、同年6月より営業運転を開始した。2009年10月3日改正時点では以下の路線で定期運行されている。

名古屋本線伊奈駅以西)
西尾線(土曜・休日のみ)
常滑線
空港線
築港線
河和線
知多新線
犬山線
各務原線
広見線犬山駅 - 新可児駅間)
津島線
尾西線津島駅 - 弥富駅間)

1次車の営業運転開始から2008年12月改正までは豊橋駅豊川線にも1日数回定期運用で入線していた他、平日にも津島線での定期運用があった。

三河線猿投 - 知立間は一部編成[2]猿投検車区に疎開留置された際に毎週1回1往復の営業運転を行ったほか、2009年7月の豊田おいでんまつり臨時列車に運用されたことがある。また、5013Fは営業開始間もない頃、代走で尾西線の津島駅 - 名鉄一宮駅間で営業運転を実施したことがある。

回送列車では重連や5300系や5700系、1380系と連結して走る場面も見られるが、2008年12月改正時点では基本的に営業列車では連結運転は行われておらず、終日4両編成で運用されている。なお、これまでに数回、1800系と連結した6両編成での営業運転が確認されている。

上表のように2009年度に6本製造され、最終的に合計14本が落成した(1000系トップナンバー編成1001Fは機器流用の種車から外された)。機器流用の種車となる1000系は製造年次により台車や一部の機器が異なるため、これを整理するために同系列のうち1・2次車 (1002 - 1010F) が種車のものは5001 - 5009F、4次車 (1017 - 1019F) が種車のものは5010 - 5012F、5次車 (1020, 1021F) が種車のものは5013F、5014Fとなった。

[編集] 参考文献

  • 名古屋鉄道(株)車両保守部車両保守課 新川彰浩「新車ガイド 名古屋鉄道5000系」『鉄道ファン』2008年5月号(通巻565号)p80 - 84、交友社

[編集] 脚注

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  1. ^ 車体更新車としては本系列のほか、横浜市交通局3000S形電車も存在する。
  2. ^ 5005F(2008年6月)、5006F・5014F(2009年9 -10月)が猿投検車区に疎開留置された。

[編集] 外部リンク

ウィキメディア・コモンズ

最終更新 2009年10月25日 (日) 13:22 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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