回文
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回文(かいぶん)とは、始めから(通常通り)読んだ場合と終わりから(通常と逆に)読んだ場合とで文字や音節の出現する順番が変わらず、なおかつ、言語としてある程度意味が通る文字列のことで、言葉遊びの一種である。英語では palindrome という。
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[編集] 日本語の回文
「磨かぬ鏡」「竹藪焼けた」など、言葉遊びとして古くからいくつもの例があり、子供の遊びの範疇でもある。普通は十文字に満たないものが多い。より長いものを作るのは難しいが、それが困難であるだけに、楽しみとして作る場合もある。
日本語回文のルールとして、濁音、半濁音、促音、拗音は清音と同一として考えることが多い。すなわち、「は行」と「ば行」と「ぱ行」、「つ」と「っ」、「や」と「ゃ」などは逆から読んだ際に発音が入れ替わっても問題はない。ただし、回文作家の中にはこれを嫌い、発音まで完全に回文にすることにこだわる者もいる。
以下に著名な古典的回文の例を挙げる。いずれも五七五七七の短歌律形式をとっている。
- 長き夜の 遠の睡りの 皆目醒め 波乗り船の 音の良きかな
- むら草に くさの名はもし 具はらは なそしも花の 咲くに咲くらむ[1]
- 惜しめとも ついにいつもと 行春は 悔ゆともついに いつもとめしを[1]
[編集] 回文的な作品
[編集] 回文的音楽
蟹行カノンは、音譜を前から読んだものと後ろから読んだものとを同時に演奏するものである。J.S.バッハの「音楽の捧げもの」にその例がある。
[編集] 回文的な文章
ダグラス・ホフスタッターはそれにちなんで著書『ゲーデル、エッシャー、バッハ』の中で回文的な会話からなる作品を作っている。亀とアキレスの会話が続き、途中で蟹がひと喋りして出て行くが、その後の会話が前半のアキレスと亀の立場を変えて逆にたどるように構成されている。
[編集] 生物学における“回文”
分子生物学でも回文またはパリンドロームという用語を用いる。これはDNAまたはRNAの配列に関して、二重鎖の一方を読んだ場合と、もう一方(相補鎖)を逆向きに読んだ場合が同じになる構造をいう。制限酵素で切られるターゲット配列はたいてい小規模の回文構造である。また大規模な回文構造はヘアピン状の立体構造をとりうるが、これは遺伝子の調節配列などに多くの例がみられる。
[編集] 関連項目
- 12月21日(回文の日)
- アナグラム
- 回文数
- 弘兼憲史(回文講座の雑誌連載を持つ漫画家)
- 山内あゆ(色気を含んだ回文作りを得意とするアナウンサー)
- レム色(自作回文のお笑い芸人)
- 土屋耕一 (「軽い機敏な子猫何匹いるか」など回文集の著作があるコピーライター)
[編集] 外部リンク
- ヒマラヤ山系の回文のページ
- 世界最長回文(日本語、かな1197文字。清濁区別なし)
- 非魔神流こじつけ回文(日本語、かな1339文字。清濁区別あり)
- 回文ユンブイカ(日本語、かな1551文字。清濁区別あり)
- A 17,259 word Palindrome(英語、17259語)
- THE LONGEST ONE(ポーランド語、33000字以上)
[編集] 回文を題材にした作品リスト
[編集] 書籍
- 『土屋耕一回文集—軽い機敏な仔猫何匹いるか—』 土屋耕一(誠文堂新光社 1971年)
- 『つつみがみっつ』 土屋耕一(福音館書店こどものとも 1975年)
- 『笑いの氾濫 巷に息吹く洒落精神』 乙田東洋司(関西市民書房 1981年)
- 『笑学強加書―ことばあそびばらいえてい』 日本笑学指導院笑鬼会本院冗皇・乙田東洋司(社会思想社 1984年)
- 『ことばあそび新文―ユーモア&クレージーニューズ』 笑鬼会本院・乙田東洋司(社会思想社 1986年)
- 『にわのわに』多田ヒロシ(こぐま社 1985年)
- 『まさかさかさま 動物回文集』 石津ちひろ(河出書房新社 1989年)
- 『またたび浴びたタマ』 村上春樹(文藝春秋 2000年)
- 『回文の国へようこそ』坂崎千春(中公文庫 2003年)
- 『ダンスがすんだ』フジモトマサル(新潮社 2004年)
- 『喜劇悲奇劇』 泡坂妻夫
- 『喜劇ひく悲奇劇』 鯨統一郎
- 『ゲームの国(リリおばさんの事件簿1)』 森博嗣
- 『終わりは始まり』 中村航・フジモトマサル(集英社 2008年)
[編集] 雑誌・番組内のコーナー
- 『笑いの文化人講座』
- 『ターン鳥チキン』 田中れいな・久住小春 (「ハロー!モーニング。」内コーナー: 2005年11月27日~2006年4月9日)
- 『おもしろ回文集「野茂のものは野茂のもの」』 (斉藤洋美のラジオはアメリカン)
[編集] 楽曲
- 『回文 21 面相』作詞:ビーンズ豆田、作曲:鈴木由花、歌:山崎清介(フジテレビ『ひらけ!ポンキッキ』より)
- 『ん?バナナのななばん』作詞:里乃塚玲央、作曲:大森俊之 (NHK『うたっておどろんぱ』より)
- 『トマト』作詞:荘司武、作曲:大中恩:トマトが回文になっていることをあつかった歌。
- 『世迷い言』作詞・作曲:中島みゆき
[編集] コマーシャル
- 山本山のコマーシャル:山本山が漢字の配列で回文になっている点を取り上げている。

