図像資料

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図像資料(ずぞうしりょう)とは、歴史資料のうち、絵画デザイン絵はがきポスター写真漫画地図・絵図などビジュアルなものの総称。文献資料を理解するときに大きな威力を発揮するだけではなく、文献資料だけでは得られない情報も非常に多いため、今日では歴史理解に必須の資料とされるようになった。

目次

[編集] 絵画

洛中洛外図」細川家

絵画資料(絵画史料)は今日きわめて脚光を浴びているが、その最大の功労者と考えられるのが絵画史料論の開拓者東京大学史料編纂所教授の黒田日出男1943年-)である。主著書に、

があり、編書には、

  • 『週刊朝日百科 日本の歴史 別冊 歴史の読み方1 絵画史料の読み方』(朝日新聞社1988年

がある。

また、五味文彦(1946年-)も早くから絵画資料に着目しており、主著に、

がある。五味の編著としては、

  • 『絵巻に中世を読む』(吉川弘文館、1995年11月、ISBN 4642074767

がある。

黒田・五味以外では、

なども絵画資料を駆使した優れた論考として話題を呼んだ[1]

西洋史では、

がある。

[編集] デザイン

  • 柏木博著『肖像のなかの権力-近代日本のグラフィズムを読む』(平凡社、1987年8月、ISBN 4582284590
  • 多川精一著『戦争のグラフィズム-回想の「Front」』(平凡社、1988年5月、ISBN 4582738060
  • 多川精一著『戦争のグラフィズム―「FRONT」を創った人々』(平凡社、2000年7月、ISBN 4582763499

いずれも名著として知られる。

[編集] 絵はがき

産学官合同の「北東アジア・データベース研究会」(神奈川大学北東アジア地域研究センターを拠点とする)は、国内外の研究者、教育者、アーキビストコレクターなどが共通して非文献資料を利用するための基盤づくりが必要であるとして、視覚的なデータベースを構築することを目的に活動している。同研究会では、2005年2月に「戦前期、東アジア絵はがきデータベース」を公開している。

絵はがきへの主要なアプローチとして貴志俊彦は、

  1. 具現性。文字で追えない図像資料の重要性を唱える立場。建築都市研究美術史ならびに考現学の方法
  2. 絵はがきをプロパガンダと見なす立場。メディア史研究や政治学が強調する方法
  3. 印刷技術とかかわらせて解明する技術史的立場
  4. 絵はがきの虚構性を警告するもの。情報資料学や文献学の手法

の4つを指摘している[2]

[編集] ポスター

貴志俊彦は、絵はがきデータベースにつづき、「満洲国とメディア」を構築している。 満洲国とポスターによる宣撫宣伝については、「満洲国の情報宣伝政策と記念行事」[3]がある。

[編集] 写真

写真資料も、特に近代以降の歴史研究には欠かせないものである。

  • 国土地理院 国土変遷アーカイブ 空中写真閲覧システム[1]では、国土地理院が保有する、戦後から現在までの空中写真データの検索、閲覧等ができるようになっている。
  • 佐野眞一著『宮本常一の写真に読む失われた昭和』(平凡社、2004年6月、ISBN 4582832253)は、民俗学者宮本常一が戦前から昭和50年代に至るまで日本中の村や島を訪ね歩いて撮影した写真約10万点から、ノンフィクション作家である著者が、主に昭和30年代のコレクション約200点を選んで解説を加えたものである。
  • 渋谷四郎著『北海道写真史-幕末・明治』(平凡社、1983年11月)は北海道開拓事業のようすや明治初年の頃のアイヌ民族の風俗などをあらわす貴重な古写真を集めている。

[編集] 漫画

清水勲1939年-)の一連の著作が資料としての漫画を取り上げている。

[編集] 絵図

絵図を用いた著作には、黒田前掲『姿としぐさの中世史』のほか

  • 水本邦彦著『絵図と景観の近世』(校倉書房、2002年5月、ISBN 4751733001
  • 杉森哲也著『描かれた近世都市』(山川出版社<日本史リブレット>、2003年12月、ISBN 4634544407
  • 仁木宏著『戦国時代、村と町のかたち』』(山川出版社<日本史リブレット>、2004年2月、ISBN 4634542609

があり、集落論や歴史地理学的研究、地域の変遷を考察する際に欠くことのできない資料となる。

国土地理院 古地図コレクション[2]では、国土地理院が所蔵する古地図等をカテゴリ別に分類、公開している。

ややくだけたガイドブック的なものとしては、

  • 菅井靖雄著『広重の三都めぐり―京絵図大全・大坂細見図・御江戸大絵図で歩く 京・大坂・江戸・近江』(人文社、2006年11月、ISBN 4795919127
  • 森山悦乃・松村真佐子著『広重の諸国六十余州旅景色―大日本国細図・名所図会で巡る』(人文社、2005年9月、ISBN 4795919100

などがある。

図録は全国各地の博物館や公文書館から各種のものが発行されている。なかでも、

は内外の古地図資料の優品を掲載している。

また、絵図を日本史教育に用いた授業実践には次のような事例がある。

[編集] 脚注

  1. ^ 戦後日本における非文献資料への関心は、1980年代、「カルチュラル・ターン」と呼ばれる文化史への再評価が契機となって起こっている。平凡社が1986年から1994年まで「イメージ・リーディング叢書」を発行しつづけたことは、その現れである。
  2. ^ 貴志(2006)
  3. ^ 貴志(2007)

[編集] 関連項目

[編集] 参考文献

  • 近代日本研究会編「近代日本と情報」『年報 近代日本研究 12』山川出版社、1990
  • 貴志俊彦「東アジアを描く非文字資料のデータベース化」『歴史と地理No.594<世界史の研究207>』山川出版社、2006.5
  • 貴志俊彦「満洲国の情報宣伝政策と記念行事」(平野健一郎編『日中戦争期の中国における社会・文化変容』東洋文庫、2007.3

[編集] 外部リンク

最終更新 2008年11月24日 (月) 04:21 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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