国民主権
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国民主権(こくみんしゅけん、英: popular sovereignty、独: Volkssouveränität)は、国民が政治権力の源(拠り所)であり、政府は国民の意思により設立され運営される機関であるとする思想のこと。主権在民または人民主権ともいう。
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[編集] 歴史
国民主権の歴史は、1320年のアーブロース宣言にまで遡り、その後、近代になって、社会契約論を背景にホッブス、ロック、ルソーによって発展させられた。
1776年のバージニア憲法が人民主権を採用した初めての憲法とされ、他の州やアメリカ合衆国の合衆国憲法もこれを引き継いだ。
[編集] 日本における学説
日本国憲法第1条が国民主権を定めている。日本国憲法の学説においては平和主義、基本的人権の尊重とともに三大原則の一つとされている。この憲法における国民主権は、個人主義と人権思想の原理に立脚する、とされている。
国民主権のもとでは、主権は国民に由来し、国民は選挙を通じて代表機関である議会、もしくは国民投票などを通じて主権を行使する。その責任も国民に帰趨する。
アーブロース宣言にみられるように伝統的には君主主権と相反するものではないとされていたが、日本国憲法下の学説では君主主権を否定する原理であるとするものが多い。
[編集] 伝統的見解
国民主権とは、全国民が国家権力を究極的に根拠づけ正当化する権威を有すること(正当性の契機)に尽きるとの学説が伝統的な見解である。この見解は、正当性の契機における「国民」は、国家権力の正当化し権威付ける根拠であるから、有権者に限定されず、抽象的な全国民を意味し、代表民主制を要請すると解する。
[編集] プープル主権論とナシオン主権論
以上のような伝統的見解をあまりに無内容であると批判してフランスの学説を参考にプープル主権論を主張する見解が現われた。
プープル主権とは、「国民」を「現に存在する人の集団(能動的市民からなる有権者団)」と考える説である。この説によれば、主権者たる「国民」の意思は、現に存在する人々の具体的な意思であり、直接民主制あるいは命令委任に基づく代表者によって具体的に表される。この点において、プープル主権は直接民主制、普通選挙制と密接に結びつく。普通選挙制と結びつくのは、全国民からあまねく意思を吸い上げることで、具体的な国民の意思が表れると考えられるからである。
プープル主権論によれば、伝統的な見解は、代表民主制(究極的には純粋代表制)、制限選挙制と密接に結びつく「国民」を「過去から未来までを通じて存在する、抽象的な人間の集団」と考えるナシオン主権と五十歩百歩で、普通選挙制を採用する日本国憲法に合致しない非民主的な主張と批判されることになる。ナシオン主権論によれば、主権者たる「国民」の意思は抽象的にしか存在しえず、これは自由委任に基づく代表者による討論の中で再現される。この点において、制限選挙制と結びつくのは、抽象的な国民の意思を再現すべき自由委任に基づく代表者の選出には、一定の能力が必要とされると考えられるからである。
[編集] 展開
その後、上記のような特殊フランス的な議論の建て方をする必要はないとして、国民主権は正当性の契機に尽きるとの伝統的見解を前提としつつも、プープル主権論の問題提起を受け止め、一定の範囲でとりいれようとする折衷的見解が現われた。それが国民主権は、正当性の契機につきるものではなく、国民が代表者を通じて間接に、あるいは国民投票などを通じて直接に、国家の最終的な意思決定を行う権力を行使すること(権力的契機)の二つを含むという見解である。
この見解は、権力的契機は国家の最終的な意思決定権力の行使であるから、具体的には国家の最高規範の定立すなわち憲法制定権力(制憲権)の行使として表れる。しかしながら、制憲権の行使を自由に認めることは憲法秩序の不安定化を招くため、制憲権の行使たる憲法制定時に、制憲権自身がその権力を、制度化された制憲権としての憲法改正権として憲法中に封じ込めたと解する。また、権力的契機の面における「国民」は、実際に国家の意思決定権力を行使することから、有権者(団)を意味するものと解する。
[編集] 関連項目
最終更新 2009年9月11日 (金) 22:04 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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