国際英語論

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国際英語論(こくさいえいごろん)とは、英米の英語を規範とするのではなく、まさに「世界の非英語話者による国際コミュニケーションのための新英語を確立」し、国際理解、国際協調、国際共生を図っていこうとする思想をさす。

国際英語は、多数の方言の中で、国際コミュニケーションの手段としての英語概念であり、更には言語のための国際標準に向かう動向でもある。国際英語は、地球英語・世界英語・共通英語・一般英語とも呼ばれている。時々、これらの条件は、単に世界の至る所で話される英語の変種の配列に言及することがある。

国際英語」と上述の関連語は、望ましい標準英語として言及されることがあるが、この目標へ向けてのコンセンサスは十分に得られていない。

日本でこれを主張している著名かつ代表的な人物は、それぞれ立場は違うものの鈴木孝夫[1]・本名信行[2]船橋洋一[3]らが「国際英語論」に近い立場をとっている。

このグローバルな英語の拡大に対して批判的に見るグループに、大石俊一[4]津田幸男[5]・中村敬[6]らに代表される反「英語帝国主義」論がある。


目次

[編集] 歴史

英語史」も参照

現代の国際英語の概念は突如現れたものではなく、英語発達史の産物である。

[編集] 奨励のための方法論

人工言語の支持者とは異なり、国際英語の支持者は、 英語はすでに世界語であるという確信がある一方で[7]国際語は本質的に造られたものであるべきだという確信と向き合うことになる[8]。そのような環境の下で、少なくとも4つの基本的なアプローチが提案・使用された、更なる拡大または国際英語の強化へ向けた、それとは対照的に、それらへの反発、国際補助語を進めるのに用いられる方法。

  1. 自由放任主義のアプローチ
    1. 他のアプローチについての不案内から、または、英語がより速くどんな特定の世界的な法律のないより完全に国際語にでもなる(またはより少しの異議で)という確信から取り出されます。 This approach is taken either out of ignorance of the other approaches or out of a belief that English will more quickly (or with fewer objections) become a more fully international language without any specific global legislation.
  2. 言語プログラムの組織の後援と草の根運動の促進
    1. 英語を支援している個人的・組織的な草の根運動があったので、正式な国際支援を得るいかなる試みもなしに、一部の政府は、海外の英語プログラムの後援を通して英語の拡大を促進させた[9]
  3. 国家レベルの法制度
    1. 英語の拡大を進めて、時間とともにより多くの国を含むことができると信じて、少なくとも数種類の公式地位を持ちながら英語を守る国を勇気付けるアプローチ。
  4. 国際レベルの法制度
    1. このアプローチは、それから世界中の全ての学校で教えられるはずの公式国際補助語について正式に同意するため国際条約締結[10]の将来の保持の促進を必要とする、主要なレベルから始まる。英語に代わる代替言語を考慮する間[11]、このアプローチは、言語の後に国際世論と法律を置くために、提案された条約の代表団の十分な大多数によって、そして、完全な世界公用語として国際補助語を強化するために英語が選ばれる可能性を考慮に入れている。

[編集] 現代の地球語

en:Braj Kachru は、英語の使用を三重の同心円で分類した[12]

「内円」には、英語の伝統的な基盤である英国アイルランド米国といった国々と、ゆるく、歴史的に主に白人が多く住んでいる旧植民地であるオーストラリアニュージーランドカリブ海の若干の島・カナダの英語人[13]。これらの国々の国語は英語であって、これらの国々に住んでいる大部分の人々にとって英語は母語である。

「外円」には、英語が公用語であるか、歴史的に「特別な重要性」を持っている国が入る。例えばフィリピンといった米国の影響下にある国々、旧大英帝国の末裔であるインドナイジェリアのような人口の多い国を含むイギリス連邦の大部分が当たる。これらの地域では、英語は民族のおよび言語グループ間で役に立つリンガ・フランカとして用いられ、高等教育議会司法・国際貿易・その他諸々は、主に英語が媒介言語になっている。

「拡大円」には、英語に公式的な役割がない国が該当するのだが、特に多国籍企業のような特定の分野では英語は重要な役割を果たしている。最近では、上で分類されない残りの世界の大部分で英語はリンガ・フランカとして使用されている。

最近の発展は、相互理解がたやすいデンマーク語ノルウェー語スウェーデン語といったスカンジナビアの言語の話者間でも英語がリンガ・フランカとしての役割を果たしている。スカンジナビアの年配の世代は、各々が母語を使用しても問題なくわかりあえるのだが、今日の若年の世代では理解が欠如してきて、代替手段として英語を使用し始める若者たちが出てきた[14]

「拡大円」でのリンガ・フランカとしての英語の研究は比較的新しく、この分野で活発な研究を行っている言語学者には、Jennifer Jenkins[15]・Barbara Seidlhofer・Christiane Meierkord[16]de:Joachim Grzega らがいる。

[編集] 外国語教育におけるリンガ・フランカとしての英語

英語教育」も参照

第二言語としての英語(English as an additional language, EAL)は通常、アメリカ英語またはイギリス英語のどちらかの標準に基づいている。国際語としての英語(English as an international language, EIL)は、もちろん第二言語として学ばれ、主要方言の差異を理解することが重視される。国際語としての英語は、特に学生が国際コミュニケーション・ツールとして身に付けることを狙いとしている[要出典]

「簡易化英語」のいくつかのモデルが外国語として英語を教えるために提案された。

さらに、 ランドルフ・クァーク(Randolph Quirk)とガブリエレ・シュタイン(Gabriele Stein)は Nuclear English を考え出したが、しっかりとした形では示せなかった[17]

[編集] 様々な概念

[編集] 普遍性と柔軟性

国際英語は時々、ただ単に母語話者によって所有される言語としてではなく、それを使うすべての人々によって所有される言語として、発展途上国で実際に使われている英語に言及することがある。

基本的に、国際英語は常にそうでもなく、必ずしもそうでないのだが、しばしば暗黙のうちに標準とみなされが、英語全般をカバーする。国際英語は、アメリカ英語イギリス英語・南アフリカ英語などとは対照的に特に言語が全体として中で考慮されるとき、世界のリンガ・フランカとして英語の習得、使用と勉強と関連して確かに一般的に用いられることもある (TEIL: Teaching English as an International Language)。— McArthur (2002, p. 444–45)

国際英語は、地域主義に反して特に英語圏で一般的に理解される英語の単語や熟語を意味する。非英語母語話者の英語能力の重要性は、長年のジョークの背後で科学テクノロジー国際語は「怪しげな英語」であると認知されうる。

[編集] 中立性

国際英語は、文化的な中立の方へ手を伸ばす。国際英語は、実用を持つ

「個々の地域の市場に合わせて出版物を再編集しなければならないことから救う一種の英語よりものがあるだろうか!第二言語としての英語の教師や学習者は、国際英語が魅力的なものだとわかるようになって、アメリカ英語イギリス英語 カナダ英語オーストラリア英語の色彩がない中立な英語でなければならないと懸念している。しかし、いかなる地域の英語の変種でも、それがいわゆる『標準的な』形式であっても 政治的・社会的・文化的な一連の含蓄を持っていることは、付け加えておきたい。」 — Peters (2004, International English)

この視点によると、国際英語は、ビクトリア朝英国植民地帝国主義や、20世紀米国のいわゆる「文化帝国主義」によって定義される側面を最小化する英語の概念である。英国の植民地主義が、世界のほとんどに英語の基盤を置く一方で、国際英語アメリカナイゼーションにとても起因しているが、概念的に米国の影響と英国の植民地の影響を軽くする傾向がある「クロス・トーク」と言語文化帝国主義のはるかにより大きな程度に基づいている新生の世界文化の産物である。

国際英語の発達はしばしば正式な英語の使用は一般的で、言葉遣いの創造的な使用は最低限である学術的・科学的な場に集中している。この形式的な国際英語は、全体としての西洋文化と大方の西洋の文化的価値観への参入を許している。

[編集] 反対論

詳細は「英語帝国主義」を参照

多くの人は、英語がアメリカ英語・イギリス英語といった少し異なる形であれ一つのまとまった英語であるかどうかに関係なく、その継続した成長は、一種の文化帝国主義とみなす。

en:Robert Phillipson は、Linguistic Imperialism (1992) という自著で、そのような中立の可能性に反対している。話によれば、「正しい英語」を使用したい学習者は、アメリカ英語イギリス英語の二重標準と、オーストラリア英語カナダ英語といったよりマイナーな「標準英語」に実際直面する。

Trimnell (2005) は、国際版の英語は基本的な考えだけを伝えるものに過ぎないと主張する。複雑な議論(ビジネスの場面・専門的な議論)をする際には、英語は非母語話者にとって十分な通信手段になりえない。Trimnell (ibid.) も、英語母語話者が国際英語に信頼を置くことによって、「他者の言語能力に依存する」ようになったと主張する。[18]

[編集] 充当理論

言語帝国主義論と en:David Crystal らに代表される「英語は中立的だとする学説」の両方を拒絶する人たちもいる。彼らは、英語の世界的な拡大現象が「充当」 [19]の枠組み[20]を使えば理解しやすくなると主張する。例えば、非英語圏デモ参加者は、世界中のテレビ観衆に向けて彼らの要求を伝えるために、しばしば英語の標識を使う。

英語教育においては、Bobda (1997: 225) は、カメルーンがどのように単一文化的で英国中心的な英語教授法から脱皮して、教材を徐々にカメルーンのコンテクストに適合させていったかを示している。扱われている非西洋的な話題の例としては、アミール・伝統的な医療・一夫多妻制などが挙げられる。Kramsch and Sullivan (1996) は、西洋の方法論と教科書がどのように現地のベトナム文化に適合されたかについて述べている。パキスタンの教科書『初級英語』(1993) は、例えば「わが祖国、パキスタン」・「我らの緑月旗」・「我らの偉大な指導者」のような西洋人の耳にはタカ派的に聞こえる学課を含む (Malik 1993: 5,6,7)。しかし、自国の文化の範囲内で、パンジャーブ教科書委員会 (PTB) の委員長が公然と述べるように、英語教育・愛国心ムスリムの信仰の三つのつながりを確立することは、英語教育の狙いのうちの1つとみなされる。

「委員会は・・・あなたたち(学生)の母国のイデオロギーの境界を守るために、これらの教科書を通して、学生たちにイスラームの価値観と自覚の愛情を植えつけることに注力している (Punjab Text Book Board 1997)。」

[編集] 複数の英語たち

将来、英語の更なる標準化を推し進めることになった場合、多くのなされなければならない難しい選択が発生することになる。それには、現在の標準を採用するのか、人工的なのものではなく、より中立なものにするのかといった選択が含まれる。本当の国際英語は、国際コミュニケーションのための英語の変種としての現在のアメリカ英語イギリス英語の両方の地位を奪い取られて、英米の標準英語は地域方言に格下げとなり、他の全ての英語の変種・en:General Americanイギリス標準英語が全部一緒になったものが出てくるかもしれない。

そのうち我々は全員、2つの標準的なEnglishesの支配下にいる必要になるだろう。一つは、ナショナル・アイデンティティとローカル・アイデンティティを与えてくれる英語で、もう一つは、残りの人類と接触するときに必要な英語。我々は全員、実質的にバイリンガルになる必要があるかもしれない。— David Crystal (1988: 265)

これは「非標準英語」が母語であるが、標準英語も学んだ多くの英語話者が直面する状況である。多くの研究者はしばしば資料を大変な困難なしで必要に応じて変化のスタイルとつづりの英語の様々な変種を必要としている雑誌で発表している。

正書法に関しては、大西洋の両側で初の有力な辞書編纂者(辞書ライター)のためにアメリカ英語イギリス英語の使用の違いは目立つようになった。1755年サミュエル・ジョンソンの辞書は、大いにノルマン語に影響されたつづり(例えばcentre・colour)を支持したが、 1783年に発表されたノア・ウェブスターの初の米国の正書法の手引きは、center・colorというようにラテン語風のつづりを好んだ。ジョンソンとウェブスターの戦略の違いと哲学は、主に今日存在する英語のつづりの主要な分割の原因となった。しかし、これらの違いがとても微少であることは明らかだ。正書法は英語の方言のほんの些細な違いの部分であって(音声学上つづられた対話において以外)、方言の差異でさえ反映さえしないかもしれない。国際英語は、同意された正書法パターンだけでなくもっと多くのことに言及する。

[編集] 二重の基準

国際英語へのアプローチには、個性的・内包的なアプローチと新方言へのアプローチがある。

個性的なアプローチは、意味された標準的な慣例の範囲内で、違いの有効性を受け入れて、個々の著者が望むとおりに書いたり綴ったりできる統制を与える。『ロングマン新英語文法』(1999, LGSWE[21]) は、 アメリカ英語イギリス英語の両方の記述的な研究で、各章はその章の主要な編集者が選んだ英米どちらかの正書法に沿って執筆されている。

新方言アプローチは、言語に対するいかなる偏見をも避けて、米英混合形の特有の国際的な正書法を使用しようとする The Cambridge Guide to English Usage (Peters, 2004) に見られる。しかし、どちらかというとアメリカ英語の音声システムと正書法を好む傾向がある。

[編集] 関連項目

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  1. ^ 鈴木孝夫 (2000)『英語はいらない!?』 PHP研究所 ISBN 978-4569613192
  2. ^ 本名信行 (2003)『世界の英語を歩く』 集英社 ISBN 978-4087202175
  3. ^ 船橋洋一 (2000)『あえて英語公用語論』 文藝春秋 ISBN 978-4166601226
  4. ^ 大石俊一 (2005)『英語帝国主義に抗する理念 「思想」論としての「英語」論』 明石書店 ISBN 978-4750322322
  5. ^ 津田幸男 (2006)『英語支配とことばの平等 英語が世界標準語でいいのか?』 慶應義塾大学出版会 ISBN 978-4766413045
  6. ^ 中村敬 (2004)『なぜ、「英語」が問題なのか? 英語の政治・社会論』 三元社 ISBN 978-4883031429
  7. ^ そして、そのように、何もさらにそれを進めるためにされる必要はない
  8. ^ 例えば、中国語エスペラントは通常、ただ単にShìjièyŭ世界语, 世界語)と呼ばれる。または「世界言語」と呼ばれる)。
  9. ^ 指導・マーケティングなどを通してであるにせよ
  10. ^ おそらくそのような国際組織後援であるために国際連合または列国議会同盟として
  11. ^ 必然的に民主主義のアプローチであるために
  12. ^ Kachru, Braj B. (1982/1992) The Other Tongue: English across Cultures 2nd ed., University of Illinois Press p.356 ISBN 978-0252062001
  13. ^ 南アフリカは、特例と考えられている。(西部にはアフリカーンス語を話す白人がたくさん住んでいるはずだけど・・・)
  14. ^ (ノルウェー語)Nordisk språkfellesskap på vei ut
  15. ^ Jenkins, Jennifer (2007) English as a Lingua Franca Oxford University Press ISBN 978-0194422376
  16. ^ Knapp, Karlfried &, Christiane Meierkord [Eds.] (2002) Lingua Franca Communication Peter Lang Publishing ISBN 978-0820454382/ISBN 978-3631364604
  17. ^ Quirk, Randolph & Gabriele Stein (1991) English in use Longman ISBN 978-0582066137
  18. ^ Trimnell, Edward (2005) Why You Need a Foreign Language & How to Learn One Beechmont Crest Publishing ISBN 978-0974833019
  19. ^ 例えばSpichtinger 2000を参照せよ。
  20. ^ つまり、世界の人々は英語をローカルな目的のために使うと説明する枠組み。
  21. ^ Biber, Douglas [Ed.] (1999) Longman Grammar of Spoken and Written English Longman ISBN 978-0582237254

[編集] 参考文献

最終更新 2009年7月27日 (月) 12:25 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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