国際財務報告基準

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国際財務報告基準(こくさいざいむほうこくきじゅん、International Financial Reporting Standards、IFRSs、IFRS)とは、国際会計基準審議会(IASB)によって設定される会計基準である。国際会計基準(International Accounting Standards、IAS)は、IASBの前身である国際会計基準委員会(IASC)によって設定された会計基準である。国際財務報告基準は、国際会計基準を含む総称として広義で用いられることもある。

目次

[編集] 概要

国際財務報告基準(International FinancialReporting Standards、IFRSs)とは、国際会計基準(International Accounting Standards、IAS)、解釈指針委員会(Standing Interpretations Committee、SIC)解釈指針書等、国際財務報告基準書(International FinancialReporting Standard、IFRS)、国際財務報告基準解釈指針委員会(International Financial Reporting Interpretations Committee、IFRIC)解釈指針からなる会計基準群の総称である。

このうち、国際会計基準(IAS)及び解釈指針委員会(SIC)解釈指針書等は、国際会計基準委員会(IASC)から国際会計基準審議会(IASB)へ基準設定機関としての機能とともに承継(2001年4月)した会計基準であり、国際財務報告基準書(IFRS)及び国際財務報告基準解釈指針委員会(IFRIC)解釈指針は、国際会計基準審議会(IASB)による会計基準である。

2005年からEU域内の上場企業に対しては国際財務報告基準及び解釈指針のうち欧州委員会が認めたもの(EU会計基準)が強制適用とされている。また、EU域内の外国上場企業は、本国の会計基準がIFRSと同等でない場合には、2009年以降、IFRSの適用が強制される(いわゆる2009年問題)。さらに2007年からは中国でIFRSとの同等性を意識した企業会計準則が適用されている。資産負債アプローチをその特徴とし、2005年に改訂され、損益計算書を廃止し業績報告書を導入する予定となっている。 なお、"IFRS"のカタカナ語読みは「イファース」であり、「アイファース」ではない。IASB理事によれば、後者の読み方には、四文字言葉を連想させるような不適切な語感があるため、とされる。

[編集] 基準の項目

[編集] 国際財務報告基準書(IFRS)

  • IFRS1 国際財務報告基準の初度適用
  • IFRS2 株式報酬
  • IFRS3 企業結合
  • IFRS4 保険契約
  • IFRS5 売却目的で保有している非流動資産及び廃止事業
  • IFRS6 鉱物資源の探査及び評価
  • IFRS7 金融商品―開示
  • IFRS8 セグメント別報告

[編集] 国際財務報告基準解釈指針委員会解釈指針(IFRIC)

  • IRFIC 1
  • IRFIC 2
  • IRFIC 3
  • IRFIC 4
  • IRFIC 5
  • IRFIC 6
  • IRFIC 7
  • IRFIC 8
  • IRFIC 9
  • IRFIC 10
  • IRFIC 11
  • IRFIC 12
  • IRFIC 13
  • IRFIC 14
  • IRFIC 15
  • IRFIC 16
  • IRFIC 17

[編集] 国際会計基準

国際会計基準の項を参照されたい。

[編集] 解釈指針委員会解釈指針書等(SIC)

国際会計基準の項を参照されたい。


[編集] 現在有効な基準及び今後適用される基準

  • IAS 1 財務諸表の表示
  • IAS 2 たな卸資産
  • IAS 7 キャッシュ・フロー計算書
  • IAS 8 会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬
  • IAS 10 後発事象
  • IAS 11 工事契約
  • IAS 12 法人所得税
  • IAS 14 セグメント別報告(2008年末まで)
  • IAS 16 有形固定資産
  • IAS 17 リース
  • IAS 18 収益
  • IAS 19 従業員給付
  • IAS 20 政府補助金の会計処理及び政府援助の開示
  • IAS 21 外国為替レート変動の影響
  • IAS 23 借入費用
  • IAS 24 関連当事者の開示
  • IAS 26 退職給付制度の会計及び報告
  • IAS 27 連結及び個別財務諸表
  • IAS 28 関連会社に対する投資
  • IAS 29 超インフレ経済下における財務報告
  • IAS 30 銀行及び類似する金融機関の財務諸表における開示
  • IAS 31 ジョイント・ベンチャーに対する持分
  • IAS 32 金融商品: 開示及び表示
  • IAS 33 1株当たり利益
  • IAS 34 中間財務報告
  • IAS 36 資産の減損
  • IAS 37 引当金、偶発債務及び偶発資産
  • IAS 38 無形資産
  • IAS 39 金融商品: 認識及び測定
  • IAS 40 投資不動産
  • IAS 41 農業
  • IFRS 1 国際財務報告基準の初度適用
  • IFRS 2 株式報酬
  • IFRS 3 企業結合
  • IFRS 4 保険契約
  • IFRS 5 売却目的で保有している非流動資産及び廃止事業
  • IFRS 6 鉱物資源の探査及び評価
  • IFRS 7 金融商品―開示
  • IFRS 8 セグメント別報告(2009年から)

[編集] 日本における採用

米国証券取引委員会(SEC)が米国上場企業による国際財務報告基準(IFRS)適用を明確にしたことにより、既に採用されているEUとともに世界の二大経済地域である欧州と北米においてのIFRSの適用が決定化し、IFRSのその名の通りの国際基準としての位置付けが確定的となる。北米および欧州の各国の証券取引所が統一の基準で会計処理を行う中で日本の証券市場の各社の財務報告だけが別の基準で公開されるのであれば世界の投資家は日本の市場をす通りすることも考えられる。このためIFRSと従来の基準の同時採用あるいはIFRSの強制適用の検討が急速に行われた。日本の企業会計基準委員会は、2011年までに日本基準と国際会計基準を共通化することを国際会計基準審議会(IASB)と合意している。

[編集] 日本の会計基準との主な違い

アメリカの条文主義の会計基準を基礎とした日本と違い国際財務報告基準はイギリスの原理原則主義を基礎としている。原則に沿う限り各社で会計方針や会計処理が異なることも許される。まれに条文に沿えば「公正で適切」な会計表記の「原則」から遊離すると会計士が判断する場合は条文からの遊離も認められる。ただしこの場合は会計方針およびその取り扱いの説明の情報公開が義務付けされる。よって下記の種種の違いもその背景にある原理原則を理解しないと意味をなさない。

  • 持分プーリング法は、日本では一定の場合に適用されるが、IFRSでは禁止
  • のれんは、日本では20年以内の均等償却であるが、IFRSでは非償却
  • 負ののれんは、日本では20年以内の均等償却であるが、IFRSでは利益計上
  • 開発費は、日本では発生時費用処理であるが、IFRSでは資産計上
  • たな卸資産の後入先出法や最終仕入原価法は、IFRSでは禁止
  • たな卸資産の低価法評価損は、日本では洗替法と切り放し法の選択だが、IFRSでは洗替法
  • 投資不動産は、日本では原価法で時価の注記は不要だが、IFRSでは原価法と時価法の選択で原価法の場合には時価の注記が必要
  • 償還義務のある優先株式は、日本では資本だが、IFRSでは負債計上
  • 実質支配の要素は、日本では一定の議決権比率を満たした場合に考慮されるが、IFRSではそれだけで支配となる
  • 工事収益について、日本では完成基準と進行基準の選択性だが、IFRSでは進行基準
  • 外貨建ののれんは、日本では取得時レートで換算されるが、IFRSでは期末レートで換算される
  • 金融商品の公正時価の注記は、日本では有価証券とデリバティブに限られるが、IFRSではすべての金融商品
  • 子会社等の取得や売却を、日本ではみなし取得日やみなし売却日で処理できるが、IFRSでは明文規定がない
  • 社債発行費等、金融負債の発行費用は、日本では原則として発生時に費用処理だが、IFRSでは調達期間にわたり費用配分する
  • 有給休暇引当金は、日本では基準も実務慣行もないが、IFRSでは計上が求められる
  • 退職給付債務の割引率は、日本では一定期間の平均利率に基づいて決めることができるが、IFRSでは認められない
  • 固定資産の解体撤去費や原状回復費等の資産除却負債は、日本基準では取得当初に見積計上しないが、IFRSでは見積計上する
  • ファイナンス・リースについて、日本ではリース料総額300万円未満の所有権移転外ファイナンス・リースを賃貸借処理することを認めるが、IFRSではそのような数値基準はない
  • 数理計算上の差異は、日本では遅延認識だが、IFRSでは回廊アプローチも可能
  • 退職給付債務のデータ等の基準日は、日本では期末日前おおむね一年内であればよいが、IFRSでは原則として期末
  • 繰延税金は、日本では流動と固定に区分するが、IFRSでは固定

[編集] 会計基準のコンバージェンス

2005年7月に欧州証券規制当局委員会(CESR)が公表した同等性評価に関する技術的助言を踏まえ、企業会計基準委員会(ASBJ)と国際会計基準審議会(IASB)は、日本基準と国際会計基準とのコンバージェンス(収れん)への取組みを行っている。

国際会計基準審議会(IASB)と米国財務会計基準審議会(FASB)は、IFRSと米国会計基準のコンバージェンスについて2002年10月に合意した(ノーウォーク合意)。

  • 2008年12月12日 欧州委員会が、日本、米国の会計基準について、EUで採用されている国際会計基準(IFRS)と同等と認める一方、中国、カナダ、韓国、インドの会計基準については、2011年までに状況の見直しを行なうとの条件の下、同等と認めるとの決定を公表[1]
  • 2008年12月19日 欧州連合(EU)における会計基準の同等性評価について、EU官報に掲載[2]

[編集] 関連項目

[編集] 関連書籍

  • 国際財務報告基準(IFRSs)2007(日本語訳監修:企業会計基準委員会 / 財団法人財務会計基準機構)発行:レクシスネクシス・ジャパン 発売:雄松堂出版
  • 『国際会計の実務 全2巻』-International GAAP 2007/8(アーンスト・アンド・ヤング 著 新日本監査法人 監修)発行:レクシスネクシス・ジャパン 発売:雄松堂出版

[編集] 脚注

  1. ^ 会計基準の同等性評価に係る欧州委員会の決定について,金融庁
  2. ^ 欧州連合(EU)における会計基準の同等性評価について,金融庁,2009年1月7日

[編集] 関連リンク


最終更新 2009年10月14日 (水) 22:30 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【国際財務報告基準】変更履歴

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