国際運転免許証
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国際運転免許証(こくさいうんてんめんきょしょう)とは、道路交通に関する条約(Convention on Road Traffic)に基づき、当条約締約国が交付する自動車等の運転免許証である。本来は免許取得国内でのみ適用する運転免許を、条約締結国間相互において認め合う制度における、翻訳証明書の役割を果たす。
便利なトラベラーツールの1つとして利用されている。
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[編集] 制度の概要
道路交通に関する条約には、
- 道路交通に関する条約(ジュネーヴ、1949年9月19日作成、1952年3月26日発効。通称ジュネーヴ交通条約)
- 道路交通に関する条約(ウィーン、1968年11月8日作成、1977年5月21日発効。通称ウィーン交通条約)
の2つがあり、
- ジュネーヴ交通条約に基づいて交付される国際運転免許証
- ウィーン交通条約に基づいて交付される国際運転免許証
の2種類が存在する。 ウィーン交通条約はジュネーヴ交通条約を発展させたものである。日本政府はジュネーヴ交通条約のみしか締結していない。そのため、日本の国際免許を所持していてもウィーン条約のみの締結国においては当免許証で運転することができないし、同様に当該国で発給された国際免許を所持していても日本で運転することはできない。なお、ドイツはウィーン交通条約のみの締約国であるが、2国間の取り決めで国際運転免許証が有効である。
なお、正確には日本国法令では、外国において交付された国際運転免許証のみを「国際運転免許証」と呼び、日本の都道府県公安委員会が交付する国際運転免許証を「国外運転免許証」と呼ぶ取扱いとなっているが、これは法令中の区別のためであり、実際に発給される国外運転免許証の日本語(漢字)表記は「国際運転免許証」である。
また、ジュネーヴ交通条約においては18歳に満たない者は、批准国内で有効な運転免許を保有していても、国際運転免許証の発給は行なわれない(ジュネーヴ条約第24条、および付属書8)。
[編集] 免許の効力
当免許証を持って本条約の締約国に上陸した者は、上陸の日(期間計算に当該上陸日を算入するかどうかは国により異なる。日本への上陸の場合は上陸当日起算)から原則として最大1年間その国の定める運転免許を有しなくても自動車等の運転を行うことができる。ただし国によっては、国内法や地方自治体法等で運転できる期間が短縮されている場合がある。
実際に国際運転免許で運転をする場合は、国際運転免許証と、その発給元となった国の運転免許証の両方を携帯していなければならない。
日本の国際運転免許証の有効期間は発給日当日から起算して1年間である。更新制度はなく、有効期限を延長したい場合は現在の免許証を返納した上で新規発給の申請となる(発給日起算のため、現免許から1年の延長とはならない)。また、有効期限が切れていても、再度申請する場合には旧免許を返納しないと交付されない場合がある。
国際運転免許証は、所持している運転免許証の他国向け翻訳という性質を持つ。国際運転免許証は、当該発給国の国内運転免許の効力に依存する為、その元となる運転免許が免許停止処分を受ければその停止期間中は同様に停止となるし、失効すれば当然同時に失効する。また、国際運転免許証はその発給国では効力を有しないので、例えば日本の運転免許を受けている人が、日本の発給した国際運転免許証だけを携帯して日本国内で運転した場合は道交法違反(免許証不携帯)となる。 また、この制度を悪用し、取得が容易な国で取得した免許証を使って、日本国内で常態的に運行する者がおり問題とされたため、2002年の日本の道路交通法改正により、日本人又は在日外国人が日本国外で取得した国際運転免許証により日本国内で運転する場合は、日本国外(必ずしも発給した国・地域である必要はない)へ出国後3か月以上(通算でなく連続で。期間計算には日本からの出国当日不算入)経過して日本へ帰国・再入国したものでない場合、日本国内では効力を有しないものとなり道交法違反(無免許運転)となる。この場合、日本での仮免許証扱いからの講習と実技で日本の免許の交付措置を受けることが必要となる。
- アメリカの場合
アメリカでは州ごとに効力が変わってくる。 基本的に商用、観光のためのものと解釈されている場合が多い為、ある州に住居を定めてから、○○日以内に当該州の発行する運転免許を取得しなければならないという規制が設けられている場合があり、米国居住者がこの期間を過ぎてから国際運転免許証だけで運転すると、無免許運転とみなされる場合がある。
- ジョージア州 30日
- アラバマ州 30日
- サウスカロライナ州 90日
- ノースカロライナ州 60日
- バージニア州 60日(ただし短期滞在者6ヶ月以内は取得不要)
- カリフォルニア州 10日
- ペンシルベニア州 国際免許が一年間有効
- ハワイ州 国際免許が一年間有効
[編集] 申請方法
[編集] 日本の場合
住所地の公安委員会が管轄する運転免許試験場(運転免許センター)や住所地を管轄する警察署(一部は不可。詳しくは住所地の免許センターへ)に赴いて申請する。
申請時に必要なものは以下の通り。
- 国外運転免許証交付申請書(申請用紙は窓口にある)
- 運転免許証(免許の種類が、大型特殊・小型特殊・原付・仮免許(大型・中型・普通)のみの場合は申請不可。)
- 海外への渡航を証明する書類(パスポート、船員手帳、航空券など)
- 写真1枚(縦5cm×横4cm)
- 国外運転免許証交付手数料(2,650円)
[編集] アメリカ合衆国の場合
アメリカ自動車協会(AAA、日本の日本自動車連盟(JAF)に相当)の任意の支部(住所に関わらない)にて発行される。
申請時に必要なものは以下の通り。
- 申請書(ウェブサイトからダウンロードするか窓口で受け取る)
- 有効な運転免許証(アメリカ合衆国各州が発行するもの)
- 写真2枚(縦5cm×横4cm、申請時に15ドルで撮影可能)
- 手数料(15ドル)
[編集] 様式
条約により書式は規定されているが、国際運転免許証の用紙材質や色彩は発行国に任せられている。
[編集] 日本の場合
藁半紙のような色の3つ折の厚紙で、畳むとA6判(文庫サイズ)である。開くと右のページが身分証明欄になっている。また中央にはページが増補され、運転できる車両(下記)などの事項が6ヶ国語(日本語・英語・スペイン語・ロシア語・中国語(繁体字)・フランス語)で記載されている。表紙など、その他の記載事項は主に日本語と英語である。
[編集] 日本以外の場合
- アメリカ合衆国:日本で発行されるものとほぼ同様の体裁であるが、記載言語は英語をはじめ日本語を含む10に及ぶ。
- 台湾(中華民国):日本で発行されるものとほぼ同様の体裁であるが、記載言語は中国語をはじめ6である。
[編集] 国際運転免許証で運転できる車両
| 種類 | 運転することができる車両 | 必要な日本の免許 |
|---|---|---|
| A | 二輪の自動車(側車付きのものを含む。)、身体障害者用車両及び空車状態における重量が400kg(900ポンド)をこえない三輪の自動車 | 大型自動二輪免許(AT限定含む)、普通自動二輪免許(AT限定・小型限定含む) |
| B | 乗用に供され、運転者席のほかに8人分をこえない座席を有する自動車又は貨物運送の用に供され、許容最大重量が3,500kg(7,700ポンド)をこえない自動車。この種類の自動車には、軽量の被牽引車を連結することができる。 | 第一種 大型自動車免許、中型自動車免許、普通自動車免許(AT限定含む) 第二種 大型自動車免許、中型自動車免許、普通自動車免許(AT限定含む) |
| C | 貨物運用の用に供され、許容最大重量が3,500kg(7,700ポンド)をこえる自動車。この種類の自動車には、軽量の被牽引車を連結することができる。 | 第一種 大型自動車免許、中型自動車免許 第二種 大型自動車免許、中型自動車免許 |
| D | 乗用に供され、運転者のほかに8人分をこえる座席を有する自動車。この種類の自動車には、軽量の被牽引車を連結することができる。 | 第一種 大型自動車免許、中型自動車免許 第二種 大型自動車免許、中型自動車免許 |
| E | 運転者が免許を受けたB、C又はDの自動車に軽量の被牽引車以外の被牽引車を連結した車両 | 第一種 牽引免許 第二種 牽引免許 |
- 車両の「許容最大重量」とは、運行することができる状態にある車両の重量及びその最大積載量の和をいう。
- 「最大積載量」とは、車両の登録国の権限のある当局が宣言した積載物の重量の限度をいう。
- 「軽量の被牽引車」とは、許容最大重量が750kg(1,650ポンド)を超えない被牽引車をいう。
- 日本の大型特殊自動車免許、小型特殊自動車免許、原動機付自転車免許については、条約に相当する免許が存在しない為、これらの免許しか有しない者には国際運転免許証は発給されない。
[編集] 国際運転免許証が有効な国
[編集] ジュネーヴ条約締約国
ジュネーヴ条約締約国(国際運転免許証の通用国)のリストは、国外運転免許証が有効な国(警視庁)を参照。
また、香港とマカオは、かつて宗主国であったイギリスとポルトガルが締約国である。中国への返還後もその権利義務を継承することで見做しメンバーとなっている。なお、中国は未加盟である。
[編集] 2国間取り決めにより有効な国
ドイツはウィーン条約のみを締約しているが、実際には日本国内で発給された国際運転免許証と国内免許証の携帯によってドイツ国内での運転が正式に許可される。同様にドイツの免許で日本国内の運転も可能である。これはドイツと日本国間で直接的な取り決めを行っていることに依する。
また、台湾はジュネーヴ条約、ウィーン条約とも締結していたが、代表権否定により共に現在は非加盟である。しかし現在では2国間取り決めにより、日本国内で発給された国内免許証を指定された機関もしくは団体が発行する中国語訳と共に携帯する形での運転が認められた[1][2]。
[編集] 外国運転免許証
国際免許証を発給していない国または地域であって、日本と同等の水準にある免許制度を有しているとみなされる免許証に限り日本で有効な免許証(外国運転免許証)として機能する。なお、その際には当該国家の行政庁もしくは日本自動車連盟が作成した日本語の翻訳文を携帯する必要がある。
認められる免許証については道路交通法施行令により定められており、イタリア共和国、スイス連邦、ドイツ連邦共和国、フランス共和国、ベルギー王国、台湾のものが該当する。(2007年9月19日時点)
制約等は国際運転免許証とほぼ同等で、日本上陸1年以内であること、当該国の運転免許が有効であること、日本国内に住民票を有するものまたは外国人登録者は日本出国から入国まで3ヶ月以上経過している者であることという制限がある。
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
最終更新 2009年11月3日 (火) 13:47 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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