日本の外国人

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日本の外国人(にっぽんのがいこくじん)では、日本に滞在する外国人について解説する。

目次

[編集] 日本における「外国人」の定義

日本において適用される「外国人」の定義は必ずしも統一されておらず、法令により若干の違いがある。

  • 出入国管理及び難民認定法(入管法)の適用における「外国人」の定義については、同法第2条で「日本の国籍を有しない者」と規定されている。
  • 外国人登録法の適用における「外国人」の定義については、同法第2条で「日本の国籍を有しない者のうち、出入国管理及び難民認定法の規定による仮上陸の許可、寄港地上陸の許可、通過上陸の許可、乗員上陸の許可、緊急上陸の許可及び遭難による上陸の許可を受けた者以外の者」とされている。この場合の「受けた者」の行政上の解釈については、単に「その許可を受けた者」ではなく「その許可を受け現にその有効期間内にあるもの」とされているため、それらの許可を受けたあと日本国内で逃亡するなどして許可の期限が経過し不法残留となった場合(例:72時間の寄港地上陸許可を受けて当該時間内に出国しなかった者など)は、その時点から当該第2条の除外対象でなくなり、外国人登録法上の「外国人」に含まれることとなる。

日本の法令・行政上は多重国籍者であっても、その中の一つに日本国籍を持っていれば日本人として扱われる(例:アルベルト・フジモリペルー元大統領)。一方、いかなる国の国籍も持たない無国籍者は外国人とみなされる。

永住の在留資格等を持ち日本に定着居住している外国人(在日韓国・朝鮮人在日中国人在日台湾人日系ブラジル人在日フィリピン人在日ペルー人等)を「在日外国人」(英:resident aliens)と言う。短期滞在者(在日米軍関係者、在留資格を持たない者を含む)を「来日外国人」(英:visiting aliens)と言う。

[編集] 外国人入国者及び登録者数

法務省入国管理局の統計[1]によると、2008年(平成20年)の外国人入国者数は、世界的な不況の影響で、2007年比0.1%減の914万6108人となった。

2008年末現在の外国人登録者数は、中・長期的に生活を送る者が増加し、2007年比3.0%増の221万7426人、総人口に占める割合も1.74%で過去最高を更新した。

2009年(平成21年)1月1日現在の不法残留者数は、入国審査の厳格化、関係機関との密接な連携による入管法違反外国人の集中摘発の実施等総合的な不法滞在者対策により、前年比24.5%減の11万3072人となった。過去最高であった1993年(平成5年)5月1日現在の29万8646人から一貫して減少している。不法滞在者の21.4%が韓国人であり、毎年最も多い不法滞在外国人となっている。

2008年(平成20年)末現在の日本における国籍別外国人登録者数、および、主要五カ国の1998-2006年の間の推移は以下のとおりである:

国籍別外国人登録者数の推移
2008年末現在の日本における国籍別外国人登録者数
国籍 人数 構成比
中国 655,377 29.6%
韓国・朝鮮 589,239 26.6%
ブラジル 312,582 14.1%
フィリピン 210,617 9.5%
ペルー 59,723 2.7%
米国 52,683 2.4%
その他 337,205 15.2%
合計 2,217,426 100%
  • 日本の外国人登録上の国名には、名前が似ていて重複してしまうなど、ごく一部の例外(「ドミニカ共和国」と「ドミニカ国」等)を除き「王国」、「共和国」などの政体を用いた正式国名表記は使われない。上表の国籍表示(「韓国・朝鮮」及び「その他」を除く)は法務省入国管理局が用いる当該略称方式に基づく。「韓国・朝鮮」については統計ではこのように取りまとめた表記も用いられるが、個々の外国人登録原票・外国人登録証明書ではそれぞれ「韓国」又は「朝鮮」と表示される。
  • 上表の「中国」には、香港及び澳門特別行政区発行の旅券(中国語で「護照」)を所持する者のほか、台湾の旅券(中華民国護照)を所持する者も含まれる。これらの地域については上記のように単に「中国」に取りまとめる場合のほか、それぞれ「中国(香港)」、「中国(その他)」、「中国(台湾)」などに細分化して表示する場合もある。
  • 日本の外国人登録法では、登録に用いる外国籍(無国籍含む)は一つに限られており、多重国籍者の場合は現に登録に用いられた国籍に基づいて分類・計上される。
在留の資格 人数 構成比
一般永住者 492,056 22.2
特別永住者 420,305 19.0
定住者 258,498 11.7
日本人の配偶者等 245,497 11.1
留学 138,514 6.2
その他 662,556 29.8
合計 2,217,426 100
  • 特別永住者」とは、1991年(平成3年)11月1日、「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」(入管特例法)の施行により、戦前(1945年(昭和20年)9月2日以前)から引き続き日本に居住している平和条約国籍離脱者(韓国・朝鮮人及び台湾人)とそれらの人たちの子孫を対象に定められた在留の資格である。
  1. 特別永住者はその活動においてほとんど制限がなく日本に永住できる。
  2. 日本から一時的に出国して戻ってくる場合に必要となる再入国許可の有効期間が4年間(事情によっては1年間延長可能で計5年。特別永住者以外の在留外国人は最長で3年間プラス1年の計4年)となり、この期間を通して日本国外に滞在でき、数次有効の再入国許可を取得すれば何回でも出入国できる。ただし、この有効期間内に再入国しないと、特別永住者の資格が直近の出国時に溯って消滅する。
  3. 退去強制事由も4項目に限定(特別永住者以外の外国人は24項目)され、たとえば7年超(前同1年超)の懲役または禁錮に処せられた者で法務大臣が認定した者などと緩和されている。
  4. 特別永住者の子孫も、日本で出生し所定の手続をした場合は特別永住者となる。

[編集] 日本における外国人問題

日本における外国人問題としては、

などがある。

[編集] 入管プロジェクト

2003年末、法務省や警察関係者らからなる「犯罪対策閣僚会議」で、「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」が策定され12月2日から施行された。不法滞在者を「入らせない」、「来させない」、「居させない」を3本柱とした「入管プロジェクト」と呼ばれるこの行動計画は、2008年末までに不法滞在者を半減させることを目標にしている。[2]

不法残留者は過去最高であった1993年5月1日現在の29万8646人、プロジェクト発足直後の2004年1月1日時点での約22万人、2009年1月1日時点で前年比24.5%減の11万3072人に減った。
法務省統計では不法滞在者数が最も多い国は韓国人(全体の21.4%)、2位が中国人(全体の16.3%)、3位がフィリピン人(全体の15.3%)であり、この3カ国で全体の53%を占める。毎年この順位は変わっていない。

法務省入国管理局は2006年6月1日から同月30日までの1か月間、「不法就労外国人対策キャンペーン月間」を実施し、外国人や事業主、地方自治体、関係団体及び在日外国大使館等を対象に不法就労の防止について理解と協力を求めるための呼びかけ、在留審査の際に外国人にリーフレット等を配布したり、パトロールカーを活用などによる街頭等での広報活動、ポスター及びリーフレット配布による不法滞在者の自主的な出頭の促進活動を行った。[3]

2007年11月20日から特別永住者等を除く16歳以上の外国人は、空港での日本への入国申請時に指紋及び顔写真を提供し、その後入国審査官の審査を受けることになる。個人識別情報の提供が義務付けられている外国人が、指紋又は顔写真の提供を拒否した場合は、日本への入国は許可されず退去を命じられる。[4]

[編集] 密出国

犯罪者が捕縛を免れる目的や[5]、不法滞在をした後正規手続きにより出国すると、そのことが記録に残り次回の日本への入国時の支障となったり、成りすまし入国が発覚したりするので、これを防ぐ目的での密出国も盛んである。2006年海上保安庁が摘発した不法出国者は41人。うち36人が韓国人で、そのほとんどは女性だった。[6]

[編集] 不当差別と指摘するものが多い例

「Japanese only」(外国人お断り)の看板を出している居酒屋銭湯、日本に帰化した外国系の人々に対して滞在許可証の提示を求める警察官などがある。

[編集] 浜松宝石店入店拒否事件

1998年6月16日、浜松市内の宝石店でブラジル人女性がショーケース内の商品を眺めていたところ、不自然さを感じた経営者は、原告の出身がブラジルとわかると、退店を求めた。経営者は外国人立ち入り禁止である旨を告げたが、抗議をうけると、店の壁に掛けていた「出店荒らしにご用心!」と題するはり紙(浜松中央警察署作成のもの)を外して女性にみせた。その後、女性の夫や通訳、警察官、警備員らの話し合いの元に経営者は女性の求めに応じて謝罪文を書いたが、女性は、素直な謝罪ではなく、女性に早く店から出てもらいたいことから書かれたものであるとして、これを受け入れなかった。

こうしてこの事件は、店から追い出そうとした被告の一連の行為がブラジル人である原告に対する人種差別行為であるとして民法七百九条の不法行為に該当し、また、右のはり紙を突き出した行為は、名誉毀損あるいは侮辱したものであるとして、損害賠償を請求した。

1999年10月12日、静岡地裁浜松支部は経営者側に計150万円の支払を命じ、原告側の訴えが認められた判決となった。

[編集] 小樽温泉入浴拒否問題

1999年9月に、北海道情報大学講師の有道出人(アメリカ人、1996年に日本の永住資格を取得、2000年に日本に帰化)はドイツ人のオラーフ・カルトハウス、アメリカ人のケネス・リー・サザランドと共に、小樽市手宮にある入浴施設「湯の花」を訪れた際、外国人であることを理由に入浴拒否される。「湯の花」は小樽港に入港するロシア人船員の入浴マナーが悪かったために、外国人の入浴を拒否するようになったのであるが、有道らが日本に帰化して日本人となった後に訪れても入浴を断られたため、これを人種差別だとして2001年2月に小樽市及び小樽市内の入浴施設に対して600万円の損害賠償と謝罪広告を求め提訴。

2002年11月、札幌地方裁判所の判決は、外国人の入浴を拒否するのは人種差別に当たる不法行為として「湯の花」に原告3名へ各100万円の賠償支払いを命ずる一方、小樽市については責任を認めなかった。

同月、判決を不服として有道らが小樽市を相手に札幌高等裁判所へ控訴。「湯の花」も有道らを相手取り控訴。

2004年9月、高裁判決は小樽市に対する有道らの控訴、および有道らに対する「湯の花」の控訴を共に棄却。「湯の花」に対する有道らの勝訴が確定。有道らは最高裁判所へ上告。

2005年4月、最高裁は上告を棄却。小樽市に対する有道らの敗訴が確定。

[編集] 外国人の人身売買問題

2005年6月に米国務省が発表したTrafficking in Persons Reportによると、毎年多数の女性および子供が性的搾取を目的とする人身売買により、アジアラテンアメリカ東ヨーロッパ諸国から日本に連れてこられており、また日本のヤクザが国際的な人身売買に関与していると指摘した。同レポートにより日本の人身売買問題を初めて指摘された2004年の時点では人身売買を禁止する特別な法令が日本には無かったため、「政府が被害者を十分に保護していない」と激しく非難された。依然、「人身売買撲滅のための最低限度のレベルを十分には満たしていない」とはされているものの、2005年に人身売買罪を含む改正刑法が可決されるなど、日本政府の人身売買問題に対する取り組みが評価されて、2005年現在は要監視対象リストから外され、4段階中2番目(TIER 2)に位置づけられている。

また飲食店水商売風俗店を中心に外国人経営者自身が外国人を連れてきて不法就労を助長し、逮捕される例も発生している[7]

[編集] 参照資料

  1. ^ 平成20年における外国人入国者数及び日本人出国者数について
  2. ^ 2007入管白書 急増する中国籍, 統一日報, 2007年10月3日.
  3. ^ 「不法就労外国人対策キャンペーン月間」の実施について, 法務省入国管理局, 平成18年6月.
  4. ^ 新しい入国審査手続(個人識別情報の提供義務化)の概要について, 法務省入国管理局, 平成19年7月.
  5. ^ JR西日暮里スプレー噴射事件 密入国ルート, 統一日報, 2006年4月12日.
  6. ^ 不法出国 90%は韓国女性, 統一日報, 2007年5月2日。
  7. ^ 老舗韓国クラブのママを逮捕 入管難民法違反の疑い 警視庁2008年10月29日産経新聞

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月7日 (土) 07:28 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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