大地の子

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大地の子』(だいちのこ)は、山崎豊子小説、また小説を原作としたテレビドラマ中国残留孤児・陸一心の波乱万丈の半生を描いた物語である。

1987年5月号から1991年4月号まで文藝春秋の月刊誌文藝春秋に連載された。

1995年にはNHKの放送70周年記念番組として日中の共同制作によりドラマ化され、11月から12月にかけて土曜ドラマ枠にて放送された(全7回)。

中国側への配慮から、主人公が文化大革命中に受けた拷問や、主人公の妹が夫・姑から虐待される描写がカットされる[1]など、全体的に原作よりもソフトな内容に修正されている。

中国語タイトルは『大地之子』。日本では名作の呼び声高い本作であるが、中国では一般に放映されておらず、一部で評価を得るにとどまっている。

遠藤誉から自伝『チャーズ-出口なき大地-』の盗作であるとして提訴されたが、遠藤の敗訴が確定した。


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


目次

[編集] あらすじ

信濃郷満州開拓団の子・松本勝男は、日本の敗戦後、ソ連軍の攻撃などにより祖父と母を失い、妹とも生き別れになってしまう。

過酷な体験のあまり、自分の身分や言葉など全ての記憶を失った勝男は、放浪中に人買いに捕まり、中国人農家に売られて酷使される日々を送ることになる。度重なる虐待に耐えかねて逃げ出したものの、再び人買いの手にかかり売られそうになった勝男を助けたのは、小学校教師の陸徳志であった。子供のない陸徳志夫妻は勝男に一心という名を与え、貧しいながらも実の子のように愛情をこめて育てる。

優秀な青年に育った一心は、日本人であるがゆえに差別を受けながらも、中国の発展のため尽くそうと決心する。しかし、彼の背後には文化大革命の嵐が押し寄せつつあった。やがて一心は、日本人であるという理由で槍玉に挙げられ、囚人として労働改造所に送られるが、そこで日本語を話す男と知り合い、母国語である日本語を習得する。5年後、徳志の命がけの嘆願と、共産党幹部となった親友の奔走の甲斐あり釈放された一心は、労働改造所時代の命の恩人である看護師・江月梅と結婚、日中共同の一大プロジェクトである製鉄所建設チームの一員として働くことになる。

一方、中国に協力を要請された日本の東洋製鉄では、一心(勝男)の実父である松本耕次を上海事務所長に派遣する。松本はかつて自分の徴兵中に満州で消息を絶った妻子の行方を今も求め続けていた。苦労の末、ようやく一心の妹であるあつ子(中国名:張玉花)を見つけ出した松本だが、寒村の農家に嫁がされた彼女は過労の果てに病を得て、すでに死の床にあった。同じ頃、一心もまた唯一の肉親である妹を探し、村にたどりついていた。あつ子の死を契機に、間近にいながら親子とは気づかなかった一心と松本は、ここで初めて互いの関係を知り、確執を越えて数十年ぶりの再会を喜び合う。

その後、プロジェクトの一環で日本に出張した一心は、松本の家を訪れる。しかし、この訪問が原因で、一心はほどなくして以前から彼を快く思っていなかった同僚の策略により産業スパイとして告発され、プロジェクトから外された上に内蒙古の製鉄所へ左遷させられてしまう。初めは失意に暮れていた一心だったが、やがて製品の改良などを通じて内蒙古の仲間達と深い絆で結ばれる。

時を経て、一心を陥れた同僚の妻は一心を陥れた夫の策謀を知り、共産党幹部に告発。冤罪が解けた一心は再びプロジェクトに復帰、7年がかりで完成した製鉄所の高炉に火が入り、日中の参画者の心は一つになる。

プロジェクト終了後、一心は徳志の勧めで松本と父子水入らずの長江下りの旅行に出かける。雄大な長江を下る船の上で、松本は一心に日本へ来て一緒に暮らさないかと持ちかけた。日本の父と、中国の父。二人の父への愛情に一心の心は揺れ動くが、彼は苦悩の末、涙ながらに「私はこの大地の子です。」と答え、中国に残ることを決意するのであった。

なおドラマ版では、その後自ら左遷時代の仲間達が待つ内蒙古の製鉄所への転属を志願する後日談が付け加えられており、家族ぐるみの移住に先立ち駅で家族と別れて一足先に内蒙古に向かった一心が製鉄所でかつての仲間達と再会するシーンで物語は幕を閉じる。

[編集] 小説

[編集] テレビドラマ

[編集] キャスト

[編集] スタッフ

  • 原作:山崎豊子『大地の子』
  • 脚本:岡崎栄
  • 音楽:渡辺俊幸
  • 演出:松岡孝治、潘小揚、榎戸崇泰
  • 翻訳:李珍
  • 時代考証:竹内実
  • 制作:NHKエンタープライズ21・中国中央電視台

[編集] エピソード

  • 放送は7回であったが、これを15回に分け、2001年にはDVDとして発売された。またNHKでも数年に一回、リバイバル放送されている。
  • 主役を務めた上川隆也は当時、一切の中国語を喋ることが出来なかったが、1ヶ月間の短期集中学習によりほぼ完璧な発音を身につけ、中国人共演者と遜色ない中国語での演技を披露した。
  • 原作者の山崎は当初、本木雅弘を一心役に考えていたが、後に「彼(上川)でよかった」と語っている。

[編集] モデルとなった組織・人物

山崎豊子の大半の主要作品は、ほぼ実在の建物や人物をモデルにしたと言われ、本作でもその中の一つである。作品中に登場する団体等のモデルは以下のように推測される。

[編集] 関連項目

[編集] 脚注

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  1. ^ ドラマ版では夫は既に故人となっている設定で、姑との仲も良好であるように描写されている

最終更新 2009年11月18日 (水) 07:30 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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