大天使

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大天使(だいてんし、ギリシア語: αρχάγγελος (pl. -οι) (archángelos (-oi))ラテン語: archangelus (pl. -li)英語: archangel (pl. -s) (アーケインジェル)ロシア語: Архангел (pl. -ы) (arkhángyel (-y)ヘブライ語: המלאך‎ ha-Mal’akh 、アラビア語: (رئيس) الملائكة‎ Ra’īsu’l-Malā’ikah, al-Malā’ikati)とは、アブラハムの宗教神話に登場する「天使」の階級の一つ。ギリシア語で「使者の長」「卓越した使者」を意味し、以下に述べるように大きく分けて2通りの意味があるが、両者はしばしば混用される。

目次

[編集] 概要

ユダヤ教の正典である『タナハ旧約聖書)』には天使が登場するが、明確に「大天使」を表す語句は出てこない。だが、その天使のうちの何体かは、ラビ的ユダヤ教に於いてその役割や性格が強調・発展され、天使の中でも神意を体現する偉大な天使という意味で大天使と呼ばれるようになった。しかし、厳密な位階が定義されているわけではなく、例えば神の御前の特別な居場所を持つ天使は大抵は大天使と解釈され、数も文献によって四人、六人、七人と一定していない。ゾロアスター教のアムシャ・スプンタキリスト教四大天使七大天使イスラム教四大天使は、この伝統を受け継いでいる。

一方、ラビ教学の発展とカッバーラーの流行により、中世初期にはベン・マイモーン偽ディオニシウスがそれぞれに天使の位階を定めた。前者はユダヤ教に浸透した教説だが、位階としての大天使は定義されていない(近世に黄金の夜明け団が10の位階それぞれに統括者としての大天使を1体ずつ置いている)。後者は後にキリスト教社会に広く浸透した教説で、大天使は天使九位階の八位に当たる位階として取り入れられている。この意味での大天使は二枚の翼を持ち、助祭のような姿をして神と人間を結ぶ連絡係を務める一方で、天使軍の兵士として槍を持ち群をなして地獄との戦いの任に就く。

[編集] ユダヤ教における大天使

前述のようにユダヤ教では、トーラーを始めとして多くのタルムードメルカバーのテクストにおいてミカエルガブリエルラファエル三大天使、更にウリエルを含めた四大天使を始めとした天使たちについて言及されている。また、外典偽典にも多くの天使が登場し、先の四大天使を筆頭にした七大天使が登場する。残りの三天使については文献によって構成が異なる(サリエルラグエルレミエルザドキエルヨフィエルハニエルカマエルなど)。ヘブライ語の大天使(ハ=マルアハ 「the Angel」)は基本的にはミカエルのみを指している。

[編集] キリスト教における大天使

多くのキリスト教教派では「ダニエル書」に於いて天使の長と言及され「黙示録」で天使の軍を率いるミカエルと、「ダニエル書」で預言者ダニエルが見た幻視を説明し『新約聖書』で洗礼者ヨハネの誕生をザカリアに、イエスの受胎をマリアに知らせたガブリエル二大天使に崇敬が広く集まっている。 それらに「トビト記」に登場するラファエルを加えた三大天使、さらに外典に登場するウリエルを合わせた四大天使、その上に三体の天使を足した七大天使に言及されることもあるが、それらを大天使として扱うかどうかは教派により聖典の扱いが違う為、大きく異なっている。 また、多くの教派でミカエルを筆頭とした大天使らの祝祭日(Michaelmas)が設けられている。

  • ローマ・カトリック - 三大天使ミカエル、ガブリエル、ラファエルを聖人にまで高め、中でもミカエルは卓越した存在である。ウリエルは教皇グレゴリウス1世の時代(6世紀末)には大天使に加えられていたが、ザカリアス(8世紀中頃)の時代に見直しが行われ、正典外の天使として崇敬対象から外れている。
  • 東方正教会 - ミハイル(ミカエル)、ガウリイル(ガブリエル)の二大天使を中心とした七大天使が広く崇敬を集めている。「七大天使」の項を参照。
  • プロテスタント - 多くはミカエルとガブリエルの二大天使を崇敬するが、ミカエルのみを唯一の大天使としてガブリエルを含めない教派もある。また、幾つかの新興教派では archangel を「天使の長=天使たちを統べる天使を越えた存在」と解釈し「ミカエル=天国にいる神の子イエス・キリスト」と見なしている。

[編集] イスラム教における大天使

イスラム教のコーランの中では、天啓の天使ジブリール(ガブリエル)と戦士の天使ミーカーイール(ミカエル)の名前が出てくる。 特にジブリールは神の知恵と啓示を管理し、預言者ムハンマド(マホメット)にコーランを口頭で伝えた天使として、突出した存在である。 更にハディースに登場し最後の審判のラッパを吹くイスラーフィール(ラファエル)と、コーランには「死の天使」の名で登場するアズラーイールアズラエル)を含めて四大天使と称される。アラビア語の大天使(ライース・ル=マラーイカ、アル=マラーイカティ 「(leader) of the angels」)は基本的にはミーカーイールを指す。

[編集] フィクションに登場する大天使

天使 (通用)」も参照

他の天使の階級や固有名詞と同様、数多くの漫画アニメゲームライトノベルといったサブカルチャー作品に、大天使の名を冠した、あるいはその特徴をモチーフとした登場人物やメカニック、モンスターが登場することがある。

[編集] 参考文献

  • A Dictionary of Angels: Including the Fallen Angels. Davidson, Gustav.Free Press. ISBN 0-02-907052-X
  • ANGELS: Heavenly Messengers.Bussagli,Marco.Harry N Abrams.ISBN 978-0810994362
  • ローズマリー・エレン・グイリー(著)大出健(訳)『図説 天使百科事典』原書房(2006年) ISBN 4562039795
  • ジョン・ロナー(著)鏡リュウジ/宇佐和通(訳)『天使の事典-バビロニアから現代まで』柏書房(1994) ISBN 4-7601-1133-6

[編集] 関連項目

最終更新 2009年11月28日 (土) 07:09 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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