大学修学能力試験

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大学修学能力試験
各種表記
ハングル 대학수학능력시험
漢字 大學修學能力試驗
平仮名
(日本語読み仮名)
だいがくしゅうがくのうりょくしけん
片仮名
(現地語読み仮名)
テハクスハンヌンニョクシホム
英語表記: College Scholastic Ability Test
  

大学修学能力試験(だいがくしゅうがくのうりょくしけん)は、大韓民国で実施されている大学共通の入学試験である。通称「修能(수능・スヌン)」。

目次

[編集] 概要

メディアにより報道されるときなどは日本大学入試センター試験に例えられるが、厳密には異なる。日本の場合、国公立大学への進学希望者のみ受験義務があるが、韓国では国立・公立・私立を問わず4年制大学の志願者全員がこの試験を受けなければならない。この試験の結果次第で受験できる大学が、そして高校卒業後の人生が決まると言われている。言い換えれば、韓国の青少年における通過儀礼というようなものである。試験結果を悲観した女子高生が自殺するといった事件も過去に起きている。

高校のカリキュラムにそった学力試験となっており、大学教育に適した能力を受験者が有しているかを測定することを目的としている。試験問題は試験後に公表され、再利用されることはない。大学は、高校作成の「總合生活記録符」と呼ばれる内申書および2次試験と合わせて総合評価するが、この大学修学能力試験が最大の比重を占める。比重は大学、学科、受験方式により異なる。

試験の実施・運営は韓国教育課程評価院が行っている。試験日は入学前年11月中の木曜日に設定され、1日で全ての試験を行う。2009年度は2008年11月13日に行われた。追試験・再試験は実施されない。

問題は教育課程評価院が委託した問題作成委員(大学教授、高校の教員も一部参加)が作成する。試験問題の最終決定までの過程で、チェック委員会のチェックを何回か受ける。機密保持のため、1ヶ月程で作題から検討、印刷、実施までの工程を網羅する。また試験終了後、教育課程評価院は試験問題に対する異議申請を受けて審査した後、最終正解を発表する制度をとっている。

試験場として高校や中学校が使われ、大学は使われない。受験場所として受験者本人が在学している高校以外の高校または中学校が指定され、男女別の試験会場となる。

ちなみに、日本で言われている「センター試験の日は雪の特異日」と同じく、韓国でも「修学能力試験の日は寒い」というジンクス(通称「修能寒波」)がある。

[編集] 沿革

「大学の自律性を伸長し高校教育の跛行を改善する」という目標の下で、1991年に発表された新しい大学入試制度により、1994年度1993年実施)から導入されている。第1回の試験は年に2度実施したが、第2回となる1995年度(1994年実施)から年に1度の試験となった。その後、1997年度(1996年実施)から国公立大学では、国語・英語・数学中心の大学別の入試試験が廃止され、内申書に記載された成績(40%以上)、大学修学能力試験の成績、論述試験、面接試験、実技などが合否選考の資料となった。

2001年度(2000年実施)には第二外国語領域が追加された。

2005年度(2004年実施)には、携帯電話による大規模カンニング事件が発生し衝撃を与えた。

[編集] 不正行為

2004年携帯電話を利用した大規模なカンニングが発覚し、関係した学生が処罰された。不正が発覚したのは南部の光州広域市。試験で良い点を取りたい受験生たちがブローカーに1科目30万ウォン(約3万円)を支払う。ブローカーは謝礼で誘い、成績の優秀な受験生約40人を集める。そして、各自が受験会場に携帯電話を持ち込み問題を解く。その結果を携帯電話のメールで外部の中継者に送信する。中継者が40人の受験生からの解答を集計し、最も多かった解答を「正解」と見立て、依頼を受けていた受験生に結果をメールで打ち返す。そのメールを見て、受験生たちは解答用紙に書き写す。集計作業には高校の後輩たちも加わっていたとされ、全体では90人以上が関与したという。試験会場で携帯電話は会場側に預けることになっていたが、チェックが甘かった。
2005年からは試験会場内への携帯電話の持込みは厳禁されているほか、シャープペンシルの持ち込みも禁じられている。

また、予備校の校長がコンピュータを使って受講生に解答を送信した事例、母親が最大1,000万ウォン(約100万円)の報酬を条件に替え玉を依頼、親子で住民登録証と願書を偽造していた事例も存在する。

[編集] 出願

願書は卒業見込生(現役生)は在学中の学校に、卒業生は出身学校に、検定考試合格者は現住所管轄市道教育監が指定する場所に提出する。願書受付は本人が直接提出することを原則とし、郵便では受け付けない。特に願書受付時に自分が選択した領域と科目に関しては、受付証発行後は一切変更できない。

選択した領域と科目が各大学が必要としているものと同じでなければならないため、注意が必要である。また、願書に付ける写真は、最近6ヶ月以内に両耳が見える正面上半身を撮影した、パスポート用規格写真でなければならない。

[編集] 試験内容

受験生は、進学を希望する大学によって各科目を選択して受験する。

試験時間 領域 満点 問題数 選択科目
08:40~10:00(80分) 言語領域(国語 100点 50問(うち、聞き取り5問) なし
10:30~12:10(100分) 数理領域(数学 100点 30問(うち、短答式9問)

カ型とナ型から1つを選択

13:10~14:20(70分) 外国語領域(英語 100点 50問(うち、聞き取り17問) なし
14:50~16:56(126分) 社会・科学・職業探求領域 各50点 各20問

1領域だけ選択し、その中から数科目選択

  • 社会探求領域(最大4科目まで選択可能)
    • 倫理
    • 韓国地理
    • 世界地理
    • 経済地理
    • 政治
    • 経済
    • 法と社会
    • 社会·文化
    • 国史
    • 世界史
    • 韓国近·現代史
  • 科学探求領域(最大4科目まで選択可能。ただし II は2科目まで)
  • 職業探求領域(条件に従い最大3科目まで選択可能)
    • 以下から1科目選択
      • コンピュータ一般
      • 水産・海運情報処理
      • 情報技術基礎
      • 農業情報管理
    • 以下から最大2科目選択
      • 会計原理
      • 海洋一般
      • 海事一般
      • プログラミング
      • 人間発達
      • 食品と栄養
      • 水産一般
      • 商業経済
      • デザイン一般
      • 農業基礎技術
      • 農業理解
      • 基礎製図
      • 工業入門
17:25~18:05(40分) 第二外国語·漢文領域 50点 30問

1科目のみ選択

[編集] 問題・解答形式

解答は全てマークシート方式で、指定されたペン塗り潰して解答する。

数理領域(数学)は多岐選択式問題と短答式問題がある。短答式問題はセンター試験の解答形式と異なり、解答は全て3桁以内の自然数である。短答式問題の各問には3桁分のマーク欄があり、空白となる位には何も塗り潰さない。例えば答えが「25」の場合、百の桁の数字は何も塗り潰さず、十の桁は2を、一の桁は5を塗り潰す。また負数虚数平方根など、自然数以外が解答とはならない。なお、2005年度までは短答式はなく、解を解答用紙に直接記す記述式であり、この採点は任命された大学教員が指定された方針に従って行われていた。

言語領域(国語)と外国語領域(英語)では、リスニングテストが実施されている。以前は軍による監視の下、問題をFM放送を使って各試験会場に送信し、それぞれの校内放送で一斉に聞かせるという形式をとっていた。しかし、受信などでトラブルが発生したため、現在では問題が録音されているカセットテープを校内放送を使って一斉に聞かせる形式に切り替わっている。音量や音質についてのトラブルで、一部の会場で一時停止が行われるが、日本のセンター試験のような大規模なトラブルは発生していない。

社会・理科・職業探求で数科目受験している場合、指定された順番通りに解答する。また、試験時間おきに解答用紙が回収される。

問題は全科目とも20~50問の独立した問題で成り立っている。日本のセンター試験のように大問のテーマに沿って数問の問題が出される形式ではない。

[編集] 試験結果

試験終了後1ヶ月程で本人に成績が通知される。また、大学は全資料をCDで受け取り、個人特定IDで検索して利用する。教育課程評価院が提供する成績は、素点以外に標準点数(言・数・外領域は平均100標準偏差20、探・二領域は平均50標準偏差10)、百分位、「Stanine」(Standard Nine を略した造語)と呼ばれる9等級の成績、の計4種類の指標である。各大学は成績の評価方法を事前に公表しているので、受験者は通知された点数を基に、最終的な進学希望大学・学部を決定する。

なお、2007年は受験者に対して通知するのは等級のみとし、点数は通知しない方針を採った。これに対して受験者から不満の声が多く挙がり、主催側は成績発表日を予定より早く繰り上げる措置を取って対応した。2008年から従来の方式に戻る。

[編集] 周囲の応援体制

[編集] 試験における慣習

日本と同じく、韓国でも試験の数週間前から「合格祈願グッズ」が登場する。「志望校にくっつく」という意味合いを込めて、が多く販売されている。保護者の中には試験当日に会場の門や壁に水飴をくっつける者もいる。

試験当日には早朝から各学校の後輩たちがコーヒーパンなどの朝食を準備し、高校名が書かれたプラカードを掲げて試験会場に入る先輩に高得点を祈願して応援する光景が見受けられる。また後輩だけでなく、学院(日本で言う予備校)のスタッフも総出で学生たちを応援する。

試験終了後には、様々な企業が試験を終えた受験生のために多彩な無料イベントを開催している。

[編集] 受験生保護とその手段

交通機関
受験生は試験開始30分前の午前8時10分までに試験場に到着しなければならないため、朝6時から朝8時まで地下鉄などの交通機関が増便される。ソウル釜山大邱仁川の地下鉄では、朝のラッシュ時用のダイヤを通常の午前7時~9時から午前6~10時に拡大する。
市内を走るバスも集中投入するほか、個人タクシーの営業規制も解除される。タクシーを除けば、交通機関が増便されるのは日本のセンター試験と同じである。
ちなみに、陸軍ヘリを使って離島に住む受験生を試験会場へ輸送することもある。
受験生の緊急輸送
時間に間に合わない受験生の輸送には地下鉄の駅などに待機しているパトカー白バイ救急車が協力してサイレンを鳴らしながら行なわれる。またボランティアの父母らでつくる「緊急送迎隊」も組織され、バイクなどで受験生を会場まで送り届けることもある。
聞き取り試験
聞き取り試験が実施される午前8時40分から15分間と、午後1時20分から20分間はバスや電車などあらゆる運送手段が試験場周辺を徐行しなければならず、警笛の使用も禁止される。飛行機の離着陸までも調整される。
以前、試験中に米軍機が訓練をしたとして対米感情が一気に悪化した地域もあるという。警察は試験会場の半径100m以内で車両の進入を制限し駐車も禁止する。
その他
朝から試験会場の近くには警察が5m置きに待機している。韓国にある全ての初等学校中等学校高等学校は休校日となり、済州島を除く韓国の官公庁や企業の出勤時間も交通渋滞防止のため通常より1時間繰り下げられる。試験会場には警察官が常駐して、周辺の警備や交通整理に当たっている。

[編集] その他

  • 現役生:浪人生の割合は約7:3となっている。
  • 携帯電話持ち込み防止のために、金属探知機による身体検査も一部ではある。なお、携帯電話を持ち込むと「不正行為とみなされる行為」として翌年の試験も受験できない。
  • 第二外国語領域で例年最も選択者が多いのはアラビア語である。(2009年 大学修学能力試験 基準)

[編集] 関連項目

[編集] 関連リンク


最終更新 2009年10月30日 (金) 15:12 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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