大山道

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大山道(おおやまみち・おおやまどう)とは、主に江戸時代関東地方の各地から相模国(現神奈川県大山にある大山阿夫利神社(現伊勢原市)への参詣者が通った古道の総称。大山街道とも呼ばれる。代表的なものとして、「田村通り大山道」や「青山通り大山道(矢倉沢往還)」などがある。

世田谷区三軒茶屋、国道246号(矢倉沢往還沿いにある大山道の道標)

目次

[編集] 経緯

大山は雨降山(あふりやま)とも呼ばれ、雨乞いに霊験のある山として、昔から農民の間に関心が寄せられていた。そこにある大山阿夫利神社は、農民から五穀豊穣、雨乞いの神として信仰を受け、日照りが続いて飢饉が多くなると、多くの農民が参詣した。江戸時代には関東地方各地で「大山」が組織され、多くの参詣者を集めることとなった。大山講の中でも江戸日本橋小伝馬町の「お花講」の人たちが夏山祭りの初日に大山頂上への中門を開くのが元禄以前からのしきたりとなっている。

道中の参詣者は、白の行衣、雨具、菅笠、白地の手っ甲、脚絆、着茣蓙という出で立ちで腰に鈴をつけ、「六根清浄」の掛念仏を唱えながら、5~6人、多い時には20~30人が一団となって、7~9月を中心に大山へと向かった。また、暮れの借金の回収時期に「大山参り」をしていれば、借金は半年待ってくれるという恩典もあった。最盛期の宝暦年間には、年間約20万人の参詣者を数えている。

こうしたことから、関東各地から大山への参詣者の通る道が次第に「大山道」と呼ばれて定着化し、道標にも記されるようになっていった。大山道は大山を中心に放射状に広がり、関東地方の四方八方の道はすべて大山に通ずると言っても過言でない状況となった。大山道沿道や相模川の渡船場などでは、宿場として栄える所もあった。大山からの帰路は江ノ島鎌倉などの観光も行われ、大山参詣は一種のレジャーとしての要素も兼ね備えていた。古典落語の「大山詣り」もそうした背景から成立したものと考えられている。

また、富士講による富士山への参詣者も同じ道筋を通ったことから、一部の道には「ふじ大山道」という名称も見られた。富士山への参詣者も必ず大山にも参詣するのが通例となっていたという。

明治期に入って鉄道が開通すると、次第に大山参詣もそうした交通手段に取って代わられ、それと共に「大山道」という呼称も衰退した。中には道そのものも部分的に消滅したものが現れてきた。現在でも「大山街道」といった呼称で呼ばれているものは矢倉沢往還などわずかであり、多くは地元民に別称としてそう呼ばれている例が散見される程度である。

[編集] 主な大山道

経路の()内は現在の地名及びほぼ比定できる国道・都県道などの名称である。なお、国道・都県道については、完全に一致するものではない点に注意されたい。また経路は時代により変化し、必ずしも記載どおりの一定したものではない。

[編集] 田村通り大山道

[編集] 矢倉沢往還(青山通り大山道)

詳細は「矢倉沢往還」を参照

[編集] 柏尾通り大山道

[編集] 八王子通り大山道

[編集] 府中通り大山道

[編集] ふじ大山道

[編集] 武蔵秩父日高・飯能道

[編集] 武蔵秩父大宮道

[編集] 津久井大山道

[編集] 甲州街道浅川口大山道

[編集] 甲州から大山への道

[編集] 粕屋通り大山道

[編集] 中原豊田通り大山道

[編集] 矢崎通り大山道

[編集] 伊勢原通り大山道

  • 現在の神奈川県大磯町から大山へ向かうものである。「伊勢原道」と「波多野道」とがある。
  • 経路(伊勢原道)
  • 経路(波多野道)
    • 万田(以降、平塚市)-出縄-根坂間-公所-(以降、神奈川県道63号相模原大磯線)-広川-片岡-大畑-木津根(以降、伊勢原市)-伊勢原-田村通り大山道に合流
    • 波多野道の公所~伊勢原間は「小田原道」とも呼ばれた。

[編集] 六本松通り大山道

  • 現在の神奈川県小田原市から大山へ向かうものである。
  • 経路
    • 東海道小田原宿(以降、神奈川県小田原市)-(国道255号)-多古村-酒匂川・飯泉の渡し-勝福寺門前町-千代村-高田村-曽我別所村-山彦山(標高188.9m)六本松-田中村(以降、中井町)-五所宮-久所-井ノ口村-大竹村(以降、秦野市)-十日市場(秦野市曽屋・矢倉沢往還の宿駅)-寺山村
    • 表参道:寺山村-小蓑毛村横畑-坂本村(伊勢原市)-大山
    • 裏参道:蓑毛通り大山道

[編集] 羽根尾通り大山道

[編集] 二ノ宮通り大山道

[編集] 蓑毛通り大山道

「蓑毛通り大山道」
現在は関東ふれあいの道「大山参り蓑毛のみち」として整備されている。(2006年11月撮影)

[編集] その他

[編集] 関連項目

[編集] 参考文献

  • 大山阿夫利神社『相模大山街道』大山阿夫利神社、1987年
  • 小島資料館『小野路・埜津田をあるく 鎌倉街道大山道を訪ねて』小島資料館、1978年
  • 神代武男『練馬のむかし-川と道-』神代武男、1992年
  • 石神井図書館郷土資料室『練馬の道』練馬区教育委員会、1974年
  • 中平龍二郎『ホントに歩く大山街道』風人社、2007年ISBN 9784938643287

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年8月14日 (金) 03:18 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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