大日如来

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胎蔵曼荼羅の胎蔵大日如来(中央)
東大寺の毘盧舎那仏
胎蔵曼荼羅
金剛界曼荼羅

大日如来(だいにちにょらい)、梵名 マハー・ヴァイローチャナ (महावैरोचन [mahaavairocana])は、密教において宇宙そのものと一体と考えられる汎神論的な如来法身仏)の一尊。摩訶毘盧遮那如来、大光明遍照とも呼ばれる[1]

三昧耶形は、金剛界曼荼羅では宝塔、胎蔵曼荼羅では五輪塔種子(種字)は金剛界曼荼羅ではバン(vaM)、胎蔵曼荼羅ではアーク(aaH)またはア(a)。

目次

[編集] 概要

大毘盧遮那成仏神変加持経(大日経)の教主であり、大日経の説く胎蔵曼荼羅中台八葉院九尊の主である。また金剛頂経の説く金剛界曼荼羅五智如来の中心。空海の開いた真言宗において、究極的には修行者自身と一体化すべきものとして最も重要な仏陀である。不動明王は、密教の根本尊である大日如来の化身、あるいはその内証(内心の決意)を表現したものであると見なされている。

後期密教を大幅に取り入れたチベット仏教でも、大日如来は金剛界五仏(五智如来)の中心として尊崇される。チベット仏教では、宝飾品を身に纏わずに通常の如来の姿で表現されたり、あるいは多面仏として描かれることもある。

像形は、宝冠をはじめ瓔珞などの豪華な装身具を身に着けた、菩薩のような姿の坐像として表現される。これは古代インドの王族の姿を模したものである。一般に如来は装身具を一切身に着けない薄衣の姿で表現されるが、大日如来は宇宙そのもの存在を装身具の如く身にまとった者として、特に王者の姿で表されるのである。 印相は、金剛界大日如来は智拳印を、胎蔵界大日如来は法界定印を結ぶ。

[編集] ヴィローチャナとの関連性

大日如来をインド神話アスラ神族の王ヴィローチャナに求める学説がある。この名が華厳経の教主の毘盧遮那仏ヴァイローチャナ)と類似することから、毘盧遮那仏から発展した大日如来とも同一視するというものである。この説は、チャーンドギヤ・ウパニシャッドの説話を根拠としているようだ。 また、インドの叙事詩マハーバーラタ』においては、ヴィローチャナとは単に太陽神のことを指す場合があり、この時代になると特定のアスラ王の固有名詞以外の意味を持つようになっていた。太陽神としてのヴィシュヌスーリヤもこの異名を持つ[1]

マハーバーラタの太陽神ヴィローチャナと、アスラ王のヴィローチャナは基本的には別個の存在である。 そもそも、大日如来については、もともとどこから発生したのか、不明な点が多く、今後の研究を待たれるところである。


なお、ヴィローチャナとヴァイローチャナと、太陽の関係には面白い説話がある。 神々とアスラは世界の覇権をかけて戦っていた。神の王はインドラ神。アスラの王はヴィローチャナ。 インドラ神率いる天界軍と、ヴィローチャナ率いるアスラ軍の戦闘は、なかなか決着がつかないでいた。そんな時、ヴィローチャナの戦車が故障してしまい、その隙を縫って、インドラ神がヴィローチャナを殺してしまいます。しかし、ヴィローチャナの魂は妻に入いり、彼の子供として、ヴァイローチャナとして生まれてきたのです。彼は別名バリといいました。

バリはインドラ軍を次々やっつけてしまい、追っ払ってしまった。そして、バリは地上に一大帝国を築き、愛と正義に満ちた、平知で豊かな太陽の帝国をつくった。人々は幸せをかみ締めて暮らしていた。

その頃、インドラ神はヴィシュヌ神に助けを求めた。ヴィシュヌ神は常にインドラ神の味方をしていたので、インドラ神の助けを受けることにした。

ヴィシュヌ神は小人のバラモンに化け、バリの前に立ち 「アスラの王よ、私に三歩で歩ける土地を下さい」 と、頼んだ。 「そんなこと問題ない。あげるよ」 と、バリは、たかが小人が歩く三歩なので、簡単に許した すると、小人は巨大なヴィシュヌの姿に変わり、一歩で地上を、二歩で天界を、三歩でバリの頭を踏みつけ地下世界に押し込めてしまった。 人々は、バリの統治が無くなってしまったので嘆き哀しみ、バリの復活を願った。

このように、アスラの統治した太陽の帝国はヴィシュヌ神によって失われたとされる。

[編集] アフラ・マズダーとの関連性

この説はデーヴァダエーワと対立するアスラ=アフラ対立構造を根拠としている。また時に、アスラ王の一人であるヴィローチャナ(ヴァイローチャナ)と関連付けることもある。その他では、智の属性、火を信奉することを根拠としている。ただ、古典的な説では、アフラ・マズダーの原型は、アスラの祖ともいえるヴァルナといわれ(属性的な繋がりは希薄であるが)、ゾロアスター教と密教の教義そのものは大きな隔たりがある。

[編集] 真言

金剛界:Om vajra-dhatu vam、オン バザラダド バン
胎蔵界:ओं अ वि र हूं खां、Om a vi ra hum kham、オン ア ビ ラ ウン ケン[2]
三昧耶会:オンバザラトビシュバキリバジリニウン

[編集] 日本における大日如来

日本では平安時代に浸透した密教において最高仏として位置づけられ、大日信仰が成立した。

また、日本では古来から山岳信仰が存在していたが、平安末期の久安年間には駿河国の末代が富士登山を行い、大日如来を富士の本尊とする信仰が創始されたという(『本朝世紀』)。富士における大日信仰はその後、大日如来を富士の神である浅間大神本地仏である浅間大菩薩とする信仰として発展し、富士信仰において祀られている。

[編集] 作例

[編集] 関連項目

[編集] 出典・注釈

  1. ^ 久保田悠羅F.E.A.R. 『密教曼荼羅』 新紀元社
  2. ^ अ (a, ア)・वि (vi, ビ)・र(ra, ラ) हूं(hum, ウン)・खां(kham, ケン)は地・水・火・風・空の五大種字を表す。

最終更新 2012年5月4日 (金) 14:59 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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