太陽を盗んだ男

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太陽を盗んだ男
監督 長谷川和彦
製作総指揮 伊地智啓
製作 山本又一朗
脚本 長谷川和彦
レナード・シュナイダー
出演者 沢田研二
菅原文太
池上季実子
北村和夫 他
音楽 井上堯之
撮影 鈴木達夫
編集 鈴木晄
配給 東宝
公開 日本の旗1979年10月6日
上映時間 147
製作国 日本
言語 日本語
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キネマ旬報
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太陽を盗んだ男』(たいようをぬすんだおとこ)は長谷川和彦監督による、アクション映画である。1979年キティ・フィルム製作、東宝配給。 1979年度キネマ旬報 日本映画ベストテン第2位、キネマ旬報読者選定邦画ベストテン第1位、映画芸術誌ベストテン第3位、映画人が選んだオールタイムベスト100(キネマ旬報/1999年)日本映画篇では13位に選ばれた。


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


目次

[編集] あらすじ

中学校の理科教師・城戸誠(沢田研二)は、茨城県東海村原子力発電所から液体プルトニウムを強奪し、アパートの自室でハンドメイドの原爆を完成させた。そして、金属プルトニウムの欠片を仕込んだダミー原爆を国会議事堂に置き去り、日本政府を脅迫する。誠が交渉相手に名指ししたのは、丸の内警察署捜査一課の山下警部(菅原文太)。かつて誠がクラスごとバスジャック事件に巻き込まれたとき、体を張って誠と生徒たちを救出したのが山下だった。誠はアナキズムの匂いのする山下にシンパシーを感じていたのだ。誠の第1の要求は「プロ野球ナイターを試合の最後まで中継させろ」。電話を介しての山下との対決の結果、その夜の巨人大洋戦は急遽完全中継される。快哉を叫ぶ誠は山下に名乗った。俺は「9番」だ、と(当時、世界の核保有国は8ヶ国、誠が9番目という意味)。

第2の要求はどうするか? 思いつかずに迷う誠は、愛聴するラジオのDJ・ゼロこと沢井零子(池上季実子)を巻き込む。多数のリスナーも交えた公開リクエストの結果、誠の決めた第2の要求は「ローリング・ストーンズ日本公演」。これにも従わざるを得ない山下だったが、転機が訪れた。原爆製造設備のため借金したサラ金業者に返済を迫られた誠が、嫌々出した第3の要求「現金5億円」に山下は奮い立つ。現金の受け渡しなら犯人は必ず現れるからだ。電電公社に電話の逆探知時間を強引に短縮させ、罠を仕掛ける山下。誠の指定日は5月1日のメーデー。大型トランク2つ分もの大金を、誠はどうやって受け取るのだろうか?

[編集] 概要

「原爆を作って政府を脅迫する」という奇想天外なアイデアの日本映画。 大掛かりなカーアクション、国会議事堂や皇居前を始めとしたゲリラ的な大ロケーション、 シリアスで重い内容と、ポップでエネルギッシュな活劇要素(人を食ったようなプルトニウム奪取や原爆奪還など) が渾然となった邦画としては他に類を見ないエンターテイメント作品。 原子爆弾製造や皇居前バスジャックなど、当時としてもかなりきわどい内容。 主演はジュリーこと沢田研二。原爆完成の嬉しさのあまりガイガーカウンターをマイク代わりにはしゃぐシーンは出色。 クライマックス、科学技術館屋上での菅原文太との死闘の凄まじさは語り草となっている。

[編集] キャスト

[編集] その他

  • タイトルの『太陽を盗んだ男』はオリジナルストーリーを執筆したレナード・シュレイダーの妻チエコ・シュレイダーの発案。 「何でもない普通の青年が原爆を作って時の政府を脅迫する。その第一の要求は“テレビのナイター中継を最後まで放送しろ”だった」が元アイデア。原題は「The Kid Who Robbed Japan」だった。
  • 当初準備していたタイトルは「笑う原爆」。これはKIDにあたるいい日本語訳がなかったための仮タイトル。しかし、これに東宝サイドが難色を示し、監督が原題をもじって『太陽を盗んだ男』とした。
  • 監督の長谷川自身が「胎内被爆児」であり、「原爆」という題材にのみ過敏になって映画撮影中に抗議に来たある活動団体に対して、自分の「特別被爆者手帳」を見せて説明し、納得させたという。しかし公開前のキャンペーンのテレビ番組で「ジュリーってゲンバクのように強~イ男」という番組サブタイトルを使ってしまい、番組スタッフが抗議を受けるという場面もあった。
  • 城戸の第一の要求「試合終了までのTVナイター中継」は、1979年当時は午後9時前に終了(中継延長は最初から予定されていない)することが通例だった。
  • 第二の要求である「ローリング・ストーンズ日本公演」は、1973年の中止以来、当時としては誰もが望んでいながら、実現することなど夢のまた夢、と思われていた。実現するのは、1990年になってからである。
  • 本作品は東洋工業(現:マツダ)が制作に協力している。首都高速での主人公城戸が乗るサバンナRX-7と山下刑事が乗るコスモAPは当時新車で、惜しげもなくカーチェイスに使われ、コスモはラストに爆破した(白パトカーは230型日産セドリックで、カーチェイスシーンでは大量に横転させられている)。また、劇中のナイター中継にファミリアのCMが挿入されていた。
  • 沢田研二は運転免許を持っていなかったが、この映画撮影のために取得した。
  • 城戸の作った原爆は劇中の設計図や製造過程から爆縮式(インプロージョン式)であることがわかるが、爆縮式原爆において極めて重要な部分である爆縮レンズの構造については触れられていない。形状、材質、細かな構造から見ても、全く同じ物を製造しても火薬の爆発の力がプルトニウム・コアに均等に伝わるとは考えにくい。したがってこの爆弾を作動させても核反応は起こらず、限られた狭い一定範囲にのみ火薬自体の爆発による破壊が起こるだけであろう。しかし、プルトニウムが爆発によって飛散することで、周囲のそれなりの範囲が放射能汚染されることは予想できる。
  • ヘリコプターの足にぶら下がった山下がヘリから地上に落ちるシーンでは、高度がかなりの高さになっている。これは撮影時のミスで、本来5~10メートルの高さから落ちるはずが、無線トラブルでヘリコプターが予定を超過し上昇しすぎた事が原因である。東京湾のヘドロに落ちて奇跡的にケガひとつ負わず生還した山下役のスタントマンは、完成フィルムを見て自分の飛び降りたあまりの高さに驚き「…冗談でしょ!」と顔面を引きつらせたという。
  • 冒頭のシーン、バスジャックのクライマックスは、伊藤雄之助扮するバスジャック犯が神風特攻隊の格好に日の丸鉢巻という出で立ちで皇居に向かって手榴弾を投げるものである。このシーンは長谷川が後に語ったところによると「皇居前広場に無許可で忍び込んで一発撮りしたいわばゲリラ撮影だった」とのこと。ちなみに伊藤は西部警察の第2話「無防備都市・後編」でも本作品と同じ出で立ちで特殊装甲車に乗り込み、渡哲也扮する大門部長刑事率いる「大門軍団」と戦って死亡している。
  • 2001年にはアミューズピクチャーズ(現:ショウゲート)からDVD化され、映像特典として11PM読売テレビ制作)による本作の特集などが収録された。
  • 映画評論家樋口尚文は97年5月の朝日新聞夕刊の連載企画「わが青春のヒーロー」に本作の主人公「城戸誠」をとりあげて愛を語っているが、(「しらけ世代」参照)、さらに著作「『砂の器』と『日本沈没』1970年代日本の超大作映画」(筑摩書房/2004)で一章をさいて「太陽を盗んだ男」を詳細に分析、激賞している。
  • 2009年6月公開のアニメーション映画ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』にて、伊吹マヤの通勤シーンに本作のBGM「YAMASHITA」が使用された(同作品のサウンドトラックにも収録)。同作品に絵コンテで参加している樋口真嗣は本作を自身が選ぶ映画ベスト3の一つとして挙げており、また上記DVDの特典で長谷川監督、永瀬正敏と対談している。

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月13日 (金) 09:00 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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