失語症
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| 失語症 | |
| 分類及び外部参照情報 | |
| ICD-10 | F80.0-F80.2, R47.0 |
|---|---|
| ICD-9 | 315.31, 784.3 |
| DiseasesDB | 4024 |
| MedlinePlus | 003204 |
| eMedicine | neuro/437 |
| MeSH | D001037 |
| 不全失語症 | |
| 分類及び外部参照情報 | |
| ICD-10 | F80.1, F80.2, R47.0 |
|---|---|
| ICD-9 | 438.12, 784.5 |
失語症(しつごしょう、aphasia)とは、主には脳出血、脳梗塞などの脳血管障害によって脳の言語機能の中枢(言語野)が損傷されることにより、一旦獲得した言語機能(「聞く」「話す」といった音声に関わる機能、「読む」「書く」といった文字に関わる機能)が障害された状態。高次脳機能障害のひとつ。 「聞く」「話す」「読む」「書く」全てのモダリティが障害される。よって、構音器官の麻痺などによる運動機能障害、先天的な構音器官の奇形などによる器質性障害など所謂構音障害とは異なる。また、声の出なくなる失声症などとも異なる。
病理学分野において、脳の特定部位の損傷が失語症の発生、その症候に強く関係することが分かっている。このことから、損傷すると失語症を起こすような部位を言語機能の中枢である言語野とみなすことができる。また、言語野は大脳半球の左右どちらかに偏在すること、統計的に利き手との相関性があることが知られている。総合的には90%以上の人で言語野は左大脳半球にあるとされる。 これについては脳機能局在論に詳しい。
発症原因は脳血管障害による言語野の損傷が大多数を占めるが、被殻、視床など言語野以外の損傷によるもの、重度の脳炎、大脳の変性疾患(アルツハイマー病、ピック病など)など様々な原疾患が報告されている。
目次 |
[編集] 失語症の種類
失語症の分類は多くなされてきた。また、見方によっても分類は変わる。失語は一種類しかないと主張する立場から、100人失語症者がいれば100通りの失語があるとする向きもあるが、一般には標準失語症検査(SLTA)などの検査による機能評価、CT、MRI画像診断などによる言語野の損傷の有無、その部位や損傷程度による鑑別が広く行われている。
以下、一般によく用いられる失語分類を説明する。
[編集] 運動性失語
左大脳半球の下前頭回後部(ブローカ領野)周辺の損傷に関連深いことから「ブローカ失語」とも呼ばれる。発話量が少なく非流暢、一般には努力性でたどたどしい話し方、言葉の聴覚的理解面は比較的良好に保たれているのが特徴。読み書きは、かな文字より漢字の方が良好であることが多い。
[編集] 感覚性失語
左大脳半球の上側頭回後部(ヴェルニッケ領野)周辺の損傷に関連深いことから「ヴェルニッケ失語」とも呼ばれる。発話は流暢、一般になめらかな発話の割りに内容には乏しく、言葉の聴覚的理解面が著しく障害されるのが特徴。発話では言い間違い(錯語)が多く出現し、意味不明な新造語(ジャーゴン)もみられる。急性期ではしばしば多弁であり、障害の自覚に乏しいことが多い。
[編集] 超皮質性運動失語
言語自発性の低下と良好な復唱が特徴の失語。形式的には非流暢性とされるが、運動性失語が「話せない」のに対し、超皮質性運動失語は「話そうとしない」。
[編集] 超皮質性感覚失語
言葉の音を認知することができ、復唱もできるが、言葉の意味が理解できない。反響言語(おうむ返し)が目立つ。発話は流暢で、誤った言葉(錯語)が多い。
[編集] 全失語
左大脳半球のシルビウス裂周囲の広範に渡る損傷により「聞く」「話す」「読む」「書く」全ての言語機能が重篤に障害される失語。特定の言葉の自動的発話(残語、再帰性発話)がみられることもある。
[編集] 混合型超皮質性失語
全失語の様相ながら、復唱は保たれているもの。しかし復唱は意味理解を伴わない。ことわざなどの始め一文字を与えるとその続きを自動的に言う(補完現象)などもみられる。言語野を取り囲むように損傷されることから「言語野孤立症候群」とも呼ばれる。
[編集] 健忘失語
発話流暢で聴覚的理解は正常~比較的良好。言葉が思い出せない(失名詞)、言葉にできない(喚語困難)が特徴で、遠まわしで回りくどい説明(迂言)がしばしばみられる。名詞の理解ができないこともある。「失名詞失語」とも呼ばれる。
[編集] 伝導失語
言葉の理解も表出も比較的良好だが、音韻(字)性錯語(「りんご」→「でんご」のように言葉の音を間違える)と聴覚的把持力の低下(聞いた言葉を短期間覚えておく力の低下、言語性短期記憶の低下)を特徴とする障害。特に復唱にて誤りが出現する。自らの誤りに気づき自己修正を行う(接近行為)が、聴覚的把持力の低下のために発語すべきことばを忘れてしまい、正しい発語に至らないことも多い。
[編集] その他の失語症
[編集] 交叉性失語
純粋な右利き、右大脳半球損傷による失語。一般的に右利き者の言語野はほぼ左半球に存在するとされるため稀な症例である。鑑別材料としては、画像診断上右半球損傷に限局されていること、純粋な右利きであること(生来の右利き(利き手矯正をしていない)、近親の血縁者に左利きがいないなど)などがある。
[編集] その他
- 失語症や、その他言語障害に対処する専門の職業に言語聴覚士(speech-Language-Hearing therapist、略してST)がある。
- 失語症患者は言語機能に支障がでるため痴呆(認知症)と勘違いされやすいが、言語機能が失われただけで、人格や判断能力などは発症する前の状態と同じである。
- 失語症に関する訓練では、まだ十分なEBMが確立されていない。
- 失語症に対する薬物療法として、ピラセタムの有効性が確認されているが、日本では保険適用外の治療法である。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- (百科事典)「Aphasia」 - Medpediaにある「失語症」についての項目。(英語)

