奇術

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奇術 (きじゅつ)あるいはマジック(Magic)とは、人間の錯覚や思い込みを利用し、実際には合理的な原理を用いてあたかも「実現不可能なこと」が起きているかのように見せかける芸能。通常、観客に見せることを前提としてそのための発展を遂げてきたものをいう。手品(てじな)と同義であり、古くは手妻(てづま)、品玉(しなだま)とも呼ばれた。

また、奇術を行う者をマジシャン(Magician)、奇術師(きじゅつし)、手品師(てじなし)などと呼称する。

なおマジックの語源は、香木を火に捧げる祭儀や夢占・占星術を司る古代ペルシアの祭司階級であるマゴスから派生したギリシア語「マゲイア」である。古代ギリシア・ローマ世界において、マゲイアという言葉は本来、マゴスの業や知識を指す語であるが、呪術、まじない、奇術、さらにはイカサマやペテンといった悪い意味でも使われるようになった。マジック(魔術)という語が呪術と奇術というふたつの意味を併せもつのは、彼らが行った各種の奇跡魔術が現代的意味での奇術に相当することに由来するという説がある。

目次

[編集] 奇術の歴史

[編集] 日本以外の国での歴史

奇術の歴史は古く、演目の1つ「カップ・アンド・ボール Cup and Ball」は古代エジプトのベニハッサン村の4000年以上前のものと推測されている洞窟壁画にそれらしきものが描かれている(ただし、これはカップ・アンド・ボールを演じているところではないと考える学者もいる)[1]。紀元前1700年頃のものと考えられている書物(ウェストカー・パピルス)には当時のファラオの前で演じた奇術師の様子が詳細に描かれている[2]ギリシアローマ時代には奇術師を「小石を使うもの」という意味の言葉calculariusや「カップを使うもの」という意味の言葉acetabulariiで呼び、これは「カップとボール」(ラテン語acetabula et calculi)を表している[3]。この時代の文書には、奇術師に関連する逸話や見聞録が数多く存在する。

魔術と奇術は、ある意味では非常に近しい関係にある。英語のmagicがその両方を指すように、そもそも奇術は魔術を実現するために発展してきたとも考えられる。

奇術は古代、国家形成以前の時代から行われていたとされ、これは古代の集団においてそれを統率するリーダー的役割の人間は、不思議な力があることが大きな影響力を持っていた(日本では卑弥呼など)ことに由来する。リーダーは、民衆とは違ったことができるということをアピールすることで権力を得たともいわれるからである。このような奇術を「原始奇術」、「ビザー・マジック」とも言い、古代社会では大きな影響力を持つことに成功したと見られる。

ヒエロニムス・ボス『手品師』(『いかさま師』とも。1475-1480年頃)。古典奇術「カップと玉」に目を奪われた客の財布を、左端の男が狙っている

中世から近世にかけて西ヨーロッパにおいて、奇術を演じる者は「悪魔と契約を結んで本当に邪な力を得たのではないか」との嫌疑をかけられることがあり、一部の奇術師たちは訴えられて処罰された。近世に入って魔女狩りが盛んに行われるとヨーロッパでは奇術の技術的発展もストップした。この時代、旅回りのジプシー(ロマ)や芸人、一部の「白魔術」を行う奇術師によってのみ演技は継承されていた。 1584年イギリス地方地主レジナルド・スコットが、魔女狩りから無実の人々を救う目的で『妖術の開示』をロンドンで出版[4]。この中には奇術の解説も含まれており、世界最古の奇術解説書となっている(その他の有名な初期の解説書といえば「ホーカス・ポーカス・ジュニア」など)。

[編集] 日本における歴史

日本における奇術の歴史は、奈良時代より仏教とともに伝来した「散楽」が始まりとされ、狂言や能などと同じ源流を持っている。

大道芸として発展し、「放下」「呪術」「幻術」と呼ばれたが、戦国時代には芸として完成している。ただし、室町時代以降はキリシタンバテレンの妖術と非難され、一時禁止された。陰陽師安倍晴明など)の術も奇術の原理を使用していたとされる[5]。戦国時代の果心居士などが有名。

葛飾北斎画『北斎漫画』より、江戸時代の座敷芸の幻術。ブラック・アートや幻灯機を用いたものなどと解釈されている。

江戸時代頃から手妻(てづま)、品玉と呼ばれ、柳川一蝶斎や塩屋長次郎らが舞台で活躍した。特に塩屋長次郎は世界に先駆けて「ブラック・アート」(イリュージョンを参照)を完成させた人物である[6]。この時代に完成した日本奇術(和妻)の中でも水芸胡蝶の舞ヒョコといった演目は傑作となっている。江戸時代以降は奇術解説書が多く出版されるようになり、日本最古のものは「神仙戯術」(元禄10年、1697年)であり、これは文人画の大家、陳眉公の翻訳である[7]。江戸時代、奇術は知的な座敷芸として認知されていた。趣味人や知識人が著し、当時のプロが演じていた大掛かりなものから、座敷で演じるものまでが解説され、当時の日本人は既にエンターテイメントとして奇術を楽しんでいたことがわかる。江戸時代の著名な奇術解説書としては、「座敷芸比翼品玉」「秘事百撰」など。幕末から明治維新に掛けて来日した外国人は、手妻(特に胡蝶の舞)に驚嘆したという記録が残っている[8]

この時代には歌舞伎人形浄瑠璃からくり人形の舞台も大変な人気で、奇術的な原理を使用するものも多く、密接な関係を保っていた[9]

明治時代に、ヨーロッパ巡業した松旭斎天一やその一門などを始めとした数多くの奇術師が「西洋奇術」を披露し、人気を博した。このために、世界的に見てもユニークな手妻は徐々に勢いを無くし、現在では限られた奇術師(手妻師)しか演じなくなっている。現在の日本で見られる奇術のほとんどは欧米で発達したものであるため、日本古来の手妻(てづま)、品玉(しなだま)を指す場合に、特に西洋奇術の洋妻(ようづま)に対し和妻(わづま)という呼び方がされることもある。

1900年代初期から、日本奇術界は欧米のコピーに傾倒し始める。海外の知識が日本に流入するようになってから、奇術は手妻以上に演芸として確立する。

戦前は、松旭斎天一の弟子「魔術の女王」松旭斎天勝など松旭斎一門や様々な流派、または師弟関係の無い独学のマジシャンが興行を成功させた。また、アマチュアの研究家だった坂本種芳などが活躍し、同氏は1935年に海外の著名な賞であるスフィンクス賞を受けるなどしている。この時期に、様々な同好会が設立された。奇術のスタイルとしては、ステージマジックが主流であった。しかし、第二次世界大戦が長引くにつれ情報は乏しくなって行く。

戦後になると、小野坂東や高木重朗の尽力で欧米の奇術が再び日本へ紹介され、大きな影響を与えた[10]。この頃は、クロースアップ・マジックに関連する情報が多く、この分野が急激に発展した。また、プロマジシャン以外にも、アマチュアながらも優秀な愛好家が増加。沢浩厚川昌男といったアマチュアマジシャンが世界を驚嘆させる奇術を創案し、その他多くの優秀な人材が生まれている。

現在では日本の奇術愛好家人口も増加し、全国各地に同好会が存在する。世界の舞台で活躍するマジシャンも多く、「マジック界のオリンピック」の異名を持つ世界大会「FISM」などへ入賞するケースが増えている。世界で活躍したマジシャンとしては、石田天海島田晴夫、峯村健二ら。1970年代初代・引田天功などがステージマジックで成功し、1990年代には超魔術ブーム、2000年代にはクロースアップ・マジックがブームを巻き起こした。

[編集] 近代以降

大道芸や食卓芸として発展してきた欧米では、魔女裁判以降に奇術は再興、各国の王家専属の宮廷奇術師らも登場した。ステージマジックイリュージョンが人気を博し、1845年ロベール・ウーダンの登場から奇術は近代芸能へと変化を遂げる。それまでの「黒魔術的な怪しい衣装で暗い照明の下、不気味な演出で」行われていた奇術を、ウーダンは「燕尾服に明るい照明、スマートな演出」を行うことで完全なエンターテイメントへ変えた最初の人物である。このことから、ウーダンは「近代奇術の父」と呼ばれる。この時代の奇術師にはドコルタ、ストダー大佐らがいる。また、ステージ奇術師と同様に、サーカスに同行する奇術師(旅回り)や街頭奇術師は数多く存在していた。

19世紀後半から20世紀初頭まで、ボードヴィルやナイトクラブでのショー、ステージショーが全盛を極めた。当時はこういった分野が最も隆盛を極めた時代であり、1950年代映画産業が発達するまでの代表的な演目だった。この時代まで、プロは相当数いたとされるが趣味としているのは一部の裕福な家庭の知識人だけであった。この時代に活躍したマジシャンとしては、ハリー・フーディーニやハワード・サーストン、ハリー・ケラーら。 しかし、1800年代後半から多くの優れた奇術解説書が出版され、奇術は趣味として浸透し始める。多くはアマチュアの著作であることから「19世紀はプロの時代、20世紀はアマチュアの時代」と言われることがある(代表的なものはホフマン教授(プロフェッサー・ホフマン)著「モダン・マジック」など)。なお、近代-現在では「GENII」や「Magic」、日本の「The Magic」などといった奇術専門雑誌が発行されている。20世紀に入ってから、映画人気の影響や1929年世界恐慌などによって、イリュージョンなどの大舞台の興行は大打撃を受け、次第に奇術師の活躍の場はナイトクラブなどに移行した[11][12]。舞台が人気を失う中で、ラジオ番組やテレビ番組などへの登場で活躍の場を見つけ出した奇術師もいた。

1930年代以降は、大舞台に代わって身近なものを使ってみせるクロースアップ・マジックがよく演じられるようになり、クロースアップ系の雑誌なども発行されるようになった[13]ダイ・バーノンをはじめとしてクロースアップの分野で多大な功績を残すマジシャンが多く登場している。

現在では、奇術の演技形態だけでなく、タネに科学的なものも加わり進化は続いている。また身近で見せる奇術から大規模なイリュージョンまでさまざまな演技形態でプロが存在し、ショービジネス界で大成功を収めている奇術師も多く存在する(デビッド・カッパーフィールドランス・バートンなど)。日本では引田天功(初代、二代目)、Mr.マリックなどが成功を収めており、十数年おきにマジックブームが到来している。

ギネス記録へ認定されるマジシャンとしては、デビッド・カッパーフィールドやジョナサン・ペンドラゴン、リッキー・ジェイ山上兄弟が挙げられる。

「マジック界のオリンピック」とも形容されるFISM(Fédération Internationale des Sociétés Magiques)やIBM(International Brotherhood of Magicians)、S.A.M.(Society of American Magicians)といった世界的規模の会が存在している。コンベンション(大会)と呼ばれる催し物を開催し、全世界に奇術愛好家のネットワークが存在。プロからアマチュアまで垣根のない交流が可能といえる。日本ではJCMA(Japan Close-Up Magicians Association)や日本奇術協会、またS.A.M.ジャパン(S.A.M.の日本支部)などが存在している。

[編集] 奇術の分類

[編集] 観客との距離による分類

クロースアップマジック
小人数の観客と向かい合って演じる奇術を、クロースアップマジックという。テーブルを前にして行われることが多く、テーブルマジックとも言われる。カードマジックコインマジックはクロースアップマジックとして演じられることが多い。他にも煙草輪ゴムなどさまざまなものが道具として使用される。観客の選んだトランプを当てるなど、観客が参加する楽しみがある。英語表記は"close-up magic"であり、「クロース」と濁らないで発音する。
路上などで通りすがりの人に演じるストリートマジックや、レストランやパーティーなどでマジシャンがテーブルを巡回してマジックを見せるテーブル・ホッピングなどのジャンルがある。ストリートマジックは日本ではあまり普及していないが、TVではセロDr.レオン、ピーター・マービー、マルコ・テンペストなどが行っており、TV以外ではアッキー、天河磨月、MIKITOなどが行っている。
ステージマジック
大人数を前に舞台の上で行われる大規模な奇術をステージマジックという。ハト宝石トランプなどが出現・消失したり、さらには人間の出現や消失、人体の切断、爆発からの脱出などの派手な演出がなされることが多い。特に大規模なものはイリュージョンと呼ばれることもある。
サロンマジック
クロースアップマジックとステージマジックの中間的な奇術をサロンマジックという。出現系の派手な演出を比較的近距離から楽しめる。また、観客の参加度も高い。パーラーマジックとも呼ばれる。

[編集] 道具による分類

カードマジック
カードトランプ)を用いたマジックをカードマジックという。また、カードマジックを演じるマジシャンのことをカーディシャンという。
日本ではトランプと呼ぶことが多いが、本来はトランプとは切り札という意味である。
特に数枚のカードだけを用いて行う場合はパケット・トリックという。
コインマジック
コインを用いたマジックをコインマジックという。
コインは小さいのでクロースアップマジックとして演じられることが比較的多い。
ロープマジック
ロープを用いたマジックをロープマジックという。
クロースアップ・マジックから、サロンマジック、ステージマジックまで幅広く演じられる。
シルクマジック
シルク(のハンカチ)を用いたマジックをシルクマジックという。
ロープマジックと同様に幅広く演じられる。
イリュージョン
ステージマジックの中でも仕掛けを利用した大掛かりなものをイリュージョンという。
ただし、ロープからの脱出やアームギロチンなど、大道具とはいえないものであってもイリュージョンマジックと呼ばれている場合もある。またラスベガスをはじめとする諸海外では、大道具を使わないステージマジックであっても、幻想を見せるエンターテインメント全体をイリュージョンショーと呼ぶことが多い。

[編集] 現象による分類

多くの研究家が自らの分類を発表している。

移動
ある場所にあった物が別の場所に移動すること。例:カップアンドボール、アンビシャスカード、ウィングド・シルバー
消失
コインなど特定の場所にあった物が消えてしまうこと。カードマジックにおいては、特定のカードに挟んだカードが消えたりと、間接的に消すものが多い。例:カニバル・カード、自由の女神像の消失
出現
なかったはずのものが現れること。消失と対の関係にある現象。消失現象とよく組み合わされる。例:マイザーズ・ドリーム、ハト出し
変身
ライオンが美女に変わるなど、人物が別のものに変わること。変身にかかる時間が短いほど効果的。脱出術とよく組み合わされる。
変化
コインやカードが変化すること。ハーフダラーがペニーに変化したり、カードを弾くと一瞬で違うカードになるなど。特に物体の色を変化させることをカラーチェンジという。例:スター・ゲイザー、スペルバウンド
復元
破いたり、燃やしたカードや紙幣を元通りに戻すこと。例:リストアカード
貫通
コインにタバコを通すなど、本来通り抜けないはずの物同士を通り抜けさせること。例:チャイナリング、万里の長城の通り抜け、クレイジーマンズ・ハンドカフス
浮揚
ハンカチや紙幣、ケーン、ボール、人体などを空中に浮遊させ、自由に動き回らせる。例:カードフロート、ダンシングケーン
透視
目に見えないはずのものを言い当てる。人が思ったことを当てる場合は読心術となる。例:Out of Sight-Out of Mind、ブック・テスト
念動
物体に直接触れずに動かす。例:ホーンテッド・デック
予言
これから起こる出来事を予知してみせる。例:オープン・プレディクション、ギリガンの予言

[編集] 方法による分類

およそ以下の3つに分けられるが、2つ以上が組み合わさって成立している奇術もあり、また同一の奇術が複数の異なる方法によって実現できることもある。

スライハンド
手練の技術によって不思議さを演出する方法はスライハンドと呼ばれる。
スライハンドは和製英語であり、本来は「Sleight」または「Sleight of Hands」というのが正しい。
ギミック
奇術を演じるための仕掛けが施された道具を用いて行うものはギミックと呼ばれる。
セルフワーキング
数理的な原理に基づいたもので、手順通りに行えば自動的に上手くいくものをセルフワーキングという。カードマジックにはセルフワーキングの作品が多い。
高度な技術や高価な道具を必要としない場合が多いので初心者に向いているが、その分ビジュアルな現象を起こすのには向かない。

[編集] 演出による分類

パター
会話を主体とするマジックはパターと呼ばれることがある。あるいは演技中に行う口上のことをパターという場合もある。
サイレント
前述のパターとは逆に台詞抜きで演技する場合はサイレントと呼ばれる。ステージマジックイリュージョンは比較的サイレントで演じられる場合が多い。
コメディマジック
演技の中に笑いを主体として組み入れているマジックをコメディマジックコミックマジックという。日本ではナポレオンズマギー一門などがよく行っている。
メンタルマジック
不可能性・不思議さを重要視し、降霊術超能力のパフォーマンスのような演出で行うマジックをメンタルマジックという。透視、読心、予言、浮遊、念動といった現象を起こすものが多い。日本ではMr.マリックやロミオ・ロドリゲス・ジュニア、海外ではマックス・メイビンやリチャード・オスタリンドなどがよく行っている。
サッカートリック
マジシャンが奇術を失敗したと見せ掛けて、その後にどんでん返しが待っているマジックの総称。例えばカードマジックにおいて、観客の選んだカードを当てようとして失敗したマジシャンが、当てそこなったカードを本当に選んだカードに変化させるなど。

[編集] その他の分類

和妻
日本の伝統奇術のことを和妻という。これに対して西洋の奇術を洋妻ということがある。
天覧奇術
日本において天皇に対して演じる奇術のことを天覧奇術という。
科学マジック
科学の法則・原理を利用したマジックを科学マジックという。科学教育に利用されることがある。
学生マジック
日本において学生の奇術サークルなどで演じられる奇術のことを学生マジックという。
学生のマジッククラブは、日本では盛んだが日本国外にはあまり多くない[14]。日本の学生マジックの特徴としては、現象が起こったあと拍手をもらうためのアピール時間が異様に長いことが挙げられる[15]

[編集] 手品のタネ

タネ明かしは奇術の世界では現在でも重大なタブーと見なされる。ただし実用新案の期限切れや守秘義務の無いもの、市販の手品グッズを使ったもの、一般の書店で購入できるタネ本に紹介されているもの、誰でも簡単に見破れるものなどについては、タネ明かしをしたり、ギャグとしてわざとタネが分かるように奇術を行なうマジシャンもいる(ナポレオンズゼンジー北京マギー一門など)。

[編集] 技法

奇術を成立させるために使用される手段の一つ。例えば奇術師がひそかに、カードを特定の場所にコントロールしたり、手に隠し持ったりする方法。シークレット・ムーブ

観客に気づかれないように行わなければならないシークレット・ムーブとは対照的に、演者が技術をアピールするためにトランプなどを曲芸のように操る技術をフラリッシュという。

[編集] 生で奇術を見られる場所

  • ステージマジックは単独でショーが催される。またサーカスの一部として演じられるので、最も見る機会が多い。
  • サロンマジックは、デパートの手品売り場で実演販売をみるのが最も手軽に見られる場である。
  • クロースアップマジックは、手品部のある大学の大学祭などで見るのが手軽で、ある程度のレベルが期待できる。もちろん、プロが行うクロースアップマジックを運良く近くで見られる機会があれば、それが望ましいのは言うまでもない。
  • 大都市では定期的にマジックショーを行うレストランやバーがある。また、それを専門としているところ(マジックバー)もある。
  • 寄席では色物として奇術師がほぼ毎日出演しているのでほぼ毎日見ることができる。
  • アマチュアの奇術愛好グループが定期的に催す発表会・交流会に参加することで見ることができる。
  • プロの奇術師が行なうショーはホテルなどのイベントして催されることも多い。
  • 社団法人日本奇術協会が1990年よりアマチュアとプロを対象としたコンテストを毎年行なっているので、それに参加すると見ることができる。

[編集] サーストンの三原則

日本には初心者が奇術を演じるときの心構えを示すサーストンの三原則という格言がある。

  1. 披露する前に現象を説明してはいけない
  2. 繰り返してはいけない
  3. 種明かしをしてはいけない

の3つを説明している。しかし必ずしもこれが全てという訳ではなく、何度も同じ現象を繰り返して見せることにより不思議さを増す現象(アンビシャスカードなど)もある。

なお、サーストンとはアメリカのマジシャンであるハワード・サーストンのことであるが、彼がこのような格言を残したという記録は残っておらず、またアメリカでもこのような格言は浸透していない[16]。3つの原則のうち1と2に関してはホフマンの『モダン・マジック』(1876年)のイントロダクションで紹介されている[17]

[編集] 奇術趣味の著名人

奇術は、さまざまな著名人と関係が深い場合がある。中にはプロさながらの功績、テクニック、実力を持つ人物もあり、以下のような著名人が趣味としている。

[編集] 日本

[編集] 日本国外

[編集] 奇術に関連する作品

奇術を題材にした小説映画などは数多く製作されている。特に推理小説の分野では泡坂妻夫クレイトン・ロースンジョン・ディクスン・カー(カーター・ディクスン)のように作家が奇術師の場合もある。

[編集] 映像作品

[編集] テレビドラマ

  • 刑事コロンボ第36話『魔術師の幻想』(ハーヴェイ・ハート監督、1975年~1976年)
  • 新・刑事コロンボ第46話『汚れた超能力』(レオ・ペン監督、1989年)
  • 警部補・古畑任三郎第21回『魔術師の選択』(三谷幸喜脚本、1996年)
  • マジシャン刑事(佐々木章光制作・演出、2000年)
  • 『トリック』堤幸彦監督、2000年・2002年・2003年など)

[編集] 映画

[編集] アニメ

[編集] 文学作品

[編集] 推理小説

  • 奇術探偵・曽我佳城シリーズ(泡坂妻夫
  • 11枚のとらんぷ(泡坂妻夫)
  • 奇術師探偵 グレート・マーリニ (The Great Merlini) シリーズ(クレイトン・ロースン
    • 長編
      • 帽子から飛び出した死
      • 天井の足跡
      • 首のない女
      • 棺のない死体(ゆうれい殺人事件)
    • 短編
      • 入れ墨男の手懸り(いれずみ男の謎)
      • 折れた脚の手懸り
      • ありそうでない動機の謎(動機なき殺人)
      • この世の外から(あの世から)
      • 天外消失
      • マーリニと嘘発見器
      • 消えたダイヤモンド
      • 音響効果殺人事件
      • 世に不可能事なし
      • 奇蹟なんぞはいつでも起る
      • マーリニと写真の謎
      • 世界最小の密室
  • 魔術師シフティシリーズ(ウィリアム・マーレイ)
    • 走りすぎた馬
    • スプリンターを狙え
  • ロンドンの超能力男(ダニエル・スタシャワー):シャーロック・ホームズのパスティーシュ
  • 魔術(87分署シリーズ、エド・マクベイン
  • 塔上の奇術師(江戸川乱歩
  • 彩紋家事件(JDCシリーズ:清涼院流水
  • 幻惑の死と使途(森博嗣
  • 魔術師(井上雅彦・編)
  • マジシャン MAGICIAN(松岡圭祐
  • イリュージョン マジシャン第2幕(松岡圭祐)
  • 奇術師(クリストファー・プリースト
  • 魔術師 -イリュージョニスト-(ジェフリー・ディーヴァー
  • 歯と爪(ビル・バリンジャー)

[編集] 推理小説以外

  • 奇術師カーターの華麗なるフィナーレ(グレン・デイヴィッド・ゴールド)
  • 奇術随筆(阿部徳蔵)
  • ガダラの豚(中島らも

[編集] 漫画作品

[編集] コンピュータゲーム

[編集] 関連項目

[編集] 参考文献

[編集] 脚注

  1. ^ 高木重朗 『大魔術の歴史』 講談社、1988年、12~13頁。
  2. ^ 高木重朗 『大魔術の歴史』 講談社、1988年、76~77頁。
  3. ^ 高木重朗 『大魔術の歴史』 講談社、1988年、15頁。
  4. ^ 高木重朗 『大魔術の歴史』 講談社、1988年、120頁。
  5. ^ 泡坂妻夫 『大江戸奇術考』 平凡社新書、2001年、20~34頁。
  6. ^ 泡坂妻夫 『大江戸奇術考』 平凡社新書、2001年、40~41頁。
  7. ^ 泡坂妻夫 『大江戸奇術考』 平凡社新書、2001年、48頁。
  8. ^ 泡坂妻夫 『大江戸奇術考』 平凡社新書、2001年、206頁。
  9. ^ 泡坂妻夫 『大江戸奇術考』 平凡社新書、2001年、144頁。
  10. ^ カズ・カタヤマ 『図解 ステージマジック入門』 東京堂出版、2004年、8頁。
  11. ^ 荒木一郎 『テクニカルなクロースアップマジック講座』 東京堂出版、2007年、15~16頁。
  12. ^ 高木重朗 『大魔術の歴史』 講談社、1988年、211~212頁。
  13. ^ 荒木一郎 『テクニカルなクロースアップマジック講座』 東京堂出版、2007年、15~18頁。
  14. ^ 松山光伸 「英国マジックの概観とその降盛期」『ザ・マジック Vol.61』 東京堂出版、2004年、29頁。
  15. ^ カズ・カタヤマ 『図解 ステージマジック入門』 東京堂出版、2004年、126頁。
  16. ^ カズ・カタヤマ 『図解 マジックテクニック入門』 東京堂出版、2003年、55頁。
  17. ^ 荒木一郎 『テクニカルなカードマジック講座2』 東京堂出版、2006年、14頁。

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年8月5日 (水) 01:39 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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