嫌日流

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嫌日流』(ハングル혐일류ヒョミルリュ)は、漫画家佯病説(ヤン・ビョンソル)によって韓国で発売された漫画である。日本の『マンガ 嫌韓流』に対抗して発表された。日本語版も出版されている。

金城模(キム・ソンモ)による同題の漫画(日本語版の邦題は『マンガ 嫌日流』)とは別作品である。

目次

[編集] 概要

表紙には褌姿で日の丸の鉢巻を締めた、戯画化された日本人と想像するしかない人物(一部では「日本に襲いかかる朝鮮人」などという説もあった)が、日本列島を背景に、大陸型の刀を振りかざしている絵が描かれており、その上には「命令だ! 日本はドイツの半分の半分の半分でも見習ってみろ!」と韓国語で書かれている。

日本語には敬語が無いとされていたり(敬語の起源は韓国だと主張している。なお、実際には日本語の敬語は古代前期頃から存在。日本語版では敬語の項目は削除)、李氏朝鮮時代の庶民が色の付いた服を着ていたり(当時の庶民は白色の服が一般的)と、その内容には明らかな文化や歴史への事実誤認(あるいは不勉強や歪曲)が見受けられる。

竹島(韓国名:独島)が韓国領であるとする証拠について以下の様な根拠を出しているが、その多くは誤りであったり反論の余地が多々ある。

  • 1618年に大谷・村川家が竹島に渡航するために幕府の許可を取ったのは、それが日本の領土ではなかったからである。
→渡航許可は海外に渡るための許可ではなく、商業利用に必要な許可だった。
  • 独島は倭寇から民衆を守るため本土に民衆を呼び集めた「空島政策」により無人島となっていたのを、1905年に日本が勝手に自国の領土に編入した。
→「空島政策」を実行したのは鬱陵島で、竹島は当初から無人島であったため行われていない。
→竹島を含めることはアメリカ合衆国政府により却下された為、正式な条約文からは削除された。[1]
  • カイロ宣言には、日本が1895年以降に収得した地を返還すると書かれている。
→「日本国はまた、暴力及び貪欲により日本国が略取した他の一切の地域から駆逐されなければならない」と述べられているだけであり、明確に地域名や島名が定められているわけではない。また外交的にカイロ宣言の有効性自体が疑わしいとする見方もある。詳しくは「カイロ宣言の有効性」を参照。
→大韓勅令には「石島」を韓国領とすると書かれており、独島の名は出てこない。日本側は、これは現在の観音島であるとする学者も多い。
  • 国が領海を引くとき国外領土を中心に卵円形に引くのが普通。
→実際にはそのようなことはない。実際には国際航路も考慮しながら海岸線から一定海里のラインが引かれる。
  • 1419年倭寇討伐のための対馬への攻撃(応永の外寇)という侵略行為があったので当時対馬は日本領でない、独島も同様である。
→実際のところ日本は対馬を少なくとも7世紀頃から支配している、同様な主張は李承晩もしていたが、アメリカ合衆国から無視された。また現代では過去の侵略行為を領域権原と主張できる国際法は認められていない。

その他の内容についても、客観性・正確性に疑問がある記述がみられる。

  • 日本が領有権を主張する領域として「スプラトリー諸島(南沙諸島)」を例に挙げているが、1951年のサンフランシスコ講和条約で日本は既にその領有権を放棄[1]しており、現在、領土問題における係争中の事実はない。
  • 2002年の日本でのプチ整形ブームの頃の資料を利用して日本は韓国人よりも整形手術が多く、多くの日本人が韓国へ来て整形していると述べているが、2004年までの資料があったにもかかわらず、2002年(プチ整形がはやった年)の資料を掲載している(その年以降、韓国の方が整形率が高い事に関しては言及されていない)。
  • 20世紀初頭の日本人は朝鮮人よりも10cmも身長が低かった(海外の資料では、韓国の方が2-3cm高い程度)。
  • AP通信のアンケートでヨーロッパ人から見て女性が一番綺麗な国は韓国であったとも書かれているが、実際にAP通信がそのようなアンケートを行い、そのような結果が出たのかということについて、出版後の作者の発言などからも一部から疑問視されている(後述)。
  • ふんどしは「セックスに都合のいい下品な服」と見下しており、「子供たちにも着用させている」とも書かれている(現代の日本で子供にふんどしをはかせるのは、「博多祇園山笠」や「ちびっこ相撲」など、伝統的な一部のイベントのみである。)。
  • 日本には、「下半身を露出させた数人の男性出演者の局部を女性出演者が紐で縛り、その紐を引っ張って最初に悲鳴を上げた人が負けるというゲームを放送する深夜番組がある」としている(無論、そのような番組は存在するわけがない)。
  • 韓国という国家の特徴について、「文盲率が1%未満の世界唯一の国家」としているが、実際には韓国の文盲率は2004年で2%(United Nations Development Programのデータによる)である。また、文盲率1%未満は日本、ロシアエストニアタジキスタンなど複数の国家で見られる。
  • 「文字がない国々に国連が提供する文字はハングルである」としているが、そのような事実は無い。
  • ドイツの戦後処理を礼賛しているが、実際には本書出版前の2004年9月にポーランド議会がドイツに対し「戦争被害賠償請求決議」を行うなど、戦後処理を巡りドイツと周辺国の摩擦は大きな問題を引き起こしていた。またヴィリー・ブラント首相がゲットー記念碑で跪いて謝罪した事でポーランド人がドイツを許したとの記述があるが、ブラントのその行為は共産党政権下のポーランドでは公表されておらず、殆どのポーランド人に知られていなかった。このため「ブラントの謝罪によりポーランド人がドイツを許した」などという事実はない(なおブラントはあくまでも「ユダヤ人迫害」を謝罪したのであって、ポーランドに対して謝罪したのではなく、戦後のポーランドによるドイツ人追放を「いかなる理由があろうと許されない不正行為」と非難している)。
  • クッキーニュースのインタビューで「アリランが世界の音楽専門家たちが集まった席で 82%の支持で一番美しい曲に選定されたとマンガにあったが、根拠があるか?」と問われると作者は「インターネットで見た」と答えるに留まり、「私が知る範囲では根拠ない偽り記事に分かっている」と突っ込まれると「専門家たちは偽りか否かがすぐに分かるが、私のような一般人達がどうやって見分けるのか」と答えたという。また、「嫌韓流がごり押し主張なのに、嫌日流が論文のように論理的である理由があるのか?」と開き直ったような発言もしていた。
  • 公園で男女が公然と性交する場面があり、現実として日本社会においては考えられない内容が書かれている。
  • アダルト雑誌の自動販売機が日本の子どもたちにも親しまれているような書き方をしているが、そのような自動販売機を見かけることは稀である。
  • 日本を後進国として扱っている。
  • 韓国の高速鉄道が自国だけで作ったように表現したセリフがあるが、実際はフランスのTGVの技術を用いたものである。

タイトルこそ「マンガ 嫌韓流」を意識したと思われるが、嫌韓流への直接的な反論ではなく、冒頭から排泄物の処理に関しての両国の差を理由に日本を見下すなど、単に両国の文化あるいは民族間に優劣をつけようとするナショナリズムが色濃い。「嫌韓流」と併せ、両国で様々な議論が行われるきっかけとなった本作ではあるが、議論の柱となるような評価を得られているとはいい難い。

この「嫌日流」を韓国で出版する前の段階では、同タイトルの「嫌日流」(内容は全くの別物)を別の著者である金城模が出版する予定であったが、同書の著者の佯病説が同時期に同書の出版を発表したため、金城模の「嫌日流」の出版が一時見送られていた(その後出版される)。韓国のメディア等ではこの事が取り上げられた際、佯病説に対して「盗作疑惑」という話が向けられるまでに至った。さらにこれら2種類の「嫌日流」が混同されるといった扱いも少なくない。

[編集] 日本語版

日本語版は有学書林から2006年6月に発売されている。出版社は「日本人からみれば首をかしげたくなる箇所はあるが、韓国の『普通の人』の歴史観の差を知ることに意味がある」としており、基本的にはネタ本としての出版になったようである。

フルカラーだったものがモノクロ印刷になり、綴じが韓国版とは逆になっている。

帯には「ハワイも自分のものだと言ってみろ! そうしたら独島(日本名:竹島)は返してあげよう」と書かれている。

[編集] 関連項目

[編集] 脚注

  1. ^ それ以前に中華民国に台湾とともに返還したという主張も中華民国政府がしている

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年8月14日 (金) 13:52 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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