定時飛行場実況気象通報式
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定時飛行場実況気象通報式(ていじひこうじょうじっきょうきしょうつうほうしき、METAR)は、気象に関する情報を通報するためのフォーマットである。METAR の意味は「定期的な航空用気象情報(aviation routine weather report)」であり、主にパイロットが飛行前に行なう気象状況説明で使われている。
気象学者が天気予報に役立てるために、METAR を集計して使うこともある。通常 METAR は空港から発せられる。1時間ごとが(地域航空協定により、30分毎の観測を設定する場合がある)普通だが、天候が急激に変化する時には SPECI (特別飛行場実況気象通報式)という特別通報も出される。空港や軍基地によっては自動気象観測システム (ASOS) でコード化されるが、人手を介するところもある。デジタルセンサーで記録されてソフトウェアでコード化されるが、観測員や予報官がチェックした後で送信される。また、訓練を積んだ観測員や予報官が人力で観測・コード化して送信することもある。
METAR フォーマットは1968年1月1日に国際的に導入され、数回修正されている。北米では気象通報に SAO (Surface Aviation Observation 別称サキューラーN) を使い続けていたが、1989年のジュネーヴ合意で承認された METAR の変形を1992年7月1日から使うようになった。 なお、METARとSPECIのフォーマット自体は、全く同じであり臨時観測の条件があった場合に、METARの代わりにSPECIとして報じるようになっている。
「METAR」の由来はフランス語の "message d’observation météorologique régulière pour l’aviation" で、"MÉTéorologique ("Weather") Aviation Régulière ("Routine")" の短縮であると考えられている。連邦航空局 (FAA) では「METeorological Aerodrome Report の短縮ではない」としている。FAA とアメリカ海洋大気圏局 (NOAA) による厳密な定義では、フランス語の概訳である "aviation routine weather report" が METAR である。
標準的な METAR には、温度、露点、風、降水、雲量、雲高、視程、気圧などのデータが含まれている。また、総降水量や雷、その他パイロットや気象学者が関心を持つカラー・ステート (Colour State) のような情報が含まれることもある。
またMETARの最後には、観測後の2時間に起こりうる気象の変化を取り扱う TRENDと呼ばれる短期予報が付け加えられることがある。これは、飛行場予報 (TAF) と同じフォーマットであるが、TAFと大きく異なるのは、特に重要な変化がない場合、NOSIG(No significant condition)が付加されることと、適用時間が最大で2時間程度の違いである。
TAF は「現在の気象情報」よりも当該飛行場の「予報」に重点を置いた通報であり、METARとは通報するべき要素は共通するものの、内容がかなり異なっている。VOLMET放送では、METAR と TAF が使われているが、VOLMET放送の放送時間枠の関係から、現状では最大9時間 先までの予報になっている。ただし、2008年11月5日以降は、予報期間が大幅に延長される。
METARは、基本的な形態をICAO技術規則Annex-3で定義し、世界気象機関 (WMO)でコード定義される。aviation routine weather reports (FM-15 METAR) と aviation selected special weather reports (FM-16 SPECI) である。
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[編集] 国際 METAR コード
以下に示す例は、ブルガリアのブルガスにあるブルガス国際空港における 2005年2月4日 16:00 UTC の METAR である。
METAR LBBG 041600Z 12003MPS 310V290 1400 R04/P1500N R22/P1500U +SN BKN022 OVC050 M04/M07 Q1020 NOSIG 9949//91=
- METAR は、以下に続くのが通常の1時間ごとの観測であることを示す。
- LBBG は、ブルガス国際空港のICAOコードである。
- 041600Z は、月の日付が4日であり、時刻が協定世界時で16時00分、東ヨーロッパ時間で午後6時00分であることを示す。
- 12003MPS は、風速3メートル/秒の風が真北より120度の方向(東南東)から吹いていることを示す。
- 310V290 は、風向の変動が310度(北西)~120度(東南東)~290度(西北西)であることを示す。
- 1400 は、卓越視程が1400メートルであることを示す。
- R04/P1500N は、滑走路04での滑走路視距離 (RVR) が1500メートルで、特に変化が無いことを示す。
- R22/P1500U は、滑走路22での RVR が1500メートルで、上昇していることを示す。
- +SN は、激しい雪が降っていることを示す。
- BKN022 は、地上高 (AGL) 2,200フィートで雲に隙間があることを示す。
- OVC050 は、地上高5,000フィートで雲に隙間が無いことを示す。
- M04/M07 は、気温が摂氏マイナス4度で、露点が摂氏マイナス7度であることを示す。
- Q1020 は、高度計規正値(QNH方式)が1020hPaであることを示す。
- NOSIG は、METAR に追加されるTREND 予報の例である。NOSIG は、次の2時間には大きな変化が無いことを意味する。
- 9949//91 は、滑走路の状況を示す。フォーマットは「abcdefgh」で、ab は滑走路の方位、c は堆積物の種類(4は乾雪)、d は堆積物の占める割合(9 は滑走路の51~100%が覆われている)、ef は堆積物の厚さ (mm) (// は計測不能か滑走路の使用に支障が無いことを示す)、gh は制動指数(91 は状態が悪い)を示す。滑走路状態を報じる規定は、地域航空協定による。
- = は、METAR の終わりを示す。
[編集] 米国/カナダ METAR コード
北米での METAR は、WMO(国際民間航空機関 (ICAO) の代わりにコードを決めている)FM 15-XII コードから、わずかに逸脱している。詳細は、FAA の航空情報マニュアル (AIM) に記されている。以下に示す例は、ニュージャージー州のトレントン近郊にあるトレントン・マーサー空港における 2003年12月5日 18:53 UTC の METAR である。
METAR KTTN 051853Z 04011KT 1/2SM VCTS SN FZFG BKN003 OVC010 M02/M02 A3006 RMK AO2 TSB40 SLP176 P0002 T10171017=
- METAR は、以下に続くのが通常の1時間ごとの観測であることを示す。
- KTTN は、この通報がアメリカ合衆国のトレントン近郊にあるトレントン・マーサー空港のものであることを示す。
- 051853Z は、月の日付が5日で、時刻が協定世界時で1853、グリニッジ標準時で午後6時53分、東部標準時で午後1時53分であることを示す。
- 04011KT は、風速11ノット(約13マイル/時)の風が真北より40度の方向(北東)から吹いていることを示す。
- 1/2SM は、卓越視程が0.5マイルであることを示す。
- VCTS は、周辺(5マイル以上10マイル以下)に雷雨があることを示す。
- SN は、並みの強さで雪が降っていることを示す。
- FZFG は、着氷性の霧が出ていることを示す。
- BKN003 は、地上高300フィートで雲に隙間があることを示す。
- OVC010 は、地上高1,000フィートで雲に隙間が無いことを示す。
- M02/M02 は、気温が摂氏マイナス2度で、露点が摂氏マイナス2度であることを示す。
- A3006 は、高度計を30.06inHgに設定すべきであることを示す。
これ以降は、国際的なフォーマットの一部ではない点に注意。この例はアメリカ合衆国に特有で、カナダと共通のフォーマットではない。
- RMK は、注釈が後に続くことを示す。
- AO2 は、観測所に自動降水センサーが設置されていることを示す。
- TSB40 は、雷雨が始まったのが正時の40分、協定世界時で1840、グリニッジ標準時で午後6時40分、東部標準時で午後1時40分であることを示す。
- SLP176 は、海面校正した気圧が1017.6ミリバールであることを示す。
- P0002 は、過去1時間の水に換算した降水量が0.02インチであることを示す。
- T10171017 は、気温が華氏29度(摂氏に換算するとマイナス1.7度)で、露点が華氏29度(摂氏に換算するとマイナス1.7度)であることを示す。
- = は、METAR の終わりを示す。
注意することは、向きを示す情報はRVRを除くと、真方位(極を南北とする)で示されることで、コンパス(方位磁針)で示される方位(磁方位)ではない。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- フォーマット仕様
- Federal Meteorological Handbook No. 1 - Surface Weather Observations and Reports - OFCM.gov
- NOAA Satellite and Information Service - NOAA.gov
- ソフトウェア・ライブラリ
- METAR を解析するための Perl モジュール CPAN ウェブサイト
- PhpWeather - METAR を解析するための PHP アプリケーション(GNU GPLライセンス)
- pymetar - METAR を取得・解析する Python ライブラリ
- 現在のレポート
- MetOffice - UK の METAR や TAF (要ログイン)
- Nav Canada - カナダの METAR や TAF
- MyMetar.com - METAR や TAF やレーダー画像など
- AC Network Weather - カナダやアメリカや世界中の空港の TAF や METAR
- Allmetsat - METAR や TAF
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最終更新 2009年9月21日 (月) 14:01 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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