宮台真司

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宮台 真司(みやだい しんじ、1959年3月3日 - )は、宮城県仙台市出身の社会学者評論家首都大学東京教授(旧東京都立大学教授)。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。社会学博士(博士論文『権力の予期理論』)。改憲論者であり、重武装論者でもある。

目次

[編集] 概略

天皇主義に基づく保守思想を展開する。また、ジョン・ロールズの思想をもとにリベラルな論を展開しており、リベラリストを標榜しているが、近年はリベラリズムにおける非普遍性(リベラリズムを支える「端的な事実性」)を隠すのをやめ、「リベラリズムは事実性を絶えず乗り越えようとする実践の永久革命」(丸山眞男の「民主政治は実践の永久革命」を参考)というコメントも見受けられる。売春合法化論者でもあり、援助交際やブルセラと同様「性の商品化」に深い関心を寄せている。旧来のいわゆる55年体制式の概念はもはや意味をなさず、集権的再配分・国家による規制の是非、主知主義と主意主義の対立というルーツとしての左右概念にシフトしたと語る。その一方、解放的関心の強烈な「左」と条理によって条理の限界を見極める「右」は論理的に両立可能、とも主張する(宮台自身は「右でもあり左でもある」と述べているが、左とは見られていない)。首都大での講義に取り上げるほどにサブカルチャー全般に関する造詣が深い。自身が小室直樹ゼミの優等生として小室から全著作集の編集を任される一方、鈴木謙介・鈴木弘輝などを弟子にもつ。

父親の転勤に伴い小学校時代の大部分を入間市京都市で、小学6年のから大学時代まで三鷹市大和市で過ごす。麻布の進学校に通っていたがちょうど学園紛争の時期で荒廃していた中で学園生活を送っていたという。大学・大学院時代に廣松渉小室直樹見田宗介などに師事し、そのうちの一人である吉田民人に、就職してからは何をしてもいいから、5年間は数理社会学者のふりをしてとりあえず就職しろと言われ、不本意ながらも数理社会学で博士号を取得。

オウム真理教による一連の事件、渋谷にあてもなく集う若者など「混迷」の1990年代を独自の理論で鮮やかに解明し、多くの賞賛と批判を浴びつつも一躍論壇の主役に躍り出る。1990年代後半はテレビ番組に積極的に出演したが、現在は企画段階から関われるものに限っている。

草創期からテレフォンクラブに通いつめ、女子高生援助交際コギャル・日サロブームの実態を見続けてきた体験がフィールドワークとなった。「キツい学校的日常を潰されずに生き抜く知恵」として女子高生の「まったり」とした生き方を評価したこともあり、松原隆一郎に「ブルセラ評論家」と揶揄された。

2000年代に突入すると、かつて叫ばれた「キツさ」は次第に沈静化。これは「まったり革命」の勝利であると宣言。だが、宮台が称揚した女子高生たちが、その後ほとんどメンヘラーとなったため、かつての自身の主張を撤回した。

自身の良きコミュニケーションの相手として選んだ著名人との対談も知られている。その相手の一人である上野千鶴子との対談では、実際のレイプ犯も出演するバクシーシ山下監督の過激なレイプAVを評価した。また、そのAVに男優を斡旋し「AVという『ヴァーチャル空間』で『ガス抜き』をさせている」と述べ、「死の自己決定」論争とも相まって小松美彦と対立する。

現在の伴侶は佐伯胖の娘(ちなみに宮台は佐伯の教育論を、佐伯の東大教育学部での同僚であった佐藤学を含め痛烈に批判している)。かつて称揚した「ブルセラ少女」と正反対の良家の子女と結婚したことで三浦展(『下流社会 新たな階層集団の出現』)らから皮肉られることになった。ジャーナリスト速水由紀子とはかつて事実婚関係にあった(小説を書くよう勧め、小説家桜井亜美として文壇デビューさせたことは有名)。

小林よしのりを「マヌケ顔の白豚」、香山リカ斎藤貴男を「左翼のダッチワイフ・ダッチハズバンド」、自由主義史観を「オヤジのオナニー」と形容するなど論敵を仮借なく批判する一方、熱心な読者の自殺という事件に立ち会い重度のうつ病に陥ったり、北田暁大は「彼ほど人に気を遣ってくれる人はいない」と評するなど繊細な一面も覗かせる。後に小林とは「共闘関係が可能」と自称するまでになり、小林の著作「沖縄論」を「素晴らしい読後感」と評価し、「私も沖縄を左翼から奪還する計画だ」と同調するまでになった。その関係の変遷について宮台本人は、「私や小林氏のどちらかが変わったのではなく、小林氏の主張が時代を経て純化し、夾雑物が削ぎ落とされ(つまりここでは「つくる会」的な物を意味しますが)、優先順位がはっきりしてきたためだ。」と説明した。

PHP研究所石原慎太郎東京都知事との対談で「ポピュリズムと揶揄されるものとは別次元の感染力であり、都知事選ではメディア効果も手伝って人の凄さの違いが際立つのを実感した」とその政治手腕を絶賛している[1]ほか、主に教育についての考え方に一致点が多い。また石原は「首都大学に面白い社会学者が居る」として一目置いている。

ビデオジャーナリストの神保哲生が代表を務めるインターネット放送局ビデオニュース・ドットコムにて、神保とともに『マル激トーク・オン・デマンド』のパーソナリティを努める。

[編集] 学歴

[編集] 職歴

[編集] 著作

[編集] 単著

  • 『権力の予期理論――了解を媒介にした作動形式』(勁草書房, 1989年)
  • 『制服少女たちの選択』(講談社, 1994年)
  • 『終わりなき日常を生きろ――オウム完全克服マニュアル』(筑摩書房, 1995年)
  • 『まぼろしの郊外――成熟社会を生きる若者たちの行方』(朝日新聞社, 1997年)
  • 『透明な存在の不透明な悪意』(春秋社, 1997年)
  • 『新世紀のリアル』(飛鳥新社, 1997年)
  • 『世紀末の作法――終ワリナキ日常ヲ生キル知恵』(メディアファクトリー, 1997年)
  • 『<性の自己決定>原論――援助交際・売買春・子どもの性』(紀伊国屋書店, 1998年)
  • 『これが答えだ!――新世紀を生きるための100問100答』(飛鳥新社, 1998年)※
  • 『野獣系でいこう!!』(朝日新聞社, 1999年)
  • 『自由な新世紀――不自由なあなた』(メディアファクトリー, 2000年)
  • 『援交から革命へ――多面的解説集』(ワニブックス, 2000年)
  • 『援交から天皇へ――Commentaries 1995-2002』(朝日新聞社, 2002年)
  • 『絶望から出発しよう』(ウェイツ, 2003年)
  • 『絶望 断念 福音 映画――「社会」から「世界」への架け橋』(メディアファクトリー, 2004年)
  • 『亜細亜主義の顛末に学べ―宮台真司の反グローバライゼーション・ガイダンス』(実践社, 2004年)
  • 『宮台真司interviews』(世界書院, 2005年)
    • 後に8問8答追加された『これが答えだ!――新世紀を生きるための108問108答』として朝日新聞社より出版される。ちなみにこの本に描かれている、タイトルを唱えながら「うりゃーっ!!」と絶叫している宮台のイラストは江川達也の手によるものである。
  • 『宮台真司ダイアローグズ1』(イプシロン出版企画、2006年)
  • 『14歳からの社会学――これからの社会を生きる君に』(世界文化社、2008年)
  • 『〈世界〉はそもそもデタラメである』(メディアファクトリー, 2008年)
  • 『日本の難点』(幻冬舎新書, 2009年)ISBN 978-4-344-98121-8

[編集] 共著

  • (石原秀樹・大塚明子)『サブカルチャー神話解体――少女・音楽・マンガ・性の30年とコミュニケーションの現在』(Parco出版局, 1993年)
  • (藤井良樹・中森明夫)『新世紀のリアル』(飛鳥新社, 1997年)
  • 尾木直樹)『学校を救済せよ――自己決定能力養成プログラム』(学陽書房, 1998年)
  • 藤井誠二)『学校的日常を生きぬけ――死なず殺さず殺されず』(教育史料出版会, 1998年)
  • 松沢呉一)『ポップ・カルチャー』(毎日新聞社, 1999年)
  • 藤井誠二)『美しき少年の理由なき自殺』(メディアファクトリー, 1999年)
  • (三沢直子・保坂展人)『居場所なき時代を生きる子どもたち』(学陽書房, 1999年)
  • 姜尚中水木しげる・中西新太郎・若桑みどり石坂啓・沢田竜夫・梅野正信)『戦争論妄想論』(教育史料出版会, 1999年)
  • (上野千鶴子)『買売春解体新書――近代の性規範からいかに抜け出すか』(柘植書房新社, 1999年)
  • (速水由紀子)『サイファ覚醒せよ!――世界の新解読バイブル』(筑摩書房, 2000年)
  • 宮崎哲弥網野善彦・姜尚中・辛淑玉・加納美紀代・藤井誠二・樹村みのり・斎藤貴男・太田昌国・沢田竜夫・梅野正信)『リアル国家論』(教育史料出版会, 2000年)
  • 香山リカ)『少年たちはなぜ人を殺すのか』(創出版, 2001年)
  • 藤井誠二)『「脱社会化」と少年犯罪』(創出版, 2001年)
  • 奥平康弘)『憲法対論――転換期を生きぬく力』(平凡社[平凡社新書], 2002年)
  • 藤井誠二内藤朝雄)『学校が自由になる日』(雲母書房, 2002年)
  • (速水由紀子)『不純異性交遊マニュアル』(筑摩書房, 2002年)
  • (姜尚中)『挑発する知――国家、思想、そして知識を考える』(双風舎, 2003年)
  • 金子勝藤原帰一・A・デウィット)『不安の正体!――メディア政治とイラク戦後の世界』(筑摩書房, 2004年)
  • 仲正昌樹)『日常・共同体・アイロニー――自己決定の本質と限界』(双風舎, 2004年)
  • (北田暁大)『限界の思考――空虚な時代を生き抜くための社会学』(双風舎, 2005年)
  • 伊東豊雄鷲田清一松山巖上野千鶴子八束はじめ西川祐子磯崎新)『私たちが住みたい都市――徹底討論――身体・プライバシー・住宅・国家――工学院大学連続シンポジウム全記録』(平凡社, 2006年)
  • 野田正彰大谷昭宏宮崎学森達也)『「麻原死刑」でOKか?』(ユビキタ・スタジオ, 2006年)
  • (鈴木弘輝・堀内進之介)『幸福論――〈共生〉の不可能と不可避について』(日本放送出版協会、2007年)
  • (神成淳司)『計算不可能性を設計する――ITアーキテクトの未来への挑戦』(ウェイツ、2007年)
  • 田口ランディ・板橋興宗・内田樹玄田有史竹内整一西垣通藤原新也森達也鷲田清一)『生きる意味を教えてください――命をめぐる対話』(バジリコ, 2008年)
  • (森達也・鈴木邦男他)『映画「靖国」上映中止をめぐる大議論』(創出版, 2008年)

[編集] 「M2」単行本(宮崎哲弥との共著)

  • 『M2われらの時代に』(朝日新聞社, 2002年)
  • 『ニッポン問題。M2:2』(インフォバーン, 2003年)
  • 『エイリアンズ――論壇外知性体による「侵犯」的時評'03-'04』(インフォバーン, 2004年)
  • 『M2:思考のロバストネス』(インフォバーン, 2006年)
  • 『M2:ナショナリズムの作法』(インフォバーン, 2007年)

[編集] 「神保・宮台 マル激トーク・オン・デマンド」単行本(神保哲生との共著)

  • 『漂流するメディア政治――情報利権と新世紀の世界秩序』(春秋社, 2002年)
  • 『アメリカン・ディストピア――21世紀の戦争とジャーナリズム』(春秋社, 2003年)
  • 『ネット社会の未来像』(春秋社, 2006年)
  • 『天皇と日本のナショナリズム』(春秋社, 2006年)
  • 『中国――隣りの大国とのつきあいかた』(春秋社、2007年)
  • 『教育をめぐる虚構と真実』(春秋社, 2008年)

[編集] 「人生の教科書」シリーズ(藤原和博との共著)

  • 『人生の教科書「よのなか」』(筑摩書房, 1998年)
  • 『人生の教科書「ルール」』(筑摩書房, 1999年)
    • 2005年に、1つの文庫本にまとめた『人生の教科書「よのなかのルール」』がちくま文庫より出版されている。

[編集] 編著

  • 『教育「真」論――That's Japan special:連続シンポジウムの記録』(ウェイツ, 2004年)
  • 『サブカル「真」論――That's Japan special:連続シンポジウムの記録』(ウェイツ, 2005年)

[編集] 共編著

  • 門脇厚司)『「異界」を生きる少年少女』(東洋館出版社, 1995年)
  • (鈴木弘輝)『21世紀の現実――社会学の挑戦』(ミネルヴァ書房, 2004年)
  • (高岡健)『こころ「真」論:連続シンポジウムの記録』(ウェイツ, 2006年)
  • (辻泉・岡井崇之)『「男らしさ」の快楽――ポピュラー文化からみたその実態』(勁草書房, 2009年)

[編集] 共訳書

[編集] 出演番組

[編集] 脚注

  1. ^ 影を潜めた破壊者ぶり 石原・宮台対談

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年10月28日 (水) 01:25 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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