容疑者Xの献身

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容疑者Xの献身
著者 東野圭吾
発行日 2008年8月5日
発行元 文春文庫
ジャンル ミステリー、推理小説
日本
言語 日本語
形態 文庫本
ページ数 394
前作 予知夢
次作 ガリレオの苦悩
聖女の救済(同時刊行)
ISBN 4167110121
  
文学
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容疑者Xの献身』(ようぎしゃエックスのけんしん)は、東野圭吾推理小説探偵ガリレオシリーズ第3弾。2003年から文芸誌『オール讀物』に連載され、2005年8月文藝春秋より出版された。2008年8月に文庫化された。

第6回本格ミステリ大賞、第134回直木賞受賞作。また、国内の主要ミステリランキングである『本格ミステリベスト10 2006年版』『このミステリーがすごい!2006』『2005年「週刊文春ミステリベスト10』においてそれぞれ1位を獲得し、三冠と称された(のちに前出の2賞を取り、最終的に五冠となった)。

目次

[編集] あらすじ


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


花岡靖子は娘・美里とアパートで二人で暮らしていた。そのアパートへ靖子の元夫、富樫慎二が彼女の居所を突き止め訪ねてきた。どこに引っ越しても疫病神のように現れ、暴力を振るう富樫を靖子と美里は大喧嘩の末、殺してしまう。今後の成り行きを想像し呆然とする母子に救いの手を差し伸べたのは、隣人の天才数学者・石神だった。彼は自らの論理的思考によって二人に指示を出す。

そして3月11日、旧江戸川で死体が発見される。警察は遺体を富樫と断定、花岡母子のアリバイを聞いて目をつけるが、捜査が進むにつれ、あと1歩といったところでことごとくズレが生ずることに気づく。困り果てた草薙刑事は、友人の天才物理学者、湯川に相談を持ちかける。

すると、驚いたことに石神と湯川は大学時代の友人だった。彼は当初この事件に傍観を通していたが、やがて石神が犯行に絡んでいることを知り、独自に解明に乗り出していく。

[編集] 登場人物

湯川学、および捜査一課の登場人物については探偵ガリレオシリーズ#登場人物を参照

石神哲哉
主人公の一人。高校数学教師。丸顔で髪も薄いため老け顔であるが、湯川・草薙とは帝都大学の同期。花岡靖子と同じアパートで隣室に住んでいる。大学時代は「ダルマの石神」の異名をとり、湯川に「天才」と言わしめるほどの才能の持ち主。数学の研究者になりたかったが家庭の事情により断念。数学に関するもの以外に興味をもたなかったが、最近ひそかに靖子に恋心を抱いている。
花岡靖子
赤坂でホステスをしていたが、転職し「べんてん亭」の従業員に(映画版では弁当屋「みさと」店長)。元夫の富樫に付きまとわれ住居を転々としている。事件後石神により窮地を脱するが、その難解な指図や自分への思いに戸惑いを隠せない。いつも美里を不幸に追い込んでしまうことを、申し訳なく思っている。工藤はホステス時代からの友人であった。
花岡美里
靖子の一人娘で中学生。バドミントン部所属。従順な一面もあるが、富樫を銅製の花瓶(映画版ではガラス球)で殴打するなど芯の強い性格である。母思い。石神の母への気持ちには気づいており、母と工藤の仲を快く思っていない。
富樫慎二
靖子の二度目の夫。そのため美里と血縁関係はない。元サラリーマンでその頃は紳士的であったが、会社の金を使い込んだことが原因で解雇された後は本性をあらわす(映画版ではこの辺りの事情は明らかにされていない)。靖子には離婚後も何かにつけ付きまとう。
工藤邦明
靖子の元勤め先「まりあん」の常連客。靖子に好意的で、富樫との離婚についても便宜を図ってくれた(映画版ではこの辺りの事情は明らかにされていない)。近頃、靖子が「べんてん亭」に勤めていることを知り、靖子に近づく。

[編集] 『容疑者Xの献身』をめぐる「本格」論争

2005年末、『容疑者Xの献身』が同年の「本格ミステリ・ベスト10」にて1位を獲得したことに、推理作家の二階堂黎人自身のウェブサイトで疑問を呈したことに始まる問題。

二階堂の主張は、「『容疑者Xの献身』は、作者が推理の手がかりを意図的に伏せて書いており、本格推理小説としての条件を完全には満たしていない(そのため、「本格ミステリ・ベスト10」の1位にふさわしくない)」というものであった。このことに関して主に「ミステリマガジン」誌上に多くの作家や評論家が意見を寄せたため、本格的な論争となった。その過程で二階堂の説には多くの矛盾や見当違いが指摘されたが、二階堂は自説を曲げなかった。

最終的には笠井潔などの有力者の多くが「『容疑者Xの献身』は本格である」という立場につき、さらには2006年5月に同作品が第6回本格ミステリ大賞を受賞したこともあり、現在では二階堂の意見は否定された形で議論が収束している。ただし、笠井はそうしたジャンル分けの問題は「標準的な出来栄えの初心者向け本格」としてあっさり片づけ、初心者ならざる身でありながら、ある重要な存在を見落としてトリックを手放しに絶賛したミステリ関係者と、そうした人間性を試すような罠を仕掛けた東野に手厳しい批判を向けている。ただし、東野に関しては解決篇を省いたミステリを出版したこともあり、人間性というよりは漫然とした読書態度への批判としての罠と考えることもでき、反論が待たれるところである。

作者本人は、一貫して「本格であるか否かは、読者一人一人が判断することである」というスタンスである[1]

[編集] 作品にまつわる話

  • 『オール讀物』連載当時は「容疑者X」という題名だったが、出版に向けて改題された。
  • 作者である東野圭吾は、過去5回直木賞候補になっていたため、悲願の達成となった。

[編集] 関連作品

探偵ガリレオ
1998年に刊行された物理学者湯川シリーズ第1弾。
予知夢
1998年に刊行されたシリーズ第2弾。

[編集] 映画

容疑者Xの献身
監督 西谷弘
製作 亀山千広
脚本 福田靖
出演者 福山雅治
柴咲コウ
北村一輝
松雪泰子
堤真一
音楽 福山雅治
菅野祐悟
主題歌 最愛KOH+
配給 東宝
公開 日本の旗 2008年10月4日
中華民国の旗 2008年12月24日
上映時間 128分
製作国 日本
言語 日本語
興行収入 49.2億円
allcinema
  

物理学者湯川シリーズの短編『探偵ガリレオ』『予知夢』を原作としたテレビドラマ『ガリレオ』の劇場版として本作を同ドラマのキャスト・スタッフにより映画化。月9枠のドラマの映画化は『西遊記』『HERO』に続き3作目となる。2008年初旬に撮入し、同年10月4日に公開された。

福山にとって『ほんの5g』以来20年ぶりの映画出演になり、映画主演は初めてである。

『ガリレオ』において登場したオリジナルキャラクターが引き続き登場するが、基本的なストーリーは原作に沿ったものとなっている。ドラマの劇場版という位置付けながらもオリジナルキャラクターの出番が少なく、湯川が数式を書いて推理を整理するシーンがないといったドラマのパターンを踏襲しない展開を見せている。作中登場するカレンダーやクリスマス商戦の描写から、2008年12月1日から25日ころまでの設定と推測される。[要出典] さらに映画公開日には、『ガリレオΦ』が放送された。

[編集] キャスト

[編集] スタッフ

[編集] 楽曲

[編集] プロモーション

[編集] 舞台

演劇集団キャラメルボックスによって舞台化。脚本・演出を成井豊が手がけ、原作を忠実に再現する。2009年4月18日から26日新神戸オリエンタル劇場で、同年4月30日から5月24日サンシャイン劇場で上演する。

[編集] 出演

[編集] 脚注

  1. ^ 『たぶん最後の御挨拶』(文藝春秋刊)における自作解説や、本格ミステリ大賞の受賞コメントでその旨を述べている。

[編集] 外部リンク

オリコン週間文庫チャート第1位
2008年8月18日9月15日付(5週連続)
前作:
梨木香歩
西の魔女が死んだ
東野圭吾
容疑者Xの献身
次作:
佐伯泰英
『居眠り磐音江戸双紙 石榴ノ蠅』
オリコン週間文庫チャート第1位
2008年9月29日11月17日付(8週連続、通算13週)
前作:
佐伯泰英
『居眠り磐音江戸双紙 石榴ノ蠅』
東野圭吾
容疑者Xの献身
次作:
畠中恵
うそうそ

最終更新 2009年11月18日 (水) 23:33 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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