富士通Habitat
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富士通Habitat(ふじつうハビタット)は、かつて富士通株式会社が運用していた画像つきチャット。 ビジュアル通信と富士通は呼んでいる。
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[編集] 概要
元々はアメリカでルーカスフィルムが運営していたLucasfilm's Habitatのライセンスを富士通が購入し、日本での提供を開始したもの。1989年末からFM TOWNS専用ソフトとしてテスト運用が行われ[1]、1990年2月10日に正式サービス開始[1]。この日は「富士通Habitat建国記念日」とされた[1]。その後同社のFMRシリーズや、NECのPC-9800シリーズ、Macintosh向けにもクライアントソフトが提供された。
当初はニフティサーブ会員専用のサービスで、2Dのアバターを操作し仮想の街の中でチャットを行うもので、当時としては文字だけのチャットを脱却した画期的なものであった。ただし専用ソフトが必要なことに加え、当時のパソコン通信の通信速度(2400bps~14.4kbps程度が主流)ではレスポンスが遅く、アバターの動きに制約があった(アバターの表情を自由に変えられない、など)ことなども重なり、ユーザ数は伸び悩んだ。
1996年にはHabitat IIとして全面リニューアル。Windows 3.1やセガサターンに対応し、アバターのカスタマイズの幅が広げられるなどサービスを強化。同年には専用ソフトが無償化されたほか、パソコン通信以外にインターネットからの接続にも対応した。1997年9月には新たに3D空間対応のHabitat/3Dもスタートした。
最終的に1999年3月にサービスを終了。同年9月に女性を主なターゲットとしたJ-チャットとして再オープンし現在に至っている。しかしビジュアルチャットの先駆けとしての存在感は大きく、2006年には1日限定で再現イベントが行われるなど[2]、現在も根強いファンを抱えている。
J-チャットは、運用元のジー・サーチより2009年7月29日付けで、2010年1月26日にサービス終了との発表がされている。
[編集] アバターとオラクル
最初にアバターを作成し、チュートリアルと呼ばれる操作の練習をしたあと、富士通Habitatに接続する。 アバターは300種類ほどのヘッド(頭部)を選択でき、ボディ(首より下)は男・女の2種類だった。ヘッドは取り外し自由で、ヘッドショップで買うことができた。ボディはスプレーにより色を変えることが可能になっていた。各アバターは1軒ずつ自分の家を持つことができた。アバターの住む区域は町と呼ばれ、町は1区から6区までに分かれ、町内掲示板なども用意されていた。町には町長がアバターによる選挙によって選任されていて、町内掲示板の管理などを行っていた。
この世界にはオラクルと呼ばれる神が存在し、アバターはこれに絶対服従とされていたが、実際にはゲーム内で一緒に遊ぶ良き仲間と解釈されていた。現行のゲームマスターにおいてもゲーム内規約違反者に対して運営側として処置を行うことがあるが、オラクルも同等である。但しオラクルは、ゲームマスターと異なり、運営に関する管理権限を持っていた。オラクルはこの世界の創造者という位置づけでもあったため、内部のリージョン(エリア)の増設廃止、運営方針の方向性、ゲーム内オブジェクト(アイテム)の配布の権限があった。オブジェクトはオラクルがゲームによって配るものと、町長に渡され、町長がゲームを行って配られるものがあった。オブジェクトは個数が限られていて、レアアイテムとなっているものがあった。ゲームは公平性がなければクレームが当然出るため、オラクル、町長は相当に気を遣ってオブジェクトを配っていた。
他のオンラインゲームと異なりチャットが主であるため、2D、3Dのゲームとは異なりアバターを中心として周囲の背景が動くのではなく、リージョン単位での移動となっていた。リージョンは複数に別れており、50以上のリージョンが存在していた。1つのリージョンには最高6人までのアバターが会話をすることができた。6人を超えるとアバターはゴーストという状態になり、右上にゴーストマークで表示された。このゴースト状態でリージョン間を高速で移動することもできた。
このチャットは現状のようにアバターにその固有の名前が表示されなかったため、容姿とヘッドで判断するしかなかった。オラクルも他のアバターと同じ容姿であったが、ヘッドは固有のものを付け区別できるようになっていた。 オラクルはHabitatIIエリシウムまでは同一の人達が行っていたが、HabitatIIグレースビルというインターネット専用のバージョンになってから総入れ替えが行われ、別の人達が担当していた。
HabitatIIエリシウムはオラクルは4、5人で、他にそれを補佐するアコライトという人達によってゲームなどが行われた。HabitatIIグレースビルはオラクルは1人で他は全員アコライトだった。HabitatIIエリシウムからアバターには固有のIDと名前がクリックすると表示されるようなり、これが後の多くのネットゲームに採用されていった。
J-チャットになってからオラクル制度は廃止され、それに代わってナビゲーターというゲームマスターと同等の人達によってゲームなどが行われている。ナビゲーターはオラクルと異なり管理権限は外されている。
[編集] 課金
課金は管理費300円+ニフティサーブの利用料金1分10円+サーチャージ1分6円(10時間3600円上限。10時間1分以降のサーチャージは課金されない)の従量制課金となっていた。これは10時間利用すると300円+6000円+3600円=9900円となり、1分あた16.5円に相当する。当時NTTテレホーダイなどの割引もなかったため、かなり高額であった。それでもこのチャットに魅了され、ファンは多かった。
その後、ニフティサーブの課金の夜間割引がスタートし、午前3時から午前6時までは1分8円になったため、ログインしなおす人も見られた。管理費は後に500円に値上げされ、ニフティサーブの課金は1分8円に値下げされた。サーチャージも後に廃止されたが、固定課金制は設定されなかった。これが設定されたのはJ-チャットの1999年12月に、月2000円の固定課金になってからである。多くのネットゲームが固定課金を採用していく最中、Habitat IIはその対応を行わず、ニフティサーブが50時間まで5000円の半固定制を採用したときも、HabitatIIは更に1分6円の追加料金となったため、ニフティサーブのフォーラムで多数の利用者から失望の書き込みがあった。但し固定課金は会員数の増加にはなっても、サービスの質を下げるという反対の声も一部にあったが、固定性を大多数の人達が望んでいたことは間違いないことである。
J-チャットは運用開始当時から現在に至るまで、月2000円の固定課金または、管理費700円+1分6円の従量制のいずれかが選択できたが、これは結局、10年間変更されなかった。
サンリオがJ-チャットの版権を用いた、サンリオワールドというサービスもあったが、これは1キャラクター月500円の固定制であった。2007年3月にサービスが終了している。
[編集] シーフ
シーフとは泥棒のことである。他人のアイテムを騙して取ったり地面に置いたものを持ち去るアバターのことであり、富士通Habitat、HabitatIIまではシーフ集団まで存在していた。
富士通Habitatはラグビーボールを取り合うゲームがあり、相手のアバターをクリックすることによってボールを渡せたが、すれ違い際に違うアバターに渡してしまうこともあり、これがゲームに応用されていた。シーフが悪用していたこともあった。富士通Habitatまではシーフは容認されており、HabitatIIからシーフに対してクレームが増えるに至っても、オラクルは自己責任としてシーフを更に容認した。シーフもゲーム内の遊びとしての解釈ということである。
但し、J-チャットになってから方向転換し、シーフは規約で禁止された。他人のアイテムは故意に盗んで返却しないとアカウント停止などの処置が取られた。当然シーフ集団も根絶した。アイテムの種類が増え、有料アイテムが販売されたための処置となっている。
[編集] アメリカ(U.S.A)のビジュアルチャット
U.S.A本国にもJ-チャットと同様のサービスがある。1990年にWorldsAwayという名称でスタートした。ニフティサーブの海外接続回線を使用してサービスを受けることができた。当時はFujitsu System Bussines社によって運営されていたが何度か運営元が変わり、現在でもVZONESという名称でサービスを行っている。日本語は使用できない。主に英語で会話が行われている。
VZONESはサービスの総称で、2つのサービスがあり、DREAMSCAPE、NEWHORIZONEだが、基本的にアバターの容姿、ヘッド などはJ-チャットと同じである。異なるのは街の構成で、DREAMSCAPEはHabitatIIグレースビルとほぼ同じとなっている。NEWHORIZONEは様々な国への入り口がある。
VZONESは、運営側が無償でアイテムをJ-チャットのように配るということは、基本的に行っていない。トークンというチャット内通貨を1時間につき60トークン貯められるので、ショップで販売されているヘッド、家具などを購入する。 トークンはユーザーによるビンゴゲームなどでも配られている。VZONESは他人との差をつけるために、有料アイテム、部屋が販売されている。avaterwareというWEB上のショップでクレジットカードで決済して購入し、アコライトなどから受け取る。J-チャットもアイテムの有料販売は行っていたが、2009年の初めに販売が中止された。
J-チャットと大きく異なる点は2つある。DREAMSCAPEは現在でも、オラクル、アコライト制度を継承しているため、操作上などわからないことがあれば、アコライトを呼び出してESPという会話で問い合わせができる。NEWHORIZONEはサービスに入ると、24時間体制ではないが、選任された案内人がサービスの内容を説明し、案内してくれる。
更には課金体系である。ペット(犬、猫など)の姿のならば、6ヶ月22ドル、人の姿のアバターならば、NEWHORIZONEは6ヶ月44ドル、DREAMSCAPEは40ドルとなっている。為替レートは2009年8月現在、1ドル=95円であるから、ペットの姿ならば2090円で6ヶ月利用できる。人の姿のアバターは4180円/6ヶ月、または3800円/6ヶ月である。 但し、クレジットカード会社は1ドルにつき5円~10円の手数料を加えて請求するため、上記の金額より請求額は高くなる。
但しペットの姿では会話のみで、ヘッドを変えたりアクセサリーをつけることはできず、手に持ったものは見えない。部屋もマンションは借りられず犬小屋となる。
J-チャットの6ヶ月12000円に比較すると、格段に安い。課金の支払いはクレジットカードのみとなっている。
[編集] 外部リンク
- 富士通ビジュアル通信15年の歩み
- 実在の場所をモデルにした仮想空間を提供 ~ 『HabitatII』に三次元空間でのコミュニケーション機能を追加 ~
- VOZNESホームページ
- サービス終了のお知らせ(J-チャット)
[編集] 脚注
- ^ い ろ は 『Oh!FM TOWNS』1994年5月号(表記上は「5・6月合併号」)pp.28-29。
- ^ 10年前のビジュアルチャット「富士通Habitat II」1日限定の再現イベント - Internet Watch・2006年8月30日
最終更新 2009年9月26日 (土) 04:43 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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