富山地方鉄道富山市内軌道線

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地鉄ビル前の7000形(旧塗装を維持する7018)

富山市内軌道線(とやましないきどうせん)は、富山市市街地の南富山駅前駅 - 大学前駅間を走る富山地方鉄道軌道路線(路面電車)の通称である。

車内アナウンスでは、「富山地鉄市内電車」とアナウンスされる。富山市電だった時代があることから、民営となった現在でも「市内電車」・「市街電車」の意味で市電と呼ばれることがある。

目次

[編集] 路線データ

  • 路線距離(営業キロ):6.4km
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:20駅(起終点駅含む)
  • 複線区間:南富山駅前駅 - 安野屋駅間(安野屋駅 - 大学前駅間も富山大橋の架け替えの際に複線化される予定)
  • 電化区間:全線(直流600V)

1本の路線として運行されているが、歴史的経緯により正式には以下の4路線に分かれている。

  • 本線(富山駅前駅 - 南富山駅前駅3.6km)
  • 支線(富山駅前駅 - 丸の内駅1.0km)
  • 安野屋線(丸の内駅 - 安野屋駅0.6km)
  • 呉羽線(安野屋駅 - 大学前駅1.2km)

(「本線」は、富山地方鉄道本線とは別)

[編集] 運行形態

南富山駅前を起点に、富山駅前に向かう1系統と、さらにその先の大学前まで向かう2系統の2つの系統がある。基本的には1系統と2系統が交互に運転される。朝のラッシュ時には、大学前方面の単線区間で2列車毎の続行運転が行われる。日中はそれぞれの系統が10分間隔(重複区間の南富山駅前 - 富山駅前は5分間隔)で運行されている。

一時期、南富山駅前 - 県庁前の系統が試験的に設定されたことがあったが中止された。毎年8月1日の花火大会の日は南富山駅前・富山駅前と安野屋を結ぶ臨時列車が増発される。

運賃は、大人200円、子供100円の均一制である。 車内などで、カード式の回数券「トラムカード」を販売している。

[編集] 車両

7000形の全面広告車(7015)
7000形の地鉄色(7017)
8000形(8001)

[編集] 歴史

1913年大正2年)9月1日富山電気軌道として開業し、1920年(大正9年)7月1日に富山市に譲渡された。1943年昭和18年)1月1日、「陸上交通事業調整法」に基づき富山地方鉄道に譲渡された。

最盛期の1960年代には約11kmの路線を有していた。当時の路線は、現在残っている路線のほかに以下の3路線があり、直通運転や環状運転によって、全部で6系統の運転が行われていた(ただし、同じ経路で進行方向が逆のものに別の系統番号をつけていたので、番号は1から12となる)。新富山駅前駅(現:新富山駅)から射水線に乗り入れて高岡市まで運転する列車(西町駅 - 高岡駅前)や、南富山駅前駅から笹津線に乗り入れて地鉄笹津駅(国鉄笹津駅前)まで運転する列車もあった。

  • 西部線(西町駅 - 旅籠町駅 - 丸の内駅)
  • 東部線(西町駅 - 中教院前駅 - 東田地方駅 - 地鉄ビル前駅)
  • 山室線(中教院前駅 - 不二越駅前駅)

全盛時の系統路線は以下の通り(射水線・笹津線乗り入れを除く)。

  • 1系統(富山駅前駅→南富山駅前駅)
  • 2系統(南富山駅前駅→富山駅前駅)
  • 3系統(大学前駅→丸の内駅→富山駅前駅→東田地方駅→中教院前駅→西町駅→旅篭町駅→丸の内駅(ここまで循環)→大学前駅)
  • 4系統(大学前駅→丸の内駅→旅篭町駅→西町駅→中教院前駅→東田地方駅→富山駅前駅→丸の内駅(ここまで循環)→大学前駅)
  • 5系統(不二越駅前駅→西町駅→旅篭町駅→丸の内駅→大学前駅)
  • 6系統(大学前駅→丸の内駅→旅篭町駅→西町駅→不二越駅前駅)
  • 7系統
  • 8系統
  • 9系統
  • 10系統
  • 11系統(富山駅前駅→東田地方駅→中教院前駅→西町駅→旅篭町駅→丸の内駅→富山駅前駅(循環線))
  • 12系統(富山駅前駅→丸の内駅→旅篭町駅→西町駅→中教院前駅→東田地方駅→富山駅前駅(循環線))

1969年(昭和44年)6月からワンマン運転化を始めた。1972年(昭和47年)9月に東部線の一部(中教院前駅 - 北新町駅 - 地鉄ビル前駅間)、1973年(昭和48年)3月に西部線(西町駅 - 旅籠町駅 - 丸の内駅間)、1984年(昭和59年)に山室線、東部線の残りが廃止され、現在の路線となった。

[編集] 年表

  • 1913年(大正2年)9月1日 - 富山駅前 - 堀川小泉、富山駅前 - 総曲輪(現在の丸の内) - 西町間開業。
  • 1915年(大正4年)3月13日 - 堀川小泉 - 堀川新駅前(現在の南富山駅前)開業。
  • 1916年(大正5年)11月22日 - 越前町 - 護国神社前 - 安野屋 - 呉羽公園間開業。
  • 1920年(大正9年)7月1日 - 富山市に譲渡される。
  • 1928年(昭和3年)10月21日 - 西町 - 中教院前 - 赤十字病院前 - 東田地方(旧東田地方駅前)間開業。
  • 1936年(昭和11年)4月15日 - 東田地方 - 電気ビル前間開業。
  • 1943年(昭和18年)1月1日 - 富山地方鉄道に譲渡される。
  • 1944年(昭和19年)5月17日 - 大学前 - 呉羽公園、赤十字病院前(後の東田地方) - 東田地方間廃止。
  • 1950年(昭和25年)10月1日 - 笹津線、南富山駅前 - 西町間への乗り入れ開始。
  • 1950年(昭和25年)12月31日 - 射水線、新富山駅前 - 旅籠町 - 西町間への乗り入れ開始。
  • 1952年(昭和27年)8月5日 - 旅籠町 - 護国神社前 - 安野屋間廃止、丸の内 - 安野屋間開業。
  • 1954年(昭和29年)4月1日 - 笹津線の乗り入れ区間を富山駅前へ延長。
  • 1961年(昭和36年)7月18日 - 中教院前 - 不二越駅前間開業、射水線乗り入れ中止。
  • 1964年(昭和39年)11月8日 - 東田地方 - 電気ビル前間廃止、東田地方 - 地鉄ビル前間開業。
  • 1967年(昭和42年)10月10日 - 笹津線乗り入れ中止。
  • 1969年(昭和44年)10月1日 - 球場前 - 大学前間廃止、球場前を大学前と改称。
  • 1972年(昭和47年)9月21日 - 中教院前 - 地鉄ビル前間廃止。
  • 1973年(昭和48年)3月31日 - 西町 - 旅籠町 - 丸の内間廃止。
  • 1977年(昭和52年)8月31日 - 射水線、新富山駅前 - 富山駅前間への乗り入れ再開。
  • 1980年(昭和55年)4月1日 - 射水線廃止により乗り入れ中止。
  • 1984年(昭和59年)4月1日 - 西町 - 中教院前 - 不二越駅前間廃止。

[編集] 計画

[編集] 市内中心部環状化

富山市は都心部の活性化及び市内の公共交通再編を目的に、市が主導しての新線建設による環状線復活計画を2009年(平成21年)の開業を目標として実施してきた。2007年(平成19年)11月15日に、同年10月に施行された地域公共交通活性化法(LRTなどで上下分離方式を認めたもの)を初めて適用し、環状線化の新線建設を国土交通省に申請した。

新線は丸の内駅から西町駅に至る単線940mで、路線名は「富山都心線」。途中に国際会議場前・大手モール・グランドプラザ前の3か所の電停を新設[1]、富山駅前→丸の内→大手モール→西町→富山駅前の約3.5kmを逆時計回りで環状運転し、運行間隔は10 - 20分を予定している。

新線区間では、市が軌道と電停の建設および環状線用車両を購入して保有し、運行は富山地鉄が行う「上下分離・官設民営方式」を採用する。市の事業費は約26億円となっており、開業後の補修費も市が負担する。

計画当初は、1)平和通を経由し旅籠町を通る旅籠町ルート(旧西部線の路線復活)、2)大手モールを経由し富山国際会議場前を通り新設する大手町ルートが検討され、2006年(平成18年)6月に、2)の大手町ルートの方を採用し単線での敷設を行うことを決定した[2]。2007年度中より埋設物の移設などの工事が始められるが、移設に際しては今後の乗客数増加もにらみ、複線化が可能なように工事が行われる。

2008年(平成20年)10月、車両デザインが決定し、富山ライトレールの赤や青などの7色に対し、白、銀、黒のモノトーンとすることで環状線の独自性や個性を出すことなどをポイントに決めた。内装はオレンジ色にし、温かみを持たせる[3]。また環状線用車両の愛称も一般公募によって募集され、選考の結果「セントラム」という名称に決定した。

2009年11月12日に白と銀の車両が、11月18日に黒の車両が南富山車両基地に納入され、予定されていた3編成が揃った[4][5]。12月2日に試運転を開始[6]し、12月23日に開業予定[7]

[編集] 上滝線との直通

2008年(平成20年)5月、富山市長・森雅志上滝線LRT化の検討を示唆した。そして市内軌道線との直通運転を行う構想が示された[8][9]

[編集] 富山大橋複線化

全線6.4kmのうち、神通川東詰の安野屋から、富山大橋を渡って大学前に至る1.2kmは単線で運行しており、運行上の課題となっている。この富山大橋は老朽化しているため、富山県は架け替え工事を行うことを決定し、2006年(平成18年)11月に着工した。新しい橋は2011年(平成23年)に供用を開始する予定である。これに合わせ、富山地鉄では単線区間の複線化を行い、運行を合理化する。

[編集] 富山ライトレールとの連結

2006年(平成18年)4月29日JR富山港線富山ライトレールとして再出発し、富山市内の路面電車網が久々に拡大された。富山駅2014年(平成26年)に予定される北陸新幹線乗り入れに伴い高架化される予定で、高架化工事の完了後に、富山ライトレールと地鉄市内軌道線のレールを接続し、直通運転を行うことが計画されており、富山市中心部から岩瀬浜までの利便性向上が期待されている。

[編集] ICカード導入

2009年(平成21年)12月の環状線復活に合わせ富山市と連携しICカードを導入し富山ライトレールで導入されている「パスカ」と同じように運賃精算ができるようにする方針である。17台の現車両及び3台の環状線用新車両すべての車両に導入予定である。また「パスカ」との相互利用も視野に入れる。これに伴い富山市はシステム整備支援費を新年度予算案に計上する[10]

[編集] 全面低床車両導入

2010年(平成22年)3月をめどに、豊橋鉄道が2008年(平成20年)に導入したアルナ車両製3車体連結全面低床車両T1000形と同型の車両1台を導入する。現車両の老朽化に伴う車両更新と利便性向上を目的としており、富山地方鉄道としては初めての低床車両の購入となる[11]

[編集] 駅一覧

路線名 駅名 読み 駅周辺
本線 南富山駅前駅 みなみとやまえきまえ 南富山駅富山地方鉄道不二越線富山地方鉄道上滝線
大町駅 おおまち 富山高等学校
堀川小泉駅 ほりかわこいずみ 富山いずみ高等学校
小泉町駅 こいずみちょう 富山小泉郵便局
西中野駅 にしなかの  
広貫堂前駅 こうかんどうまえ 富山太田口郵便局・広貫堂
上本町駅 かみほんまち 日枝神社
西町駅 にしちょう 総曲輪フェリオ大和富山店)・総曲輪通り商店街・中央通り商店街・北陸銀行本店
荒町駅 あらまち ダイワロイネットホテル富山・富山第一銀行本店・シダックス富山本町クラブ・富山総曲輪郵便局・ホテルα-1富山荒町
桜橋駅 さくらばし 富山マンテンホテル富山市役所
電気ビル前駅 でんきビルまえ 富山電気ビル(ケーブルテレビ富山)・NTT西日本富山支店・富山中央警察署名鉄トヤマホテル
地鉄ビル前駅 ちてつビルまえ 地鉄ビル(富山地方鉄道本社)・富山中央郵便局富山地鉄ゴールデンボウルアパホテル富山駅前・高志会館
富山駅前駅 とやまえきまえ 富山駅(JR北陸本線高山本線)・電鉄富山駅富山地方鉄道本線)・富山駅北駅富山ライトレール富山港線)・エスタ・富山地鉄ホテル・マリエとやま東横インJr.富山駅前・CiC(シック)・富山エクセルホテル東急ホテルα-1富山駅前・コンフォートホテル富山駅前
支線
新富町駅 しんとみちょう ホテルルートイン富山
県庁前駅 けんちょうまえ 富山県庁・県庁前公園・富山県警察本部・北日本新聞本社・NHK富山放送局富山県民会館・サンシップとやま・富山県教育文化会館・富山芝園郵便局・富山中部高等学校
丸の内駅 まるのうち 富山丸の内合同庁舎(富山税務署)・富山市立図書館・中央保健福祉センター・富山国際会議場富山城址公園富山城富山市郷土博物館
安野屋線
諏訪川原駅 すわのかわら 富山大橋通郵便局
安野屋駅 やすのや 富山逓信病院・富山縣護國神社富山中部高等学校
呉羽線
新富山駅 しんとやま 五福ショッピングセンターアリス(トイザらス富山店)・富山商業高等学校・富山県水墨美術館
鵯島信号所 (ひよどりじま)  
大学前駅 だいがくまえ 富山大学五福キャンパス・富山工業高等学校・富山県五福公園(富山県五福公園陸上競技場県営富山野球場など)

[編集] 開業予定区間

路線名 駅名 読み 駅周辺
富山都心線 丸の内駅 まるのうち 上表参照
国際会議場前駅 こくさいかいぎじょうまえ 富山国際会議場ANAクラウンプラザホテル富山・富山城址公園(富山城富山市郷土博物館)・富山新聞本社・ホテルドーミーイン富山・富山商工会議所富山県信用組合本店
大手モール駅 おおてモール 富山市民プラザ・富山越前町郵便局
グランドプラザ前駅 グランドプラザまえ グランドプラザ・総曲輪フェリオ(大和富山店)・総曲輪通り商店街・日枝神社
西町駅 にしちょう 上表参照

[編集] 脚注

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  1. ^富山・路面電車環状線、1日利用1320人見込む 来月23日開業、一律200円」北日本新聞 2009年11月26日
  2. ^ 富山市ホームページの市長定例記者会見・平成18年6月2日より
  3. ^3色路面を走る 富山電車デザイン決定」読売新聞 2008年10月30日
  4. ^ 街に映える白と銀 富山・環状線の電車搬入 北日本新聞 2009年11月12日
  5. ^ 「セントラム」黒色車両も搬入 富山の地鉄車両基地 北日本新聞 2009年11月19日
  6. ^ セントラム日中の富山市内に 富山地鉄 読売新聞 2009年12月3日
  7. ^ 環状線も一律200円 富山・路面電車、来月23日開業予定 北日本新聞 2009年11月19日
  8. ^上滝線をLRTに既存の路線と接続。」(googleキャッシュ) 読売新聞 2008年5月20日
  9. ^上滝線LRT化検討、富山市 公共交通利用増へ素案」 北日本新聞 2008年5月21日
  10. ^ 「路面電車にICカード 富山市・地鉄が連携」 2009年2月19日 北日本新聞22面
  11. ^来春、3車体連結車両運行へ 富山地鉄」北日本新聞 2009年6月10日

[編集] 関連項目

最終更新 2009年12月7日 (月) 15:03 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【富山地方鉄道富山市内軌道線】変更履歴

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