対称行列

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対称行列(たいしょうぎょうれつ、symmetric matrix)とは、正方行列 A のうち A転置行列 ATA 自身と一致するもの。


A = A^{\mathrm{T}} =
\begin{pmatrix}
1 & 2 & 3 \\
2 & 4 & 5 \\
3 & 5 & 6 \\
\end{pmatrix}

目次

[編集] 定義

n 次正方行列 A = (aij)1≤i,j≤n対称あるいは転置対称であるとは

(a_{ij}) = A = A^{\mathrm{T}} = (a_{ji}) \iff
 a_{ij} = a_{ji} \mbox{ for any } 1 \le i,j \le n

が成り立つことである。

[編集] 性質

  • 実対称行列の固有値は全て実数である。
  • 正値実対称行列(対応する二次形式が正定値)の固有値は全て正の実数である。
  • 同じ型の対称行列の和、スカラー倍はまた対称行列である。したがって、同じ型の対称行列の全体は加群(ベクトル空間)をなす。n 次の対称行列のなす加群を Sym(n)、あるいは係数環が R であればそれを明示して、Sym(n; R), Symn(R) などとあらわす。
  • 実対称行列はある直交行列により対角化可能である。
  • n 次の実対称行列 An 次元ユークリッド空間 Rn の標準内積(ユークリッド内積) (·, ·) に関して (x, Ay) = (Ax, y) (for all x, yRn) が成り立つ。すなわち、実対称行列はユークリッド内積に関して自己共役な作用素である。

[編集] 二次形式

n 個の変数 x1, x2, ..., xn に関する二次形式(斉二次の多項式)は、対称行列 A により


  \mathbf{x}^{\rm T}A\mathbf{x} = (\mathbf{x}, A\mathbf{x})
  = \sum_{1 \leq i,j \leq n} a_{ij}x_i x_j

のかたちで表すことができる。これを A に対応する二次形式といい、A をこの二次形式の係数行列とよぶ。また、この二次形式をジーゲルの記号 (Sigel's symbol) を使って A[x] と表す。

[編集] 正値対称行列

実対称行列 A は対応する二次形式 A[x] が正値(または正定値)(すなわち任意の xRn に対し A[x] > 0)であるとき正値(または正定値)であるといい A > 0 で表す。同様に A[x] が非負値(または半正値)(すなわち任意の xRn に対し A[x] ≥ 0)であるとき非負値(または半正値)であるといい A ≥ 0 で表す。

[編集] 正値対称行列の例

正値対称行列の例としては、次のようなものがあげられる。

また、正定値性を調べることは、次のような行列において、重要な役割を担う。

[編集] その他の例

単位行列対角行列は対称行列である。


E = E^{\mathrm{T}} =
\begin{pmatrix}
1 & 0 & 0 \\
0 & 1 & 0 \\
0 & 0 & 1 \\
\end{pmatrix}

S = S^{\mathrm{T}} =
\begin{pmatrix}
1 & 0 & 0 \\
0 & -2 & 0 \\
0 & 0 & \frac{1}{3}\\
\end{pmatrix}

[編集] 関連項目


最終更新 2009年11月14日 (土) 16:19 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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