小田急5000形電車
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| 小田急5000形電車 | |
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更新後の5000形3次車(5059F)
(2008年10月19日、海老名検車区にて撮影) |
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| 編成 | 4 (6) 両 |
| 起動加速度 | 2.4 (2.8)km/h/s |
| 営業最高速度 | 100km/h |
| 設計最高速度 | 110km/h |
| 全長 | 20,000mm |
| 全幅 | 2,900mm |
| 全高 | パンタグラフ搭載車 4,150 (4,125) mm その他 3,995mm |
| 軌間 | 1,067(狭軌)mm |
| 電気方式 | 直流1,500V |
| 主電動機 | 直巻整流子電動機 135 kW |
| 歯車比 | 90:17(5.29) |
| 制御装置 | 抵抗制御・直並列組合せ・弱め界磁 (バーニア制御付) |
| 駆動装置 | WNドライブ |
| ブレーキ方式 | 発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキ |
| 保安装置 | OM-ATS |
| 製造メーカー | 東急車輛製造 日本車輌製造 川崎重工業 |
| 備考 | 歯車比を除く ( ) は5200形 |
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この表について
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小田急5000形電車(おだきゅう5000がたでんしゃ)は1969年(昭和44年)に営業運転を開始した小田急電鉄の通勤形電車。
4両編成と6両編成の2種類があるが、6両編成については外観に相違点があることや後述するように設計認可上は別形式扱いとなっていることから一部で「5200形電車」と記載・呼称される事例もある。しかし、小田急での正式形式はどちらも5000形であり、あくまで俗称である。
以下本項では便宜上、4両編成で新造された車両を「5000形」、6両編成で新造された車両を「5200形」と表記する。また、新宿方先頭車の車両番号の末尾にF(「編成」を意味する英単語Formationの頭文字)を付した場合は編成全体を指すものとする。
目次 |
[編集] 概説
1969年、優等列車(急行・準急)向けに製造された4扉・ロングシートの電車である。最初に4両編成の5000形が製造され、朝ラッシュ時の優等列車の8両編成化など輸送力の増強に貢献した。また、本形式では外部塗色としてケイプアイボリーの地色にロイヤルブルーの帯が入るデザインが初めて採用され、以後の小田急の標準色となった。外部塗色以外の特色は特になかったが、鉄道友の会により毎年優秀な車両を表彰する制度として制定されているローレル賞の第10回投票(1970年)では、次点となっている[1]。1972年からは地下鉄直通運転に対応した9000形が増備されたため、いったん本形式の増備は中断されたが、同形式の必要両数が満たされたため、1976年以後の増備車は再び本形式となった。
1978年からは6両編成の5200形の増備に移行し、同年から開始された急行・準急の10両編成化や箱根登山線直通急行の大型6両編成化、収容力の少ない旧型車両の淘汰など、さらなる輸送力増強に大きく貢献した。また、同形式では正面のデザインに変更はないものの、側面スタイルは9000形で評価が高かった1段下降窓に変更され、側面の印象が変わることとなった。
低い位置の運転台と貫通扉の下部に方向幕を設置、貫通扉の脇に手すりを設置、という鉄道ファンから「小田急顔」と呼称されている前面スタイルで製造された最後の車両で、小田急通勤車のモデルチェンジにおける過渡期に位置付けられる車両である。
[編集] 車両概要
[編集] 車体
外観は小田急オリジナルのスタイルだが、5000形と5200形の差異は客室側窓形状で、5000形では従来からの2段上昇式だが、後に上段下降・下段固定に改めた。また、5200形は9000形で採用した一段下降式である。同形式では車体内部に雨水などが入り錆びやすくなるなどの問題があったが、5200形の製造時までには技術確立により解決した。
5000形の増備途上で、これまで手動であった正面の方向幕が自動化された。手動方向幕は白地に黒文字であったのに対し、自動化された方向幕は黒地に白抜き文字であることから、外観上の判別は容易であった。後年、全車両が自動化された。
5200形は、基本的な設計が5000形と同一だが、同形式初期車の製造から8年が過ぎ、側窓構造などの設計変更箇所もあるため、新規に設計認可を受けた。「5200形」と広く俗称されるのもこれによるところが大きい。
5000形と5200形は長期にわたって新製が続き、特に9000形の製造終了後に落成した5000形の4次車以降は9000形の影響を受けている。5000形の1~3次車(5051F~5062F)までは小田急の特徴である前面貫通扉の手摺りが大型のものだったが、4次車以降(5200形全車と5000形5063F~5065F)は9000形に倣って小型の手摺りになった。その他、側面の列車種別表示器を点灯式から電動幕式に変更し、乗務員用扉、室内座席の蹴り込み板をステンレス製とした。そして、5254Fから側面表示器が列車種別と行先を併記する現在の形になり、さらに5200形5259F以降は側面ドアと戸袋窓の支持方法をHゴム方式から押え金方式へ変更した。5266F以降はデハ5400-デハ5300間の貫通扉の窓についても押え金方式に変更されている。
[編集] 制御方式
【編成図】
| ←小田原(5000形)新宿→ | ||||
|---|---|---|---|---|
| 形式 | クハ5050 | デハ5000 | デハ5000 | クハ5050 |
| 号車 | 7号車 | 8号車 | 9号車 | 10号車 |
| 区分 | 5150(Tc2) | 5100(M2) | 5000(M1) | 5050(Tc1) |
| 搭載機器 | MG・CP | CONT・PT | PT | MG・CP |
| 自重 | 31.40t | 40.20t | 36.60t | 33.70t |
| ←小田原(5200形)新宿→ | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 形式 | クハ5050 | デハ5000 | デハ5000 | デハ5000 | デハ5000 | クハ5050 |
| 号車 | 1号車 | 2号車 | 3号車 | 4号車 | 5号車 | 6号車 |
| 区分 | 5550(Tc2) | 5500(M4) | 5400(M3) | 5300(M2) | 5200(M1) | 5250(Tc1) |
| 搭載機器 | MG・CP | CONT・PT | PT | CONT・PT | MG・CP | |
| 自重 | 33.90t | 40.55t | 36.80t | 41.25t | 35.80t | 33.90t |
制御方式は2400形と同じくバーニヤ制御付き抵抗制御である。主電動機は同形式のものを絶縁強化して135kWとしたMB-3039-Bを使用している[2]。主制御器はABFM-188-15MDで力行時の制御段数は直列25段、並列31段、弱め界磁7段の計63段で制動段数は55段として加速時のショックを極力低減している。歯車比は急行列車への運用を前提として17:90=1:5.29と同形式や2600形よりも小さく取り、高速域を重視したものとされている。したがって、起動加速度も従来より低い設定で、5000形が2.4km/h/s、5200形が2.8km/h/sとなっている。
2400形では発電ブレーキ時に抵抗器から発生する熱に問題が生じたため、5000形・5200形では抵抗器に自然通風式ではなく強制通風式を採用した。これは両形式の大きな特徴の一つでもある。
台車は電動車が車輪径910mmのFS-375、制御車が車輪径762mmのFS-075で、基礎制動装置は全台車が両抱き式踏面ブレーキ(クラスプ式)である。いずれも小田急では2200形からの実績があるアルストムリンク式空気バネ台車である。
[編集] 冷房装置
5000形3次車(5059F~5062F)は小田急の通勤車で初めての新規製造冷房車となった。1968年(昭和43年)に冷房改造した2400形クハ2478号の実績から設計された集約分散式CU-12Aで、落成時にはベンチレーターを1列配置していたが、1980年代後半に撤去された。5000形4次車以降は改良型のCU-12Bに、5200形では低騒音型のCU-12Cに変更された。非冷房で登場した1・2次車(5051F~5058F)も1972年(昭和47年)までに冷房改造された。3次車までは扇風機併用で、屋根上に扇風機カバーが残っており、室内天井は浅い船底型になっているが、扇風機が剥き出しになっている訳ではないのでそれとはわかりにくい。9000形の製造終了後に落成した4次車以降は、補助送風機のラインフローファン併用に変更し、室内天井構造も同形式と同様の平天井である。
5200形は全車両が新製冷房車で、ラインフローファン併用・平天井である。
[編集] その他
5000形・5200形とも先頭の制御車に電動発電機 (MG) と電動空気圧縮機 (CP) を搭載している。このため、制御車の重量は33.7~33.9tと比較的重い車両となっている[3]。なお、電動車の重量は制御装置搭載の車両は40.2~40.55tだが、制御装置を搭載しない電動車は36.6~36.8t、当初からパンタグラフを搭載していない5200形のM1車(5号車)では35.8tである。
2008年3月15日のダイヤ改正と同時に小田急グループではブランドマークを導入し車両へのマークの貼り付けを行っているが、8000形・1000形・2000形のマーク貼り付け位置が前面の青帯の下であるのに対し、本形式のみ前面のマーク貼り付け位置が前面の青帯上となっている。
[編集] 増備の変遷
マイナーチェンジを繰り返しており、5000形は5次車まで、5200形は8次車まで製造された。
[編集] 5000形
[編集] 1・2次車
1969年製造の5051F~5054Fが1次車、1970年製造の5055F~5058Fが2次車であり、どちらも非冷房車として登場し、1971年~1972年にかけて冷房改造された。1973年には全車両に排障器(スカート)を設置した。側面表示器は切り替え式の種別灯。正面方向幕は手動式だったが、5054Fと5058Fについては1976年に自動化された。
[編集] 3次車
1971年製造の5059F~5062Fが該当する。小田急では初めての新製冷房車となった。このグループの車両のみ冷房装置カバーの形状が異なる[4]。1973年にスカートを全車両に設置。側面表示器は切り替え式の種別灯。正面方向幕は手動式だったが、5059Fと5060Fについては1976年に自動化された。
1985年(昭和60年)頃に5060Fで電子警笛の実車試験を実施した。後に撤去したが、スカートに丸穴が開いているのはその名残りである。この時には本格採用されなかったが、2000年(平成12年)前後から本格採用され、現在は通勤車の全編成に導入されている。
[編集] 4次車
1976年製造の5063Fと5064Fが該当する。方向幕と種別幕はすべてスイッチ操作式とされた。また正面の手すりが小型のものに変更された。車内は平天井構造になる。スカートは新製当初から装備しており、以後の大型通勤車では標準装備となった。また、これ以降の車両からブレーキ排気音が異なる[5]。
[編集] 5次車
1977年増備の5065Fのみが該当する。すでに自動解結装置が本格運用されていたため、56芯ジャンパ連結器は省略され、スカート形状も変更されている。
[編集] 5200形
[編集] 1・2次車
5251Fが1次車、5252F・5253Fが2次車であり、どちらも1978年1月に入線した。5251Fは1977年内に落成したため、製造銘板は「昭和52年(1977年)」となっている[6]。側面表示幕は種別のみの表示である。
[編集] 3次車
1978年12月に入線した5254Fと5255Fが該当する。側面表示幕は種別と行先を併記するタイプに変更された。
[編集] 4次車
1979年増備の5256F~5258Fが該当する。扉外側の柱部分に指挟み防止ゴムが設置された。
[編集] 5・6次車
1980年増備の5259F~5262Fが5次車、1981年増備の5263F~5265Fが6次車である。扉窓・戸袋窓のHゴムが廃止され、押え金方式に変更された。使用するガラスの大きさは変更されていないので、戸袋窓が小ぶりに見えるようになった。
[編集] 7・8次車
5266Fが7次車、5267F~5270Fが8次車であり、どちらも1982年6月までに入線した。翌7月12日の箱根登山線直通急行の車両大型化のための増備車である。5400番台の車両の新宿方車内の貫通仕切り扉のガラス支持方式はHゴムから押え金に変更された。
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1980年代に電子警笛の試験を行っていたため、スカートに丸穴が残る5000形(5060F、クハ5060)(2007年3月8日、本厚木駅にて撮影)。 |
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[編集] 車両更新
1990年代頃から老朽化・陳腐化した機器・車内設備について大掛かりな改修を施した。この改修は全て小田急車両工業で行われている。
5000形は1991年(平成3年)~1998年(平成10年)に、5200形は1996年(平成8年)秋頃~2002年(平成14年)3月にそれぞれ全車に実施している。
[編集] 内装
5000形の車内内装は従来車と同じグリーン系色の化粧板にブルー系の座席モケットのままだったが、更新時に化粧板を白系色に変更し、その後5051F~5055Fのブルー系だった座席もピンク系色のバケットシートに交換した。5055Fでは更新時にドア鴨居部分に試験的に手摺りを設置したが、その後撤去した。
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5200形も5000形と同様に化粧板をグリーン系色から白系色に更新した。床材の色は当初グリーン系だったが、1998年度更新車からはベージュ系と茶系を組み合わせたものに変更した。全車に対して座席をピンク系のバケットシートに交換した。さらに1号車には車椅子スペースを通勤車として初めて設置したのに加え、一部の編成にはドアチャイムを設置し、バリアフリーに対応している。5260Fと5262F~5264F・5266F~5270Fは網棚のパイプ化と座席へのスタンションポール設置が行われた。更新登場時から連結部分に通常の幌とともに転落防止ベルトを設置している。これは小田急に在籍する他の一般車両に見られない特徴である。なお、車椅子スペースの位置は5266F~5270Fのみ運転台側となっているのも特徴である。
5063Fと5251F~5258Fは側扉窓の支持方法を押え金方式に改造されている。また、5259F~5270Fについても側扉窓の支持方式を外側からの支持に変更された。
[編集] 外観
パンタグラフは、雪害対策により2001年(平成13年)度以降の5200形車体修理からはシングルアーム式に交換した。また、5200形の1999年(平成11年)度車体修理車から転落防止幌取り付け工事も施工された。これらの工事は全車に対して実施し、2004年(平成16年)3月までにすべて終了した。
5200形では、1編成あたりのパンタグラフを2基に削減した編成、前照灯をシールドビームに交換した編成や小田原寄り先頭車の電気連結器を撤去した編成がある。
- 車体修理時にシングルアーム式に変更した編成…5266F・5270F
- パンタグラフを3基から2基に変更した編成…5260F・5262F~5270F
- 前照灯をシールドビームに交換した編成…5255F・5256F・5259F・5262F・5263F・5265F~5270F
- 小田原方先頭車の電気連結器撤去編成…5263F・5264F・5266F~5270F(6連現役全編成)
[編集] 今後
2600形と初代4000形の全廃で、5000形と5200形は「小田急顔」として唯一残存する形式となった。2600形と初代4000形の全廃後は5051~5062編成が1969年~1971年製で小田急での使用年数最長車両となったが、これらより先に9000形の置き換えが優先された。現在は快速急行や急行などの優等列車を中心に運用されている。
小田急では、2006年(平成18年)度に3000形44両[7]、2007年(平成19年)度に2代目4000形70両[8]をそれぞれ製造したため、5000形・5200形を順次廃車している。2008年3月31日までに、5000形・5200形を合わせて74両が廃車になっている。
- 5200形は、2006年5月22日に5259F、8月2日に5261F、同月下旬に5252F、11月12日に5257F、翌2007年5月2日に5253F、9月3日に5251F、10月11日に5265F[9]、同月24日に5260F[10]、11月20日に5254F、同月22日に5256Fの中間2両、2008年(平成20年)2月22日に5262Fがそれぞれ廃車された。そのうち5256Fについては4両化工事が施行され[11]、続いて5258F・5255Fにも施工された。4連化された3編成は、前述のパンタ削減が行なわれていなかった。
- 5000形については、2007年5月24日に5051Fが、同年6月19日に5052Fが廃車された。
[編集] その他
- 2006年3月18日のダイヤ修正から、5000形についても箱根登山線に入線するようになった。4両編成が存在することから、新松田発着の各停箱根湯本行として運用されたり、小田原~箱根湯本間の箱根登山線内区間運用にも充当されている。
- 2008年1月26日に、5000形5060Fが小田急線開業80周年記念イベント「えのすい&おだきゅう探検隊」の団体臨時列車として、片瀬江ノ島から経堂まで運転された。
[編集] 脚注
- ^ 小学館『コロタン文庫46 私鉄特急全百科』p328。なお、当時のローレル賞は鉄道友の会会員の投票により選定されていた。
- ^ 端子電圧が340Vのため実質的には150kW級である。
- ^ ただし5000形の小田原側制御車は31.4tである。
- ^ 初代4000形に近い形状であるが、同形式と比べるとやや小さい。
- ^ 5200形も5000形4次車以降と同一のブレーキ排気音である。
- ^ 車籍登録されたのは1978年1月9日。
- ^ 8両編成1本・6両編成6本。
- ^ 10両編成7本。
- ^ ドアチャイム搭載車では初。
- ^ 廃車前に脱線復旧訓練を実施した。また、9月20日に南林間駅で故障を起こしたため、翌日21日に試運転を行ったが復帰することはなかった。
- ^ 「Topic Photos 小田急5200形5256Fを4連化」『鉄道ピクトリアル』2008年3月号(通巻801号)83頁、電気車研究会
[編集] 関連項目
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最終更新 2009年11月3日 (火) 16:58 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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