市町村防災行政無線
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市町村防災行政無線(しちょうそんぼうさいぎょうせいむせん)とは、区市町村が防災行政のために設置・運用する防災無線である。同報系・移動系・テレメーター系の3系統がある。無線局としての電波利用料に減免措置がある。
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[編集] 同報系防災行政無線
同報系防災行政無線は、住民に同報を行う放送(同報無線)として整備されるものであり、いわゆる昔の「有線、有線放送」を発展解消したものである。
過去に津波・水害などの大災害のあった地域、東海地震警戒地域、原子力発電所などの原子力関連施設近辺では殆どの市町村に整備されている。しかし、過去に災害が少なかった地域では整備が遅れている。
[編集] 構成
- 固定局(送信機と司令卓。設備は市町村役場高層部に、司令卓は総務部などの防災部門の他、消防本部にも配備。受信機の遠隔制御を行なう)
- 屋外スピーカー(市町村内各所に配備。専用の有線回線を用いる場合も)
- 戸別受信装置(支所や公民館、地滑り急斜面崩壊危険地域の個人宅などに配備。原子力発電施設等緊急時安全対策交付金などの補助金を活用し、全世帯への配布を行っている市町村もある。また、ケーブルテレビ回線を活用した戸別音声告知端末を設置することで代える例もある)
[編集] 放送内容
- 大規模災害発生時の避難勧告、避難命令などの告知
- 緊急地震速報や武力攻撃等の緊急事態における国民への情報伝達(J-ALERT(ジェイアラート))
- 火災発生の知らせ、消防団員の招集、鎮火報告
- 戦争犠牲者追悼のための鐘・サイレン(8月15日、8月6日、8月9日)
- 朝・昼・夕(07:00・正午・17:00が多い)の時刻を知らせる音楽・鐘・サイレン・チャイム、児童の帰宅を促す放送
- (設備が故障していないことを確認するための試験の目的もある。)(音楽は主に夕焼け小焼けなど)
- 光化学スモッグ注意報等の告知
- 行方不明者の捜索協力依頼 ※1
- 交通安全月間、食中毒予防月間などの告知 ※1
- 架空請求・振り込め詐欺等に遭わないよう注意を促す ※1
- 誘拐防止・変質者出没等の警告 ※1
- 運動会の延期連絡 ※1
- クマやサルなどの出没情報 など ※1
- 選挙の投票日を知らせる ※1
- フリーマーケットなど自治体主催のイベントの開催のお知らせ
放送は「こちらは広報(市町村名)です。」から始まることが多い。「防災」とアナウンスしたり、役場名から始まる地域も。※2遠方にある屋外スピーカーからの声が重なって聞き取りにくくなるのを防ぐため、語間を大きく空けてゆっくり話すのが特徴。複数のエリアに分割し、放送区域を時間差で切り替える手法もある。
※1 他機関(警察・消防事務組合・選挙管理委員会・教育委員会等の区市町村長部局以外からの依頼により通報するものは、正確には電波法違反となる。
※2 「広報~」・「防災~」の違いは、各総合通信局から交付される無線局免許状の識別信号による。
[編集] 問題点
- 屋外スピーカー設置場所周辺世帯への騒音被害が著しい。また境界に近い地区では地元市町村より隣接市町村の放送の方が明瞭に聞こえる事も。
- 家屋の気密性が増したため、屋外スピーカーの声が聞き取りにくい。戸別受信装置の配布で対応する自治体もあるが、基地局から距離が離れたり、地形によっては各世帯の屋外にアンテナを設置するなどの工事が必要となる場合がある。
- 有線放送電話・オフトーク通信を置き換える場合、広告放送はコミュニティ放送など別の手段が必要である。
- 本来有事や大規模災害のためのシステムであり、その目的においては騒音公害は当然許容される性質のものであるが、一部行政機関の緊急性、重大性、広域性の低い内容における濫用により騒音公害が潜在的問題となっており、過去に茨城県勝田市(現・ひたちなか市)や愛知県西枇杷島町(現・清須市)では住民から放送差し止めを求める訴訟も起こされている(いずれも原告の請求を棄却)。防災無線は環境音などと異なり聞き流す事ができない性質のため、特に耳障りとなりやすい。ガイドライン制定などの適切な運用が求められる。
- 火災や水害についての放送を行うと、野次馬を呼び寄せてしまい被災地周辺の渋滞や二次災害などの危険を招く恐れがある。
- 戸別受信装置に代えてケーブルテレビ回線による戸別音声告知端末を設置する場合は、設置拡大を図りやすい反面、耐震性や停電時の機能確保が課題となる。
[編集] 移動系防災行政無線
移動系防災行政無線は、他の通信手段が途絶した場合に防災担当者間の情報伝達手段を確保する目的で設置されるシステムである。役場などに設置される基地局、山上等に設置する中継局と陸上移動局(携帯型、携帯型より大出力の可搬型、自動車搭載の車載型)があり、移動局相互間の直接交信も可能である。
災害発生時に防災関係業務に優先して使用されるほか、普段は、公衆電話が近くにない現場から本庁宛など、一般行政事務の連絡にも使用されている。
多くの市町村で整備されている。
周波数帯は、150MHz帯と400MHz帯である。
[編集] テレメーター系防災行政無線
テレメーター系防災行政無線は、降水量・河川水位・地すべりなどの無人観測所と制御局とを結び、データーを収集するものである。 同報系防災行政無線のアンサーバック機能を利用しデータを収集している場合がある。
[編集] 市町村合併による統合と問題点
市町村合併による伴うシステムの統合が進められている。
問題点
- メーカーの違うシステムの統合運用が困難。特に同報系の制御方式は差が大きい。
- 有線通信手段で総合指令所と副指令所を結ぶ構成では、断線時に通信途絶の恐れがある。
- 移動系の周波数を統一しないと、相互連絡に不都合が生じる。
[編集] デジタル化とその問題点
デジタル化が国の方針として決定された。
利点
- 電波の利用効率が向上する。
- 複数チャネル化や複信方式(電話のように話せる)での運用が可能になる。
- 静止画像・ファクシミリ・文字情報などのデータ通信も可能である。
- 全国瞬時警報システムと接続が可能である。※アナログ方式でも可。
問題点
- 国の施策により、使用可能なアナログシステムを地方公共団体が破棄する必要がある。(特に800MHz帯地域防災無線は、平成23年5月31日までと期限が明確化されている。)
- 多額の費用・長期間のアナログ-デジタル併用運用などの負担が大きい。
- 戸別受信機の補完もしくは代用を目的に、自主的に広帯域受信機(防災ラジオ)を購入して聴取する方法があるがデジタルでは専用受信機以外での受信が不可能になる。
- 全国瞬時警報システムと接続が可能であるが、移動系では国民保護法サイレンの音や通常のサイレン等音声以外の音源がコーデックの関係で元の音源通り復元できない。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- ふくおかコミュニティ無線 : MCA無線を活用した市町村向けの防災無線システム。福岡県で開発され、同県内市町村を中心に導入が始められている。
最終更新 2009年11月4日 (水) 14:54 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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