幸徳事件

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幸徳事件(こうとくじけん)とは、大逆事件の一つ。一般に「大逆事件」と言われる際は、この幸徳事件を指す。幸徳秋水事件ともいう。

目次

[編集] 概説

明治天皇を爆裂弾で暗殺しようとした計画が発覚、この事件をきっかけに多くの社会主義者、アナキストに対して取り調べや家宅捜索が行なわれ、根絶やしにする弾圧を政府が主導し、捏造したとされる事件。戦後に関係資料が発見されて事件の全容が明らかになった。暗殺計画にいくらかでも関与・同調したとされているのは、宮下太吉管野スガ森近運平新村忠雄古河力作の5名に過ぎなかった。1910年5月25日に多数の社会主義者・無政府主義者の逮捕・検挙が始まり、1911年1月18日に死刑24名、有期刑2名の判決。1月24日に11名が、1月25日に管野スガが処刑された。

戦後日本国憲法が施行されると、1960年代に復権の動きが起こり、「大逆事件の真実をあきらかにする会」を中心に、再審請求などの運動が推進された。2001年には新宮で犠牲者を顕彰する会が生まれるなど、今猶事件の検証と犠牲者の復権への運動は続いている。

[編集] 概要

判決の2ヶ月前の1910年11月22日を皮切りに、アメリカのアナキスト、エマ・ゴールドマンらがニューヨークで抗議集会を開くなどの抗議運動を展開し、全米に抗議運動が広がった。さらにイギリスフランスにも抗議運動が起こり、各国の日本大使館に抗議デモが押し寄せたため、困惑した大使たちの要請を受け、政府は処刑を急いだ[要出典]

刑死した人物は、幸徳秋水、管野スガ、森近運平、宮下太吉、新村忠雄、古河力作、奥宮健之、大石誠之助、成石平四郎、松尾卯一太、新見卯一郎、内山愚童の12人。特赦無期刑で獄死した人物は、高木顕明、峯尾節堂、岡本一郎、三浦安太郎、佐々木道元の5人。仮出獄できた者は坂本清馬、成石勘三郎、崎久保誓一、武田九平、飛松与次郎、岡林寅松、小松丑治。

赤旗事件で有罪となって獄中にいた大杉栄荒畑寒村堺利彦山川均は事件の連座を免れたが、この事件の影響で、社会運動は数多くの同志や仲間を失い、しばらくの期間、運動が沈滞したため、「社会主義冬の時代」と呼ばれる。

[編集] 関連年表

[編集] 戦前

1908年
  • 7月14日 第二次桂太郎内閣成立
  • 9月 平民社、巣鴨へ移転
1909年
  • 2月13日 宮下太吉、巣鴨の平民社に幸徳秋水を訪ね初対面、天皇暗殺計画を示唆、新村忠雄とも初対面
  • 3月18日 平民社を千駄ヶ谷へ移転、管野スガが平民社に住み込む
  • 5月25日 宮下、幸徳秋水宛に「爆裂弾の調合が判った」旨の書簡
  • 7月15日 警視庁、平民社を家宅捜索し、管野スガを検挙
  • 11月3日 宮下、長野県東筑摩郡中川手村大足(現安曇野市)の大足山中で爆裂弾の爆発実験
1910年
  • 3月22日 平民社解散。幸徳、管野は湯河原へ向かう
  • 5月14日 新村の明科入りを察知した駐在巡査が、新村を尾行
  • 5月21日 宮下、爆弾の材料を中川手村明科の明科製材所の工場に移す
  • 5月23日 長野県松本警察署長、宮下に関わる爆発物取締罰則違反容疑の報告書を受け取る
  • 5月25日 松本警察署が宮下、新村らを爆裂弾製造所持(爆発物取締罰則違反容疑)で逮捕(明科事件)。大逆事件の大検挙がはじまる
  • 5月31日 検事総長、(旧)刑法73条(大逆罪)に該当すると判断
  • 6月1日 幸徳秋水、管野スガらを湯河原で逮捕
  • 11月12日 アナキストのエマ・ゴールドマンら5名が連名で駐米全権大使・内田康哉宛に抗議文を送付
  • 11月22日 エマ・ゴールドマンらがニューヨークで最初の抗議集会
  • 11月29日 大杉栄が東京監獄から満期出所
  • 12月6日 フランスの社会主義者ら、在パリ日本大使館に抗議して大デモ
  • 12月10日 幸徳秋水ほか26人に関する大逆事件の大審院第1回公判(非公開)を開廷
  • 12月12日 エマ・ゴールドマンらがニューヨークの抗議集会で桂太郎首相宛の抗議文を採択
  • 12月24日 (堺利彦売文社を設立)
1911年
  • 1月18日 大審院、幸徳秋水ら24人に死刑判決、1審限りで控訴なし。
  • 1月19日 12人を無期に減刑
  • 1月24日 幸徳秋水ら11人の死刑執行
  • 1月25日 管野スガ死刑執行
  • 3月17日 大杉栄、大阪在住の大逆事件犠牲者家族を見舞いに東京を出発
  • 6月1日 (平塚らいてうらが青鞜社発起人会)
  • 8月25日 第二次桂内閣総辞職
  • 9月1日 (平塚らいてうらが『青鞜』創刊)
1913年
  • 1月26日 大杉栄が大逆事件刑死者の墓参り
1914年

[編集] 戦後

1960年
  • 「大逆事件の真実を明らかにする会」発足(事務局長: 参議院議員・坂本昭)
1961年
  • 再審請求運動が起こる(再審請求人: 坂本清馬、森近栄子)
1967年
1996年
  • 和歌山県新宮市の浄泉寺(浄土真宗)が大逆事件を見直し、獄中で自殺した高木顕明を復権
2001年
  • 8月 和歌山県新宮市で「大逆事件の犠牲者を顕彰する会」が結成される

[編集] 関連人物

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年8月24日 (月) 12:49 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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