幽霊塔

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幽霊塔』(ゆうれいとう)は

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[編集] 作品について

幽霊塔(ゆうれいとう)』は、アリス・マリエル・ウィリアムソン(Mrs.Alice Muriel Williamson)の小説『灰色の女』(A Woman in Grey, 1898年)を基にした日本の翻案小説。時計塔のある古い屋敷を舞台に、因縁の人物が入り乱れ、迷路の奥に隠された宝を巡って繰り広げられる探偵小説である。

  • 1899年『幽霊塔』 - 黒岩涙香が『幽霊塔』の題名で翻案。萬朝報に新聞小説として連載(1899年8月9日~1900年3月9日)し、大好評を得た。
  • 1937年『幽霊塔』 - 少年時代、涙香のファンであった江戸川乱歩が1937年、涙香の翻案小説を同題名のまま更に翻案。「講談倶楽部」に連載した。
  • 1952年『幽霊の塔』 - 西條八十黒岩涙香版から翻案した少女向けの探偵小説。オカルト研究家の助手になった少女・秀子は亡き母が残した暗号文を頼りに秋田にある幽霊の塔に向かう(1952年1月~12月、少女クラブ連載→1953年8月偕成社刊)。
  • 1958年『幽霊塔』 - 黒岩涙香版を少年向けにリライトしたもの。大平陽介著(1958年8月、東光出版社刊・少年少女最新探偵長編小説集6)。
  • 1959年『時計塔の秘密』 - 更に江戸川乱歩には、『幽霊塔』を少年向にリライトした『時計塔の秘密』(1959年8月、ポプラ社刊・名探偵明智小五郎文庫14→少年探偵シリーズ45)もあり、日本中の小中学生に愛読されているロングセラー。乱歩は、「名探偵・明智小五郎の青年時代の物語として書きなおしてみました。」と解説しているが、氷川瓏による代作である。

注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


[編集] 主要登場人物

原作/黒岩涙香版/江戸川乱歩版 (説明は涙香版)

Terence Darkmore/丸部道九郎/北川光雄
主人公。叔父に依頼され、幽霊塔と呼ばれる屋敷の検分に来る。絶世の美女・丸谷秀子と出逢い、時計塔の謎と、秘密の迷路に隠された莫大な財宝を巡る怪事件に巻き込まれていく。
Consuelo Hope/丸谷秀子/野末秋子
日陰色(灰色)の洋服を着て登場したヒロイン。天女のように美しいが、謎の怪美人。一切の経歴は不明。時計塔の秘密を知る唯一の人物。ある恩返しに密旨の為に生きており、そのことから運の尽きというほどの敵があるという。
Sir Wilfrid Amory/丸部朝雄/児玉丈太郎
主人公の叔父。地方の検事総長を勤めていた。幽霊塔と呼ばれる屋敷を買い取る。ニセ電報に呼び出されて屋敷にやってくる。丸谷秀子をひと目見ると気絶するばかりに驚く。
Paula Wynne/浦谷浦子/三浦栄子
主人公の従妹で婚約者。性格は悪く、丸谷秀子を虎のいる部屋に閉じこめるなどする。ある日、密室より消え、堀から首なし死体となって上がる。
Florence Haynes/輪田お夏/和田ぎん子
育ての親であるお紺婆さんを殺した罪で終身刑を宣告されるが、無実を叫びながら4年後、獄中で病死した。
Hannah Haynes/輪田お紺/長田お鉄
6年前の深夜、就寝中に殺害され、今もその部屋に幽霊が現れるという。
Tom Gordon/権田時介/黒川弁護士
弁護士。輪田お夏の弁護をした。怪美人・丸谷秀子の秘密を知っており、彼女にしつこく求婚している。
Mrs.Traille/虎井夫人/肥田夏子
ヒロインの側にいつもいる、ペットの猿を連れた下品な中年の婦人。蜘蛛のウヨウヨ住む養蟲園主人の姉。
George Haynes/高輪田長三/長田長三
お夏と共にお紺婆さんに育てられた男。丸部家の財産を乗っ取る為に幽霊塔に戻ってくる。
Marland/森主水/森村刑事
丸部朝雄が雇い入れた探偵。6年前にはお紺婆殺しのお夏を捕らえている。
Paul Lepel/ポール・レペル/芦屋暁斎
巴里の荒屋敷に住む医者。地下の一室にヒロインの秘密が隠されている。

[編集] あらすじ

叔父に屋敷の検分を頼まれた光雄は、屋敷に設えられている時計塔の一室で謎の女・野末秋子と運命的な出会いをする。光雄は、我が儘な許嫁の栄子より、謎が多くとも凛とした秋子に次第に惹かれていった。ある時、その屋敷の中で怪事件が頻発し、光雄はその事件の渦に巻き込まれていった。事件の根源は過去にまで遡り、次第に彼は秋子の過去、そして時計塔の秘密に肉薄していく。(江戸川乱歩版)

[編集] 映像化作品

  • Alice Muriel Williamson原作(オリジナル版)映画化作品
    • 「灰色の女」 原題:A Woman in Grey 1920年 アメリカ 監督:ジェイムズ・ビンセント、出演:エアライン・プリティほか。 翌1921年(大正10年)、日本にも輸入され浅草富士館他で公開されている。当時の資料によると、黒岩涙香「幽霊塔」の原作「灰色の女」映画化として宣伝されている。
  • 黒岩涙香による翻案を原作とした映画化作品
  • 江戸川乱歩による翻案を原作としたTVムービー(16mm)作品

[編集] 関連項目

[編集] 脚注

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年8月31日 (月) 13:20 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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