強酸

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強酸(きょうさん、Strong acid)とは、水溶液中においてプロトンの移動平衡が水側へ強く偏りオキソニウムイオンを定量的に生成するのことで、pKa < 0 (Ka > 1 , 通常はKa >> 1) のものを指す。一般的には、標準状態の水溶液においてオキソニウムイオンと強酸の濃度が等しい、つまり完全に電離していると見なすのが普通であるが、これは近似に過ぎない。

\rm HA(aq) + H_2O(l)\ \overrightarrow\longleftarrow \ H_3O^+(aq) + A^-(aq)

強酸は腐食性が大きいと想定されるが、常にそういうわけではない。超酸カルボラン酸(H(CHB11Cl11)は、硫酸の100万倍の強さであるがガラスに対しては全くの非腐食性である。一方、希薄水溶液中で弱酸であるフッ化水素酸(HF)は腐食性が非常に強く、イリジウムを除く全ての金属とガラスを腐食する。

目次

[編集] 共役酸としての強酸

塩基Bがプロトンを受け取った共役酸BH+の酸解離定数は塩基解離定数と以下の関係にあり、弱い塩基の共役酸であるほど強い酸となる。

K_a = \frac{K_w} {K_b}

例えば非常に弱い塩基であるホスフィンの共役酸は強酸であり超酸のような強酸性媒体中においてプロトン化を受ける。

\rm PH_4^+ + H_2O\ \overrightarrow\longleftarrow \ H_3O^+ + PH_3,   \mbox{p}K_{a} = -12 \,

金属水酸化物の共役酸すなわち水和金属イオン(アクアイオン)では、電荷 z が大きくイオン半径 r の小さなものほど強酸となる。希ガス電子配置の金属イオンではpKaは、z2/rとほぼ直線関係にある。たとえば4価のジルコニウムイオンZr4+(aq)ではpKa = 0.2程度であり、強酸性水溶液中でも加水分解している。

\rm M(H_2O)_m^{n+}(aq) \ \overrightarrow\longleftarrow \ H^+(aq) + M(OH)(H_2O)_{m-1}^{(n-1)+}(aq)

[編集] 非水溶媒中における強酸

水溶液中における酸解離平衡の概念は非水溶媒中においても適用され、酸HAが溶媒S中において以下の平衡が著しく右辺に偏り、リオニウムイオンHS+を定量的に生成する場合、酸HAは溶媒S中において強酸であると表現する。

\rm HA + S\ \overrightarrow\longleftarrow \ HS^+ + A^-

このような酸解離平衡は溶媒のプロトン受容性および比誘電率などにより決まる。たとえば水溶液中において弱酸である酢酸も液体アンモニア中では強酸としてはたらく。

\rm CH_3COOH + NH_3\ \overrightarrow\longleftarrow \ NH_4^+ + CH_3COO^-

[編集] おもな強酸

主な強酸のKaとpKa
HA A- Ka pKa
ヨウ化水素 HI I- 1011 -11
過塩素酸 HClO4 ClO4- 1010 -10
臭化水素 HBr Br- 109 -9
塩化水素 HCl Cl- 107 -7
硫酸 H2SO4 HSO4- 105 -5
硝酸 HNO3 NO3- 102 -2
オキソニウムイオン H3O+ H2O 55.5 -1.74

おもな強酸には右表のようなものがある。オキソニウムイオン(H3O+)はしばしば水素イオン(H+)と同等に扱われる。しかし、水中には水素イオンという化学種は存在せずすべてオキソニウムイオンの形で存在している。

広くは認められていないが以下のような酸も水溶液中において強酸としての性質をもつ。

オキソ酸XOm(OH)nについてはポーリングの経験則により m−n>2 のものがおおむね強酸となる。これは酸素原子の誘起効果によるものである。またフルオロ錯体の遊離酸も陰イオンに対するプロトン親和力が極めて弱いため多くは強酸である。

[編集] 超酸

100%硫酸よりも強い酸性媒体のことを超酸と呼ぶ。詳細は超酸を参照。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年4月21日 (火) 10:45 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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