後鳥羽伝説殺人事件

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後鳥羽伝説殺人事件(ごとばでんせつさつじんじけん)は、内田康夫の長編推理小説である。浅見光彦シリーズの第一弾である。

目次

[編集] 概要


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


[編集] あらすじ

8年前、卒業論文の執筆のため、後鳥羽法皇が隠岐に流された道順を追って旅行していた女性、正法寺美也子は土砂崩れにあい、友人である浅見祐子と自らの記憶とを失ってしまった。彼女は友人の冥福を祈り、失われた記憶を取り戻すために旅行をしていたが、ある古本屋で自分の記憶に関わる一冊の書物を見つける。しかし、その日の午後、広島県のJR三次駅構内で、彼女は遺体となって発見された。彼女の遺留品からはあの本が紛失していた。

その事に目をつけた野上刑事は捜査本部に報告するが、無視されてしまった。翌日、彼は正法寺美也子を目撃していた富永隆夫が殺害されたことをニュースで知ると、彼女のことを知るために東京へ出張した。彼はそこで浅見祐子の兄、浅見光彦と出会う。

[編集] 登場人物

正法寺 美也子(しょうほうじ みやこ)
この事件における第一の犠牲者。8年前、大学の卒論執筆のために友人・浅見祐子と旅行をしていたが、島根県仁多町で土砂崩れにあい、祐子は死亡、自分も記憶喪失となる。8年前と逆のコースを辿って、仁多町から尾道までを旅していたが、最終日の尾道にて、古本屋で「緑色の本」を購入し、旅の中間地点であった三次市に戻るという不可解な行動を取る。彼女の行動なくしてはこの連続殺人事件はありえなかったという重要な位置に立つ人物。
正法寺 尚之(しょうほうじ なおゆき)
美也子の兄。遺体を引き取りに来る。
浅見 祐子(あさみ ゆうこ)
美也子の友人であり、浅見光彦の妹。8年前、島根県で土砂崩れに遭い死亡。遺体に性行為の痕跡が認められた。
浅見 光彦(あさみ みつひこ)
この物語における主人公。ルポライターで、祐子の兄。広島県警の野上刑事に協力し、連続殺人事件と妹の死の真相を追い求める。活躍するのは、主に物語の中盤からで、最初は登場予定ではなかった。作者・内田康夫の思い付きからの登場で、この発想が無ければ、浅見光彦シリーズは無かったと言ってもいい。
浅見 陽一郎(あさみ よういちろう)
光彦と祐子の兄で、浅見家の長男。警察庁の刑事局長を務める。エリートという役職に対し、まっすぐな意見を持っている。
浅見 雪江(あさみ ゆきえ)
浅見兄弟の母。厳格な人物。
坂巻(さかまき)
北村 義夫(きたむら よしお)
田坂 峯夫(たさか みねお)
富永 隆夫(とみなが たかお)
D-社の会社員。美也子が「緑色の本」を福塩線の列車内で手にしているのを目撃した人物。庄原市で殺害される。
野上 智子(のがみ ともこ)
野上刑事の妻
新祖(しんそ)
池田 謙二(いけだ けんじ)
三次高校の歴史教諭。8年前、美也子達が泊まっていた民宿で、一緒に停まっていた「3人組」の一人で、8年前の事件に深く関与している。自殺に見せかけて絞殺される。
木藤 孝一(きとう こういち)
庄原市の木藤製材所の二代目社長。「3人組」の一人「3人組」の最後の一人(すなわち犯人である)と連絡を取り合っていた。しかし、そのために、口封じに殺害される。


[編集] 警察

野上(のがみ)
三次警察署の叩き上げ刑事。この物語におけるもう一人の主人公。周りからは、ベテランで信頼のおける警察官として見られている。既婚者。殺害前、池田と接触を図るが、それが理由で桐山主任から謹慎処分を受け、捜査チームから外されてしまう。
桐山 道夫(きりやま みちお)
広島県警本部から来たエリート警部。榊原とは大学の同門。殺人事件の捜査主任を務めることになった。野上刑事に対して、非協力的な態度を取る。
榊原(さかきばら)
広島県警本部長。桐山の大学の先輩に当たり、桐山に眼をかけている。浅見陽一郎とは知り合いで、光彦とも認識がある。
土屋(つちや)
稲垣(いながき)
大友(おおとも)
森川(もりかわ)
石川(いしかわ)

[編集] テレビドラマ

後鳥羽伝説殺人事件
1982年8月21日TBS系列ザ・サスペンス
出演:国広富之(浅見光彦)、長門裕之(野上刑事)、荻島真一(桐山警部)、山口いづみ(正法寺美也子)、織本順吉河原崎次郎福田公子谷口香、大原穣子
浅見光彦ミステリー7 備後路殺人事件
1990年1月6日日本テレビ系列火曜サスペンス劇場
出演:水谷豊(浅見光彦)、河原崎長一郎(野上刑事)、田中隆三(桐山警部)、丸山秀美(正法寺美也子)、泉晶子(浅見和子)、高橋悦史(浅見陽一郎)、乙羽信子(浅見雪江)
浅見光彦シリーズ14 後鳥羽伝説殺人事件
2000年9月4日TBS系列月曜ドラマスペシャル
出演:沢村一樹(浅見光彦)、佐藤B作(野上刑事)、岡本麗(野上智子)、羽場裕一(桐山道夫)、林美穂(浅見祐子)、菊地裕子(正法寺美也子)、高杉亘(木藤孝一)、村杉蝉之介(池田謙二)、まいど豊久保晶津村鷹志石井愃一井上彩名(吉田須美子)、山本郁子(浅見和子)、村井国夫(浅見陽一郎)、加藤治子(浅見雪江)
浅見光彦シリーズ33 後鳥羽伝説殺人事件
2009年4月10日フジテレビ系列金曜プレステージ
出演:中村俊介(浅見光彦)、火野正平(野上刑事)、川岡大次郎(桐山警部)、山口あゆみ(浅見祐子)、梅宮万紗子(正法寺美也子)、銀粉蝶(正法寺澄子)、伊東孝明(池田謙二)、神尾佑(木藤孝一)、藤田瞳子(吉田須美子)、榎木孝明(浅見陽一郎)、野際陽子(浅見雪江)

[編集] 逸話

  • 作家に専念する前の内田がCM制作会社を経営していたとき、広島県府中市リョービの本社を度々訪れて広告の仕事を手がけた。この時、現在の会長で当時社長だった浦上浩から、この地方(備後地方)に伝わる後鳥羽天皇に纏わる伝承を聞いた。それを素に創作したのが、商業デビュー作である本作である。この作品は浅見光彦が初登場する内田の出世作となった。浦上はこの前作である『本因坊殺人事件』の主人公の名前に使われている[1]
  • 連続ドラマで放送されている「浅見光彦〜最終章〜」では桐山道夫が陽一郎の部下という設定で登場しており、6話ではこの作品を元にしたストーリーで描かれる。ただ、舞台は広島・島根ではなく、木曽に変更され、オリジナルキャストも登場する。

[編集] 脚注・出典

  1. ^ 『後鳥羽伝説殺人事件』p300 1996年2月(角川春樹事務所)

[編集] 関連項目

最終更新 2009年11月19日 (木) 11:14 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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