必殺仕業人

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必殺仕業人
ジャンル 時代劇
放送時間 金曜22:00 - 22:54(47分)
放送期間 1976年1月16日 - 7月23日(28回)
放送国 日本
制作局 朝日放送
監督 工藤栄一
松本明
蔵原惟繕
田中徳三 ほか
脚本 安倍徹郎
中村勝行
野上龍雄 ほか
プロデューサー 山内久司・仲川利久(朝日放送)
櫻井洋三(松竹
出演者 中村敦夫
大出俊
中尾ミエ
渡辺篤史
藤田まこと ほか
オープニング 作曲:平尾昌晃『緊迫の一瞬』
エンディング 西崎みどりさざなみ
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必殺仕業人』(ひっさつしわざにん)は、必殺シリーズの第7弾として、朝日放送ABCテレビ)と京都映画撮影所(現・株式会社松竹京都撮影所)が制作し、NETテレビ(現・テレビ朝日)系列で、1976年1月16日から7月23日にかけて放映された時代劇。全28回。

藤田まこと演じる中村主水シリーズの第4弾である。


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


目次

[編集] 作品内容

前作『必殺仕置屋稼業』の最終回で、処刑場に連行される市松沖雅也)を逃亡させた失態(本当はわざと逃がした)で、中村主水は、南町奉行所の中でも、最低の地位にあたる小伝馬町牢屋敷の見廻り同心に降格させられる。

それから一年の月日が流れた。

主水は「仕置屋」時代の仲間であり、風呂屋の釜炊きから、現在は吉原女郎腰巻の洗い張り屋に転業した捨三、新たに加わった鍼灸師やいとや又右衛門と、規模を縮小しながらも、裏稼業を続けていた。ある日の夜、主水の前に、赤井剣之介とお歌という、旅の者が現れた。剣之介は元は上州沼木藩藩士・真野森之助というであったが、自身が惚れた女旅芸人のお歌のために人を殺し、自らの上級武士としての地位を捨て、沼木藩を脱藩、逃亡。現在は役人に追われるお尋ね者のため、表の仕事を持つことができず、日々生きて行くために、名前を変え、素顔を隠し、雑踏の中で、居合い抜きの大道芸人として生活する男である。逃亡先の信州諏訪宿で、かの市松に出会った剣之介は、金を得るために、地元の悪人を、彼とともに始末する。そこで市松から主水を紹介された剣之介は、お歌とともに江戸まで逃げ延びて来たのだ。

だがやいとやは、剣之介を「信用できない」と仲間に加入させることを拒否。しかし主水は意外な言葉で、渋るやいとやを説得。ここにお尋ね者の剣之介を仲間に加え、新しい「仕業人」チームが誕生。

その最初の標的が、偶然にも剣之介の元・婚約者であったことから、標的に捕らえられたお歌を救うため、剣之介は主水たちと共に殺しを行い、お歌を救出する。 こうして「仕業人」チームは金だけの繋がりで弱者の晴らせぬ恨みを晴らし、悪を闇に葬っていく。

[編集] 制作の背景

前作『必殺仕置屋稼業』に引き続き、中村主水の連続登板となった本作は、「反社会的とは、一体何なのか?」といった問題定義を視聴者に問いかけた傑作である。

これまでの歴代シリーズは、登場人物は皆、表の職業を持ち、市井に隠れて生きる殺し屋たちを描いて来たが、本作は主人公に殺人罪で追われる「お尋ね者」を配し、日の当たる表社会では生きる術が無く、殺しでしか日常生活を維持することができない男の生き様を描いた。この時点で、「必殺シリーズ」の人気キャラクターの座に君臨しつつあった中村主水は、今作では地位を格下げされ、家族の内職や、家の一室を他人に間借りさせるまでに落ちぶれ、貧窮さが作風に現れていた。作品内容的には、全体を虚無的で、やるせないムードが漂う物だが、本放送当時の高度成長期から凋落した、日本の現実を敏感に察知した物であることは明白だった。

生活が苦しく心に余裕すら無く、現実的となりながらも、とにもかくにも金が必要な主水と剣之介。そして市井の人々には優しいが、仲間には嫌味で冷たく自己中心的で、金への執着心が強い(やいとや)又右衛門。この3人の、金銭以外にお互いを結び付ける物の無い関係が、全シリーズでも異彩を放つ異色作である。映像面でも、前作「仕置屋稼業」に見られた映像美を重視した表現は少なくなり、町中や今作での主水の仕事場である牢獄のシーンでは、不景気で薄汚れた、言わば「ほこりっぽい」雰囲気の映像作りがなされていた。このような作品であるからか放送途中より視聴率は低迷を余儀なくされたが、それでも頑なにスタッフは作風を変えずに最後まで貫き通し、衝撃的な最終回でもって、その世界観を描ききった。

主役の赤井剣之介には、第1作『必殺仕掛人』の裏番組『木枯し紋次郎』(フジテレビ)の主役を演じた中村敦夫(『必殺仕置屋稼業』第20話「一筆啓上手練が見えた」(1975年11月14日放送)に、主水たちと同じ標的を狙う殺し屋「疾風の竜」役でゲスト出演。また必殺シリーズのスタッフが制作した『おしどり右京捕物車』に神谷右京役で主演と、京都映画のスタッフとはすでに交流があったようだ)を配し、主水とともに連投となる捨三に、渡辺篤史

新劇の看板役者で、『荒野の素浪人』シリーズ(NETテレビ 現・テレビ朝日)など、テレビドラマの経験もある大出俊。『必殺必中仕事屋稼業』に続く中尾ミエの起用もあり、また、ナレーションに宇崎竜童を起用するなど衝撃的な作品であった。このシリーズ定番となったオープニングのナレーションも、宇崎と思われる人物のサングラスのアップから、従来の残虐な浮世絵図や仕業人の顔などに繋ぐ、という作りになっている。

この『仕業人』というタイトルは、一般公募から決定した。当初「仕業人」という造語は作中では使用されず、物語中盤から頻繁に使用されるようになった。

第24話「あんたこの替玉をどう思う」(1976年6月25日放映)は、必殺シリーズ200回記念のイベント編である。かつてのレギュラー出演者(中村玉緒、沖雅也、草笛光子中谷一郎、大塚吾郎、野川由美子田村高廣緒形拳三島ゆり子石坂浩二。以上登場順 )が、通行人などほんのワンシーンの、いわゆるカメオ出演ではあるが、大挙登場して盛り上げた。

中村主水が主人公と言っても差し支えない立場だが、エンディングでの中村主水のテロップの順番はトメである(現在発売中のDVDソフトも同様)。詳しくは必殺シリーズ#中村主水の主人公問題も併せて参照。

最終回(第28話)は、又右衛門役の大出俊のスケジュールの都合で、大出のみ先にクランクアップすることになり、第26・27話より先に撮影された。第26話「あんたこの心眼をどう思う」(1976年7月9日放映)には又右衛門が全く登場せず、第27話「あんたこの逆恨をどう思う」(1976年7月16日放映)では書き置きを残して温泉に旅に出ていることになっており、殺しの場面では代役による後ろ姿と針を持った手のみが登場する(エンディングテロップにも大出俊の名はない)。これはこの番組が当初は全26話の予定で、大出もそれに合わせてスケジュールを確保していたが、後番組『必殺からくり人』の製作が遅れたために穴埋めとして急遽「仕業人」が2話延長されることになったため、という説がある。

[編集] 殺し技

赤井剣之介
剃刀付きの指輪で、悪人の元結(もっとい)を切断。その乱れた髪の毛で、相手の首を絞め殺す。
剣の腕では主水に迫るほどでありながら、殺しに刃物を使うことは無く、専ら元結を切ることに使っていた。その理由として第2話において「武士は捨てた」からだと主水に言っている。
また、殺しの際は常にお歌を伴っている。お歌は武術の心得はなく自ら殺しには関わらないものの(懐に匕首を隠し持ってはいる)、剣之介に殺し道具の指輪をはめたり、敵の目を逸らしたり、油断を誘うなどして剣之介をサポートする。しかし、お歌を悪人に襲われて危機に陥ることもしばしばあった。
やいとや又右衛門
常に携帯する印籠に火種が詰まっており、その中で熱した真っ赤な針を相手の眉間や急所に刺す。
この技にかかった悪人は誰もが痙攣し、次第に体を硬直させ息を引き取る。武器を使わない状態での腕っ節がからっきしな為、攻撃は全て不意打ちであるが、それにもかかわらず逆襲されることもあった。
中村主水
太刀・脇差で、悪人を斬る、刺す。
作風を反映してか、派手な殺陣は少なく、正に殺す為の暗殺剣の様相が強くなっている。が、最終回では…。

[編集] キャスト

  • 赤井剣之介 … 中村敦夫

  • やいとや又右衛門 … 大出俊(第26、27話除く)

  • お歌 … 中尾ミエ
  • 捨三 … 渡辺篤史(第13話除く)

※第1、3~6話は、「出戻り銀次郎」、第7~9話は、「出戻りの銀次郎」と表記。

  • お澄 … 二本柳俊衣(第2~6話)
  • 間借りの玄覚 … 田渕岩夫(第7~9話)
  • 千勢 … 岸じゅんこ(第10~28話)


  • 中村主水 … 藤田まこと(キャスト表示のテロップズームしてくる。第7話までは夕陽の中から、第8話以降は日中の空から)

  • ナレーション
語り … 宇崎竜童ダウン・タウン・ブギウギ・バンド
作 … 早坂暁

[編集] 主題歌・挿入歌

主題歌

※テレビサイズでは1番を使用。第24話のみ2番以降の歌詞を使用。

挿入歌
  • 「西陽の当たる部屋」 
    • 作詞:荒木一郎 作曲:平尾昌晃 編曲:竜崎孝路 歌:荒木一郎

※トリオレコード(現・アートユニオン)を劇中で使用(第1、2、4、5、16話)。  

[編集] スタッフ

  • 制作:山内久司、仲川利久(朝日放送)・櫻井洋三(松竹)
  • 脚本:安倍徹郎、田上雄、野上龍雄中村勝行、保利吉紀、國弘威雄、猪又憲吾、村尾明、松田司、横光晃、南谷ヒロミ
  • 音楽:平尾昌晃
  • 編曲:竜崎孝路
  • 監督:工藤栄一松本明蔵原惟繕、大熊邦也、松野宏軌、渡邊祐介、高坂光幸
  • 制作協力:京都映画株式会社(現・株式会社松竹京都撮影所)
  • 制作:朝日放送、松竹株式会社

[編集] 放映リスト(サブタイトルリスト)

強調部は、サブタイトルのフォーマット(「あんたこの○○どう思う」)。

話数 サブタイトル 放映年月日
(1976年)
脚本 監督 ゲスト
1 あんたこの世をどう思う 1月16日 安倍徹郎 工藤栄一 木内みどり安田(現・大楠)道代絵沢萌子
2 あんたこの仕業どう思う 1月23日 田上雄 松本明 津川雅彦今井健二本阿弥周子
3 あんたあの娘をどう思う 1月30日 野上龍雄 工藤栄一 テレサ野田宍戸錠[1]
4 あんたこの親子をどう思う 2月6日 安倍徹郎 蔵原惟繕 小山明子大林丈史横山リエ
5 あんたこの身代りどう思う 2月13日 中村勝行 大熊邦也 小坂一也佐々木剛赤座美代子梅津栄
6 あんたこの裏切りどう思う 2月20日 保利吉紀 松野宏軌 南原宏治大木実
7 あんたこの仇討どう思う 2月27日 國弘威雄 工藤栄一 村井国夫深江章喜
8 あんたこの五百両どう思う[2] 3月5日 中村勝行 大熊邦也 戸浦六宏唐沢民賢織本順吉
9 あんたこの仕組をどう思う 3月12日 猪又憲吾 松野宏軌 中原早苗柴田美保子
10 あんたこの宿命をどう思う 3月19日 村尾昭 蔵原惟繕 大滝秀治伊吹剛
11 あんたこの根性をどう思う 3月26日 中村勝行 大熊邦也 阿藤海(現・快)吉田日出子南州太郎
12 あんたこの役者どう思う 4月2日 松田司 松野宏軌 浅利香津代
13 あんたこの神隠しどう思う 4月9日 野上龍雄 工藤栄一 山田吾一
14 あんたこの勝負をどう思う 4月16日 安倍徹郎 松野宏軌 中尾彬長塚京三田辺一鶴
15 あんたこの連れ合いどう思う 4月23日 中村勝行 大熊邦也 清水紘治市原悦子[3]菅貫太郎高峰圭二
16 あんたこの無法をどう思う[4] 4月30日 野上龍雄 松野宏軌 西崎みどり島田順司
17 あんたこの掠奪をどう思う 5月7日 横光晃 佐々木剛石田信之深江章喜
18 あんたこの手口をどう思う 5月14日 保利吉紀 工藤栄一 内田勝正大竹修造
19 あんたこの奥の手をどう思う 5月21日 中村勝行 大熊邦也 草野大悟坂本スミ子浜田寅彦
20 あんたこの志をどう思う 5月28日 南谷ヒロミ 渡邊祐介 梅津栄今井健二安部徹浜田光夫
21 あんたこの計り事どう思う 6月4日 保利吉紀 松野宏軌 太田博之田口計
22 あんたこの迷惑をどう思う 6月11日 猪又憲吾 工藤栄一 天津敏神田隆
23 あんたこの女の性をどう思う 6月18日 安倍徹郎 渡邊祐介 峰岸徹宇津宮雅代川合伸旺
24 あんたこの替玉をどう思う[5] 6月25日 中村勝行 大熊邦也 夏純子穂積隆信長谷川明男西山辰夫田畑猛雄
25 あんたこの毒手をどう思う 7月2日 國弘威雄 松野宏軌 岡崎二朗江幡高志桜井浩子
26 あんたこの心眼をどう思う 7月9日 中村勝行 吉田義夫石山雄大大関優子(現・佳那晃子)
27 あんたこの逆恨をどう思う 7月16日 松田司 高坂光幸 浜村純大竹修造
28 あんたこの結果をどう思う 7月23日 安倍徹郎 渡邊祐介 田崎潤浜畑賢吉

[編集]

  1. ^ 宍戸は後年の長時間スペシャル『大老殺し』に十手使いの仕事人役でゲスト出演。
  2. ^ この回からエンディングの映像が変更。
  3. ^ 中村敦夫と市原はのちに『東京メグレ警視シリーズ』、『翔べ! 必殺うらごろし』で共演することになる。
  4. ^ 本作が島=美川の遺作となった(1976年6月2日逝去)。
  5. ^ 必殺シリーズ200回目。上記のほか、過去のレギュラー陣が多数出演。出演者多数のためエンディングはロングバージョンになっている。

[編集] 放映ネット局

[編集] 関連項目

NET 金曜22時台(当時はABCの制作枠)
前番組 番組名 次番組
必殺仕業人

最終更新 2009年11月1日 (日) 09:46 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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