必殺仕置人

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必殺仕置人
ジャンル 時代劇
放送時間 土曜22:00 - 22:55(47分)
放送期間 1973年4月21日 - 10月13日(26回)
放送国 日本
制作局 朝日放送
監督 貞永方久
三隅研次
工藤栄一 ほか
脚本 野上龍雄
國弘威雄
安倍徹郎 ほか
プロデューサー 山内久司・仲川利久(朝日放送)
櫻井洋三(松竹
出演者 山崎努
沖雅也
津坂匡章
野川由美子
高松英郎
藤田まこと ほか
オープニング 作曲:平尾昌晃『闇に裁く』
エンディング 三井由美子『やがて愛の日が』
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必殺仕置人』(ひっさつしおきにん)は、必殺シリーズの第2弾として、朝日放送ABCテレビ)と京都映画撮影所(現・株式会社松竹京都撮影所)が制作し、TBS系列(現在とネットワーク編成が異なる)で1973年4月21日から10月13日にかけて放映された時代劇。全26話。

必殺シリーズにおける最初の原作を持たないオリジナルドラマシリーズであり[1]、必殺の顔・中村主水の初登場作としても知られる。しかし、本作品の主人公はあくまでも念仏の鉄であり、主水は仕置人チームの知恵袋的存在だった。

目次

[編集] 作品内容

江戸の町の一角に、お上もお手上げの無法地帯としてその名を轟かす、通称「かんのん長屋」。ここに住居を構えるのは、以下の4人。

  • 僧侶で、現在は骨接ぎを営む破戒僧・念仏の鉄(山崎努)、
  • 琉球(現在の沖縄県)出身の棺桶作りの職人で、クールな性格ではあるが、内面には世の中への熱い怒りを燃やす青年・棺桶の錠沖雅也)、
  • スリで金には細かいが、姐御肌の鉄砲玉のおきん(野川由美子)、
  • 陽気でお調子者の瓦版屋・おひろめの半次(津坂匡章、現・秋野太作)。

ある日、錠がとある罪人の娘を悪人の手から助けたことをきっかけに、その罪人の替え玉処刑事件と裏で糸を引く一味の存在を知る鉄と錠。2人は顔馴染みである北町奉行所定町廻り同心の中村主水(藤田まこと)に、事件の経過を話す。

主水は職場では「昼行灯」と罵られ、家庭では中村家の「婿養子」でありながら、跡継ぎもままならないことから「種無しかぼちゃ」と罵倒される冴えない男であるが、それには理由があった。主水はかつては使命感に燃え、職務に励んだ日々もあったが、現在は奉行所の腐敗した体質に失望し、無能者を装っていたのだ。

鉄と錠から事件の経過を知る上で「裏」を感じ取った主水は、奉行所の牢内に君臨する牢名主だが、実は江戸の暗黒社会の顔役でもある天神の小六(高松英郎)の協力を得て、事件の真相を突き止める。替え玉処刑事件の黒幕は北町奉行であり、奉行がある人物と結託し、何の罪科も無い善良な一市民を替え玉に仕立てていたのである。

奉行の不正を知った主水は鉄・錠・おきん・半次らと結託。娘の恨みを晴らすべく、奉行とその一味を仕置する。ここに「金をもらって弱者の晴らせぬ恨みを晴らす」裏稼業「仕置人」を開業した主水・鉄・錠たちは、世にはびこる悪を裁く闇の処刑人として、悪党たちを次々と仕置して行く。

[編集] 制作の背景

前作・『必殺仕掛人』とは異なり、元締は存在せず、仕置人(しおきにん)と称されるメンバーによる合議制の上で悪人に制裁を加えるものとなり、仕置人たちもプロの殺し屋という意識は持たず、許せぬ悪に対しいかにむごたらしく制裁を加え、被害者の痛みや苦しみを分からせるかということに主眼を置いていた。

そのため、ただ悪人を始末するのではなく、時には死にも勝る苦しみを与えること(例:仕置相手の喉を潰し半身不随にした上で心中に見せかける、女をもてあそんだ男の睾丸を潰した後で殺害するなど)に主眼が置かれることとなり、一部からはその残酷な描写に批判が寄せられたが、結果として前作以上の人気を得るに至り、放送期間の延長を検討するまでとなった。

なお、悪人を殺さず懲らしめるコンセプトはコミカルにアレンジされ、当時チーフプロデューサーを務めた朝日放送の山内久司プロデュース作品の『ザ・ハングマン』シリーズに継承された。

また、本作が他の主水シリーズと大きく違う点として、「他の裏稼業グループが存在しない」「裏社会の親玉(小六)との揺るぎない信頼関係」が挙げられる。よって、主水達の裏稼業での大物ぶりは半端ではなく、さらに主水・鉄・錠の超人的戦闘能力も加わり、自由奔放に仕置している感がある。他のシリーズとは違い、一対多数の殺陣も多い。

しかし、いわゆる「必殺仕置人殺人事件」によりその仕置の描写などに多大な批判が寄せられ、当初はネット局のTBSから打ち切りの話もあったがスポンサーによる圧力がかかり保留。期間延長をしない、話の内容も従来の物よりソフトな内容にすることで合意に至り、当初の予定通り全26話で放送を終了した。

[編集] 殺し技

念仏の鉄
強い指の力により、素手(初期には手袋着用)で悪人の背骨や首・腕・足の骨を外す、折るといった通称・骨外しで相手の体の自由を奪う。
その描写を時代劇としては異例のレントゲン映像で表現し、話題となった。
また、鉄自身も自らの関節を外すことが可能で、縄抜け、穴くぐりで窮地を脱したこともある。
例外的に、刀を使ったほか、相手の目を潰した後に三味線の撥で首筋を斬り裂いたり(第7話)、組紐で相手の首を吊ったこともある。
棺桶の錠
金属製の鏨(たがね)を手槍に変形させて、悪人の急所を刺す。
また、補助的な体術として琉球空手も使用する。
空高く跳躍して、悪人の首筋や急所に手槍を叩き込む戦法を主流とする(第1話他)。
刀による攻撃を防ぐため、左手に手甲を装着し、三角飛びをしながら相手の首筋に手槍を突き刺したこともあった(第10話)。
中村主水
太刀と脇差で、悪人を斬る・刺す。
床下から刀を突き刺す技を使用したこともある(第22話)。
悪人の刀を奪い、相手の急所に突き刺して切腹に見せかけて死亡させる偽装技も本作で初披露し、この技は後の主水シリーズでも時折披露している(第26話=最終回)。
本作では殺しをしない回も多く、その優れた剣技を見せることは少なかった。
また、一度だけ十手による撲殺と刺殺技を披露した(第10話)。

[編集] キャスト



  • 天神の小六 … 高松英郎(第1話、3話、4話、6話、16話、23話)


  • ナレーション
語り … 芥川隆行
作 … 早坂暁

[編集] 主題歌

[編集] スタッフ

  • 制作:山内久司、仲川利久(朝日放送)・櫻井洋三(松竹)
  • 脚本:野上龍雄、國弘威雄、貞永方久安倍徹郎、山田隆之、猪又憲吾、浅間虹児、松田司、三芳加也、桜井康裕、勝目貴久、鈴木安、鴨井達比古、松川誠、梅林喜久生
  • 音楽:平尾昌晃
  • 監督:貞永方久、松本明三隅研次、大熊邦也、松野宏軌工藤栄一、國原俊明、蔵原惟繕、長谷和夫、田中徳三
  • 制作協力:京都映画株式会社(現・株式会社松竹京都撮影所)
  • 制作:朝日放送、松竹株式会社

[編集] 放映リスト(サブタイトルリスト)

サブタイトルの頭文字でいろは歌(「ゐ」は除く)になるようになっていた。

話数 サブタイトル 放映年月日
(1973年)
脚本 監督 ゲスト
1 いのちを売ってさらし首(=い)[2] 4月21日 野上龍雄 貞永方久 大滝秀治菅貫太郎近藤宏今出川西紀
2 牢屋でのこす血のねがい(=ろ) 4月28日 國弘威雄
貞永方久
原良子、松下達夫宮口二郎唐沢民賢[3]
3 はみだし者に情なし(=は) 5月4日 安倍徹郎 松本明 入川保則常田富士男茶川一郎
4 人間のクズやお払い(=に)[4] 5月12日 野上龍雄 三隅研次 黒沢年男林隆三[5]伊藤栄子江幡高志五味龍太郎内田勝正
5 仏の首にナワかけろ(=ほ) 5月19日 山田隆之 大熊邦也 藤田弓子山田吾一遠藤太津朗
6 塀に書かれた恨み文字(=へ) 5月26日 國弘威雄 松野宏軌 中尾彬佐々木功鈴木瑞穂
7 閉じたまなこに深い渕(=と)[6] 6月2日 山田隆之 工藤栄一 神田隆柴田美保子亀石征一郎
8 力をかわす露の草(=ち) 6月9日 猪又憲吾 松野宏軌 安田道代柳生博大前均
9 利用する奴される奴(=り) 6月16日 安倍徹郎 松本明 津川雅彦磯野洋子
10 ぬの地ぬす人ぬれば色(=ぬ) 6月23日 國弘威雄 松野宏軌 鮎川いづみ[7]北林早苗上野山功一
11 流刑のかげに仕掛あり(=る) 6月30日 浅間虹児 國原俊明 今井健二穂積隆信木村元
12 女ひとりの地獄旅(=を(お)) 7月7日 松田司 工藤栄一 佐野厚子[8]前田吟五味龍太郎長谷川弘
13 悪いやつほどよく見える(=わ) 7月14日 浅間虹児 松野宏軌 林ゆたか高樹蓉子渥美国泰
14 賭けた命のかわら版(=か) 7月21日 三芳加也 工藤栄一 石山律雄外山高士川合伸旺
15 夜がキバむく一つ宿(=よ) 7月28日 浅間虹児 蔵原惟繕[9] 殿山泰司左時枝伊佐山ひろ子梅津栄牧冬吉
16 大悪党のニセ涙(=た(だ)) 8月4日 國弘威雄 工藤栄一 森次浩司、津坂浩史[10]
17 恋情すてて死の願い(=れ)[11] 8月11日 桜井康裕 長谷和夫 中田喜子高峰圭二
18 備えはできたいざ仕置(=そ) 8月18日 勝目貴久 松野宏軌 高森玄、田口計中井啓輔
19 罪も憎んで人憎む(=つ) 8月25日 國弘威雄 蔵原惟繕 川口恒、伊丹十三加藤武
20 狙う女を暗が裂く(=ね)[12] 9月1日 鈴木安 田中徳三[13] 夏八木勲真屋順子
21 生木をさかれ生地獄(=な) 9月8日 鴨井達比古 長谷和夫 柴田侊彦浜田寅彦西沢利明
22 楽あれば苦あり親はなし(=ら)[14] 9月15日 猪又憲吾 松本明 伊藤雄之助朝丘雪路
23 無理を通して殺された(=む) 9月22日 松田司 松野宏軌 村井国夫野口ふみえ有馬昌彦
24 疑う愛に迫る魔手(=う)[12] 9月29日 松川誠 長谷和夫 加藤和夫、瞳順子、美川陽一郎
25 能なしカラス爪をトグ(=の) 10月6日 鴨井達比古 工藤栄一 島かおり浅茅しのぶ三木豊
26 お江戸華町未練なし(=お) 10月13日 梅林喜久生 山本麟一、外山高士、長谷川弘

※予定通りなら最終回のタイトルは「す」で始まる(ゑと京は除く)ものだったのは間違いない[要出典]

[編集]

  1. ^ 次作『助け人走る』には原作が存在するため、完全なオリジナル路線に転換するのは次々作『暗闇仕留人』以降となる。
  2. ^ 同作が貞永の必殺シリーズ最初の演出作品となった。
  3. ^ 唐沢は次話にも出演。
  4. ^ 朝日放送での再放送時に「ならず者成敗します」に改題(ビデオテロップを挿入したのみで、朝日放送側の自主規制によるもの)。NHK BS2での再放送およびDVDでは元に戻されている。
  5. ^ 黒沢の所業に憤った昔の仲間の林を返り討ちにした。黒沢と林は後に山内がこの番組のコンセプトを元に企画した『ザ・ハングマン』で共演している。
  6. ^ 「必殺仕置人殺人事件」の発端となった話。なお、この作品が工藤の必殺シリーズ最初の演出作品でもある。
  7. ^ 鮎川が被害者役ゲストで必殺シリーズに初登場。
  8. ^ 佐野は次作『助け人走る』に中山文十郎(田村高廣)の妹・しの役でレギュラー出演する。
  9. ^ 蔵原の必殺シリーズ最初の演出作品。
  10. ^ 津坂匡章の実弟。現在は芸能界から引退している。
  11. ^ エンディングタイトルでは「恋情すてて死の願」
  12. ^ 主水が登場しない話。
  13. ^ 田中の必殺シリーズ最初の演出作品。
  14. ^ 錠が登場しない話。

[編集] 放映ネット局

[編集] その他

仕置人の5人は、全員が後のシリーズにも登場している。

また、仕置人の5人を演じた俳優は、全員が後のシリーズに別の役でも出演している。

[編集] 関連項目

最終更新 2009年11月19日 (木) 07:22 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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