急性灰白髄炎
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| 急性灰白髄炎 | |
| 分類及び外部参照情報 | |
![]() ポリオによって右足が萎縮している男性 |
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| ICD-10 | A80., B91. |
|---|---|
| ICD-9 | 045, 138 |
| DiseasesDB | 10209 |
| MedlinePlus | 001402 |
| eMedicine | ped/1843 pmr/6 |
| MeSH | C02.182.600.700 |
急性灰白髄炎(きゅうせいかいはくずいえん、poliomyelitis)は、ポリオ (Polio) とも呼ばれ、ピコルナウイルス科、エンテロウイルス属のポリオウイルスによって発症する感染症のこと。ポリオは、Poliomyelitis(ポリオミエリィティス)の省略形。ポリオウイルスが感染して、脊髄神経の灰白質をおかすため、はじめの数日間は風邪を引いたような症状があらわれるが、その後急に足や腕がまひして動かなくなる病気。
目次 |
[編集] 疫学
一般には脊髄性小児麻痺(略して小児麻痺)と呼ばれることが多いが、これは5歳以下の小児の罹患率が高かったことからで、大人が罹らないわけではない(第32代アメリカ大統領となったフランクリン・ルーズベルトがこの病気に罹ったのは39歳の時である)。
季節的には夏から秋にかけて多く発生する。1961年から予防接種が実施されている。日本では、1980年に自然感染によるポリオが根絶され、現在ではポリオワクチンからの2次感染でしか発症していないが、海外ではまだ流行している地域がある。世界保健機関(WHO)は根絶を目指している。
[編集] 感染経路
病原ウイルスは、感染者ののどにいるが、主な伝染源になるのが感染者の糞便から排出されたウイルスで、さまざまな経路で経口感染する。1970年代の日本では、クロゴキブリが媒介生物として人口に膾炙し、単なる不快害虫という以上に人々を震え上がらせた。
[編集] 症状
潜伏期間は1~2週間。
発病初期の症状は、発熱、頭や背中の痛み、発汗、倦怠感、嘔吐、下痢などであり、夏かぜに似た症状を呈する。
このような症状が1~4日続き熱が下がるころ足や腕に弛緩性の麻痺が起こる。重症の場合は、胸の筋肉や横隔膜まで麻痺し、あるいは呼吸中枢のある延髄までウイルスにおかされて、呼吸運動ができなくなり、死亡する危険が生じてくる。しかし、重症となる場合はごく少数で、ほとんどは、かぜのような症状だけで、麻痺が現れないで治癒する。なお、何の症状も現れないで、本人の知らないうちに免疫ができて治ってしまうこと(不顕性感染)がほとんどを占めている。
[編集] 治療法
急性灰白髄炎(ポリオ)は、感染症新法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)の「第二類」に指定されている。
病原ウイルスに直接効く薬はなく、初期の症状には安静を保ち、背中や手足の痛みには、温湿布や鎮静剤が用いられる。呼吸困難が生じた場合は人工呼吸器が用いられる。まひには、マッサージや電気療法、運動療法などが用いられる。
[編集] 予防
経口ポリオ生ワクチン(3価又は1価)又は不活化ポリオワクチン(3価)の接種が有効であるとされる。 生ワクチンを接種した場合、ポリオ抗体の低下した家族等がポリオを発症する場合が知られており、ポリオが根絶され輸入感染の危険の少ない地域では不活性ポリオワクチンに順次切替られている。経口生ワクチンの場合、2型、1型、3型の順番に抗体がつくため、WHOで3回接種が推奨されているところ、2回のみ接種している日本人では前2者に対する抗体が産生される。
ポリオは1988年のWHOの総会において2000年までの根絶が決議されたが、2008年現在で1型/3型ポリオは根絶されていない状況である(2型ポリオの野生株は1999年以降、世界中で検出されておらず、正式な発表こそないが根絶されたと考えられる)。根絶計画により流行地域は非常に狭まっており、2008年現在で常在国はナイジェリア、インド、パキスタン、アフガニスタンのみとなっている。しかし、渡航者などによる飛び火で、周辺国でも報告例が相次いでいるので、感染症情報には常に注意を要する。
厚生労働省検疫所では南アジア、中近東、アフリカへの長期渡航でリスクのある場合の追加接種を推奨している。ただし、国際的視点からだと、この追加接種は、幼児期の接種、すなわち、経口生ワクチン3回、または、不活化ワクチン(注射)4回以上、または生と不活化のいかなる組み合わせで4回以上、が完了していることが、大前提とされている。このことは、日本国内では明確にされていない傾向がある。幼児期接種回数満了後、成人期追加接種1回と考えるのがグローバルな視点である。なお、この際、ブースター効果がより高いのは不活化ワクチンの方であるという報告がある。
[編集] 常在国の状況
[編集] インド
Uttar Pradesh州とBihar州が流行の中心であるが、mOPV1(1型単価ポリオ生ワクチン)の集中使用により2008年は3型ポリオが主に流行している。そのため、mOPV1に加えてmOPV3(3型単価ポリオ生ワクチン)を使用し流行の阻止を図っている。
[編集] ナイジェリア
Kano州が流行の中心で、1型ポリオが主に流行している。ナイジェリア国内の一部にはワクチンへの不信感が見られるためか、ワクチン接種率向上が課題である。
[編集] パキスタン・アフガニスタン
他の2国よりも早い時期に撲滅される見込とされている。
[編集] 日本でのポリオ根絶の歩み
日本では1960年に不活化ワクチンの本格製造が開始され、1961年から不活化ワクチンの定期接種が開始された。
しかしながらライセンス生産を開始した千葉血清、阪大微研が製造した日本製不活化ワクチンは検定に合格できず、1961年に使用できたのは当初の計画(6ヶ月~18ヶ月の約60%が3回接種すると想定)で国産ワクチンの不足を補う予定であった全体の40%相当の輸入不活化ワクチンのみしか使えなくなった為、不活化ワクチンの在庫が払底し接種が不可能になった。
その為、当時大流行していた九州において、未承認・未検定の経口ポリオ生ワクチンの総計35万人に及ぶ臨床試験(事実上の緊急接種といって支障ないと思われる)が行われ、更に1300万分の経口ポリオ生ワクチンの超法規的措置により旧ソ連及びカナダから緊急輸入が行われ、世界で最初の徹底したNIDが実施された(当時の用語はブランケットオペレーション、後にWHOによりポリオ根絶の世界戦略として採用された)。
これにより患者数が激減(患者数 1960年:6500人→1963年:100人以下)し、1981年以後ポリオの発生が見られず2000年にWHOに対しポリオの根絶を報告した。
日本では、野生株によるポリオ患者の発生は1980年を最後にみられないが、平成20年3月までに予防接種健康被害認定審査会において生ポリオワクチン接種後に麻痺を発症したと認定された事例は、平成元年度以降80件であり、また、同審査会において生ポリオワクチンを接種された者からの二次感染と認定された事例は、平成十六年度以降5件である。真の意味での根絶を達成するには、早急に危険な生ワクチンから、不活性ワクチンへの切り替えが望まれる。
[編集] ポリオ患者として知られる著名人
- 飛鳥田一雄(政治家)
- アフォンソ6世(ポルトガルブラガンサ王朝国王)
- 泉谷しげる(シンガーソングライター・俳優・タレント)
- ミルトン・エリクソン(精神科医・心理学者)
- 大前千代子(車いすテニス選手)
- テンリー・オルブライト(フィギュアスケート選手)
- ガリンシャ(サッカー選手)
- フリーダ・カーロ(画家)
- 五代目神田伯龍(講釈師)
- 金政玉(政治運動家)
- 黒岩重吾(小説家)
- ヨーゼフ・ゲッベルス(政治家)
- 小柴昌俊(物理学者)
- 権藤正利(元プロ野球選手)
- 櫻田淳(政治学者・東洋学園大学准教授)
- デイヴィッド・サンボーン(サクソフォーン奏者)
- 璽光尊(璽宇の教祖)
- ドミートリイ・ショスタコーヴィチ(作曲家)
- ジョージナ・スペルヴィン(元ポルノ女優)
- ジェームズ・デプリースト(指揮者)
- ドノヴァン(ミュージシャン)
- 永尾嘉章(車いす陸上競技選手)
- エマニュエル・ヌネス(作曲家)
- 橋本龍伍(政治家)
- 原田泰治(画家・グラフィックデザイナー)
- イツァーク・パールマン(ヴァイオリン奏者)
- 五代目坂東玉三郎(歌舞伎役者・俳優・映画監督・演出家)
- 常陸宮正仁親王(皇族)
- ミア・ファロー(女優)
- ピエール・フランカステル(美術史家・美術評論家)
- ピエール・フルニエ(チェロ奏者)
- フレッド・ホイップル(天文学者)
- スティーブン・ホプキンス(政治家)
- 牧口一二(グラフィックデザイナー)
- トマス・ミジリー(機械技術者)
- ダリウス・ミヨー(作曲家)
- レイ・ユーリー(陸上競技選手)
- ドロシア・ラング(写真家・報道写真家)
- フランクリン・ルーズベルト(第32代アメリカ合衆国大統領)
- ウィルマ・ルドルフ(陸上競技選手)
- フェデリコ・ガルシーア・ロルカ(詩人・劇作家)
- ブルーノ・レオナルド・ゲルバー(ピアニスト・奏者)
[編集] 関連項目
- 感染症
- 小児科学
- ポリオ後症候群
- ジョナス・ソーク - 不活性ポリオワクチンの開発者。
- アルバート・セービン - 経口生ポリオワクチンの開発者。(英語)
- 上田哲 - ポリオの根絶に尽力した元NHK記者。
[編集] 外部リンク
- (百科事典)「Polio」 - Medpediaにある「急性灰白髄炎」についての項目。(英語)
arz:شلل اطفالpnb:نمونیہ
最終更新 2009年11月16日 (月) 17:27 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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