戦う民主主義
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戦う民主主義(たたかうみんしゅしゅぎ、独: Streitbare Demokratie, 英: Combative Democracy)とは、ドイツ他ヨーロッパに見られる民主主義の理念の一つ。一般に、民主主義を否定することを認めない民主主義と考えられている。
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[編集] 概要
民主主義とは国民の意思決定によって国政を運営する政治体制である。そして、その体制を維持するためには国民に、言論・表現の自由を保障することが不可欠である しかし、国民が自ら自由を放擲し、民主主義を廃止する意思決定を民主主義的手続きを経て行った場合はどうなるのか。この場合、「民主主義体制の自殺」ということになり、独裁などが成立するおそれがある。民主主義の理念そのものの中には、これに対する自明の一つの解はなく、民主主義を否定する議論をも認める場合がむしろ一般的である。
しかし、民主主義体制そのものに価値を認めるならば「民主主義体制を覆す自由を制限し、国民に民主主義体制の維持を誓約させる」という安全策をとることが考えられる。このように、民主主義に沿った手続きで民主主義体制を覆そうというものから民主主義体制を守る、という考えが「戦う民主主義」である。
[編集] 各国の例
[編集] ドイツ
ドイツ連邦共和国は「戦う民主主義」を標榜している国の代表的な例とされる。ドイツはナチスが民主的手続きで独裁体制を布いた過去の反省から「戦う民主主義」を国是としている。
具体的には、
- 全国民に民主主義体制を謳った憲法への擁護義務を課す(憲法忠誠)
- 憲法忠誠によって、言論・表現・教授・結社の自由を制限すること―自由主義、民主主義を否定するような主張を行う団体は非合法化される。審議は連邦憲法裁判所で行なわれ、各団体は連邦憲法擁護庁に監視される
などである。
ドイツ基本法では、第5条3項から第18条・第21条までの「基本権」の項目に「戦う民主主義」の提要である「国民の憲法擁護義務」が規定され[1]、またナチスを礼賛し差別を煽るあらゆる行為は処罰される(刑法第130条:民衆扇動罪)。
[編集] EU
欧州連合(EU)は2007年4月、扇動的人種差別、具体的には民族、人種、宗教や出自などを理由とした暴力や憎悪を伴う差別行為を大衆に扇動する行為を、写真やパンフなどでの宣伝も含めて犯罪とし、行為者を最低1年、最高3年の禁固に処す法令を制定した[2]。
[編集] 日本
日本国憲法は憲法擁護義務について第99条で天皇と摂政と公務員にのみ規定されており、国民に対して規定されていない。これは「憲法は権力者を縛るもので国民から政府への命令」という思想に基づくもの。天皇が下した大日本帝国憲法との最大の違いである。
なお「日本国憲法に基づく体制を破壊しようと企んだ者」を取り締まり監視する法令としては破壊活動防止法・無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律が存在する。
[編集] 脚注
- ^ ドイツ連邦共和国基本法 日英独三ヶ国語対訳
- ^ 「EU全域で人種差別を犯罪として法制化」AFP通信、2007年4月20日
[編集] 関連項目
最終更新 2009年9月9日 (水) 11:32 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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