戦闘爆撃機
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戦闘爆撃機(せんとうばくげきき)は、空対空任務を行う戦闘機に爆撃管制能力を付与したもの、または爆撃機や攻撃機と同様の任務に使用が可能な兵装の運用能力を持つ戦闘機のこと。
戦闘攻撃機との区別は世界共通の厳密な規定が存在しないため曖昧であるが、通常は対地攻撃能力を持つ戦闘機の中でも、特に兵器搭載量の大きいものを指す。また対地(艦)攻撃任務をこなすだけでなく、戦闘機としても制空・要撃など様々な目的での運用も可能なように設計されたものをマルチロール機と呼ぶ。
2009年時点では先進国間の全面戦争は想定されず、純粋な制空戦闘機はその存在意義を失った。そのために、制空戦闘機としてF-15の後継となるべく設計されたF-22なども限定的ではあるが対地攻撃能力を付与されてはいる。また、日本の航空自衛隊では、F-2支援戦闘機がこれに相当する。
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[編集] 初期の戦闘爆撃機
戦闘爆撃機の起源を特定するのは容易ではない。なぜなら戦闘機自体が爆撃機、もしくは偵察機から進化したものであり、黎明期の戦闘機にとって、爆弾を搭載して地上攻撃を行う事は特別な事ではなかったからである。その後、戦闘機という専門機種が確立した後、他の戦闘機とは明らかに一線を画する爆撃能力を持った戦闘機の登場は、1920年代のカーチス社の戦闘機を待たねばならない。
アメリカ海軍の艦上戦闘機カーチスF6Cは機銃2門のほかに116ポンド爆弾2発を搭載し急降下爆撃が可能であった。この機体を装備した部隊は『爆撃航空隊』と呼ばれた。F8C-2では、さらに本格的な急降下爆撃機に進化し、初めてヘルダイバーの名を冠した。F8C-2は後にカーチスO2C/S3Cと改名され、戦闘機とは別の機体と分類されるようになり、急降下爆撃兼偵察用に複座の専門機も開発されたため、アメリカ海軍の艦上戦闘機は、純粋な制空任務に戻されることとなった。
[編集] 第二次世界大戦
制空権の有無が戦争の勝敗を左右した第二次世界大戦では、制空権を確保できない状況下でも作戦可能な戦闘爆撃機は重用された。どこの国が起源というわけでもなく、戦争が進めば戦闘機に爆撃能力を付与する事は自然の流れであった。
イギリスでは、アメリカより供与されたカーチスP-40が制空戦に不向きと判断されるや、ただちに戦闘爆撃機に改造された。
ドイツではBf 109、Bf 110に爆弾を搭載し、それを用いた戦術を研究する実験飛行隊が編成されていたが、その実戦投入はバトル・オブ・ブリテン時、ドーバー海峡沿岸のイギリス軍側レーダー施設を攻撃したのが最初である。参戦の遅れたアメリカでは、自国産の戦闘機が大型であることを生かし、大戦初期の双発爆撃機並の爆弾搭載量を持った戦闘爆撃機を大量に投入した。
連合国は余剰になった戦闘機に小型爆弾やロケット弾を搭載して、制空権を持たないドイツ軍を攻撃した。いかに重厚な前面装甲を持つ戦車であろうと、上空や後部からの攻撃には無力であり、地上戦闘を前に多くの地上戦力が爆撃機と戦闘爆撃機によって破壊された。これをドイツ軍はヤーボ (Jabo)と呼び恐れた。ドイツ語のJagdflugzeug(戦闘機)とBomber(爆撃機)から、ヤーボとはヤークトボンバー(Jagdbomber、戦闘爆撃機)を縮めたもの。
[編集] ジェット機時代の戦闘爆撃機(1970年代まで)
第二次世界大戦後に軍用機の大半がジェット化され、速度と搭載力が大幅に向上した。この頃の戦闘爆撃機には3種類の系統がある。
- 戦闘機としての用途が主、攻撃機・爆撃機としての用途が従
- 最初戦闘機として設計されたが、搭載余力を生かして爆撃能力を付加した機体である。代表例はアメリカのF-4。
- 戦闘機としての用途が従、攻撃機・爆撃機としての用途が主
- 戦闘機でありながら、本格的な爆撃機としての装備を付加した機体。そのため純粋な戦闘機としての能力は妥協している。F-105、F-111、などの機体が該当する。ただしF-111の場合は、結果として戦闘機としての使用が不可能な大型機となり、実際は純粋な爆撃機である。
- 中小国で複数任務に使用した機体
- アジア・アフリカなどの中小国へ輸出され、戦闘機兼爆撃機として使用された機体。積極的に戦闘爆撃機として使われたというよりも、他に替える機体が無く両方の任務に使われた機体である。代表例はフランス製のミラージュIII/5やアメリカのF-5、ソ連のMiG-17など。
ジェット機時代のソ連空軍における戦闘爆撃機は、基本的に戦闘機としての能力は要求されておらず、戦術爆撃機としての運用に特化していた。Su-7、MiG-27、Su-17、Su-24などがその代表例である。逆に、西側の戦闘爆撃機のように戦闘機としての役割もある程度期待された機体はソ連空軍では前線戦闘機と呼ばれた。空軍向けMiG-21やMiG-23などの機体がこれに相当する。これは戦闘機としての能力を優先して設計されており西側での戦術戦闘機に相当すると考えられているが、ベトナム戦争におけるアメリカのF-4などと同様、アフガニスタン侵攻のような実戦では戦闘爆撃機としての任務を与えられて大規模に使用された。
[編集] マルチロール機の登場(2000年まで)
機体構造や電子機器の面で高度化が進み、新しい軍用機の設計に膨大な経費がかかるようになった。そのため殆ど全ての国で戦闘機・高等練習機・小型高速爆撃機などを同一の基本設計から製作するようになった。また技術の向上により、戦闘機としても攻撃機・爆撃機としても高い性能を両立させる事が可能になった事にもよる。
[編集] 大規模空中戦が無くなった時代
1991年にソビエト連邦が崩壊し、それまで長く続いていた冷戦が終結し、21世紀を迎えて先進各国間での全面戦争が生起する可能性はほとんど無くなった。代わって、紛争地域へのNATO軍の介入が多くなったものの、かつてのベトナム戦争等のような空戦が発生することはなくなっていた。事実、湾岸戦争においてはイラク軍機を多数撃破する戦果は挙げているものの、コソボ紛争、イラク戦争における空戦による戦果は数機に留まっている事がその表われとも言える。この結果、制空権をめぐっての大規模な空中戦は想定されなくなり、現在空軍に要求されるのは、大規模な空中戦での勝利ではなく、偶発的な戦闘で『敵空軍機が飛び立つ前に破壊する』、『味方の地上部隊が到達する前に敵地上部隊を無力化する』ことが重視されている。この結果『最強の制空戦闘機』は必要性が低下し、1980年代後半からは、ほぼ全ての戦闘機が対空戦闘力は無論の事、地上への攻撃力を視野に入れた戦闘爆撃機(マルチロール機)が主流となっている。
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最終更新 2009年10月11日 (日) 05:47 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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