扶養

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扶養(ふよう)とは、独立して生計を営めないほどに生活が困窮している者がいる場合に、その者の生活をその者の親族または国家が経済的な面より支援・援助する制度のことをいう。だれが扶養の主体となるかは民法など法令等の規定により決定される。扶養の義務を負担する者のことを扶養義務者(ふようぎむしゃ)といい、扶養されるものを被扶養者(ひふようしゃ)という。

目次

[編集] 扶養一般

私的扶養(民法による扶養)と公的扶養(生活保護法等による扶養)の二種類があり、私的扶養が困難な場合のみ公的扶養が開始されることになるのが法上の原則であるが(親族扶養優先の原則)、近年の行政実務ではこの原則を見直す動きがあり、公的扶養の比重が高まりつつある。

[編集] 民法

民法第730条は「直系血族及び同居の親族は、互いに扶け合わなければならない」と定めているが、これは親族の扶養一般について定めた倫理的規定にとどまり、具体的な権利義務を定めた規定ではないと解されている(通説)。具体的な民法上の扶養義務は、民法第877条で親族間の扶養義務として規定されている生活扶助義務と、民法第752条で夫婦とその子の間の扶養義務として規定されている生活保持義務から構成される(通説)。

[編集] 生活扶助義務

民法第877条第1項は、「直系血族及び兄弟姉妹は、互に扶養をする義務がある」と定めている。生活が困難となっている要扶養者に対して、その者の直系血族(両親、祖父母、子、孫)及び兄弟姉妹が扶養義務者として民法第877条第1項の生活扶助義務を負う。また、家庭裁判所は、特別の事情があるときは、三親等内の親族間においても生活扶助義務を負わせることができる(民法第877条第2項)。実際に扶養義務者が生活扶助義務を負うには、その扶養義務者に自らの生活を維持した上で親族を扶養するだけの資力(扶養能力)がなければならない。扶養義務者のうち、具体的にどの者が扶養義務を履行するかは、当事者の協議または家庭裁判所が各人の資力に応じて決定する(民法第878条)。

扶養請求権は処分することができない(民法第881条)。

[編集] 生活保持義務

民法877条の扶養義務者の中には夫婦が挙げられておらず、夫婦間の扶養義務については民法752条に改めて「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」と規定している。このことは、民法上、夫婦間あるいは夫婦と成年に達する前の子との間の扶養義務が、親族間の一般の扶養義務とは異なり、婚姻の本質からみて婚姻には不可欠な性質のものとして捉えられているためであり、民法752条に規定されるような扶養義務は生活保持義務と呼ばれている。なお、民法752条の同居義務は病院などへの入院などやむを得ない事由がある場合には免れるものと解されている。

[編集] 各種法令

[編集] 総説

生活保護を申請する場合と精神保健福祉法保護者を選任する場合などに、上記の民法上の扶養義務の存否が問題となり、原則としては扶養義務者が存在しないと認定された場合にのみ公的扶養が開始されることになる。

[編集] 生活保護法

生活保護の申請があると、福祉事務所は、申請者の扶養義務者に、扶養の可否を照会することとされている。照会に際して、親族への生活保護の適用を嫌気して扶養する旨の回答をしながら、実際には扶養しない者もあり、問題となることがある。

[編集] 精神保健福祉法

精神保健福祉法では、医療保護入院で、保護者が家庭裁判所から選任の審判がなされていない場合に、扶養義務者の同意により入院することがある。この場合の入院は4週間以内とされており、この期間内に保護者の選任審判ならびに保護者による入院同意手続きがとられなければ、入院が違法となる場合がある。

[編集] その他

最終更新 2009年5月12日 (火) 15:16 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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