持株会社
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持株会社(もちかぶがいしゃ)とは、他の株式会社を支配する目的で、その会社の株式を保有する会社を指す。ホールディングカンパニー(Holding=保持、保有)とも呼ぶ。
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法。以下「独禁法」)では、「子会社の株式の取得価額(最終の貸借対照表において別に付した価額があるときは、その価額)の合計額の当該会社の総資産の額に対する割合が百分の五十を超える会社」を持株会社と定義している。
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[編集] 概説
本業を行う一方で、他の会社を支配するものを事業持株会社、他の会社の支配を本業とするものを純粋持株会社と呼ぶが、後述の抜殻方式で持株会社化したときにほんの一部でも事業が残っている(残さざるを得ない)場合は純粋持株会社と呼ばないことがある。一般に「持株会社」とは後者を指す。事業持株会社の場合は、持株会社とは呼ばず「親会社」と呼ばれることが多い。
また、持株会社の傘下で、似通った事業を行う子会社を束ねる「中間持株会社」と呼ばれる形態もある(ソフトバンク株式会社などが採用している)。
「A株式会社」と「B株式会社」を経営統合させ、その際の持株会社に「ABホールディング(ス)株式会社」という形式で名付けるケースも多く、ほとんどの持株会社が「○○ホールディングス」と名付けられている。「ホールディング(ス)」(英:Holding(s))は企業の略称などでアルファベット表記を用いる場合通例的に"HD"と略される場合が多い(例:角川GHD)。「ホールディング(ス)」が付いている会社が純粋持株会社とは限らない。逆に、持株会社の社名に「○○△△ホールディングス」とする義務もないため、注意を要する(例:両備ホールディングス、ツネイシホールディングス、ケーズホールディングス。いずれも現時点では事業持株会社、株式会社日本航空も現在は持株会社であるが、ホールディング(ス)は付いていない)。
[編集] 歴史
日本では、戦前の財閥本社が純粋持株会社の形態を採っていた。しかし、戦後に制定された独禁法によって、持株会社たる会社の設立及び既存の会社の持株会社化が禁止された。その後、金融ビッグバンの一環で1997年に同法改正によって純粋持株会社が解禁された。解禁後の第1号は、同年に株式会社神戸セントラル開発が商号を変更し純粋持株会社となった株式会社ダイエーホールディングコーポレーションである(その後、同社はダイエーグループの経営悪化による合理化で2001年に解散)。
上場会社においては、1999年に大和證券株式会社が商号を変更し純粋持株会社となった株式会社大和証券グループ本社が第1号である。
近年は、2社以上の経営統合において、共同で持株会社を設立して両社がその子会社となったのちに、合併などの再編を行う事例が多くなっている。
[編集] 持株会社の創り方
持株会社を創る方法は、抜殻方式、株式移転方式、株式交換方式などがある。
抜殻方式は、自ら行っている事業を子会社に移し(事業譲渡あるいは会社分割。会社分割の場合、既存法人に承継する吸収分割と、法人を新たに設立する新設分割とがある)、自身は持株会社に移行するものである。子会社を多く有し、事業会社でありながらグループ統括会社であった会社が、事業とグループ統括を切り離す際によく用いられる。日本電信電話株式会社、旭化成株式会社、セイコーホールディングス株式会社、株式会社東京放送などが採用している。
- 抜殻方式の場合、一部の事業を切り離さずに残した「純粋」持株会社と呼ばないケースもある。以下に例示する。カッコ内は残存事業。
- ロイヤルホールディングス株式会社(高速道路店舗事業)
- 大塚化学ホールディングス株式会社(オロナミンC事業)
- 株式会社ニチレイ(フラワー(花卉)・不動産事業)
- など
- 免許・登録が必要な事業(不動産事業、銀行業、証券業、航空事業など)は法人に対して免許を与えているため、抜殻方式による持株会社移行(分社化)には、承継法人が別途新たに免許を取得する必要がある。実例として、2005年4月1日に純粋持株会社に移行した阪急ホールディングス(旧:阪急電鉄株式会社、現:阪急阪神ホールディングス株式会社)は、あらかじめ承継予定会社(阪急電鉄分割準備株式会社:1989年に設立された休眠会社を活用)に各種許認可を取得させたうえで、会社分割(吸収分割)を行っている(同日、阪急電鉄分割準備株式会社は阪急電鉄株式会社に商号変更)。阪急電鉄のこの会社分割は、鉄道事業によるものではなく、阪急電鉄の不動産事業によるものである(鉄道事業については新設分割が可能。例:一畑電気鉄道→一畑電車)。
株式移転方式は、持株会社となる完全親会社を株式移転によって新規に設立するものである。複数の会社による株式移転は合併代替方式とも呼ばれる。主な例は、株式会社日本航空、セガサミーホールディングス株式会社など。
株式交換方式は、既存の会社を株式交換によって完全親会社に仕立て上げるものである。これを採用して持株会社体制に移行したものは、株式会社みずほフィナンシャルグループ、株式会社メルコホールディングス、株式会社マツモトキヨシホールディングスなど。
他、きわめて特殊な例では、民事再生法の適用を申請した企業(再生企業)が100%減資したうえで既存の会社が新たに再生企業に全額出資したケースもあった。株式会社そごうおよび系列地域会社12社は100%減資を行い、休眠会社の株式会社十合(現在のミレニアムリテイリング)が新たにこれら13社にそれぞれ全額出資、再生13社は資本親子関係が切れ、十合を完全親会社とする兄弟会社となった。株式会社十合は、その経緯から「受け皿会社」と当時表現されたが、持株会社そのものである。
その他の特殊なケースとしては、国有化状態であった足利銀行の受け皿として、野村グループなどが出資して足利ホールディングスを設立し、国が保有する足利銀行の全株を足利ホールディングスが引き受ける形で、足利ホールディングスが足利銀行の持株会社化したというケースもある。
[編集] 持株会社のメリット・デメリット
[編集] メリット
- 各部門毎の子会社化からもたらされるメリット。
- ある特定の部門の利益にとらわれない、戦略的な本社(親会社としての持株会社)の構築。
- 新規事業の立ち上げがしやすい。
- 他企業の買収、グループ化(M&A)がしやすい。
- 傘下の各社への権限の委譲がしやすい。
- 柔軟な人事制度の導入がしやすい。
- さらに、子会社からの受取配当金に関して、連結納税制度適用による節税メリットが挙げられる。個別申告の場合、受取配当金の益金不算入額(この額が大きいほど納税額は小さくなる)は、負債利子控除後の残額である。これに対して連結納税を適用すると、100%子会社からの受取配当金は負債利子が控除不要であり、全額益金不算入扱いとなる。持株会社は、傘下の子会社からの受取配当金を事業の中核としているため、連結納税制度適用による節税メリットは計り知れず(企業によっては数十億円規模の効果となる)、受取配当金に関する節税メリットを最大限活用する目的で連結納税制度を検討・加入する持株会社も増加している。
[編集] デメリット
- 子会社から見た場合、親会社(持株会社)への「お伺い」が増える。
- 各子会社(事業会社)間の横の連携がしにくい。
- 労働条件の交渉について、使用者側の窓口(実際の雇用関係のある子会社なのか、子会社に対して実質的な経営権を有する持株会社(親会社)なのか)が不明となる。
- 特に純粋持株会社(親会社の主たる収入が子会社からの配当である形態)の場合、持株親会社単体では子会社(あるいは連結ベースでのグループ総体)より信用リスクが大となるため、格付上の「ねじれ」が生じるケースがある。
[編集] 持株会社の一覧
純粋持株会社のみを挙げた。
[編集] 複数業種
[編集] 銀行・保険・証券・商品その他金融系
「金融持株会社」も参照
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ
- みずほフィナンシャルグループ
- 三井住友フィナンシャルグループ
- りそなホールディングス
- 中央三井トラスト・ホールディングス
- ほくほくフィナンシャルグループ
- ふくおかフィナンシャルグループ
- 札幌北洋ホールディングス
- 山口フィナンシャルグループ
- 紀陽ホールディングス
- ソニーフィナンシャルホールディングス (中間持株会社)
- T&Dホールディングス
- アクサジャパンホールディング
- 東京海上ホールディングス(旧・ミレアホールディングス)
- 三井住友海上グループホールディングス
- 野村ホールディングス
- 大和証券グループ本社
- シティグループ・ジャパン・ホールディングス
- 岡三証券グループ(旧・岡三ホールディングス)
- マネックスグループ(旧・マネックス・ビーンズ・ホールディングス)
- スターホールディングス
- ひまわりホールディングス
- 岡藤ホールディングス
- 黒川木徳フィナンシャルホールディングス(旧・大洸ホールディングス)
- 光陽ホールディングス
- SBIホールディングス
- かざかフィナンシャルグループ(旧・ライブドアフィナンシャルホールディングス)
- スパークス・グループ
- ユニコムグループホールディングス
- 東京証券取引所グループ
- 東海東京フィナンシャル・ホールディングス
- 足利ホールディングス
[編集] 食品系
- マルハニチロホールディングス(旧・マルハグループ本社)
- サッポロホールディングス
- 宝ホールディングス
- オエノンホールディングス
- 日清製粉グループ本社
- ジャパン・フード&リカー・アライアンス
- キリンホールディングス
- フレンテ
- ロッテホールディングス
- 日清食品ホールディングス
- サントリーホールディングス
- 明治ホールディングス
- フジパングループ本社
- 雪印メグミルク
- キッコーマン
[編集] 化学系
[編集] 石油系
[編集] 新聞・出版・広告系
- 読売新聞グループ本社
- 角川グループホールディングス
- メディアリーヴス(中間持株会社)
- 角川メディアマネジメント(中間持株会社)
- インプレスホールディングス
- 博報堂DYホールディングス
- ウェッジホールディングス
- ソフトバンクメディアマーケティングホールディングス(中間持株会社)
- SEホールディングス・アンド・インキュベーションズ
- 学研ホールディングス
[編集] 情報・通信・放送系
- 日本電信電話
- ソフトバンク
- モビーダ・ホールディングス(中間持株会社)
- ビーアイジーグループ
- スカパーJSATホールディングス
- フジ・メディア・ホールディングス
- 東京放送ホールディングス
- LDH(旧ライブドアホールディングス)
- メルコホールディングス
- CSKホールディングス
- ITホールディングス
- インテックホールディングス(中間持株会社)
- デジタルガレージ
- アライドテレシスホールディングス
- MCJ
- ソニー・放送メディア(中間持株会社)
- TLホールディングス
[編集] 小売・外食系
- AOKIホールディングス
- セブン&アイ・ホールディングス
- エディオン
- 日本マクドナルドホールディングス
- マツモトキヨシホールディングス
- スギホールディングス
- ツルハホールディングス
- ココカラファイン ホールディングス
- ファーストリテイリング
- レックス・ホールディングス
- DCM Japanホールディングス
- J.フロント リテイリング
- ぷれっそホールディングス
- サンマルクホールディングス
- F&Aアクアホールディングス
- コージツホールディングス
- 吉野家ホールディングス
- エイチ・ツー・オー リテイリング
- ドトール・日レスホールディングス
- 三越伊勢丹ホールディングス
- 丸井グループ
- 東日カーライフグループ
- ニッセンホールディングス
- トヨタアドミニスタ
- イオン
- アスラポート・ダイニング
- ステラ・グループ
- 三城ホールディングス
- サザビーリーグ
[編集] エンタテインメント系
- コナミ
- ソニー・ミュージックエンタテインメント
- エイベックス・グループ・ホールディングス
- セガサミーホールディングス
- バンダイナムコホールディングス
- ディースリー(中間持株会社)
- アップフロントグループ
- カルチュア・コンビニエンス・クラブ
- 渡辺プロダクション
- ジャレコ・ホールディング
- インデックス・ホールディングス
- ウェッジホールディングス
- 日テレ・グループ・ホールディングス(中間持株会社)
- 吉本興業
- オリコン
- ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス(中間持株会社)
- IGポート
- ゲームズアリーナ(中間持株会社)
- エックスワン
- スクウェア・エニックス・ホールディングス
- イマジカ・ロボットホールディングス
- セブンシーズホールディングス
- セブンシーズエンタテインメント(中間持株会社)
- コーエーテクモホールディングス
- ティー・ワイ・オー
[編集] 運輸・交通・旅行系
- 日本航空
- 阪急阪神ホールディングス
- 阪急阪神交通社ホールディングス(中間持株会社)
- 小田急箱根ホールディングス (中間持株会社)
- 九州産業交通ホールディングス
- 西武ホールディングス
- ヤマトホールディングス
- SGホールディングス
- セイノーホールディングス
- 一畑電気鉄道
- いわさきコーポレーション
- ヤマコー
- 庄交ホールディングス
- ジェイティービー
- エスライン
- けいはんなバスホールディングス
- 三重交通グループホールディングス
- ツネイシホールディングス
[編集] 建設・不動産系
- すてきナイスグループ
- アパマンショップホールディングス
- ダヴィンチ・ホールディングス
- 野村不動産ホールディングス
- パシフィックホールディングス
- コムシスホールディングス
- 土屋ホールディングス
- 日本インテグランドホールディングス
- ビーアールホールディングス
[編集] その他
- コニカミノルタホールディングス
- 富士電機ホールディングス
- サクサホールディングス
- シチズンホールディングス
- セイコーホールディングス
- コクヨ
- フランスベッドホールディングス
- 日本製紙グループ本社
- JFEホールディングス
- JFE商事ホールディングス
- 住生活グループ
- ジーエス・ユアサコーポレーション
- 三協・立山ホールディングス
- 三和ホールディングス
- ヒューマンホールディングス
- アルフレッサ ホールディングス
- メディパルホールディングス(旧メディセオ・パルタックホールディングス)
- 燦ホールディングス
- ラディアホールディングス(旧グッドウィル・グループ)
- ヤマノホールディングス
- 昭和電線ホールディングス
- 御幸ホールディングス
- イーリング
- 富士フイルムホールディングス
- サクサホールディングス
- DOWAホールディングス
- オンワードホールディングス
- アデランスホールディングス
- 東京臨海ホールディングス
- JVC・ケンウッド・ホールディングス
- クラシエホールディングス
- 日清紡ホールディングス
- フルキャストホールディングス
- サザビーリーグ
- M&Yホールディングス
- ワコールホールディングス(ワコール)
- 大和紡績
- 多摩川ホールディングス
- テンプホールディングス
[編集] かつて存在した持株会社
- ダイエーホールディングコーポレーション:中間持株会社。親会社ダイエーの経営危機に伴うグループ再編により清算
- ボーダフォンホールディングス(旧日本テレコムホールディングス):事業会社を吸収合併し事業会社化。現在のソフトバンクモバイル
- 双日ホールディングス:事業会社を吸収合併し事業会社化
- あしぎんフィナンシャルグループ:事業会社の株式強制無効化による破綻
- シーアンドエス:事業会社たる現サークルKサンクスへ吸収合併し消滅
- 日清オイリオグループ:事業会社を吸収合併し事業会社化(商号は維持)
- UFJホールディングス:持株会社同士の合併により消滅。現在の三菱UFJフィナンシャル・グループ
- みずほホールディングス:グループ内の企業再編により事業会社化。現在のみずほフィナンシャルストラテジー
- ディーアンドエムホールディングス:事業会社を吸収合併し事業会社化(商号は維持)
- レナウンダーバンホールディングス:事業会社を吸収合併し事業会社化
- ソニー・カルチャーエンタテインメント:持株会社同士の合併により消滅
- あらた:事業会社を吸収合併し事業会社化(商号は維持)
- ミヤコー:事業会社を吸収合併し事業会社化。→宮城交通
- ティーケーパートナーズ:経営破綻による会社消滅
- 第一三共:事業会社を吸収合併し事業会社化
- ミサワホームホールディングス:事業会社を吸収合併し事業会社化
- 九州親和ホールディングス:経営統合目的で子会社をふくおかフィナンシャルグループに売却したのち、清算
- 松坂屋ホールディングス:持株会社同士の合併により消滅。現在のJ.フロント リテイリング
- もみじホールディングス:事業会社たるもみじ銀行へ吸収合併し消滅
- 未来:事業会社たる未来工業へ吸収合併し消滅
- コカ・コーラセントラルジャパン:傘下の事業会社2社を吸収合併し事業会社化
- きらやかホールディングス:事業会社たるきらやか銀行へ吸収合併し消滅
- 国際石油開発帝石ホールディングス:事業会社を吸収合併し事業会社化
- インデックス・ヴィジュアルアンドゲームズ:事業会社たるインターチャネル・ホロンへ吸収合併し消滅。現在のインターチャネル
- コカ・コーラウエストホールディングス:傘下の事業会社3社を吸収合併し事業会社化。現在のコカ・コーラウエスト。
- アルテック:傘下の事業会社4社を吸収合併し事業会社化。
- GDH:事業会社たるゴンゾを吸収合併し事業会社化、商号をゴンゾに変更。
- ミレニアムリテイリング(中間持株会社):事業会社たるそごう(→そごう・西武)に吸収合併し消滅。
- ゴマ・ホールディングス:事業会社たるゴマブックスに吸収合併し消滅。
- 京阪バスシステムズ:京阪電気鉄道に吸収され消滅。
[編集] 関連項目
最終更新 2009年10月31日 (土) 16:11 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【持株会社】変更履歴

