指輪
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指輪(ゆびわ)は、手の指にはめる輪状の装飾品。宝石を付したものもある。稀に足の指にはめるものもある。歌詞や題名などの固有名詞には「指環」と表記されることもある。
素材は主に金属で金、銀、プラチナなどの貴金属が多い。木やアクリルのものもある。
有史以来存在し、はめる指により指輪に意味があるとされる。左手の薬指につける指輪は「結婚指輪」とされ「聖なる誓い」の意味が付される。結婚指輪については右手の薬指につける国や地域もある。古代ローマにおいては印鑑として用いられた。
目次 |
[編集] 歴史
[編集] 起源
現存する最古の指輪は、古代エジプトの墳墓から発見されたもの。 特に第12王朝ごろから指輪に不死を象徴するスカラベを彫り込んだり、台座に止めたデザインのものが目立っている。まだ第18王朝の頃のものは純金製でデザインは単調でずっしりと重く、所有者の名と肩書きが象形文字で深く刻み込まれている。他に象牙、琥珀のものがあり、一般市民の間には青銅、ガラス、陶製のものがあった。
指輪にスカラベを飾る古代エジプトの風習は後に各地に伝わり、古代ギリシャ、エトルリア、フェニキアなどの指輪にもスカラベが見られる。ギリシャではその他台の一部に平らな広い面を持ち、そこに浮彫りの飾りをつけた金指輪も愛用されていた。フェニキアのものはスカラベが認印の用を果たしていた。エトルリアのスカラベは紅玉髄に彫ったものがある。
ローマ人の指輪は特権または階級を示すものとして知られている。共和制時代にはもっぱら鉄製指輪が用いられ、奴隷には禁じられていた。次に元老院議員および限られた高官にだけ金の指輪が許されるようになり、ついには一般市民はすべて金の指輪をはめることができ、奴隷は鉄の指輪をするようになった。そしてユスティニアヌス帝のときこれらの制限は全廃された。指輪を両手にたくさんはめる風習は古代エジプトから見られたが、ローマ人も中指を除く全ての指に2個ずつはめることがあった。
[編集] 婚約指輪と結婚指輪
婚約指輪はローマの古い時代からあり、初め鉄製であったのが2世紀頃から金製になった。5世紀頃から日常的に結婚指輪を身につける習慣が生じ、11世紀頃からは教会の結婚儀式に組み入れられた。現代において婚約指輪はダイヤモンドか誕生石、結婚指輪はシンプルなデザインの金・白金製の甲丸型が多い。ダイヤモンドが用いられた最古の婚約指輪は、神聖ローマ皇帝マクシミリアンとブルゴーニュ公女マリーの結婚の際で、彼らの名と聖母マリアにちなみM字型に配されている。
[編集] その他の指輪
欧州の中世を通じて有名な「司教の指輪」は認印の指輪から発達したものといわれ、新司教が就任するとき、恭しい儀式を以って司教杖とともに渡された。7世紀初頭頃から一般的になり、1194年、インノケンティウス3世の時にこの指輪は金製でなんの彫刻も施してはならないことになったが、あまり守られず、後世司教たちの棺から発見された指輪には様々な彫り込みが見られる。
「教皇の指輪」は聖ペトロが漁をする姿を彫り込んだ物でもともと教皇の認印に使われたが(指輪印―インタリオリング)、15世紀半ば頃からは単に信仰の対象としてだけ扱われるようになり、教皇が変わるたびに新しく作り変えられた。「漁師の指輪」の名がある。
15世紀頃から認印に使われる「商人の指輪」が広まり、同じ頃恋人などに贈る「詩銘の指輪」、痙攣を防ぐ為の指輪などが一般にはめられた。
「毒入り指輪」は毒蛇の牙から着想されたもので、殺人や自殺の為に作られ、古くはハンニバルがこれを使って自殺したといわれる。
[編集] 日本の指輪
日本では縄文後期 - 古墳時代の地層より指輪と思われる装身具の出土がある。金製、銀製、青銅製、石製、土器・陶器などである。それ以降は指輪を身につける風習がなくなり、16世紀ごろまでほとんど登場しない。その期間に日本国内で指輪の使用された例は、海外文化との接触を表す場合のみと考えられる。近代の指輪を身につける習俗は、明治に入り西洋風の指輪が入って以降に広まった。
[編集] 用途による分類
- ファッションリング
- 服飾を目的とする指輪。小指に嵌めるピンキーリング、卒業校から記念に斡旋されるカレッジ(スクール)リング、スポーツの全国選手権覇者チームが記念に作るチャンピオンリングなど。左手薬指以外に嵌める。
- インタリオリング(シグネットリング)
- 認印付き指輪。嵌めたまま捺すのではなく、捺印の時は外して手に持つ。
- ピュリティリング
- 結婚前の若い男女に向けて司祭、または保護者などの大人から送られる指輪(場合によってはネックレスやブレスレットの場合もある)のことで、結婚するまで性的行為などは一切しないという誓いの指輪である。結婚指輪をつけるまでそれは左手の薬指にされる。
- 婚約指輪
- 婚約するとき(または婚約したあとで)、男性から女性に贈られる指輪(婚約を参照)。
- 俗に“値段は給料の3ヶ月分”と、デ・ビアス社がCMをした為に根づいたもの。ヨーロッパでは2ヶ月、米国では1ヶ月でCM戦略をとったという。現在日本では、独身男性の平均所得の給料1ヶ月 - 2ヶ月半分というのが一般的。
- 通常、左手の薬指にはめる。結婚式当日には、右手の薬指にはめたあとで、式の途中で左手の薬指にはめ直す。結婚した後は、結婚指輪と重ねて左手にはめることもある。
- 結婚指輪
- 結婚した夫婦がひとつずつはめる指輪。日本では左手の薬指が一般的だが、国や宗教によっては右手の薬指にはめる事もある。昭和40年頃まで日本ではポピュラーでは無かった習慣であるが、生活の欧米化に伴い増加した。また、紐を通して首から下げるカップルもいる。平凡社の「日本人の大疑問」1995年刊によれば、キリスト教で結婚指輪を認めるようになったのは11世紀ころであり、このころから左手の薬指にはめるようになったという。当時左手の薬指の血管は心臓につながっていると考えられていてこの指にはめれば心に愛情が伝えらるというわけである。もっとも、「左の薬指がいちばん宝石の見栄えがするから」という単純な説もある。
[編集] 製造
指輪の製造には鋳造(ちゅうぞう)法、手作り(ハンドメイド)、鍛造(たんぞう)法があるが、現在の主流は鋳造法のうち、ロストワックス法と呼ばれる方法である。
[編集] ロストワックス鋳造法
蝋型で原型を作成し、石膏、シリカ等の混合耐火素材で作られた埋没剤にワックス原型を埋没する。それを電気炉にて脱蝋し、それによってできた空洞に溶解した金属を鋳込む。冷えて固まった金属を取り出して、磨き等の仕上げを行う。
製品をシリコンゴムで面複写し、そこにワックスを流しこめば複数のワックス原型ができるため小ロットの量産に向いている。この際に元となるマスターモデルは、ロストワックス法で造られる場合もあれば彫金・鍛金で作られる場合もある。
溶解した金属は強い表面張力を持っている場合が多いので、金属を鋳込む際には遠心力や真空吸引、または圧力を利用する必要があり、専用の鋳造設備が必要となる。鋳造は温度設定や鋳込むタイミングが難しく、鋳造する者の経験や鋳造条件によって製品にムラが出やすい。
[編集] 手作り(ハンドメイド)
指輪の本体にくる部分ははまず地金を小型のローラーで延ばし、必要な長さや幅、厚みの板を作る。その板を丸めて輪を作り、母材よりも低い融点に調整されたロウ(母材の地金と近い金属)を使ってロウ付け(溶接)する。その後、側面や表面をヤスリで整形する。石座や石を留める爪なども地金から整形し、本体にロウ付けしてゆく。タガネと呼ばれる金属用の彫刻刀で唐草や文字などの装飾を行うことも多く、これを彫金と言う。かなづち等で叩いて槌目と呼ばれる模様を入れる技法などは鍛金の応用であるが、指輪の場合は形がリング状と決まっているのであまり多く用いられない。
[編集] 鍛造法
鍛造は各メーカーによって様々な工程があるが、地金を鍛える過程、例えば圧延や圧縮といった工程が含まれるのが特徴。加工工程や設備、職人の技術レベルによって出来上がる指輪の品質にも差が出る。
(例)職人がハンマーで叩く事によって地金を鍛える方法。
(例)大型の機器を使用し、数十 - 百トンクラスの圧力をかけて地金を鍛える方法。
大型の機器を使用し、数十 - 百トンクラスの圧力をかけて地金を鍛える場合は、大規模な設備、職人の数や技術も必要とするので、中小企業では手がけにくい製法である。百トン単位の圧力を加えることで地金を鍛えた場合、高密度・高耐久となる。地金の中の空気は殆ど無く、鋳造に見られる鬆もない。
[編集] 近代的製法
機械による削り出しでリングを整形する方法もあり、より工業的な手法である。CADデータから光造形法やインクジェット方式等の3Dプリンタで原型を製作し、ロストワックス法で製造するといった技術も進んでいる。チタン等で黒や青などの色づけを行うメッキ、メタルコーティングも流行している。レーザー溶接、レーザー彫刻機の普及も進んでいる。
リングという形状ゆえにダイキャストやプレス加工などが応用が難しく、また大量に消費される性質の商品でもないため大量生産方式はいまだ確立していない。機械化された一部を除いて、職人の手作業による部分が多い。
[編集] 指輪のサイズ
指輪のサイズの表示は各国により異なっているため、ISO(国際標準化機構)により、ISO 8653として国際的に標準化・統一化が進められている。日本国内においても、ISO 8653に準拠したJIS規格(S4700)が1998年に制定され、2002年より普及が始まっている。しかしながら普及は徐々に進みつつある中であり、混乱を防ぐために現在も、従来からの日本慣習のサイズ表記 (JCS=Japan Custom Size) が併用されている。
ISO (JIS) 規格表記では、リングの直径が1/3mmずつでとられ、それを基に、最小41mm - 最大76mmまでの間で、指輪の内周の値に最も近い整数として表記される。サイズ表記の方法としては、「指輪のサイズは、対応国際規格の番号に続けて、その指輪の測定内周を四捨五入した最も近いミリメートルの整数値で表示しなければならない。」と規定されており、例えば、内周43mmの指輪をサイズ表示する際には、 「ISO8653-43」となる。
ヨーロッパ諸国では、ISO規格か、或いはその数値から40を引いたヨーロッパサイズを採用しており、イギリスではISO規格に準拠して1987年に改訂された、アルファベットを割り当てたスタンダード6820規格を採用している。英国サイズは、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカなどでも用いられている。
サイズをX番と呼ぶことも、X号と呼ぶこともあるが、社団法人日本ジュエリー協会 (JJA=Japan Jewellery Association) では、「JISサイズは『○号』、JCSサイズは『○番』と呼ぶことが 間違いをおこしにくい」と、「号」と「番」との意図的な使い分けを推奨している。
[編集] ISO (JIS) サイズからの近似値
| ISO-8653 JIS-S4700 |
欧州サイズ | 内周 | 直径 | 日本サイズ | 米国サイズ | 英国サイズ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 41号 | 1番 | 40.8mm | 13 0/3mm | 1.2番 | 1.5番 | C番 |
| 42号 | 2番 | 41.9mm | 13 1/3mm | 2.1番 | 2.0番 | D番 |
| 43号 | 3番 | 42.9mm | 13 2/3mm | 3.1番 | 2.5番 | E番 |
| 44号 | 4番 | 44.mm | 14 0/3mm | 4.0番 | 3.0番 | F番 |
| 45号 | 5番 | 45.mm | 14 1/3mm | 5.0番 | ||
| 3.5番 | G番 | |||||
| 46号 | 6番 | 46.1mm | 14 2/3mm | 5.9番 | ||
| 47号 | 7番 | 47.1mm | 15 0/3mm | 6.9番 | 4.0番 | H番 |
| 48号 | 8番 | 48.2mm | 15 1/3mm | 7.8番 | 4.5番 | I番 |
| 49号 | 9番 | 49.2mm | 15 2/3mm | 8.8番 | 5.0番 | J番 |
| 50号 | 10番 | 50.3mm | 16 0/3mm | 9.7番 | 5.5番 | K番 |
| 51号 | 11番 | 51.3mm | 16 1/3mm | 10.7番 | 6.0番 | L番 |
| 52号 | 12番 | 52.4mm | 16 2/3mm | 11.7番 | 6.5番 | M番 |
| 53号 | 13番 | 53.4mm | 17 0/3mm | 12.6番 | 7.0番 | N番 |
| 54号 | 14番 | 54.5mm | 17 1/3mm | 13.6番 | 7.5番 | O番 |
| 55号 | 15番 | 55.5mm | 17 2/3mm | 14.5番 | 8.0番 | P番 |
| 56号 | 16番 | 56.6mm | 18 0/3mm | 15.5番 | ||
| 8.5番 | Q番 | |||||
| 57号 | 17番 | 57.6mm | 18 1/3mm | 16.4番 | ||
| 58号 | 18番 | 58.6mm | 18 2/3mm | 17.4番 | 9.0番 | R番 |
| 59号 | 19番 | 59.7mm | 19 0/3mm | 18.3番 | 9.5番 | S番 |
| 60号 | 20番 | 60.7mm | 19 1/3mm | 19.3番 | ||
| 10.0番 | T番 | |||||
| 61号 | 21番 | 61.8mm | 19 2/3mm | 20.3番 | ||
| 62号 | 22番 | 62.8mm | 20 0/3mm | 21.2番 | 10.5番 | U番 |
| 63号 | 23番 | 63.9mm | 20 1/3mm | 22.2番 | 11.0番 | V番 |
| 64号 | 24番 | 64.9mm | 20 2/3mm | 23.1番 | 11.5番 | W番 |
| 65号 | 25番 | 66.mm | 21 0/3mm | 24.1番 | 12.0番 | X番 |
| 66号 | 26番 | 67.mm | 21 1/3mm | 25.0番 | 12.5番 | Y番 |
| 67号 | 27番 | 68.mm | 21 2/3mm | 26.0番 | 13.0番 | Z番 |
| 68号 | 28番 | 22 0/3mm | 26.9番 | |||
| 69号 | 29番 | 22 1/3mm | 27.9番 | |||
| 70号 | 30番 | 22 2/3mm | 28.8番 | |||
| 71号 | 31番 | 23 0/3mm | 29.8番 | |||
| 72号 | 32番 | 23 1/3mm | 30.8番 | |||
| 73号 | 33番 | 23 2/3mm | 31.2番 | |||
| 74号 | 34番 | 24 0/3mm | 32.7番 | |||
| 75号 | 35番 | 24 1/3mm | 33.6番 | |||
| 76号 | 36番 | 24 2/3mm | 34.6番 |
[編集] 日本サイズからの近似値
(指の一番太い関節の外周を糸で測って号数の目安を求めることができる)
| 日本サイズ | 内周 | ISO/JIS 近似値 |
|---|---|---|
| 1番 | 40.8mm | 41号 |
| 2番 | 41.9mm | 42号 |
| 3番 | 42.9mm | 43号 |
| 4番 | 44.0mm | 44号 |
| 5番 | 45.0mm | 45号 |
| 6番 | 46.1mm | 46号 |
| 7番 | 47.1mm | 47号 |
| 8番 | 48.2mm | 48号 |
| 9番 | 49.2mm | 49号 |
| 10番 | 50.3mm | 50号 |
| 11番 | 51.3mm | 51号 |
| 12番 | 52.4mm | 52号 |
| 13番 | 53.4mm | 53号 |
| 54号 | ||
| 14番 | 54.5mm | |
| 55号 | ||
| 15番 | 55.5mm | 56号 |
| 16番 | 56.5mm | 57号 |
| 17番 | 57.6mm | 58号 |
| 18番 | 58.6mm | 59号 |
| 19番 | 59.7mm | 60号 |
| 20番 | 60.7mm | 61号 |
| 21番 | 61.8mm | 62号 |
| 22番 | 62.8mm | 63号 |
| 23番 | 63.9mm | 64号 |
| 24番 | 64.9mm | 65号 |
| 25番 | 66.0mm | 66号 |
| 26番 | 67.0mm | 67号 |
| 27番 | 68.1mm | 68号 |
| 28番 | 69.1mm | 69号 |

