振り返れば奴がいる

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振り返れば奴がいる』(ふりかえればやつがいる)は、1993年1月13日1993年3月24日フジテレビ系水曜日21:00~21:54(JST)に放送された織田裕二石黒賢のダブル主演による連続テレビドラマである。全11回。平均視聴率16.8%、最高視聴率22.7%(最終回)。1993年12月29日にスペシャル版が放送。

目次

[編集] 概要

天真楼(てんしんろう)病院を舞台に、性格の対照的な二人の医師の戦いを描く物語。脚本を手がけた三谷幸喜は本作がゴールデンタイムで初の連続ドラマ作品だったが、シナリオが現場でどんどん変えられていくことにショックを受け、その経験を元に『ラヂオの時間』のシナリオを書いたという。

石原隆プロデューサーは三谷が喜劇専門であったことを知らずにシリアスな医療ものを依頼したため、書かれてきた脚本の喜劇調の部分を変更することになってしまったことから、「三谷さんには悪いことをした」と後に語っている。

もともと三谷は喜劇しか書いた事がなく、また、既に決まっていた脚本家が降板したことにより突然起用が決まったこともあり、準備もできなかったという。プロデューサーには「医学ものは『ブラック・ジャック』しか知らない」と断ったが、それでもいいからと押されて書いたという。そのため、執筆は相当苦労したらしく、後半はシナリオ1本の完成に10日間もかかったという。この辺りの事情は三谷幸喜のエッセイ「オンリー・ミー 私だけを」に詳しく書かれている。

しかし、ストーリー設定やプロット等は医療小説・ドラマの金字塔と言われる『白い巨塔』を明らかに踏襲しており、スペシャル版で中川部長が人工弁を受け取る際、まったく脈絡もなく「里見先生によろしく」というセリフが登場することから、三谷が『白い巨塔』から影響を受け、そのオマージュとしてそのような不必要なセリフを挿入したと察せられる。

また、スペシャル版は「司馬と石川が床屋の理容師」というパラレルワールドにしたかったが、スタッフの反対で却下された。そのかわり、この作品のヒットが元で、三谷の希望する「コロンボのような倒叙ミステリー」として『古畑任三郎』が制作されることになった。

また、話題になった最終回のラストシーンは三谷の脚本にはなく、西村雅彦の著書によると急遽撮影当日にロケ現場に呼ばれたとのことで、おそらく若松節朗監督の判断であったと推測される。


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


[編集] 登場人物

  • 司馬 江太郎(27):織田裕二
    まだ二十代後半の青年でありながら卓越した技巧で名を知られる外科医。傲岸不遜な態度で、転任して来た石川とは事ある毎に対立する。独断で手術を遂行し、その殆どが鮮やかな成果を収めるところや、場合によっては法外な治療費を裏で患者側に要求する点などが『ブラック・ジャック』を彷彿とさせる。かつては石川のように明るい性格の医師だったが、大学病院時代研究室の担当助教授だった中川の手術ミスを肩代わりすることになってしまい、それから人格が変わってしまった。かなりのヘビースモーカー。手術中には自前のレゲエテープを流させる。保身のために失脚させた先輩の平賀に路上で刺されて致命的と思われる傷を受けたが、スペシャル版も含めて生死は明確にはされていない。
  • 石川 玄(27):石黒賢
    カンザス州からやってきた正義の医師。司馬のやり方を認めることができず、司馬を追放しようと躍起になる(ただし、司馬のオペの技術だけは認めている)。患者にもナースにも受けが良く、一部の同僚を除いた医師にも好かれ上層部の受けもよい。峰に片思いされている。司馬には及ばないが、腕は一流である。しかし丁寧なオペが司馬に言わせると「遅い」。スキルス胃癌術後の肺梗塞により最終回で死亡する。
  • 大槻 沢子(26):千堂あきほ
    麻酔科医。司馬とは過去に5年間交際し「結婚寸前までいった」仲だが、中川との確執については知らずにいた。院内ではどの派閥にも属さないが、たまに司馬に味方する。落胆する石川を励ましたり、独断専行で動く司馬に対しても理解ある態度をとったり、ときには反発したりもする。司馬のことを誰よりもわかっている理解者で、登場人物の中ではもっとも司馬に親しく接していた。
  • 峰 春美(25):松下由樹
    研修医。自信不足のため自分で患者の治療ができず、思慕の念を抱いている石川に過剰に頼ってしまう。緊急事態には毎回のように「石川先生呼んできます!」と叫んでその場から走り去る。登場人物の中では、誰よりも自分の心に素直に行動していた人物だと言える。
  • 平賀 友一(35):西村雅彦
    天真楼病院の主任医師。医師としての腕は確かだが、司馬と石川の対立の煽りを食って途中で副主任に降格。日和見する性格で、権威を得た司馬を嫌いながらも腰巾着のようになっていたが、中川を取り込んだ司馬の策略により、収賄の罪を被せられて病院をクビになる。そして最終回のエンディングで司馬を凶器で背後から刺した。
  • 稲村 寛(33):佐藤B作
    天真楼病院のケースワーカー。元々は天真楼病院の入院患者であったが、他の患者の相談をよく持ちかけられるようになり、そのままケースワーカーになる。足掛け6年。ほとんど病院に住んでいる。前職は、当たらないと評判の占い師。医療に多少興味があり手術の見学をするのだが、すぐに吐き気を催し数秒で退出してしまう。石川と峰の相談役でもある。
  • 山村 忠光(34):宮沢風太郎
    天真楼病院の放射線科医師。普段は眼鏡をかけている。特に派閥には属さない。石川のスキルスをもっとも早く察知した人物の一人。
  • 笹岡 繁三郎(41):坂本あきら
    司馬が担当するガン患者。クラリネットが趣味だが演奏は下手で、他患者からは密かに迷惑がられていた。死が近いことを察知し、(延命措置に伴う)自らの苦痛や家族への迷惑(負担)を考え、司馬に相談。「リビング・ウィル尊厳死の宣言書)」を勧められたが、稲村に提出する前に危篤状態となる。家族からは延命措置を望まれたが、苦しむ姿を見かねた司馬からペタロルファン(鎮痛薬として有効だが、本来は劇薬)を注射され、司馬に微笑んだ後、息を引き取る。
  • 看護婦・田村 のえ(26):相原勇
  • 看護婦・内村 恵美(エミちゃん)(27):宮地雅子
    あるきっかけで司馬に好意を持つようになり、何度か協力的な行動を取る。
  • 看護婦・中井 加世(カヨちゃん)(22):貴島サリオ
  • 看護婦・富川 千代(24):建部和美
  • 看護婦・伊東 みつ子(26):木原みずえ
  • 外科医・前野健次(26):川上たけし
    司馬のマージャン仲間。シリーズ当初は司馬とタメ口で話していることから同期に見えるが、設定上は研修医。司馬が主任に昇格するに伴って次第に腰巾着となる。
  • 救急部当直医師・橋本 巌(35):石井洋祐
  • 麻酔科医・神尾 仁:大森博
    沢子に内緒のオペをしようとする司馬に協力を強要され、趣味の天体望遠鏡(ツァイスの180ミリ)で釣られそうになる。
  • 患者・柏木:梶原善
    胆石の再手術後、一度行方をくらますなど、人騒がせな行動を取る。
  • 患者・志村:小林隆
    骨折で入院している。
  • 救急隊員:甲本雅裕
  • 上野こうじ:伊藤俊人
    5話(第五回)で登場。母・モエコ(野村昭子)が骨盤骨折による血管破裂で大量出血を起こしていたのを見抜けず軽症と誤診、死に至らしめた医師の名を「石川」と知り、告訴しようとするが、司馬の説得により和解に応じる。
  • 理事長:林昭夫
    9話(第九回)、10話(第十回)で登場。購入委員会で一旦は司馬を糾弾する立場に回るも、買収されて司馬を不問に付す。しかしその後、司馬の決定的なミスを見て引導を渡すことになる。
  • 役名不明:浅野和之
  • 星野 良子(27):中村あずさ
    オットー製薬営業社員。当初は中川に、その後司馬に取り入る。天真楼病院で購入する薬品、医療機器や器具すべてを自社製品とするため、差し入れ、時には金銭を渡す事も厭わない。司馬曰く「ツラの皮の厚い女」。
  • 中川 淳一(45):鹿賀丈史
    天真楼病院外科部長という輝かしい地位にある名医。司馬の大学時代の恩師(助教授)だが、過去のオペでのミスが原因で手がふるえるようになり、その後は何かと理由をつけてオペを行っていない。さらにそのミスは司馬のものとして処理しており、この件で司馬に弱みを握られ逆らえない。好物はカニ。なお、中川はのちに同じ三谷幸喜作品の『古畑任三郎』に出演し、その劇中で殺人事件を起こして逮捕される。古畑任三郎の犯人も参照。
※主要人物の年齢は『月刊ドラマ』(映人社、1993年3月号)の登場人物表を参考にした。佐藤B作の役が実年齢と離れているが、33歳ということらしい。

[編集] 役名の由来

役名には由来があり、江戸時代の蘭学者の名前が元となっている。

[編集] スタッフ

[編集] テーマソング

[編集] 主題歌

CHAGE and ASKA 作詞・作曲:ASKA
200万枚以上のセールスを記録する、大ヒット曲となった。

[編集] 挿入歌

  • 『君はなにも知らないまま』
CHAGE and ASKA 作詞:青木せい子・作曲:CHAGE
シングル『YAH YAH YAH』のカップリング曲。アルバム『RED HILL』収録。

[編集] スペシャル

CHAGE and ASKA 作詞・作曲:ASKA

[編集] 放送日・サブタイトル・演出

各話 放送日 サブタイトル 演出
第1話 1993年1月13日 おまえが嫌いだ 若松節朗
第2話 1月20日 おまえが殺したんだ 河野圭太
第3話 1月27日 追いつめる 若松節朗
第4話 2月3日 死にたがる患者 河野圭太
第5話 2月10日 致命的な失敗 木下高男
第6話 2月17日 過去に何があった 河野圭太
第7話 2月24日 告知 若松節朗
第8話 3月3日 新記録 河野圭太
第9話 3月10日 敗北 若松節朗
第10話 3月17日 最後の対決 河野圭太
第11話 3月24日 別離(わかれ) 若松節朗
スペシャル 12月29日 振り返れば奴がいる 最後の戦い 若松節朗

[編集] 天真楼病院について

白い巨塔の浪速大学病院と同様、大学が母体となっている超一流病院であり、確固たる派閥抗争や内部権力が横行する病院である。

三谷によれば、天真楼は浪速病院のように大学附属ではなく、東都大学の直営病院、いわゆるサテライトホスピタルであるという。中川も司馬も元は東都大の医師であり、サテライトである天真楼に出向しているという設定になっている。「天真楼」という名前は江戸時代の蘭学者・杉田玄白の設けた医学・蘭学塾に由来する。

[編集] 舞台装置等

後発の『ナースのお仕事』シリーズや『救命病棟24時』の医療現場シーンでは、ありとあらゆる大道具・小道具が全て本物の最新医療機器を使用していたことに比べると、医療機器に関してリアリティを重視していない姿勢が目立つ。

作品中で使われた大道具は、一般的なトレンディドラマの日常風景で使用される舞台装置を手直ししている程度である。また、医療機器や小道具も全て美術スタッフによるレプリカ品である(例えば劇中で使われる心電図は小道具を組み合わせて作ったもので、実物と大きく異なっている)。

[編集] 関連項目

[編集] メディア

ビデオ・DVD

  • ビデオ 全4巻発売中
  • DVD 2008年7月25日発売(初パッケージ化のスペシャル版も含む)

サウンドトラック

  • YAH YAH YAH「振り返れば奴がいる」オリジナル・サウンドトラック
(1993年3月10日)ASKAS.E.N.S.の共同プロデュースアルバム


フジテレビ 水曜劇場
前番組 番組名 次番組
誰かが彼女を愛してる
(1992.10.14 - 1992.12.23)
振り返れば奴がいる
(1993.1.13 - 1993.3.24)
チャンス!
(1993.4.14 - 1993.6.30)

最終更新 2009年11月4日 (水) 17:18 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【振り返れば奴がいる】変更履歴

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