排尿
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排尿(はいにょう)あるいは放尿(ほうにょう)とは、体外に尿を放出する行為である。自分の意に反して尿を漏らしてしまう行為は、失禁と呼ばれる。
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[編集] しくみ
排尿を理解するには、泌尿器系の全体像を確認しておく必要がある。泌尿器系は尿を生成する腎臓、少量を貯蔵する腎盤、輸送する尿管、大量に貯蔵する膀胱、排尿時にのみ用いられる尿道からなる。膀胱と尿道以外は左右に合計2組備わっている。
腎臓では血漿をろ過することにより、1日あたり1〜2Lの尿を途切れることなく生成している。尿は、腎胚に集まり、腎盤に至る。腎盤は、枝分かれした組織であり、根元に相当する部分が伸張することで尿を貯めることができる。一定量の尿が溜まると急速な収縮が起こり、尿管に排出される。尿管は20cmから30cmの中空の管である。尿管から膀胱へ尿が移動する原因のうち、尿圧と重力は主なものではない。尿管は3層構造からなり、中間層の平滑筋が毎分2〜4回の蠕動運動を起こすためだ。したがって、膀胱には1分間に2~4回、尿が送られてくることになる。
平均的な男性の場合、膀胱に300ml程度の尿が蓄えられると、尿意を感じる。これは膀胱内に位置する伸展受容器(感覚器)の働きによるものだ。500mlに達すると、脊髄下部に由来する脊髄反射が起こる。副交感性の骨盤神経を経由し、膀胱の収縮と不随筋である内尿道括約筋の弛緩が起こる。しかしながら、内尿道括約筋よりも遠位方(下流)に位置する外尿道括約筋は随意筋であるため、意識的に1L程度まで蓄えることもできる。
大脳皮質感覚野では伸展受容器からの信号を受け取り、脳幹に位置する排尿中枢と協力して排尿を制御している。排尿中枢が興奮することにより、不随意運動と随意運動が協調し排尿にいたる。
排尿を制御できず意図しないときに尿を漏らしてしまうことを失禁と呼ぶ。概ね2歳に成長するまでは、外尿道括約筋への神経経路が未完成であるため、排尿反射によりそのまま排尿に至る。
なお、尿管は膀胱壁を斜めに貫き、膀胱の頂上部ではなく横断面よりも下に開口している。このため、尿がたまった場合、さらに排尿中に膀胱の圧力が上昇しても、腎臓には尿が逆流しない。
[編集] 排尿体勢による分類
[編集] 立ち小便
立ち小便(たちしょうべん)あるいは立ちション(たち-)とは、立ったまま小便をすること。また狭義では便所以外のところで放尿することを指す。
立ち小便のメリットは、少ない動作による時間の節約や脚の負担の軽減が挙げられる。便器の設置面積も狭くて済む。デメリットは、小便が便器の周囲に飛び散ること。そのため、掃除をする人々からは嫌われがちである。 男女の性差を明確に認識できる代表例。
男性の場合、立ったまま陰茎を支えて小便を放出する。
女性の場合、前かがみの姿勢で尻を突き出し、中腰になって後方に小便を排出する。昔の日本女性はよく行っていた。普段は行わない国もあるし日常的に行う文化を持ち女性用小便器(サニスタンド)が普及している国もある。[要出典]
なお、補助具を用いることで男性と同じように立ち小便することも可能である。
[編集] 座ってまたはしゃがんで
洋式便器の場合は腰掛けて、和式便器または野外でする場合はしゃがんで小便をする。女性の排尿方法として知られている。
近年は、洋式便器のみを設置して、小便器を設置しない家屋が増えたこと、飛び散りによる便器周辺の汚れをなくすためなどの理由で、座って排尿する男性も増えている。
[編集] やり手水
やり手水(-ちょうず)とは、抱え上げて小便をさせること。幼児に対して行う。
太ももを持って、股を開かせ、体を抱えて、小便をさせる。小便で濡れないよう、ズボンやパンツは膝まで下ろし(スカートはまくりあげる)、場合によっては全て脱がす。 女児に和式便器や野外でさせる際に用いられる。
[編集] 寝小便
睡眠中、無意識に小便を漏らしてしまうことを、寝小便(ねしょうべん)あるいはおねしょと呼ぶ。
[編集] 排尿場所による分類
[編集] トイレ(ポータブルトイレ含む)
一般的に排尿は、特別な事情がない限りトイレで行う。しかし、幼児や高齢者、病人など移動が困難または通常の便器が使い辛い場合や、渋滞発生時などトイレに行けない場合にはポータブルトイレが用いられる。
[編集] 野原などトイレがない場所
道端、屋外等近くにトイレのない場所において尿意を催し、我慢できない場合にやむを得ず行う。特に幼児は膀胱の用量が小さく、かつ排泄の管理がうまくできないため、尿意を訴えたときにはすでに我慢の限界となっていることが多いため、行わざるを得ないことが多い。道端、側溝、草むらなど端の方で行われることが多い。環境保護・公衆衛生の観点から野外排尿は行わず、携帯トイレを持参し、排泄物を持ち帰ることが望ましい。
[編集] 社会的な面から見た野外排尿
尚、予想できない渋滞の発生時など許されることもあるが、これは極めて稀有なケースで、基本的には軽犯罪法違反である。また、場所によっては刑法第142条の『浄水汚染』(付近に飲料水として使用されている井戸などがあった場合)、同第261条『器物損壊等』(他人の所有物などに放尿した場合)、同第174条『公然わいせつ』(人々が集合したり往来のある場所などで陰部を露出して放尿した場合)によって処断される可能性もあり、更に公衆衛生上も好ましくないため無論認められる行為ではない。当然、男女の性別も問われない。
「小便は樹木類の肥料となる」との理由で自己の野外排尿を正当化する人もいるが、これは全くの誤解である。小便を肥料として使うには、容器に入れて1~2ヶ月程保管し発酵させなければならない。排尿直後の小便は逆に樹木を傷めてしまう。繁華街のビルなどでは酔っ払いなどによる立ち小便が原因で植え込みの木が枯れてしまうという被害が出ている。日本では昭和時代中期まで人の糞尿を農耕の肥料として用いてきたため、このような誤った解釈がうまれたと推測される。
なお、長く立ち小便を同じ場所で続けると、特殊なキノコが生えてくる例がある。これは、好アンモニア菌と呼ばれるもので、代表的な種にはイバリシメジと名が付けられている。
[編集] 参考文献
- トートラ 人体解剖生理学 原書6版 ISBN 4621074644
- 分冊解剖学アトラス内臓II 第5版 ISBN 4830600284




