放送事故
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放送事故(ほうそうじこ)とは、テレビ・ラジオなどの放送において、その予定された放送時間内において、放送設備、放送関連設備の故障・不具合や、番組制作用機器の操作ミス、放送進行上の手違いなどにより、正常な放送を行うことができなかったことをいう。国際的に放送事故とされるものは、予定された放送時間内に放送電波が止まる「停波」(英語:Off the air もしくは Off air )、予定された放送時間内に映像や音声が放送されない「無変調」(英語:Dead air)であるが、その他のものについては各国でそれぞれ扱いに違いがある。
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[編集] 概要
放送事故とは広義に、その予定された放送時間内において予定された「放送の品質」を満足しないものとなった状態等を示す。放送の品質とは、単にその媒体の技術的な基準等にとどまらず、放送のかたちや放送の内容までも含んだものを示す。従って放送事故の判断基準は各国の体制、関係法や電波等の媒体の利用実態により異なる。日本においても、放送の品質とは、媒体に係る各種の技術的な基準等に加え、放送のかたちや放送の内容等について各法に定める範囲を含めたものであると解釈されており、放送事故の判断はこれを基に行われる。以下、日本における放送事故を中心として述べる。
日本における放送事故は、まず、放送設備などの故障・不具合などによるものを「機械事故」、操作ミスなどによるものを「人為事故」として大別、以下細かく「停波」、「無変調」、不要映像、不要音声、異常な、あるいは質の低い映像、音声などが放送される「不体裁」、放送進行表(いわゆる番組表)にない内容が誤って放送される「内容違い」などに分けられている。なお不可抗力(天災など)によるものも放送事故として扱われる。放送事故は、機械、人為、あるいはその両方が作用している場合など、原因が異なっていても同じような結果として表れることが多く、また、一見正常な放送のように見えて、放送事故に至っている、わかりにくい場合もある。
なお、事件、事故、災害などの緊急事態による放送内容の変更は放送事故ではない(報道特別番組)。 また質の低い番組素材などでも、それが予定もしくは想定されているもの、例えば古いレコードの再生音、緊急の現場からの電話リポート、マラソン中継放送などで、映像、音声が乱れることは放送事故として扱わない。
当然のことであるが、放送事故場面を再度、放送することはできない。放送事故場面を、どうしても再度放送する必要がある場合には、適切な方法により該当部分を修正した上で放送される。近年、アナウンサー達が出演する特別番組で「アナウンサーNG集」などとして取り上げられることがあるが、これらはみな放送事故ではなく、あくまでも正常な範囲の放送である(NG (放送用語)参照のこと)。また近年バラエティ番組で芸人のネタが全く受けないなど、何らかの事情で膠着、展開の続かない状態が続いてしまうことを『放送事故』と揶揄することがあるが、当然ながら放送としての支障は全く無い。
いわゆる放送禁止用語や誤った内容を放送し、直ちに訂正しなかった場合にも放送事故となる場合がある。極端な例では、楽曲中に効果音としてモールス信号で「SOS」が連続して入っていた、「MAYDAY」を連呼していたなどの理由で放送事故となったものがある(遭難通信は、電波法にも規定のある「目的外通信」の一つで、指定周波数、空中線電力の枠を超えておこなうことのできる最優先事項である。当然、遭難の事実がないのに遭難信号を発してはならない。なお、航空機や船舶の危急時の遭難信号の発信には、1999年以降、Global Maritime Distress and Safety System(GMDSS)による、特殊な専用発信機(遭難信号自動発信器)が使われるようになったことから、モールス信号のSOSは放送禁止とはならなくなった。しかしながらモールス信号による通信そのものは全廃されておらず、必要な場合、明確に本物のSOSではないことを前置きした上で、慎重に放送される)。
その他、ラジオの場合では、「受信側で復調した場合において聴取できる程度の変調度」で放送しなければ放送事故とされる場合がある。クラシック音楽放送で、低いレベルの音が数十秒間継続し、放送事故扱いとなった例もある。
大きな放送事故の場合、テレビでは「しばらくお待ち下さい」のお詫びテロップを、ラジオでは音楽や、音楽とアナウンスを交互に放送するなどの緊急措置がとられる。
停波などの放送事故が発生した際には総務省(各放送局を管轄する各地方総合通信局)へ速やかに報告しなければならない。故意または重大な過失によるもの、すなわち当然防止できたようなものについては、指導などの対象となる場合がある。
近年、放送システムの進歩に伴い不可抗力的な事故は激減したが、代わって「モラルの低下による、およそ考えられないような放送事故」が発生するようになり、こういったものについては担当者個人の責に帰するものについては懲戒解雇、会社組織としての責に帰するものであれば放送免許の剥奪といった、厳しい処分を下される。
[編集] 放送事故の原因
日本における現在の様の放送事故は、戦後、GHQの社団法人日本放送協会に対する指導から始まった、今ではあたりまえの放送のかたちである「フル・エア」にその全てが起因する。すなわち放送時間内においては寸刻たりともその一切の中断が許されないことと、これに伴って必然的に発生する、秒単位のリアルタイムスイッチング(リアルタイム編集)を行わなければならないことによるのである。
映画と比較してみると、映画であれば、ワンシーン毎に分割して撮影、後でこれを時間をかけて試行錯誤しながらつなぎ合わせても(編集しても)1本の完成された作品となる。放送においては、1日分の番組が1本の完成された作品であり、いわばリアルタイムで年間365本の「新作映画」を制作しているのと同じになる。従ってその編集は毎回手順の異なる、失敗の許されないリアルタイムの一発勝負になるのである。
これは間違い、勘違いを起こすヒトの弱点と、必ず壊れる機械の弱点の両方を同時に突く難題である。すなわち放送において、放送事故の発生はむしろ自然なことなのである。
このため戦後、その放送開始以来、放送設備とその人による運用をひとつ、すなわち「放送システム」としてとらえ、機械工学、建築工学、土木工学、電気工学、電子工学、通信工学、情報工学、人間工学、さらには医学などの広い観点から総合的に検討、対策が行われてきた。
後述のような対策が進められた今では笑い話となっているが、信頼性の低い放送機器と、全て人手によるリアルタイムスイッチング、さらにはいわゆる生放送が当たり前であったテレビジョン放送開始当時、放送事故は日常茶飯事、各スタジオには「しばらくお待ちください」のカードがあちこちに置かれ、事故が発生したときにはすばやくこれを出演者が手に持ち、使えるカメラの前にかざしてその場をしのぐといったことが行われていた(黒柳徹子による)。しかしながら現在でも放送事故をゼロとするまでには至っておらず、「最後は神頼み」と、放送機器や主調整室などに「御札」を貼り、無事故祈願をしている放送局もあるほどである。
[編集] 主な放送事故防止対策
- 機械事故防止対策
- 放送設備の複数並走運用と瞬時切替システムの構築。
- 回線の複数並走化、瞬時切替システムの構築。
- 個別機器・部品の改良(特に信頼性の向上)。
- 送信所、送信鉄塔等の防災対策。
現在、これらの信頼性は航空機に匹敵するほどのものになっている。
- 人為事故防止対策
- VTR等の記憶媒体の導入と改良による、編集時間の創出。
- 複数人による同一作業実施と確認。短時間交代制の実施。
- 連絡体制のシステム化、合理化。
- 番組制作作業のシステム化、合理化。
- 番組編成作業のシステム化、合理化。
- 放送進行作業のシステム化、合理化。
- 番組制作機器等の操作性の改良。
- 回線業務のシステム化、合理化。
- 自動番組制御装置の導入と改良。
- CMバンクシステムの導入と改良(民間放送局)。
- 遅延送出システムの導入。(生放送番組)
- 放送事故発生時の事故拡大防止対策
- 最後は人手である。テレビ・ラジオ局などでは、放送事故発生時の迅速な対応のため、各種の自動監視装置に加え、その放送中、送信所からの放送内容(ON AIR)を監視員により常時監視している。また同時に、VTR等の記憶媒体に記録、(これをON AIR 同録などという。)一定期間保管し、放送事故発生時の検証等に用いる。加えて、主調整室からの直接監視が困難な中継局などでは、その中継局のサービスエリアに在住の人に監視を委託、放送事故発生時には速やかに連絡される体制がとられている。
[編集] 放送事故と放送システムの進歩
放送事故は幸いなことに自動車事故などとは異なり、それが直接的に人命に影響することはまずないことから、第三者的には笑い話として語られ、いわゆる「マニアネタ」扱いされることが多い。
しかし放送会社としては、放送事故の発生には必ずと言ってよいほど経済的損失が伴い、場合によっては億単位の損失につながるため、戦後その放送開始当時から各放送会社内には放送事故対策会などが設けられ、放送事故を無くすことを最終目標として積極的な取り組みが行われてきた。結果、常に最先端、実験的な技術や手法が積極的に投入され、放送システムは急ピッチで改良・改善されていった。 現在の放送システムは、そのほとんどが放送事故防止対策の産物と言っても過言ではなく、皮肉にも放送事故が現在の高度な放送システムを育て上げてきたとも言えるのである。
[編集] 放送事故例
[編集] バラエティ
- オレたちひょうきん族
- 1989年3月18日20時52分頃、番組終了直前のエンディング途中で画面が黒画面になり音声も出なくなるという事態となった。番組終了時刻を過ぎても復旧せず、その後の「ゴールデン洋画劇場」の途中(21時17分頃)まで長引くことになった。
当該局フジテレビの放送エリアである関東地方では長時間画面が黒画面のまま音声も流れない状態で、ようやく回復した後も画面には放送内容とは全く無関係の数字が出たり、音声には雑音が入る事態が継続した。この事態はネット送り(系列局への番組素材送り)にも及んだため、ネット各局ではこのような事態となったときに備えてあらかじめ用意してある緊急用素材(「緊急フィラー」(緊急穴埋め素材)と呼ばれる。「クラシック」、「漫才」、「環境映像=風景と動物の鳴き声などによって構成されているもの」などが多い。)を流すなどの苦肉の策でどうにかしのいだと言われている。
この事故は翌日の新聞でも大きく報道されるなど、大きな出来事としてとらえられた。ちなみにフジテレビを含めネット局各局への苦情による電話は対応仕切れないぐらい寄せられ、回線がパンクした局もあったという。
なおフジテレビはこの事故から復帰した最初の番組である「ゴールデン洋画劇場」の途中で、お詫びのテロップを挿入。さらに次回予告終了直後には川端健嗣アナウンサーが顔出しでお詫びを読み上げる異例の謝罪となった。この日に放送された「ゴールデン洋画劇場」の内容(ダーティハリー3)は後日改めて放送(代替放送)された。また、一部のフジテレビ社員に対しての処分も行われた。
- めちゃ²イケてるッ!
- 2003年12月27日放送の「楽しくなければ年の瀬じゃない!スペシャル」開始冒頭で、音声は正常であるものの、映像がカラーバーやフジテレビの報道フロア、さらには黒画面となり、当該局のフジテレビ屋上カメラ(東京・台場)の映像に切り替えられたが、結局「おそれいりますがしばらくそのままお待ち下さい」とのお詫びテロップと木幡美子アナウンサーによる読み上げが流れ続ける事態が約5分間続いた。
これを受け、フジテレビには苦情電話が殺到したため、同社はお詫びテロップを2度挿入した。
皮肉にもこの回は2009年現在、番組歴代視聴率2位となる25.1%(19:00-平均)を記録している。
なお、この日の放送分については後日改めて完全な形で再度放送(代替放送)を行った。
- グータンヌーボ
- 2006年11月15日放送の冒頭でテストトーンの音声と共にカラーバー状態の画面が50秒間流れ、その後「おそれいりますがしばらくそのままお待ち下さい」とお詫びテロップが出たまま、番組開始から23:02:34まで2分34秒間放送されなかった。
原因は、20時15分頃に千島列島沖の震源で発生した津波警報・津波注意報発令による中継回線業務の混乱と思われる。番組の最後にお詫びテロップが挿入された。
- 27時間テレビ
- 2003年6月28日生放送のさなか、出番前に飲酒をしていた笑福亭鶴瓶が「さんま・中居の今夜も眠れない」で飛島に中継が入った際に、中継が始まっているにもかかわらず泥酔して寝てしまっており、中居正広に呼ばれ起き上がった瞬間に下半身を露出してしまった。一緒にいたココリコの遠藤章造やスタッフらが座布団などで隠そうとしたが、結局映ってしまい、直ちにCMが入れられた。CM明けにフォローのため、さんまが「中居、お前が謝れ…。もうあのオッサンの為に尽力するのイヤや…」と匙を投げ、中居が視聴者に謝罪、加えてさんまが「明日映像を見直してみ、鶴瓶にいさん、きっと“どや顔”してるぞ!」「ジャニーズ事務所も正式に抗議した方がええかも分からんね…。というか、ジャニーズ事務所で鶴瓶にいさん、潰せ」と真顔で語った。笑福亭鶴瓶にも問題があるが、この件はまず、中継制作現場が「基本となる制作手順をないがしろにした」ことに起因し、次に中継現場の状況を「スイッチ前に把握できるにもかかわらず、把握していなかった」副調整室に問題がある。加えてこのような事故フォローのためにCMを使ったことも誤りである(契約にもよるが、このような事故フォローのためにCMを使った場合、契約違反としてスポンサーに対して最悪、出稿料金の3倍の補償をしなければならないことすらある)。「ミス」「ハプニング」のたぐいでは到底、済まされない。同コーナーの終了後、直ちに、改めて高島が「お見苦しい点がありました事をお詫び申し上げます。」と視聴者に向けて謝罪を行った。放送後のスタッフの処分については不明。
- おもいッきりDON!
- 2009年8月6日の生放送終了直前に、画面が15秒間停止、画像がぶれ異音が発生、次番組の予告が放送できない事故が発生した。後番組の情報ライブ ミヤネ屋で森若佐紀子アナが「お見苦しい点がありました事をお詫び申し上げます。」と謝罪した。原因は次の番組を送出する読売テレビ側に原因のある放送事故のようである。
[編集] ドラマ
- 朝の連続テレビ小説 さくら
- 地上波(NHK総合)の2002年9月20日(金曜日)放送時に、翌日の9月21日放送分を放送してしまった。詳細は放送飛ばし事故項目参照。
- ケータイ刑事 銭形泪(人為・内容違い)
- 地上波(TBS)でファーストシリーズ第4話放送予定日にセカンドシリーズ第4話(出演者も異なる)を放送してしまった。詳細についてはケータイ刑事 銭形泪の項目を参照のこと。
- 女王の教室
- 日テレプラス2009年6月25日放送分で、一部音声が全く放送されない事態となった。翌26日放送予定であった最終回分も放送されず、別内容に差し替えられた。なおこの2回分については同年7月1日と7月5日に再度放送された。
[編集] アニメーション
- ルパン三世 PartIII(関西以外の系列放送局)
- 第42話のAパートの途中で中断、裏番組の『まんが日本昔ばなし』が10秒ほど割り込んで放送された。原因は関西地方での集中豪雨により、NTTリレーセンターでの中継回線のやりくりが混乱したためとされている。
- 鎧伝サムライトルーパー
- 名古屋テレビにおいて第17話「明かされた鎧伝説」を2週続けて放送した。
- 配信元(発局)は関西広域圏の朝日放送であったが、名古屋テレビではこれをリアルタイムで受けて放送するのではなくいったん収録して翌日放送しており、担当者が放送済みと未放送のテープを取り違えてしまったためとされている。
- 翌週、「同じ回を流してしまってごめんなさい」というテロップが流されたが、このため全40話の予定であった番組が全39話へと短縮されてしまうという前代未聞の事態となった。
- 幽遊白書 (長崎県内を放送するテレビ長崎においての同時ネット放送で確認)
- 最終回のスタッフロール中に次週放送予定であったアニメ、忍空の予告とスタッフロールが交互に放送されてしまう事態が起きた。原因が同時ネットの親局であるフジテレビ側によるものかは不明。
- デビルチルドレン
- 冒頭で発局である中部日本放送(CBC)のIDが放送された。
- この番組素材の配信にはNTT中継回線が使用されており、その送出の約束として冒頭に発局のIDを送出、放送時刻になると本編(放送内容)に切り替えるのであるがCBCでこの切り替えのタイミングが遅れたためとされている。
- ボンバーマンビーダマン爆外伝
- 宮城県を放送エリアとする東日本放送で「しばらくおまちください」と表示されその後、通常に放送された。詳細は不明。
- マーメイドメロディーぴちぴちピッチ
- 冒頭で音声が乱れ、一時数秒間無音となるなど不安定な状態が続き、ようやくBパート前半に正常となった。
- 冒頭では「NTT東京」のテストパターンが数回放送された。
- 俗・さよなら絶望先生
- 日本BS放送(BS11)において最終回を放送した際、本来16:9の画角で放送すべきなのを誤って4:3で放送してしまい左右に圧縮したような映像になってしまった。
- 公式サイトにお詫び文を掲載し、翌週再び最終回を放送する措置がとられた。
[編集] スポーツ
- 競馬中継
- アール・エフ・ラジオ日本
[編集] 報道・情報番組
- 「ウォッチ!」(TBS)生放送中に、副調整室の映像スイッチャー(映像を切り替える装置)が故障、テレビユー山形からの映像のまま、スタジオへ切り替えられなくなってしまった。このため急遽、予定のCMをこの後に集中して放送、この間に別のスタジオ(報道スタジオ)へ出演者やスタッフが移動して放送が続けられた。
[編集] 衛星中継における放送事故
- ザ・ベストテン(TBS系列)にTHE ALFEEが中継で出演した回にて。1983年9月8日「メリーアン」では、わざわざ東京のTBSから演奏(カラオケ)を中継現場に送り、これに合わせてTHE ALFEEが歌い、中継現場からのシロ(歌声のみ)に東京のTBS副調整室で同じカラオケをミキシング、衛星回線で生じる遅れにより、トータルで演奏と歌唱に約1秒のずれが生じてしまった。また、1985年「恋人達のペイヴメント」でも、演奏はしていたが、歌声が放送されないというトラブルが発生した。国内での衛星中継運用開始当初であり、技術的に不慣れであったことが原因とされている。
- 1990年10月28日「'90国際親善パリ駅伝」の中継(フジテレビ系列、19:00-20:54)では、現地パリの天候が悪かったために衛星中継の映像が大幅に乱れ、予定していた中継時間の三割弱程度しか放映できなかった。
フジテレビ番組広報部によると、悪天候のため移動中継カメラからの映像を中継するヘリコプターを番組開始時に飛ばすことができず、ようやく三十分後に飛行させたものの、スタートやゴールなど七か所の固定カメラからの映像以外は、ほとんどが乱れ続けた。このため、フジテレビでは急遽番組の内容を一部変更し、固定カメラで走者をとらえることの出来ない時間帯の一部で、過去のマラソン大会のビデオなどを流し、ゲストのレーサー・鈴木亜久里と司会者とのトークを交えながら番組を進行させた。
日曜のゴールデンタイムに生中継を期待していた視聴者からは、フジテレビへの苦情や問い合わせなどの電話が殺到した(翌29日の産経新聞朝刊によると、番組放送時間帯だけでも1454本もの電話があったという)。
- 2002年の「ベルリンマラソン」(フジテレビ)も上記「パリ駅伝」同様に現地ベルリンの気候で映像が止まったり、乱れたりすることもあった。また、5km毎のラップタイムを通過時に映像が止まった為、バイクリポートのアナウンサーが確認の対応をした。
[編集] その他
- 1980年(昭和55年)2月10日未明、本放送終了後に静岡放送の放送実施局運行部の男性局員が、外国製ポルノビデオをテレビ局のビデオシステムで観覧しようとセットし再生したところ、この映像が静岡県下にそのまま放送されてしまった。この局員は同年2月28日付けで懲戒解雇された。
- 1991年4月1日に日本初の民間衛星放送として開局したWOWOWが、12時からの有料放送開始後、約6分間にわたりスクランブル信号が解除できない状態になった。放送していた映画『リーサル・ウェポン2/炎の約束』は後日再放送された。
- 1998年9月6日福島放送の会津若松中継局で送信機が故障。約8時間に渡る停波となった。これに伴い、福島県会津地方一円に福島放送の電波が届かなくなった。この間、同じ郡山市に本社をもつ福島中央テレビは、福島放送が停波状態にあることを番組内スーパーにより報じた。
- 2004年9月7日、朝日放送(ABC)の上沼恵美子のおしゃべりクッキングにおいて番組途中にテープが早送りになった。(この際、ABCチョイ待ち画面で対応)番組は5分間ほど中断、CMから再開し冒頭から再度放送されたが、このCM終了間際に画面がブラックバックになり「上沼恵美子のおし」の文字が放送されてしまった。(番組は収録素材によるものであり、カラーバー・テストトーンの後にテープID、続けて本編となっていることから、本編の頭出しが間に合わなかったものと考えられる。)なお、ABCネット各局まで同様の事故があったかは不明。
- 2005年9月11日午後3時から放送のスーパー競馬(フジテレビ)の中継にて、突然の豪雨により音声装置に異常が発生、オープニング直後の第10Rの競走中からCMに入るまでの間、全く音声が流れなくなる事態となった。
- 2006年9月1日12時から15:40頃まで、26日12時から16時まで、BSデジタルラジオWINJで長時間の無音状態が発生し、この他にも短時間の放送事故が頻発していたことから10月27日以降、総務省の行政指導が再三行われるも改善されなかった[1]。これを理由とする無期限放送休止により、翌年11月に総務省の委託放送事業者認定取消し(いわゆる放送免許剥奪)により廃局。
詳細は「World Independent Networks Japan」を参照
- 2006年6月1日午後1時40分頃、大分放送で「新キッズ・ウォー2」第4話を放送中、突然音声が流れなくなる事態が発生した。CMは正常であったが、本編では音声が全く出なかった。15分ほどで復旧したものの、番組の半分以上が無音だったため第4話は、翌2日の午前4時55分-5時25分の枠で再放送された(再放送では時刻表示があったが、提供クレジットが消去されていた)。この日更新・運用開始した主調整室のトラブルが原因とされる。
- 2006年12月30日午後2時55分頃、テレビ大分で「笑っていいとも!年忘れ特大号」を遅れネットで放送している最中、突然映像が乱れ、当時遅れネットだった「天才!志村どうぶつ園」の放送済みの映像が数十秒流れ、その後午後3時15分まで十数分間、番組が中断した(この間CMは正常に放送された。)中断復旧時、中断していた時間分、番組が進んでおり、HD(ハイビジョン)だった映像がSD(標準画質映像)となっていた。中断復旧後放送されたはじめのCM終了後に全面復旧した。
- 2007年3月27日午後4時50分ごろ、NHK総合にて誤ってNHKスペシャル「プラネットアース」のテープが流された。直後にお詫びのテロップが入りそのまま53分まで放送が続いた。53分からはプレマップが、55分からはみんなのうたが番組表通り放送された。お詫びのテロップは「ただいまおみぐるしいところがありました おわびいたします」というもので、すべて平仮名であった(みんなのうた直前であったことから、視聴者の年齢を考慮してと思われる)。本来は50分から53分まで「NHKの音楽番組が変わる!「SONGS」&「MUSIC JAPAN」PR」という番組予告が放送される予定だった。同じ日の午後7時30分にはNHKスペシャル選として、2007年1月14日に放送された「第9週 ジャングル」を再放送しており、そのテープを誤って流したか、自動番組制御装置のデータ入力ミスによりスタンバイされていたテープがスタートしてしまったためではないかといわれている。
- 2007年3月28日午前11時45分より岐阜放送のアナログテレビジョン送信所トラブルにより、アナログ放送波が2時間以上にわたり停波した。そのため、当日放送される予定だった「服部半蔵・影の軍団」は同年4月1日の午後6:00より再放送された。
- 2007年6月9日午後2時15分頃から約45分間、北海道稚内市全域で稚内中継局を設置していないテレビ北海道を除く民放4社の放送が中断する事態となった。原因は中継局に電力を供給している配電設備の故障により中継局が停電したため。なおNHKは中継局に予備電源を設置していたことから、中断は一瞬で済んだ。
- 2007年7月20日午後5時20分頃から約1時間、北海道旭川市にあるテレビ北海道旭山送信所の設備トラブルで旭川市をはじめ道北・北空知地方のエリア全域(但し中継局を設置していない宗谷地方全域及び上川・留萌地方の一部地域を除く)で放送が中断する事態になった。(他の民放4社とNHKは影響なし)。そのため当日放送されることになっていた「かみちゃまかりん 第16話」は同年8月9日の午後2時55分-3時25分に、「きらりん☆レボリューション 第67話」は同年8月10日の午後2時55分-3時25分にそれぞれ再放送された(札幌から番組送出を行うため影響のなかった札幌・室蘭・函館地区にも放送された)。
詳細は「テレビ宮崎#放送事故」を参照
- 2007年12月3日、北陸朝日放送で放送された北京五輪アジア地区予選「日本対台湾」の中継で、放送延長のデータ入力ミスにより、21時54分以降、試合終了まで地上デジタル放送では放送が中断され、視聴者は北京五輪出場決定の瞬間を視聴できなかった(アナログでは視聴できた)。約20分ほどで88復旧したが、ワンセグでは翌日の放送開始まで視聴できなかった。
- 2008年8月14日6時30分頃、西日本各地の気象台より雷注意報の発令されていた広島県にある中国放送黄金山送信所(アナログテレビジョン放送親局)で、「落雷によるものと考えられる事故」(中国放送発表)が発生、広島県西部および北部でのアナログテレビジョン放送がストップした。
詳細は「広島親局送信所#放送事故」を参照
[編集] 放送事故の描写
たとえ放送事故を説明するためであっても、放送事故を意図的につくり出すことは許されない。最近、放送制作の舞台裏を紹介する内容のものなどが放送されるようになり、この中で放送事故も取り上げられるようになってきたが、この場合、例えば「具体的な不体裁場面」を放送し、本物の放送事故と誤認されるようなことがあってはならないことから、あくまでも正常な放送の範囲にあることが明確にわかるように配慮がなされる。具体的にはいわゆる「ハプニング」までが放送可能な範囲である。従って実在する放送制作の舞台裏を紹介する内容のものなどでは困難である (過去に最悪の「停波」を描写する目的で、いわゆる「砂嵐」を「そのまま」(画面いっぱいに音声とともに数秒)用いたため、本物の放送事故となった例などがある)ことから、架空の内容のもの、すなわちドラマ作品等で慎重に描写されることが多い。
[編集] バラエティ
- 進め!電波少年いけ年こい年世紀越えスペシャル(日本テレビ系列)2000年12月31日
- 意図的に2分時計を早め、21世紀へのカウントダウンをフライングした。出演者と視聴者を巻き込んだドッキリ企画として行われたものだが、出演者も混乱していたため視聴者に充分な説明がなされなかった。このため日本テレビには多くの非難が殺到した[2]。大原則として、放送番組進行は備え付けの正確な時計(法定)に従って行われなければならず、特に実時刻に係る放送内容について「不具合」があると、直ちに視聴者に混乱を与え場合によっては実害を生じさせる恐れがあることから、その「誤り」はもちろん「不明確なもの」も放送事故として扱われる。(例えばラジオ放送でアナウンサーが現在時刻のアナウンスを間違えた場合、「直ちに明確に訂正する」のはこのためである。)加えて歴史的な21世紀へのカウントダウンをいわゆる「お笑い」のネタにすることは放送倫理上からも疑問視された。このためこの件は本物の放送事故として扱われることになったうえに、放送倫理・番組向上機構(BPO)でも問題となった。以降こういった内容のものは改めて放送禁止の対象として、放送業界内で確認されることになった。なおこの件は当時、放送におけるさまざまな規制に敢えて挑戦した演出が過ぎたものとなってしまったものとして扱われ、制作担当者に対して重い処分が下されることはなかったといわれている。
[編集] テレビドラマ
- ザ・クイズショウ(日本テレビ系列)第2シーズン第7話
- クイズ番組「ザ・クイズショウ」の生放送中に、MCの神山悟(櫻井翔)が倒れてしまう。スタッフらは何とか放送を続行させようとするものの、上層部によって番組は強制的に中止させられてしまう。無論、ドラマ上の架空のものであるが、カラーバーを画面いっぱいに用いると本当の放送事故となることから、注意して制作されている。
[編集] 参考文献等
- ^ 「平成19年9月12日 諮問第35号説明資料『World Independent Networks Japan 株式会社の認定取消について』」 総務省電波監理審議会
- ^ 土屋敏男「電波少年最終回」 日本テレビ放送網 2001年 ISBN 4-8203-9790-7
放送倫理・番組向上機構 青少年委員会放送局への回答要請 2001年1月 日本テレビ『いけ年こい年世紀越えスペシャル』
- 社団法人日本民間放送連盟編 『放送ハンドブック』 東洋経済新報社、1992年3月。
- 社団法人日本民間放送連盟編 『放送ハンドブック改訂版』 日経BP社、2007年4月。
最終更新 2009年11月12日 (木) 21:04 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【放送事故】変更履歴


