新宿鮫シリーズ
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新宿鮫シリーズ(しんじゅくざめシリーズ)は、大沢在昌のハードボイルド小説シリーズ。映画、テレビドラマ、漫画化もされている。
新宿署の鮫島警部を主人公とする警察小説のシリーズ。現実の警察の捜査はチームで行われるという制約を壊すために、キャリア警察官が警察内部の抗争にまきこまれて、はぐれ状態になっているという設定である。下記の作品があるが、1作ごとに違った試みがされている。
小説世界の時系列では、『灰夜』は、『氷舞』と『風化水脈』の間に位置する。通し番号の順番が発表順と異なるのはこのためである。
目次 |
[編集] シリーズ作品
- 新宿鮫
- 毒猿 新宿鮫II
- 屍蘭 新宿鮫III
- 1993年 光文社カッパノベルス / 1999年 光文社文庫
- 舘ひろし主演でテレビドラマ化(NHK)された。
- 無間人形 新宿鮫IV
- 炎蛹 新宿鮫V
- 1995年 光文社カッパノベルス / 2001年 光文社文庫
- 氷舞 新宿鮫VI
- 風化水脈 新宿鮫VIII
- 2000年 毎日新聞社 / 2002年 光文社カッパノベルス / 2006年 光文社文庫
- 灰夜 新宿鮫VII
- 2001年 光文社カッパノベルス / 2004年 光文社文庫
- 雷鳴(短編)
- 新潮文庫「鼓動 警察小説競作」所収、2005年
- 狼花 新宿鮫IX
- 2006年 光文社 / 2008年 光文社カッパノベルス
- 再会(短編)
- オール讀物2006年8月号掲載
- 幼な馴染み(短編)
- 集英社「小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所」所収、2007年
- 亡霊(短編)
- オール讀物2009年8月号掲載
[編集] 登場人物
- 鮫島警部
- 主人公。国家公務員採用I種試験に合格し、警察庁に入庁したキャリアであったが、警視庁公安部時代にエス(スパイ)を巡る意見の対立から問題を起こし、さらに警視庁内部のキャリア組に関する重大な秘密を、同期入庁の宮本から遺書として託されたことで、警察機構における特異な存在となってしまう。その結果、新宿警察署防犯課(現在は生活安全課)に転属させられて、警部のまま据え置かれて現在に至る。
- 本来、警部は課長もしくは課長代理職を務める階級だが、鮫島は役職に就くことも係に属する事も無く、署内においても孤高の存在となってしまい、単独行動を余儀なくされている。しかし、刑事としての使命感は強く、出世には目もくれずに地道に検挙率を上げている。ヤクザに容赦がなく、事前の根回し無く幹部クラスまで逮捕して(噛んで)しまうので、ヤクザからは〝新宿鮫〟と恐れられているが、実際の鮫島はとても刑事には見えない優男であり、新宿鮫という厳めしい通り名とのギャップに驚く者が多い。
- 髪型が特徴的とされ、作中ではよく「後ろ髪を伸ばしている」などと表現される。これは首にある過去の傷を隠すためである。彼が実年齢よりも若く見られるのは、この髪型による。木津を追っていた時期に彼に耳の近くで銃を撃たれ、片方の耳が聞こえなくなっている。
- 青木 晶(あおき しょう)
- 鮫島の14歳年下の恋人。ロックバンド“Who's Honey"(フーズ・ハニィ)のヴォーカル。鮫島にロケット・オッパイと呼ばれるほどの巨乳で、跳ね返りな女。
- 桃井(ももい)
- 新宿警察署生活安全課課長(警部)。鮫島が信頼・尊敬する直属の上司。交通事故で家族を失って以来、何の感動もなく仕事をこなしているため、「マンジュウ」(=死体)と呼ばれている。鮫島が腹を割って話せる数少ない人物。桃井からの鮫島に対しての特別な対応は特に見られなかったが、『新宿鮫』では事件の容疑者であった木津を射殺して監禁されていた鮫島を救い出す。組織犯罪対策課の新設時には(実現しなかったが)鮫島を課長として推薦している。
- 藪 英次(やぶ ひでじ)
- 新宿警察署鑑識課員。禿げ頭が特徴。優秀な鑑識で、特に弾道検査の腕は抜群。なぜか本庁への栄転の話を断り続けている。鮫島が桃井よりも気安く話すことができる人物で、友達的存在。事件についての情報交換を行う場合も多い。こちら葛飾区亀有公園前派出所の主人公・両津勘吉とは幼馴染で、少年時代から現在にいたるまで頭が上がらない。年齢的には39歳程度(第一作時)と考えられる。他人(特に鮫島)に煙草や食べ物をたかる悪癖がある。医師を目指していたが、苗字ゆえに諦めた、というのが口癖。
- 宮本 武史(みやもと たけし)
- 鮫島と同期のキャリア。警察上層部を揺るがす重大な秘密を鮫島に遺書として託して、自殺した。『灰夜』にて初めてその詳しい経緯が語られる。
- 藤丸(ふじまる)
- 警視庁刑事部長。策士と評される。鮫島の考えには共感しており、彼の窮地を救ったこともある。警察内部絡みの事件によく登場する。
- 香田(こうだ)
- 警視→警視正。鮫島と同期のキャリア官僚。鮫島を目の敵にしているが、時に協力することも。『狼花』で公安部から組織犯罪対策部に転属。
- 野本(のもと)
- 警視庁機動捜査隊所属の刑事。
- ママフォースのママ
- 鮫島の行きつけのゲイバーのママ。炭鉱で働いてたことがあり、薬物中毒の悲惨さに詳しい。
- 木津 要(きづ かなめ)
- 『新宿鮫』
- 絶対に銃に見えない精巧な仕込み銃を開発・製作する技術を持つ同性愛者。アジトに監禁した鮫島を射殺しようとしたところで、桃井に射殺された。
- 郭 栄民(グオ ヨンミン)
- 『毒猿』
- 台湾の刑事。テコンドーの達人。自分を裏切った雇い主を殺しに潜伏した殺し屋の毒猿を追って新宿に来た。鮫島とは互いに警察官としての信念を知り、「毒猿」捜査にあたる戦友となる。
- 毒猿(どくざる)
- 『毒猿』
- 台湾の裏社会にその名を轟かす、凄腕の暗殺者。銃器やナイフの扱い、トラップに関してもエキスパートだが、標的をテコンドーの技・ネリョチャギ(踵落とし)で仕留めることで知られ、格闘戦に最も長けている。「毒猿」は、標的の屍の横に三猿の像を置くことから(俺の事を見なかった、聞かなかったことにしろ。また、決して喋るなという意味がこめられている)名づけられたコードネームである。彼が新宿にやって来たことで歌舞伎町は震撼し、やがて鮫島と対決することになる。郭とは軍隊時代の僚友で、同じ特殊部隊に所属していた。本編でのルビより、発音は「ドゥユアン」。本名は「劉」というらしい。
- 滝沢 賢一(たきざわ けんいち)
- 『屍蘭』
- 鮫島の大学同期生で東京国税局査察第五部門査察官である。
- 島岡 ふみ枝(しまおか ふみえ)
- 『屍蘭』
- 堕胎専門のモグリの産婦人科医院を経営する看護師。
- 国前 耕二(くにさき こうじ)
- 『無間人形』
- 晶の前のバンド仲間。バンド解散後は故郷に帰り、地元の実力者の娘が経営する高級スナックの店長をしている。
- 塔下 修(とうげ おさむ)
- 『無間人形』
- 鑑識課の藪の大学時代以来の友人で、厚生(労働)省関東甲信越地区麻薬取締官事務所取締官である。
- 甲屋 公典(かぶとや きみのり)
- 『炎蛹』
- 横浜植物防疫所所属の植物防疫官。非在来種のコメの害虫(ゾウムシ)を追って、複数の事件を追う鮫島とコンビを組む。
- 吾妻(あずま)
- 『炎蛹』
- 鑑識課の藪の大学時代以来の友人で、東京消防庁予防部調査課の消防指令。連続放火犯を追って、複数の事件を追う鮫島とコンビを組む。
- 杉田 絵見里(すぎた えみり)
- 『氷舞』
- 美貌の舞台女優。左派系国会議員議員貝口新太郎とCIAが送り込んだ日系二世の女性秘書の杉田苑子との間に私生児として生まれる。両親を早期に次々に亡くし、父の友人でホテル葉山軒のオーナー嶋瑛作に育てられる。鮫島と実らぬ恋に落ちる。
- 立花 道夫(たちばな みちお)
- 『氷舞』
- 立花調査情報社所長。警視庁公安部公安総務課の別動部隊『桜井商事』出身、元警部補。元公安部長で保守系国会議員の京山文栄に仕えてきた。
- 古山 明彦(こやま あきひこ)
- 『灰夜』
- 宮本の幼馴染。在日朝鮮人。地元で水商売を手広く経営している。
- 真壁 俊三(まかべ しゅんぞう)
- 『新宿鮫』『風化水脈』
- 新宿のヤクザ。利権絡みで中国人ヤクザの幹部を殺傷し、自ら重傷を負いながらも鮫島の下に出頭した。長期の懲役に服することになるが、出所後に同じ中国人ヤクザに捕らえられて報復され、再び重傷を負う。高級車両窃盗事件を追っていた鮫島に救い出された後にヤクザ稼業から足を洗う。
- 大江敏夫(おおえ としお)/久保川敏夫(くぼかわ としお)
- 『風化水脈』
- 訳ありの元刑事の老人。西新宿地内の駐車場管理人としてひっそりと暮らしている。
- 仙田 勝?/ロベルト・村上?/深見?/間野総治
- 『炎蛹』『氷舞』『風化水脈』『狼花』
- 外国人窃盗団を組織する謎の人物。『炎蛹』で初めて鮫島と接触して以来、新宿署管内で暗躍し続ける。愛人の言に寄れば東北地方の出身らしい。在京南米系犯罪者を束ねたり、面倒を見たりして、貧しい在京南米人に人望が厚い面がある。盗品売買をシステマティっクに稼動させる実行力を備え、そこに日本のヤクザが係わることを極度に嫌がる。『狼花』で、かつてノンキャリアの公安警察官で学生運動活動家を対象として潜入捜査活動をしていたが、その後退職してからは南米に渡ってCIAの対反米勢力工作や対麻薬組織工作、その他非合法工作を請け負うが、その任務の性質上自らも犯罪行為や悪徳に身を染めざるを得なかったことがあるらしい等々謎の多い人物だったが、『狼花』で遂に正体を現して鮫島と全面対決する。
[編集] 映画
『新宿鮫』の劇場版。タイトルは「眠らない街~新宿鮫~」。1993年10月9日に東映配給で公開された。
主演の真田広之が本作と『僕らはみんな生きている』にて日本アカデミー賞主演男優賞に、監督の滝田洋二郎が監督賞にノミネート、編集の冨田功が編集賞を受賞した。 原作で、晶は実在の歌手川村カオリをイメージして書かれており、監督も粘り強く出演を交渉したが、実現しなかった(後にテレビドラマで、主演の舘ひろしの強い希望で実現)。
[編集] キャスト |
[編集] スタッフ |
[編集] 原作との主な相違点
- 原作では鮫島の下の名前は一切明らかにされていないが、本作では鮫島 崇(さめじま たかし)と設定されている。
- 原作では真壁がアジア人グループを仕込み銃で襲撃するシーンはないが(鮫島の語りのみ)、本作では描かれている。
- 原作では真壁が使う仕込み銃はライター型だが、本作ではポケットベル型。
[編集] テレビドラマ
- 新宿鮫 無間人形(1995年4月9日-4月30日、毎週土曜日)
- 新宿鮫 屍蘭(1996年5月19日-6月9日、毎週日曜日)
- 第一部「危険な毒薬」、第二部「絶望の構図」
- 新宿鮫 毒猿(1997年12月30日)
- 新宿鮫 氷舞(2002年4月29日-5月2日、月曜-木曜)
- 第1回「巨大な罠」、第2回「戦慄の陰謀」、第3回「破局への岐路」、最終回「愛の行方」
[編集] キャスト
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無間人形 屍蘭 毒猿 |
氷舞 |
[編集] スタッフ
- 演出:石橋冠(全作)、河村毅(氷舞)
- プロデューサー:川村尚敬(無間人形・氷舞)、一柳邦久・西村与志木(毒猿)、
- 製作:大津山潮・浅野加寿子(屍蘭)
- 脚本:今野勉(無間人形・屍蘭)、矢島正雄(毒猿)、吉本昌弘(氷舞)
- 音楽:坂田晃一(氷舞)
[編集] 関連項目
- 新宿の狼 - カプコンがプレイステーション2用に開発していたが発売中止となったゲーム。本シリーズに設定が似ている。
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最終更新 2009年10月16日 (金) 13:26 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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