新旧分離

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新旧分離(しんきゅうぶんり)は、企業が経営破綻した際に、その再建のために行われる方法のひとつである。

[編集] 概要

ある会社が極端な債務超過に陥ったが、会社を潰してしまうと多方面に二次的な大損害をもたらすため、簡単には潰せない状況に置かれたとする。このような場合に、それまでの会社(以下「旧法人」とする。)を債務弁済のみのために存続させ、当該会社が行っていた事業と社名については新たに法人を設立してそこ(以下「新法人」とする。)に引き継がせる。これが、「新旧分離」方式である。商法上においては、「企業分割」と「事業譲渡」に当てはまるが、そのうちで、旧法人の債務整理と新法人による事業の継続をその目的とするものについて、他のケースと区別してこう呼ばれることが多い。

大抵の場合、旧法人は最終的に清算され消滅するが、中には歴史と伝統を守るため旧法人が必死になって債務を弁済し続けたケースもある。

[編集] 新旧分離を行った主な企業

  • 金剛組
    木造による仏教寺院の建設・修復を専門とし、「現存する世界最古の企業」といわれていたが、近代式寺院の建設に手を染めたことをきっかけとして業績が傾き、2006年に経営破綻。高松建設が設立した新法人に業務を引き継ぎ、旧法人は自己破産→破産廃止で消滅した。これにより、「現存する世界最古の企業」は、法師旅館となった。
  • 毎日新聞社
    「株式会社毎日新聞社」(旧法人)は、読売朝日との熾烈な競争などで債務超過に陥ったため、1977年、新法人として「毎日新聞株式会社」が設立された。同年12月1日、旧法人は「株式会社毎日」に社名変更して債務返済に専念、新法人は「株式会社毎日新聞社」に社名変更し、旧法人から事業一切を引き継いだ。8年後に債務返済が一段落したことから、「スポーツ報知報知新聞)と並ぶ現存する日本最古の新聞」の歴史を守るため、旧法人が新法人を吸収し、元に戻った。
  • 中央公論新社
    中央公論社(旧法人)は1990年代に経営危機に陥ったため、読売新聞社(現・読売新聞東京本社)が救済に乗り出し、1999年に読売の全額出資によって新社が設立され、営業を譲り受けた(2002年の読売グループ再編により、読売新聞の発行地域本社3社や読売巨人軍などと共に読売新聞グループ本社の子会社となって現在に至る)。旧中央公論社は1999年2月1日付で「株式会社平成出版」に社名変更、同年8月23日に解散。同年12月27日に特別清算開始。2001年9月1日に清算が終了し、完全消滅した。
  • フォーライフ・レコード
    ヒット曲に恵まれなかったことや有力歌手に移籍されるなどして1990年代後半より経営が悪化。2001年に新会社フォーライフミュージックエンタテイメントを設立し、営業権・総資産・所属アーティストを継承。旧法人は「三宿産業株式会社」に社名変更され2001年12月に特別清算を完了し解散した。
  • 沖縄三越
    三越グループの百貨店。放漫経営や三越と提携していた地元側企業の業績悪化などで債務超過に陥ったため、三越主導で新旧分離が行われ、2004年、新法人の「株式会社沖縄三越」が事業を継承した。同名の旧法人は別の社名に変更され、清算された。
  • 徳間書店
    アサヒ芸能」や「アニメージュ」などで知られる出版社。長年の放漫経営がたたり債務超過に。2005年に旧法人は債務整理会社「株式会社芝ホールディングス」に社名変更され、翌年清算。事業は新法人の「株式会社徳間書店」が引き継いだ。
  • 東京法経学院
    2007年に実施。
  • CROSS FM
    1993年9月1日に開局した福岡県放送対象地域とする超短波放送局「株式会社エフエム九州」(愛称・CROSS FM)は開局当初から赤字状態が続いていた。エフエム九州は2008年5月7日、2007年度決算が6億円の債務超過となることから、自力での経営再建を断念。投資会社「ネクスト・キャピタル・パートナーズ」が受け皿会社となって新法人の「株式会社CROSS FM」が設立され、2008年7月1日午前0時をもって株式会社エフエム九州が行っていた放送事業・放送免許を新法人が引き継いだ。平成新局に於いての新旧分離は当社が初の事例となる。
  • 東急建設
    2003年、不動産事業の債務超過により、旧・東急建設の建設部門を元に、TCホールディングスを設立。旧・東急建設をTCプロパティーズに改称。新・東急建設(旧TCホールディングス)が代わって東証一部に上場。
  • スター・チャンネル
    2008年に実施。
  • 丸井今井
    北海道の老舗百貨店。2005年、一旦は通常の会社分割という形で新旧分離を行ったものの、その新会社も2009年経営破綻。三越伊勢丹ホールディングスが、最初の分割時に最後まで残すと決められた2店舗の受け皿会社を新たに設立し、事業譲渡された。2005年分割時の新旧会社ともども、清算処理の予定。
  • 琴参バス
    香川県西部で路線バス事業を営んでいた琴平参宮電鉄が不動産部門の不振により路線バス部門を琴参バスとして新旧分離。同社の株式を同県東部の同業者である大川自動車が買収する形で譲渡。

[編集] 海外の事例

日本以外の国においては当然根拠となる法令が異なるものの、新旧分離は経営再建の手法として幅広く用いられる。

2009年 アメリカ合衆国では自動車業界の“BIG 3”を形成していたクライスラーゼネラル・モータースが相次いで経営破綻した。再建に係る適用法令は米連邦倒産法第11章であるが、これは日本では民事再生法に相当する法律とされる。同条に基づく再建の過程では、それぞれの会社を債務整理のみを目的とする旧社と、優良事業及びそれを継続させるための資産・人員のみ引き継ぐ新社とに分けることを骨子とする方向で調整が進められている。

最終更新 2009年10月6日 (火) 05:20 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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