新進棋士奨励会
新進棋士奨励会の最新ニュースをまとめて検索!
新進棋士奨励会(しんしんきししょうれいかい)は、日本将棋連盟のプロ棋士養成機関である。一般には単に奨励会(しょうれいかい)と呼ばれることが多い(本項においても以下「奨励会」と記述する)。
また、奨励会の下部組織に相当する研修会(けんしゅうかい)についても本項で解説する。
目次 |
[編集] 概要
奨励会で三段まで上がり、さらに所定の成績を収めると、四段に昇段( = プロ入り)をする(「フリークラス編入試験」という例外を除く)。
奨励会は、関東奨励会と関西奨励会の2つに分かれており、二段まではそれぞれの奨励会の中で対局する。研修会は、関東研修会、関西研修会、東海研修会の3つに分かれている。
対局場は、関東奨励会・関東研修会が将棋会館(東京都渋谷区千駄ヶ谷)、関西奨励会・関西研修会が関西将棋会館(大阪市福島区)で行われる。東海研修会の対局は、名古屋市中区の板谷将棋記念室で行われる。
女流棋士を目指す者にとって「女流育成会」が同様の養成機関として存在したが、2009年3月に廃止され、研修会に統合された。なお、女性が女流棋士を目指すのではなく、奨励会に参加して棋士(現状は男性のみ)を目指すことも当然ながら可能である。ただし、女性が奨励会から四段に昇段し棋士となった例はない。
[編集] 奨励会・研修会・女流棋士の相互関係
[編集] 奨励会と研修会
奨励会への入会は、棋士の推薦を受けて入会試験を受けるのが通常のコースであるが、研修会の研修生が15歳以下の時点でB1からA2に昇級すると、奨励会6級になることができる。その他、成績によっては、奨励会入会試験の一次試験を免除されたり、推薦(師匠)無しで奨励会受験ができたりする優遇措置がある。
[編集] 研修会と女流棋士
女流棋士志望者は、研修会のC1に昇級すると女流3級となる権利を得る。女流3級となってから所定の成績を挙げれば女流2級となり、正式な女流棋士となる。詳細は、女流棋士となる条件 を参照。
[編集] 奨励会と女流棋士
後述の女流棋士への転身 を参照。
[編集] 奨励会への入会資格
[編集] 入会試験
年1回、毎年8月に行われ、受験者同士の対局による一次試験、奨励会員との対局・筆記試験・面接からなる二次試験がある(研修会B1クラス以上で満15歳以下の者、試験開催年に行われた日本将棋連盟主催の小・中学生全国大会優勝者は一次試験は免除される)。受験資格は満19歳以下で四段以上のプロ棋士(日本将棋連盟正会員)から受験の推薦を得た者に限られている。
また、2008年より、満15歳以下で、研修会C1クラス以上または試験開催年に行われた日本将棋連盟主催の小・中学生全国大会ベスト4以上の者は棋士による推薦なしでの受験が可能になった(が、入会後1年以内に師匠となる棋士を決定する必要がある)。
受験の推薦を得るには、アマチュアの大会で優秀な成績を収めたり、プロ棋士などが指導する将棋教室などで実力を認められたりしなければならない。受験可能な最下位である奨励会6級でもアマチュア三~五段程度の実力に相当する(プロとアマで段級位がまったく異なる[1])ため、アマ都道府県の上位(都道府県のレベルにもよるが)に相当する実力が必要である。後に名人となる丸山忠久をもってしても、この試験に2度失敗している。
[編集] 初段受験制度
従来の受験制度(級位受験)とは別に、1997年度より創設された。受験資格は満22歳以下(8月末日)で、アマチュア公式戦全国大会の優勝または準優勝を経験した者で、四段以上のプロ棋士(日本将棋連盟正会員)から受験の推薦を得た者。2005年度に吉田正和朝日アマ名人(当時)がこの制度による最初の受験者(かつ初の合格者)となる。なお吉田は受験時19歳であり、当時の年齢下限(20歳)より下であったが受験が認められた(以降は満22歳以下に変更となっている)。
[編集] 三段編入試験
2007年度より創設。
- 受験資格
過去1年の6つのアマチュア全国大会(アマ竜王、アマ名人、朝日アマ名人、アマ王将、赤旗名人、支部名人)のいずれかの優勝者で、四段以上のプロ棋士(日本将棋連盟正会員)から奨励会受験の推薦を得た者であること。
- 試験方法
- 試験の対局は、4月編入(申込締切前年12月末)の場合は2~3月、10月編入(申込締切6月末)の場合は8~9月の奨励会例会において行われる。
- (受験者を二段扱いとして、)奨励会二段(場合により初段も含む)と最大8局対局し6勝で三段に編入される(なお3敗した時点で不合格となり試験は打ち切りとなる)。
- 三段リーグ編入試験に合格した者は、年齢に関係なく三段リーグに最長2年間(4期)参加できる。
- 三段リーグ在籍中に二段降級となった場合は退会となる。三段リーグの参加資格の勝ち越し延長も認めない。
これまで(2009年後期まで)に4名が受験し、2007年前期の今泉健司が唯一の合格者である。
なお、上記の受験資格がある者は、編入試験は何度でも受けられる。この編入によって三段リーグ入りし、四段になれなかったものも同様である。
[編集] 奨励会規定
奨励会は7級から三段までで構成されている。二段までは、関東・関西にそれぞれ分かれて奨励会員同士で対局を行い、段級位に差がある場合は駒落ちで対局する。規定の成績を収めたときに昇段・昇級することができる。三段は関東・関西合同のリーグ戦で三段同士のみの対戦となり、成績優秀者が四段昇段(プロ入り)となる。
満21歳(2002年度以前の奨励会試験合格者においては満23歳)の誕生日までに初段、満26歳の誕生日を迎える三段リーグ終了までに四段に昇段できなかった者は退会となる。ただし三段リーグで勝ち越しを続ければ満29歳を迎えるリーグ終了まで延長して在籍できる。年齢・勝ち越し条件に関係なく三段リーグに5期(2年半)在籍できる。
[編集] 段級位の昇降
- 6級~1級
- 6連勝、9勝3敗、11勝4敗、13勝5敗、15勝6敗のいずれかの成績を取れば昇級。
- 初段・二段
- 8連勝、12勝4敗、14勝5敗、16勝6敗、18勝7敗のいずれかの成績を取れば昇段。
全ての段級位で2勝8敗以下の成績をおさめると降段点が付き、降段点2つで降級段。 3勝3敗以上の成績をおさめることで降段点を消すことができる。
[編集] 三段リーグ
現在の三段リーグは、1987年度より開始されたものである。
- 東西のいずれかで二段から三段に昇段した奨励会員、および、三段編入試験に合格した者は、三段リーグ(東西の区別がない1つのリーグ)に入る。
- 三段リーグは半年(4月-9月、および、10月-3月)を1つの期(1回)とし、各々18戦ずつを戦う。
- 1回の三段リーグにおける上位2人は四段に昇段し、順位戦C級2組に入る。
- 3位の者には次点が与えられ、1997年以降次点を2度取ったものは、フリークラスの四段に昇段する権利を得る(権利を放棄することもできる)。この権利を行使して四段になったのは伊奈祐介・伊藤真吾・吉田正和の3名。なお、伊奈は後に一定の成績を収め、順位戦C級2組に編入された。一方、佐藤天彦は、この権利を放棄したが、その後2位での昇段を果たしている。
- リーグ戦での勝率が2割5分以下(18戦で4勝以下)であると降段点がつき、次期も続けて降段点を取ると二段へ降段する。
[編集] 記録
- 過去の四段昇段の最高成績は小倉久史、藤原直哉、片上大輔、大平武洋の16勝2敗、最低記録は野月浩貴、西尾明の11勝7敗である。
- 三段リーグを1回で突破したのは、中川大輔・先崎学・小倉久史・屋敷伸之・川上猛・松尾歩の6人である。なお、中川と先崎は第1回三段リーグでの突破であり、三段リーグ制度開始前に中川は三段として7か月、先崎は5か月指している。
[編集] 過去の三段リーグ
- 1956年度から1973年度までは、半年ごとに東西の三段(人数調整あり)による総当たりのリーグ戦が行われ、東西リーグ1位の者による東西決戦で昇段者を決定していた。
前期の東西決戦敗者がリーグ1位となった場合、東西決戦は行われず両者ともに昇段となった。
この三段リーグは、「予備クラス」(1956~1961年度)、「奨励会A組」(1962~1973年度)と呼ばれた。
後に三段リーグが復活するまでの1974年度から1986年度までは三段リーグがなく、二段以下と同じような昇段規定(9連勝または良いとこ取りで13勝4敗で四段昇段)であった。
なお、四段以上(プロ)が順位戦C級2組から降級した場合に、奨励会三段と同様に旧・三段リーグや東西奨励会で指すことがあった。[2]
[編集] 女流棋士への転身
女性が2級以上に在籍していた場合は、退会と同時にその時点の段級位で女流棋士になることが可能。2008年8月現在、この制度を利用したのは岩根忍のみ(奨励会1級→女流1級)。
[編集] アマチュア復帰規定
1992年4月からの退会者より、奨励会員及び指導棋士だった者がアマチュア棋戦に参加(アマチュア復帰)することに関して、規定が設けられている。
2006年3月31日までの規定では、初段以上で奨励会を退会した者は、2年間日本将棋連盟主催・共催等のアマチュア棋戦に参加できない。級位のものは1年間参加できない。
2006年4月1日改定の規定では、初段以上で奨励会を退会した者は、1年間日本将棋連盟主催・共催等のアマチュア棋戦に参加できない。
[編集] 研修会
研修会は日本将棋連盟が将棋を通じて健全な少年少女の育成を目指すことを目的として運営している組織である。関東、関西、東海の3地区それぞれ、毎月2回の例会(対局)が行われる。
奨励会の下部組織と言われることがあるが、奨励会入会が基本的に19歳未満を年齢制限とし最低でアマ三・四段以上の実力を要件としているのに比べると大幅にゆるく、20歳までの在籍を認めるなど、必ずしもプロ棋士の養成を目的としない点で大きく異なる。
研修会のクラスは、A、B1、B2、C1、C2、D1、D2、E1、E2、F1、F2、Gという構成である。
昇級規定は、下記の通りである。
- A、Bクラスへ - 8連勝・12勝4敗・14勝5敗・16勝6敗・18勝7敗
- C、D、Eクラスへ - 6連勝・9勝3敗・11勝4敗・13勝5敗・15勝6敗
- Fクラスへ - 3勝3敗
会費は月謝制となっており、2008年現在の月謝は12000円(東海地区は10000円、女子は6000円)とされている。
2009年度からは女流育成会と統合。女流棋士志望者に対しては一部異なる規定がある。
[編集] 研修会への入会資格
20歳以下のアマチュア有段者の少年少女。
あくまで教育を目的とした組織なので、奨励会と異なり、プロを目指すことは条件とされない。また、奨励会員と異なり、アマチュアの棋戦への参加も自由である。例会では、研修会生同士だけでなく、奨励会員やアマ強豪、プロ棋士との対局(もちろん駒落ち)も行われる。
女流棋士希望者は29歳以下の女性。ただし、25歳以上の場合はD1以上に合格しなければならない。また、師匠も決定しておく必要がある。
入会にあたっては試験が行われ、その結果に基づいて各クラスへの所属が決定する。試験料は2万円。なお、最も下位のクラスであるF級でもアマ初段程度の実力が必要[3]である。
[編集] 脚注
- ^ 将棋について-4・段と級 に、プロとアマの段位についての比較が書かれている。
- ^ 現在では、C級2組から降級した場合、三段リーグではなく「フリークラス」に編入される。
- ^ 研修会について:日本将棋連盟(2008年10月13日閲覧)に記載あり。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
最終更新 2009年11月26日 (木) 13:34 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【新進棋士奨励会】変更履歴


