新選組血風録

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新選組血風録(しんせんぐみけっぷうろく)は幕末新選組を題材とした小説家司馬遼太郎の連作短編集および、これを原作とした日本映画テレビドラマである。

目次

[編集] 短編集『新選組血風録』

1962年に新選組副長土方歳三を主人公とした長編『燃えよ剣』を発表した司馬遼太郎は、同年5月から12月に「小説中央公論」で新選組を題材とした15編の短編を連載した。これが短編集『新選組血風録』としてまとめられた。

各話ごとに異なる実在と架空の隊士が主人公となり、主に土方歳三と沖田総司がストーリーの主要登場人物となり構成されている。局長の近藤勇も多く登場するが土方、沖田に比べるとやや脇役的存在となっている。隊士の中では斎藤一山崎烝も登場回数が多い。

司馬が最も脂が乗っていた時期の作品で巧みな文章とストーリー構成、キャラクター造形で高い評価を受け、新撰組物の定番小説として非常に長い間版を重ねて現在に至るまで書店に並び愛読されている。

読者が多く影響力が強いために、この作品がそのまま史実の新選組と受け取る読者も少なくないが、これはあくまでも大衆小説であり、小説とするために史実を意図的に変えているもの(例:「池田屋異聞」山崎烝の先祖が奥野将監という事実は存在しない)や、根本的に架空のストーリーも含まれている(例:「前髪の惣三郎」加納惣三郎という隊士の逸話は残っているが、実在が確認できず、逸話も男色の話ではない)。

近藤、土方、沖田、斎藤、井上などの人物像もあくまでも小説の登場人物としての性格設定である。

[編集] あらすじ


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


  • 「芹沢鴨の暗殺」
    新選組結成初期の筆頭局長芹沢鴨の数々の乱行。そして芹沢が近藤勇、土方歳三、沖田総司ら試衛館派によって暗殺される顛末を主に土方の視点で描いている。芹沢は粗暴だがある種の魅力のある(可愛げのある)人物として描かれている。
  • 「長州の間者」
    浪人深町新作は京娘と恋仲になり、長州に仕官するために間者として新選組に入隊。間者として利用されるだけの己の立場の小ささに苦しみ、やがて新選組隊士たちに取り囲まれる中で同じ長州の間者と対決させられ粛清されるまでの間者の悲哀と残酷を描く。
  • 「池田屋異聞」
    大坂の町道場に通っていた針師の次男山崎烝は赤穂浪士の子孫大高忠兵衛と関わり遺恨を持ち、そこから自分が赤穂浪士から脱落した“不忠臣”奥野将監の子孫と知ることになる。やがて新選組の監察となった山崎は池田屋事件で再び大高忠兵衛と相まみえる。
  • 「鴨川銭取橋」
    甲州流軍学を修め新選組の軍学師範となっていた武田観柳斎はおべっか使いの卑小な男だった。土方の巧妙な策略によって武田が裏切りに走り、そして粛清されるまでを描く。
  • 「虎徹」
    浪士組に加盟した江戸の町道場の主近藤勇は支度金20両で名刀虎徹を欲した。虎徹が20両で買える訳もなく刀屋は贋物を近藤に売る。近藤はまったく気付かず京に上り、やがて新選組を結成し偽虎徹をふるって活躍する。己の信念にもとづき偽物を本物に、本物を偽物にしてしまう近藤の性格を描いている。
  • 「前髪の惣三郎」
    美男の新入隊士加納惣三郎は同期の田代彪蔵に男色の世界へ引き込まれた。やがて男色を巡って隊内で騒動が引き起こり、加納が土方と沖田に粛清されるまでを描く。大島渚監督の映画「御法度」の原作になった。
  • 「胡沙笛を吹く武士」
    奥州浪人鹿内薫は寡黙だが勇敢な武士だった。鹿内は京娘と恋仲になり所帯を持つが、やがて妻子恋しさに命を惜しむようになり、ついに局中法度の第一の罪「士道不覚悟」と看做される。新選組において士道不覚悟の運命は死だった。
  • 「三条磧乱刃」
    新入隊士国枝大二郎は六番組組長井上源三郎と出会い、その好々爺然とした人柄に惹かれた。井上はそれほど剣の腕は立たないが、近藤、土方、沖田と同じ多摩出身の試衛館の門人で彼らと強い連帯を持っていた。尊攘浪士に剣術を謗られた事件をきっかけに井上と国枝は二人だけで浪人たちの根城へ切り込みをかける。大島渚監督の映画「御法度」の中に、このストーリーが盛り込まれている。
  • 「海仙寺党異聞」
    長坂小十郎は同郷の中倉主膳の紹介で入隊した。その中倉は情婦の密通相手に切られて醜態をさらし士道不覚悟として切腹させられる。行きがかり上、長坂はさほど親しくもなかった中倉の仇を討たねばならない羽目に陥る。
  • 「沖田総司の恋」
    池田屋で大量の血を吐いた沖田総司は会津藩の紹介で京の名医を訪ねる。労咳結核)だった。沖田は町医者の娘に淡い恋心を抱く。新選組の京での立場を知る沖田はその娘と会うだけで良かったが、沖田と同郷の強い連帯感を持つ近藤と土方は、その娘を沖田の嫁にしようと勝手に動き始めてしまう。
  • 「槍は宝蔵院流」
    斎藤一はほんのささいなことから宝蔵院流槍術師谷三十郎と関わりをもった。谷は新選組に入隊して幹部に迎えられる。腕が立ち、家柄もいい谷は実弟を近藤の養子にして隊内で大変な権勢を持つが、斎藤だけは苦手だった。やがて谷の立場が凋落し、粛清されるまでを斎藤の視点で描く。
  • 「弥兵衛奮迅」
    薩摩郷士富山弥兵衛は喧嘩が元で芸州藩士を切ってしまう。薩摩藩にいられなくなった富山は伊東甲子太郎の仲介で新選組に入隊する。土方は薩摩藩の間者ではないかと警戒するものの、素朴で愛嬌のある富山がとても間者とは思えず、警戒を解いてしまう。だが、富山こそ天稟の間者だった。
  • 「四斤山砲」
    永倉新八の子供の頃の師匠筋を名乗る大林兵庫という浪人が屯所を訪ねてきた。永倉はまったく覚えがないが、大林にあれこれ言われて、そういうものかと信じてしまう。砲術を修めたと言う大林は永倉の縁者ということもあって砲術頭に抜擢されるが、それまで砲術頭だった阿部十郎の立場がなくなってしままった。阿部は大林の砲術が紛いものだと見抜いていた。阿部は大林に侮辱を受けたことから伊東一派とともに脱退。やがて、阿部は鳥羽伏見の戦いで薩摩藩の砲兵隊に加わり、新選組の大林の大砲と対決する。
  • 「菊一文字」 
    刀を研ぎに出した沖田総司は刀屋から代わりの刀を貸される。鎌倉期の名刀菊一文字だった。その帰りに沖田は陸援隊士戸沢鷲郎に襲われるが、刀を抜かずに逃げてしまう。沖田の人柄に惚れた刀屋が菊一文字をただで譲るが、やはり沖田は使おうとはしなかった。労咳のために自分の命が僅かだと気付いていた沖田は数百年永らえた菊一文字で人を切る気がしなかった。だが、沖田の部下が戸沢に切られてしまう。沖田は菊一文字で戸沢を切る決意をする。

以上で物語・作品・登場人物に関する核心部分の記述は終わりです。


[編集] 映画『新選組血風録 近藤勇』(1963年)

主演市川右太衛門。原作と異なり近藤勇が主人公となっている。詳細は新選組血風録 近藤勇を参照。

[編集] テレビドラマ『新選組血風録』(1965年-1966年)

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司馬遼太郎の短編集を原作にNET(日本教育テレビ、テレビ朝日の旧称)系でテレビドラマ化。1965年7月11日から1966年1月2日まで全26話放送のモノクロ作品。

非常に高い完成度の作品と評価され、根強いファンが多く1960年代のモノクロ作品であるにも関わらず全話ビデオ化され、またDVD化もされている。俳優は東映所属の俳優だけではなく、劇団くるみ座東京芸術座などから起用している。特に土方歳三を演じた栗塚旭と沖田総司を演じた島田順司と斉藤一を演じた左右田一平は文字通りのはまり役になった。彼ら三人のコンビが俺は用心棒シリーズとして1967年からシリーズ化された。また、有志のファンによる上映会も1979年から20年近くにわたって続けられていた。ゲストには当時のスタッフ・俳優が参加していた。 司馬の原作小説以外にオリジナル作品も含まれ、原作にはない新選組の没落と近藤の死もあり、最終回は箱館戦争での土方の死となっており、『燃えよ剣』の要素もある。それら、オリジナル脚本は結束信二によるもので、リリカルな描写が目立つ。なお、男色を題材とした「前髪の惣三郎」は当時は同性愛の話をテレビドラマで扱うことは難しく制作されていない。 このドラマが好評だったため1970年にほぼ同じスタッフと主要キャストで土方歳三を主人公とした『燃えよ剣』が制作されている。また栗塚主演の時代劇『俺は用心棒』では島田は沖田総司を演じている。島田は後にドラマの体験談を語った「わが青春の沖田総司」(1977年新人物往来社)を著わしている。

[編集] エピソード

  • 当初、司馬遼太郎は東映によるTVドラマ化に難色を示していた。理由は東映が映画化した同作品の改変に不満を持っていたためだった。それを説得するためにプロデューサーの上月信二が土方歳三に扮した栗塚旭と共に司馬に挨拶に行き、それを見た司馬が「土方そっくりや!」と絶賛し、ドラマ化が決定した。
  • 2004年大河ドラマ新選組!』はこの作品へのオマージュとして、栗塚は土方歳三(山本耕史)の兄の土方為次郎役で、島田は病に倒れた沖田総司(藤原竜也)を匿う植木屋平五郎役でそれぞれ出演している。
  • 第1話の池田屋の回の撮影は同年の2月から撮影されており、真夏のシーンのはずの池田屋のシーンが出演者の吐く息が白くなっている。また、池田屋はセットではなく、取り壊す予定の建物を使用しており、迫力のあるシーンとなっている。

[編集] 登場人物

[編集] 放映リスト(サブタイトル・主なゲスト・各話あらすじ)

話数 題名 出演(主なゲスト) 各話あらすじ
1 虎徹という名の剣 おみね:丘さとみ・弥左ヱ門:嵐寛寿郎 新撰組池田屋に斬りこみをかけた。近藤勇虎徹をふるって獅子奮迅の活躍をみせる。しかし、その刀は上洛前に貧しい浪人の娘おみねから買い取ったものだった。土方歳三はそれを偽物と見抜くが、虎徹と信じ切っている近藤のために黙っている。のちにおみねが本物の虎徹を持って訪ねてくるが・・・
2 誠の旗 芹沢鴨遠藤辰雄(現・太津朗)新見錦:飯沼慧・お栄:伊吹友木子 発足まもない新撰組は近藤派と芹沢鴨派に分かれて対立していた。土方は、隊の象徴となる旗には「誠」という字を使おうと思っていた。彼の情熱にうたれた染物屋の女主人お栄は精魂こめて誠の旗を作る。いっぽう局中法度でしばられた芹沢たちは面白くない。そこで揺さぶりをかけようとお栄に目をつけた・・・
3 昏い炎 芹沢鴨:遠藤辰雄(現・太津朗)・お浜:三田登喜子 芹沢鴨たちの乱行は目にあまるものがあった。このままでは新撰組の評判は悪くなるばかりだ。そんな中京都守護職から呼びだされて釘をさされた土方と近藤はついに決意する。雨の夜、土方たちは芹沢の寝所に向かった・・・
4 胡沙笛を吹く武士 鹿内薫:牧田正嗣・小つる:高森和子 素朴で腕も立つ田舎出丸出しの隊士鹿内薫に女が出来た。夫婦になるには手柄をたてて役付きになるしかない。原田左之助は彼に出世の機会を作ってやろうと危険な任務を与えた。しかし、土方はそれに反対した。はたして、その危惧は的中する・・・
5 海仙寺党全滅 中倉主膳:夏目俊二・お小夜:三島ゆり子 斎藤一は自分と昔なじみだという中倉主膳に乞われるまま、入隊の労をとってやる。その中倉が水戸の過激派・海仙寺党に後ろから斬られて死んだ。斎藤は中倉の仇討ちと自らの名誉のため、海仙寺党にたった一人で斬り込む・・・
6 鴨千鳥 おみね:丘さとみ・桂小五郎名和宏 ある夜、大勢の浪士に襲われた土方は、おみねの機転で危機を脱した。しかしそれが原因で、おみねは仕事をなくしてしまう。消息をたったおみねを案じる土方と、愛するがゆえに土方を訪ねていかないおみね。不器用な男と女が織りなす淡い恋は・・・
7 菊一文字 お悠:鈴村由美・日野助次郎:野々村潔 沖田総司労咳肺結核)だった。隊士の日野の紹介で医者に診てもらったが、長くはない命と診断される。そんなとき沖田は名刀菊一文字を手に入れる。しかし、七百年を生きてきたこの刀に対する沖田の思い入れが悲劇を呼んだ。日野が浪士に斬られたのだ・・・
8 長州の間者 深町新作:片山明彦・おその:八木昌子 深町新作は竹生島詣での道中で京女おそのと出会い恋におちる。が、浪人の身では結婚は出来ない。そんな彼に長州桂小五郎が新撰組に入隊して情報を流してほしいと依頼してきた。深町はおそのと一緒になりたい一心で間者をひきうける・・・
9 池田屋騒動異聞 大高忠兵衛:小川孝・小春:三原有美子 山崎蒸は町人だったが道場に通い、目録の腕前だった。あるとき、道場にやってきた赤穂義士の子孫である大高忠兵衛に、先祖のことで侮辱を受ける。後年、新撰組に入隊した山崎は、探索していた池田屋で憎き大高と再会した・・・
10 刺客 大石鍬次郎林彰太郎・お清:御影京子 御所に出入りのある絵師の冷泉為恭は、公家から得た情報を所司代に売り渡していた。そのため倒幕浪士から命を狙われている。冷泉の警護に新撰組の大石鍬次郎があたった。土方は大石に、守りをかためるより、刺客を迎えうつ方法を考えろという・・・
11 槍は宝蔵院流 谷三十郎:川副博敏・大石鍬次郎林彰太郎 七番隊をひきいる谷三十郎は、宝蔵院流の槍名手だった。あるとき土方は、座興に谷と斎藤に模範試合をさせるが、決着がつかない。そんな二人の隊が大坂出張を命ぜられた。到着早々、七番隊が浪士に襲われて全滅し、口のうまい谷の主張が通って斎藤が責任をとらされる。土方は斎藤の名誉回復のため、谷との試合の続きをさせる・・・
12 紅花緒 高田清作:橋爪功・お加代:土田早苗 履物屋の清作は武士になりたい一心で新撰組の入隊試験を受けた。はじめは不採用と言われたが、沖田が清作の店で姉に贈る下駄を買ったという縁でめでたく隊士となる。のちに清作は、隊の公金を狙った賊と戦いもせず逃げだし、士道不覚悟で処断される。土方は偶然履物求めに入った店で清作の妹に会う・・・
13 強襲十津川屋敷 千葉大輔:和田一壮・三浦一誠:加賀邦男 十津川郷士は熱狂的な勤皇思想の持ち主で、名をあげるべく京の十津川屋敷と称される家にたむろしていた。若い千葉大輔もそんな一人で、上洛早々長州藩からある密命を受ける。一方、十津川郷士に部下を斬られた藤堂平助は、郷士を一網打尽にしたいと思っていた。また、沖田も所司代からある仕事を頼まれる。そして新撰組が屋敷を襲撃する機会がおとずれた・・・
14 狂った盃 佐野久次郎:飛騨昇・雪江:宇梶由利子 京で顔の広い隊士・佐野久次郎は山南敬助に内密に頼まれ、本願寺坊官との会合を斡旋してやる。その帰り道、酒乱の気のある佐野は酔った勢いで罪もない浪人を斬ってしまう。悔やんだ佐野は、自分のやったことは伏せて浪人の妻に尽くすが、次第に彼女に心をひかれてゆく。が、町方の知らせで佐野の行いが土方の耳に入った。問いただす土方に、酔っていた佐野は斬りかかる・・・
15 脱走 伊東甲子太郎:原田甲子郎・お悠:鈴村由美・半井玄節:原健策 北辰一刀流の剣客・伊東甲子太郎が弟子たちを連れて新撰組に入隊した。同門の山南敬助は共に国事を尽くそうと言われる。隊の方針に疑問を抱いていた山南だったが、伊東にも共感できなかった。そんなとき山南は沖田が不治の病であることを知る。その夜、山南は隊を抜けた。彼を追ってきたのは沖田だった。追っ手が来たら斬ろうと思っていた山南だったが、彼は静かに剣を置くのだった・・・
16 襲撃木屋町二条 牧兵馬:富川澈夫・大石鍬次郎:林彰太郎 新しく隊士を募るために、井上源三郎は八方に足を運んでいた。そうして集めた中に若い牧兵馬がいた。間もなく実践の訓練で戦いに参加した兵馬は、瀕死の敵にとどめをさすことを拒み、謹慎処分を受ける。井上は兵馬に名誉回復の機会を与えようと、木屋町二条にひそむ浪士の襲撃に加えた。襲撃の中、浪士たちは鉄砲を撃ちかけてきた。功をあせった兵馬は、その弾の中に飛び出してゆく…
17 鴨川銭取橋 武田観柳斎:陶隆・おそめ:富永佳代子・中村半次郎:高木均 長沼流軍学を修めた武田観柳斎は、隊で兵法指南にあたっていたが、幕府がフランス式訓練をとりいれたため焦っていた。そんな時、平隊士の一人が斬殺される事件がおきた。調べていくうち、武田の名前が出た。どうやら薩摩藩と内通しているらしいが証拠がない。そこで土方が一計を案じ、罠にかかった武田は慌てて行動を起こす。しかし、沖田と斎藤に、銭取橋まで追いつめられる・・・
18 油小路の決闘 伊東甲子太郎:原田甲子郎・篠原泰之進穂高稔 伊東甲子太郎の親友・篠原泰之進は明るく磊落な性格で隊内でも人気があった。伊東は、篠原が承知すれば新撰組を離れたいと思っていた。そんな時篠原が局中法度違反を犯し、ついに伊東一派は隊から分離する。倒幕派となった伊東を新撰組は暗殺し、遺体を油小路に運び、伊東一派をおびきよせるが、駆け付けた中には試衛館以来の同士藤堂平助もいた。皆は藤堂を逃がそうとするが、土方の剣はそれを許さなかった・・・
19 あかね空 おしづ:岩村百合子・親方:小田部通麿 幕府薩長軍との戦が目前にせまっていた。そんなとき、斎藤一はみなしごの少女おしづと知り合う。新撰組や会津は、戦の最前線となる伏見に移ることになった。隊士たちは移動と身辺整理で忙しい。斎藤はおしづに養い親をみつけてやった。それが斎藤なりの身辺整理だった。が、おしづは斎藤のあとを追いかけ行き倒れてしまう。しかし、斎藤は嘆かなかった。どうせあの世ですぐに会えるから、と・・・
20 その前夜 おとよ:高橋漣・林権助:森野五郎・産婆:岸元幸子 伏見奉行所に陣をしいた新撰組だったが、近藤が狙撃されて重傷を負い、病の重くなった沖田とともに大坂城に退いた。隊の指揮を任された土方のところに原田が来て、京都に残してきた女が産気づいたから会いに行きたいと頼みに来る。土方は市中偵察の名目で原田を行かせてやる。ついに戦が始まった。そんな砲煙弾雨の中、子どもの生まれるのを見届け伏見に駆け戻ってくる原田の姿があった・・・
21 夕陽の果て 宮田健吉:林浩久・その姉八重:高須賀夫至子・母:山辺潤子 鳥羽伏見の戦いは、近代的な武器を備えた薩長軍の圧勝だった。新撰組も井上源三郎が戦死し、山崎蒸が重傷を負った。幕府軍は大坂城におちることになった。永倉新八は、大怪我で動けない若い隊士・宮田健吉を実家に送り届けるため、京に戻る。薩長兵がうろつく中、無事に宮田を母と姉の手に渡すが、宮田は手当てのかいもなく息をひきとる。引き返してきた永倉だったが、母と姉も一足違いで敵の手にかかってしまう・・・
22 海鳴りが呼ぶ 久江:小川知子松本良順:保科三良 大坂の幕府軍は江戸にひきあげることになった。土方は重症の山崎蒸をおいていこうとするが、山崎の「誠の旗のもとで死にたい」という願いをききいれ、連れていくことにする。出発の直前、山崎の看病にあたっていた許婚の久江が、自分を今、山崎の妻にしてほしいと言う。近藤を仲人に二人は祝言を挙げ、新撰組を乗せた船は大坂を出た。しかし、山崎は船中で息絶え水葬され、残された久江は・・・
23 江戸の月 つね:岩本多代・芳賀宣通:冨田浩太郎 新撰組は江戸に帰り着いた。近藤は妻の看病で傷を癒し、原田・永倉は江戸の旧友に会い、土方は新撰組再建のため奔走する。彼らは甲府城を守るよう命令され「甲陽鎮撫隊」として甲州に向かうが、ここでも官軍との戦に敗れ敗走する。原田と永倉は新撰組の名を捨て、旗本たちと一緒に戦おうと近藤たちを誘うが、近藤は席を蹴って立つ。月明かりの中、近藤の傍らに立つのは土方だけだった。しかしそこに斎藤があらわれ・・・
24 風去りぬ みつ:市川和子・平五郎:中村是好・その妻松赤木春恵 江戸に戻った沖田は千駄ヶ谷の植木屋の離れで養生していたが、姉のお光がつくってくれる御馳走も喉を通らないほど体が弱ってしまっていた。時々仲間がやってきては沖田を励ましてくれるが、誰も来ないときは沖田は一人、吹いてくる風と馴染みになっていった。いよいよ情勢が緊迫し、お光さえも旅立っていく。官軍が江戸に入ったその日、土方が沖田を訪ねてきた。そして土方も去り、風も去っていってしまった・・・
25 流山 つね:岩本多代・のぶ:岩島道枝・原市太郎:宮土尚治 近藤と土方、斎藤は若い兵を集めて会津に連れて行こうと、下総流山に仮陣営をしいていた。そのころ日野では土方の姉たちが官軍に捕われ、新撰組の行き先を言うよう責められていた。そんな中、ついに流山は官軍に取り囲まれる。土方は戦おうとするが、近藤は出頭すると言い出す。流山を戦火にさらし、若者たちをいたずらに死なせたくはないとの思いからだった。つねからおくらてきた手縫いの着物に着替えた近藤は、土方の呼ぶ声を背に一人去って行った・・・
26 燃える生命 光枝:森光子(特別出演)・榎本武揚成瀬昌彦 土方は旧幕軍の榎本武揚達と箱舘の五稜郭にいた。陸軍奉行並であったが、軍議などには参加せず、ただ、新政府軍との決着をつける日を待っているのみだった。ある日、箱館の遊郭京都の女がいると聞いて、不審をもった土方は訪ねてみた。なんと女は土方を仇と狙う山南敬助の恋人光枝だった。土方はその場は名のらずの去る。そんな中、ついに総攻撃の日が来た。土方は女に名を明かし、命を大事にしろと告げて、戦火の中に去っていく・・・

[編集] テレビドラマ『新選組血風録』(1998年)

テレビ朝日開局40周年記念ドラマとして1998年10月から12月に毎週木曜日、20時から放送。全10話。主演は渡哲也

渡哲也が演じる近藤勇が主人公でストーリー構成の中心のために、土方と沖田がストーリーの中心だった原作とは雰囲気が違う。近藤の人物像も文武ともに完璧な聖人君子になりすぎ、大器だが間の抜けたところや俗物的なところのある原作の近藤とはかなり異なる。

数え35歳(満33歳)で死んだ近藤勇を当時57歳だった渡が演じたことを批判されることがあるが、実際には近藤役は大河ドラマ『新選組!』の香取慎吾(27歳)のような実年齢に近い俳優よりも、貫禄のある40代、50代の俳優が演じることの方が多い。

初回は二時間スペシャルで池田屋事件(ただし山崎烝の出自にまつわるエピソードではない)。原作からは「芹沢鴨の暗殺」「沖田総司の恋」「鴨川銭取橋」「長州の間者」「油小路の決闘」などがドラマ化された。芹沢鴨は主題歌を担当するミュージシャンの松山千春が演じている。男色を扱った「前髪の惣三郎」もドラマ化された。最終回は年末の12月30日に2時間30分拡大スペシャルで放送されたが、ドラマとしては条件が良くない昼間の放送だった。最終回の時間の半分は総集編で、最後のエピソードは沖田の死を暗示する「菊一文字」。新選組の没落と近藤、土方の死まで描かれたが、この部分は非常に駆け足で5分程度だった。

上記の1965年版が傑作と評価されているためか、本作はあまり高くは評価されておらず、話題となることも少ない。ビデオ化、DVD化はされていないが、衛星放送などで再放送されることがある。

[編集] キャスト

[編集] 主題歌

「さよなら」唄:松山千春

[編集] 外部リンク

[編集] 関連作品

[編集] 参考文献

  • 「テレビ映画 新選組血風録の世界」黒須 洋子 (著)

テレビ映画「新選組血風録」は、30年以上経ても、まだ人気がある。それは なぜなのか、全26話を紹介しながら、スタッフ・キャストインタビューを載せる。

[編集] 関連項目

テレビ朝日 木曜20時台
前番組 番組名 次番組
びんぼう同心御用帳
新選組血風録(1998年版)
(1998.10 - 1998.12)
※ここまで木曜時代劇
京都迷宮案内(第1シリーズ)
※ここから木曜ミステリー
東映チャンネル 名作ドラマアワー(時代劇枠)
前番組 番組名 次番組
藤沢周平の用心棒日月抄
新撰組血風録(1998年)
素浪人 月影兵庫(第1シリーズ 第2シリーズ)

最終更新 2009年11月13日 (金) 11:41 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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