方言周圏論
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方言周圏論(ほうげんしゅうけんろん)は、方言分布の解釈の原則仮説の一つ。方言周圏説とも。
方言の語や音などの要素が文化的中心地から同心円状に分布する場合、内側から外側へ順次変化したと推定するもの。柳田國男が自著『蝸牛考』(かぎゅうこう、刀江書院、1930年)において提唱し[1]、命名した。
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[編集] 概要
「蝸牛」を指す方言が、近畿地方では「デデムシ」、中部地方や四国で「マイマイ」、関東地方や四国で「カタツムリ」、東北地方と九州の一部で「ツブリ」、東北地方北部と九州西部では「ナメクジ」と、近畿地方を中心として同じ方言が同心円状に分布することを発見した。そこで、かつて文化的中心地であったとされる京都では古い順から、ナメクジ、ツブリ、カタツムリ、マイマイ、デデムシのように変化したことから、その時系列と比例して東西南北へ放射状に拡がったものと推定した。
しかし金田一春彦による「方言孤立変遷論」や、長尾勇による「多元的発生論」など、方言周圏論は部分的にしか認められないという批判もある。また1930年版に付された分布地図も1943年創元社版では省略され、「発見などというほどの物々しいものでも何んでもない」「今頃あのようなありふれた法則を、わざわざ証明しなければならぬ必要などがどこにあろうか」と述べている。しかし現在でも方言学や言語地理学では基本的な仮説の一つとなっている。
[編集] 日本での例
『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送)の番組内での調査により、「馬鹿」「阿呆」などに相当する表現の方言の分布状況がやはり同心円状に広がっていることが判明しており(詳細は馬鹿#方言と分布状況を参照)、その詳細は同番組のプロデューサーである松本修により「全国アホ・バカ分布考 はるかなる言葉の旅路」(太田出版、後に新潮文庫)としてまとめられている。
[編集] 日本国外の例
ヨハネス・シュミットが1872年に提唱した「波状伝播説(波紋説)」と類似した考え方であるが、ジュネーブ大学で言語地理学の講義を聞いたことを後年W. A. グロータースに語ったという。しかしシュミット説は新古の解釈では逆であり、周辺に波紋が広がるにつれて元来の姿を失っていくというものである。
[編集] 参考文献
- 真田信治「解説」『柳田國男全集19』 - ちくま文庫、1990年
- 『言語学大辞典第6巻術語編』 - 三省堂、1996年
[編集] 脚注
- ^ 初出は『人類学雑誌』1927年。但し「方言周圏論」の語は1930年版から。
[編集] 関連項目
最終更新 2009年11月3日 (火) 08:46 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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