旅館

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旅館(りょかん)とは、宿泊料を受けて人を宿泊させるための、和式の構造及び設備を主とする宿泊施設のことである。営業については旅館業法に規定されている。

温泉地の旅館の例

旅館の種類には、観光利用や行楽利用主体の温泉旅館や観光旅館、割烹旅館(料理旅館)などのほか、都市部にあるビジネス修学旅行利用主体の商人宿(駅前旅館など)がある。一般には中~大規模の施設から個人・家族的な小規模で行われているものまである。このうち、個人の住宅と同じような構造のものや、宿主が他の産業を主体とした兼業の場合は、民宿と名乗ることがある。

ただし、旅館、民宿、ホテルペンションなどの名称の設定は経営者に委ねられる為、実際には各個のイメージ戦略などから規模の大小、経営形態に関わらず自由に名乗っているのが実情でもある。この為、これらの線引きはかなり曖昧になっている。


目次

[編集] 旅館と旅館業の違い

旅館のロビーの例

旅館業法では、旅館業としてホテル営業、旅館営業、簡易宿所営業、下宿営業の4種が定められている。単に旅館と言う場合には、このうちの旅館営業を行う施設のことを指す。

[編集] 特徴

要件ではなく、例外もある。

客室が和室であり一部屋二人以上の設定

商人宿と呼ばれる比較的低価格のビジネス利用主体の旅館(いわゆるビジネス旅館)では、古くから1人1部屋利用が比較的多いが、観光旅館や温泉旅館では(とくに高級旅館の場合)、1部屋を2人以上で利用することを前提とした運営となっているところが多く、1人での宿泊を認めない場合も多い。


一方、ホテルの場合1人で利用する客も多く、シングルルームの利用やツインルームの空室をシングルユースすることもある。

客室の座卓には茶筒に入った茶葉急須湯呑茶碗の上または座卓上に湯の入った電気ポットまたは魔法瓶が用意され、利用者がを入れて飲むことができる。茶筒・急須・湯呑茶碗は茶櫃に収納されている。さらには菓子も座卓上に用意されている場合が多い。同様のサービスは民宿でも行なっているところがある。

和室の宴会場がある

団体客の場合、夕食の宴会はつき物といえる。

共同浴室中心
露天風呂付き客室の例

最近では、高級旅館を中心に部屋風呂やの普及が進み、露天風呂付きの客室を売り物にする旅館もみられるようになってきた。ただ、温泉旅館の場合、源泉から供給される湯量に制限があり、客室付きの露天風呂が実際に「源泉かけ流し」であるかは確認が必要である。また、歴史の古い木造旅館では部屋風呂の設置が構造上困難な場合もある。

部屋着として浴衣の使用

旅館では一般に、利用者に貸し出す浴衣を客室内に用意している(ただし、商人宿では浴衣を用意していないところも少なくない)。

廊下や宴会場など、館内で着用可であるのはもちろん、温泉街では浴衣で外出することも可能。かつては宿に内風呂が無く、入浴には共同浴場に通うような湯治場もあり、温泉街では一般的にみられる傾向である。また現在では旅館のPRにもなるうえ、温泉地の湯の町情緒の向上にも一役買っている。一歩部屋を出るにも外出に相応しい服装であることを要求されるホテルとは異なる点である。

温泉街の旅館では、浴衣を着て外出する宿泊客のために、下駄和傘も貸し出している。

接客

接客係は、部屋への案内のほか、布団の上げ下げや食事の提供などを客室で行う。その際には客の要望を聞き注文を受けるなど、きめ細かいサービスを行うのが特徴である。旅館の女性管理者である、女将(おかみ)が客へのサービスや営業上重要な役割を担っている場合が多い。ただ、これは地域によって流儀が異なる。大概女将は、経営者の妻または女性経営者である。接客の際は和装であるのが通例である。また、高級旅館あるいは伝統を重んじる方針の旅館では、女性接客係である仲居(なかい)が各部屋での接客を担当する。服装は女将同様に和装であることが多い。

一泊二食付きの料金設定

前述のとおり客室が和室であるが、通常は宿泊料金が食事代込みとなっており、多くは夕食・朝食ともに込み(一泊二食付き)の設定となっている。これに対しホテルの場合、食事の有無は選択できることが多い。しかし、素泊まり(食事なし)や夕食のみ、朝食のみでの宿泊を認めている旅館もある。ビジネス客主体の商人宿(駅前旅館など)、今日のビジネス旅館では食事なしの「素泊まり」又は朝食のみの設定のことも多い。

食事の選択権がない

以前は食事の選択権がなかったが、これは評判が必ずしもよくない。

最近では、食事は数種類のプランが用意されて、宿泊客が選択できる旅館もある。料理旅館のみならず、観光旅館や温泉旅館でも、郷土料理や地元名産の食材を用いた料理など、食事の質の高さをセールスポイントとしている旅館が多い。

食事の量が多すぎて女性高齢者など小食の人が食べきれないという問題もあり、そのような宿泊客への配慮から、かつてに比べて食事の量が少なめになっており、また、量を少なめにしながら質を向上させているところが増えている。

なお、食事は館内の大広間や食堂で供するところもあるが、仲居が客室内まで運んでで供する、いわゆる「部屋食(へやしょく)」が一般的である。原則部屋食の旅館でも、多人数の団体には客室でなく宴会場などの大広間で供する場合が多い。

サービス利用時間の制限

サービス利用時間が自由でなく、食事の時間や入浴の時間帯が指定されることが多い。また、チェックアウト時間もどちらかというと早めに催促されることがある。業務運営上の都合とはいえ、これも評判はよくない。

営業システム・予約システム・インターネットでの情報提供

電話等の直接予約のほか、旅行代理店や観光案内所を通じた予約も出来る。

ただし、旅行代理店を通した場合、旅行代理店の契約マージンが発生する為、通常宿泊料金の10%から25%が宿泊料金に上乗せされる場合もある。この為、手馴れた旅行者の中には、インターネットなどで内容を見てから、電話予約する場合が多い。

インターネットでの空室情報の確認はできる施設は増えてきたが、インターネットのみで予約が完結するシステム等は採用していない場合も多い。しかし、旅館や周辺の観光スポットの情報提供は現代では必須となっており、全く対応していなかったり、更新が遅れている状況であれば逆に質が疑われても仕方ない状況になっている。

宴会における芸者・コンパニオン

もちろん必須ではないが、芸者コンパニオンを呼ぶことがある。温泉地等には昔は芸者置屋、現在ではコンパニオン派遣業者があり、需要に応えてきた。

[編集] 現状

ターゲットを外国人に切り替えて経営を立て直した、谷中の「澤の屋旅館」。しばしばテレビなどのマスメディアで取り上げられる。

宴会ブームの崩壊で、都心に近い観光地の高級旅館、ホテルは経営が苦しくなっているといわれ、ブームの最中に建設された施設の中には倒産や閉店に追い込まれた施設も出ている。都市部の旅館も、ビジネス客のビジネスホテルへのシフトや、少子化による修学旅行の減少やホテルへのシフトによって経営の苦しい施設が多く、ビジネスホテルに転じた施設が多い。

反面、宴会を主としない固定客を持つ者も多く、これらの多くはバブル期以前に建設された物が殆どである。安定した入り客があるため経営状態も安定している。固定客が多い為、大々的な広告を出さずとも経営の成り立っている旅館も多々ある。

古くからの旅館によっては経営者の高齢化が進み、少子化の影響で後継者が出来ず、次世代の代替わりが行えない業者も出ている。収支面では経営が成り立っていても、後継者問題で閉店になるケースも見受けられる。

特殊なケースでは、和室の低価格宿泊施設(いわばB&B)を売りに外国人学生合宿を主なターゲットに切り替え、成功を収めたところもある。

[編集] 自炊旅館

温泉街には通常の旅館の他に、自炊旅館が存在する。これは、宿泊場所を提供するだけでその他のサービスを省くことにより、湯治のために長期滞在できる旅館のことである(「湯治」目的を除けば、外国でのコンドミニアム、あるいは日本の短期賃貸マンションに似ている)。温泉街には歓楽的なものと古くからの湯治場と二つの場所があり、湯治場には温泉病院や自炊旅館がある。自炊専用旅館でなくても、普通の旅館に「自炊部」を設けている旅館もある。

自炊旅館は旅館部屋を賃貸アパートのように貸し出すが、1泊単位で宿泊料金が決まっており、宿泊期間は個人差があるが、大抵1週間以上から長くて2ヶ月程度である。入浴料と電気代は宿泊料金に含まれているが、それ以外の布団貸し出し料(布団持込の場合は不要)、冬季ならコタツストーブなどの暖房器具貸し出し料、炊事用にコンロ利用のためのガス代を徴収される。滞在中の部屋の掃除は行われないので、宿泊者自身で行う。洗濯は館内にあるコイン式洗濯機を利用する。

旅館には館内に売店があり、調味料や缶詰などの食料類や石鹸や洗濯洗剤がおいてある。肉・魚・豆腐などの生鮮食料品は外部の業者が移動販売に来るのを利用する。



[編集] 旅館をメインにした作品

[編集] 関連項目

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最終更新 2009年11月20日 (金) 11:41 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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