日本の国際関係
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日本の国際関係(にほんのこくさいかんけい)では、日本と主要な国家・国際機関との関係について述べる。
目次 |
[編集] 概説
太平洋戦争以降から現在までの日本の国際関係は、サンフランシスコ平和条約(1951年)および、各国との賠償・補償条約を経て再構築されたものである[1]。
1956年、国際連合に加盟して以降は、ほぼすべての独立国と国交を結んで外交をおこなっている。外交政策は、アメリカ合衆国(以下、アメリカ)との日米同盟を基軸として西側諸国とも緊密な連携をとりながら国際連合を支えていくことにより、平和の安定と繁栄を果たすことを目的としている。
世界が東西ドイツの分断、朝鮮戦争、第一次インドシナ戦争といった東西冷戦であった時期においては、戦後の復興を目的とした一元的な経済政策が中心であった。
1990年代初頭から、日本の経済は、バブル経済の崩壊によって長きに渡って経済成長の低迷を招くものの、依然として経済・文化において世界における重要な地位を維持していた。
近年において、政治家は、経済政策だけではなく安全保障政策において自衛隊の活動の場を広げることにおおむね意欲を示している。こうした状況は、ジョージ・H・W・ブッシュ・アメリカ大統領からの湾岸戦争への派遣要請や1990年代前半の自衛隊カンボジア派遣の成功が契機となった。こうした安全保障政策の転換は、国際関係の不安定要因(中華人民共和国(以下、中国)の台頭や朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)との政治的対立など)への反応によるものも一因であるということである。
しかし、自衛隊の活動を拡大することには、中国・大韓民国(以下、韓国)・北朝鮮の反対だけではなく、国内的にも多くの制約が課せられている。
こうした、アメリカと東アジア近隣諸国との外交関係を重要視することによって世界との関係を維持している。2007年に行われたBBCによる世論調査においては、中国と韓国を除いたすべての国から、日本は、世界に対して良好な影響を与えていると評価されている。[2]
日中間においては、1978年に日中平和友好条約を締結して急速に関係を発展させて中国の近代化として経済援助・政府開発援助(ODA:Official Development Assistance)をしてきた。同時に、中華民国(台湾)においても強い経済・貿易関係を築いているが、外交関係においては日中国交正常化を機に断絶している。
新たな文化交流の試みの一つに、外国語青年招致事業(ジェット・プログラム)が挙げられる。これは、中曽根康弘・内閣総理大臣がロナルド・レーガン・アメリカ大統領に「プレゼント」とした事業である。戦後の日本は、閉鎖的な傾向であった島国のために、海外の人々と英語のコミュニケーションができる若者をもっと育成する必要があるという主張に答える形で事業が始まったと言われている。
[編集] 各国との関係
[編集] 地域協力・地域間協力
- アジア太平洋経済協力(APEC)
- 環太平洋を中心とした経済協力のフォーラム。同時多発テロ以後は、政治的要素も。
- ASEAN+3を中心とした経済共同体。
詳細は「東アジアサミット」を参照
[編集] アジア
[編集] 中国
詳細は「日中関係史」を参照
[編集] 台湾
詳細は「日台関係史」を参照
1972年の日中共同声明以降、日本国政府は公式には台湾の独立政府を国家として認めていないが、事実上は台湾を独立国として扱う関係が続いている(日台関係史#非公式実務関係の形成と交流の深化を参照)。
[編集] 大韓民国
詳細は「日韓関係#大韓民国」を参照
詳細は「日韓問題」を参照
[編集] 朝鮮民主主義人民共和国
詳細は「日朝関係史#朝鮮民主主義人民共和国」を参照
日本と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との間には安全保障、人権、主権侵害等の深刻な問題を多く抱えており、また国交も存在しない。
アメリカは、北朝鮮が核拡散防止条約や国際原子力機関の協定を守るように働きかけており、日本はこうしたアメリカの立場を強く支持している。1998年8月31日、テポドンミサイルの実験を行って日本の大気圏内上空を通過するという安全保障の危機において、北朝鮮の核の開発・使用を凍結するために朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)や米朝の枠組み合意への支援を続けた。アメリカ、日本、韓国は、ロシア連邦を加えた六カ国協議で緊密に協力して対北朝鮮政策について政府レベルでは少なくとも話し合いを続けてきた。 また、長らく認めてこなかった拉致問題を2002年日朝首脳会談において公式に認めたが、その後は「拉致問題は解決済み」としており、日本政府の態度を硬化させた。
現在、日本との交渉の中でいくつかの議題を話し合うことを拒否しているため、経済制裁を科して日朝国交正常化交渉を続けることも中断している。
[編集] 東南アジア
[編集] 南アジア
南アジアの国々に対しての日本の役割は主に経済支援を行うことである。南アジア7か国への日本の援助は、合計11億ドルまでになった(1988年、1989年)。しかし、1990年には9億ドルを下回っている。パキスタンを除いて、他の南アジアの国々は日本からの援助の大部分を受け取っている。インド、スリランカ、パキスタン、バングラデシュの4ヶ国は日本からの援助の受給国上位10位に入る。
1990年4月、日本の海部俊樹内閣総理大臣は、南アジアの視察を行ってこの地域に対する関心が大きく増した。インド議会での演説において、首相は自由市場と民主主義が「新しい国際的秩序」をもたらすと主張している。インドとパキスタンの間で起こっているカシミール問題が解決されるべきであり、海外からの投資を得て経済成長を達成するためには経済の自由化が必要であるとも論じた。さらに、貨幣が不足していたインドに対して1000億円の融資を申し出た。
[編集] 大洋州
[編集] オーストラリア
詳細は「日豪関係」を参照
日本とオーストラリアの間には、強い利益、信条、友好といった相互関係が認められるだけではなく、緊張の要素もなかには見られる。その緊張の要素の一つが、日本の経済支配に対する懸念であった。しかし、こうした緊張は、1990年代に日本が不景気に入るにつれて薄れていった。同時に、オーストラリアの政府と財界は、日本が輸出市場に不可欠であり、相互にとって将来の成長とアジア太平洋地域の繁栄には必要な存在であるとみている。
加工貿易をしている日本にとって原料と食糧の供給をしている非常に重要な資源国でもある。1990年には、日本の輸入の5.3%が、オーストラリアからのものであった。石炭、鉄鉱石、羊毛、そして砂糖を多く輸出していることから日本に対して貿易黒字となっている。また、日本からの資本の投資による輸入製品や近年のアメリカ産および、カナダ産牛肉の輸入禁止によって重要な輸出国ともなった。
[編集] 北米
[編集] アメリカ合衆国
詳細は「日米関係史」を参照
日本にとってアメリカは重要な同盟国でもある。安全保障をアメリカに対して大きく依存している。時には、この両国は、激しい経済・貿易摩擦を起こしながらも経済関係で強い結びつきを持っている。
日本国憲法は、国際問題における他国に対して自衛隊の武力の行使を認めてはいない。1960年代からは、日米安全保障条約によってアメリカとの緊密な協力関係が日本に平和をもたらした。しかし、現在、日本国内では憲法9条の改正についての議論がなされている。
日米関係は、1990年代初めの経済・貿易摩擦が顕著化した時にもっとも悪化した。湾岸戦争の際には、日本は莫大な金額の資金援助を行っていたが、軍事的な支援については実際に行わなかったためにアメリカ政府から激しい批判にさらされ、クウェートからの英字新聞への感謝の広告に日本の国名が載ることもなかった。1990年代、バブル経済が崩壊しても、日本ブームが起きたために、以前ほど、アメリカにとって脅威とはみなされないようになった。小泉純一郎内閣総理大臣が行った自衛隊イラク派遣は、アメリカ側から見た「友好国」から日本が外されないために派遣されたとも言われている。この派遣の決定は、中国の急速な近代化に反応した日本の政策を現実的に反映したものともいえる。
[編集] ラテンアメリカ
[編集] メキシコ
ラテンアメリカではグアテマラの次の1894年に日本人移民(日系メキシコ人)が移住した国であり、今でも1万人ほどの日系人が同国に居住している。2004年9月17日、「日本・メキシコ経済連携協定」が両国間で署名された。これは小泉純一郎首相(当時)が世界経済安定化を図るために行った政策の一環であり、両国にとって歴史的なものであった。
[編集] ブラジル
南米最大の国であるブラジルには、30万人近い日本人が移民として渡り、その子孫である日系ブラジル人を含めると100万人以上が住み、日本の経済力・技術力やブラジルの資源など相互補完的な関係が結べることもあり、距離的には非常に遠いものの日本とブラジルはお互いにとって非常に重要な国であり、非常に密接な関係が築かれている[3]。1990年より日系3世まで簡単に日本の労働ビザが習得できるようになったことから、現在では30万人以上のブラジル国籍者が日本に住んでおり、これは国籍別で見ると韓国・朝鮮、中国に次ぐ3番目である。しかしながら査証相互免除協定は結ばれておらず[4]、今後の課題となっている。
[編集] ペルー
南米では前述のブラジルよりも長い日系社会の歴史を持っている。1990年に日系ペルー人2世[5]のアルベルト・フジモリが大統領になったことから、フジモリ政権下ではペルーとの関係が強化された。しかし、その後フジモリの人権問題が浮上するとフジモリが日本に滞在し続け、最終的には日本国籍を認められたことから、特に反フジモリ派のペルー人の間には日本に対する反感もある。
[編集] その他
前述の国の他、アルゼンチン、キューバ、コロンビア、パラグアイ、ボリビアなどに日系人が住み、その日系人を通じた伝統的友好関係が存在する。
[編集] 欧州(NIS諸国を含む)
詳細は「日仏関係」を参照
詳細は「日独関係」を参照
詳細は「日英関係」を参照
詳細は「日蘭関係」を参照
詳細は「日西関係史」を参照
基本的には良好であるが、死刑存続や捕鯨、また記者クラブなどの問題で一部対立が存在する。ただ、日本側は米国やアジア諸国と、EU諸国側はアジアでは中国やインドなどとの関係を強化していることから、日本とEU諸国との関係は相対的にむしろ希薄化が懸念されている。オランダでは第二次世界大戦中、日本軍によって植民地を失ったことなどに対して未だに反発感情を持つ者が一部存在する。
[編集] ロシア連邦
詳細は「日露関係史」を参照
戦後当初は、ソビエト連邦が占領した北方領土をめぐる領土問題から、良好な日ソ関係の構築はすぐにうまくは進展しなかった。しかし、領土問題おいては、平和条約の締結によって解決されることになっている。日本は、この北方領土問題でもアメリカから支持されており、北方領土における日本の主権を認められている。
多くの日本人はロシア連邦との関係は悪くないと感じている。しかし、「日本人にとって第二次世界大戦の終盤に日ソ中立条約を無視してソビエト連邦に宣戦布告された事実と戦後のシベリア抑留の事実は忘れがたいものである」と指摘する者も少なくない。
[編集] 中東
[編集] アフリカ
[編集] 国際機関
日本は以下の国際機関に加盟している。
- 国際連合(1956年)
- 専門機関(国際連合食糧農業機関(FAO)、国際民間航空機関(ICAO)、国際農業開発基金(IFAD)、国際労働機関(ILO)、国際通貨基金(IMF)、国際海事機関(IMO)、 国際電気通信連合(ITU)、国際連合工業開発機関(UNIDO)、国際連合教育科学文化機関(UNESCO)、世界観光機関(UNWTO)、万国郵便連合(UPU)、世界銀行(WB)、世界保健機関(WHO)、世界知的所有権機関(WIPO)、世界気象機関(WMO))
- ハーグ国際私法会議(HCCH)
- 国際原子力機関(IAEA)
- 国際刑事警察機構(ICPO)
- 経済協力開発機構(OECD)
- 世界税関機構(WCO)
- 世界貿易機関(WTO、1995年、原加盟国)
[編集] 二国間協定
[編集] 安全保障
- 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(日米安全保障条約)(1960年6月発効)
- 安全保障協力に関する日豪共同宣言(日豪安保共同宣言)(2007年3月調印)
- 日本国とインドとの間の安全保障協力に関する共同宣言(日印安保共同宣言)(2008年10月調印)
[編集] 経済連携協定(EPA)
日本は順次、各国と経済連携協定を締結をしている。具体的な協定内容は、各協定の項目に譲り、以下では単に協定名を列挙する。
[編集] 多国間での協定
詳細は「日本・ASEAN包括的経済連携協定」を参照
- 日本・ASEAN包括的経済連携協定(2008年以降順次発効、外務省説明ページ)
[編集] 二国間での協定
シンガポール(2002年発効、2007年改定議定書発効、日本・シンガポール新時代経済連携協定、外務省説明)
メキシコ(2005年発効、日本・メキシコ経済連携協定、外務省説明)
マレーシア(2006年発効、日本・マレーシア経済連携協定、外務省説明)
チリ(2007年発効、日本・チリ経済連携協定、外務省説明)
タイ(2007年発効、日本・タイ経済連携協定、外務省説明)
ブルネイ(2008年発効、日本・ブルネイ経済連携協定、外務省説明
インドネシア(2008年発効、日本・インドネシア経済連携協定、外務省説明)
フィリピン(2008年発効、日本・フィリピン経済連携協定、外務省説明)
スイス(2009年発効、日本・スイス経済連携協定、外務省説明)
ベトナム (2009年発効、日本・ベトナム経済連携協定、外務省説明)
[編集] 交渉中の国・国家連合
[編集] 自由貿易協定(FTA)
自由貿易協定の締結状況
- 対韓国(2003年12月交渉開始・交渉中)
- 対湾岸協力会議(GCC)(2006年9月交渉開始)
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
- ^ 日本の戦後補償条約一覧を参照せよ。
- ^ BBC World Service Poll, 6 March 2007 (PDF)
- ^ 遠くて近い国とも呼ばれる。
- ^ このため日本人がブラジルを訪問する際には観光でもビザの取得が必要
- ^ その後日本国籍が認められる
[編集] 参考文献
- 平野健一郎監修・牧田東一監修 新版『対日関係を知る事典』 平凡社、2007年11月 ISBN 978-4-582-12637-2
[編集] 外部リンク
- 外務省
- 日本の加盟している国際機関の一覧(H17.6)(PDFファイル)
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最終更新 2009年10月21日 (水) 06:19 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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