日本漢字能力検定協会
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財団法人日本漢字能力検定協会(にほんかんじのうりょくけんていきょうかい)とは、日本漢字能力検定の実施等を行う、文部科学省(生涯学習政策局生涯学習推進課)所管の特例民法法人(特例財団法人)である。
目次 |
[編集] 概要
- 主な目的 - 日本漢字能力検定の実施、参考書籍の出版、漢字学習の振興
- 代表者
- 本部所在地
- 東京事務局
- 基本財産 - 1億円
- 理事(8名)
- 評議員(13名)
- 事業収入 - 70億円(2006年度)
- 職員数 - 62名(2007年10月現在)
- 関連会社 - 株式会社オーク、株式会社日本統計事務センター
[編集] 実施事業等
- 日本漢字能力検定の実施
- 現在は1級から10級まであり、参加資格に制限は無い。尚、難易度に関しては日本漢字能力検定の項目を参考。
- 漢検関連の教材(書籍・ゲーム)
- 日本語文章能力検定の監修
- 1995年から毎年「世相を現す漢字一字」を公募し、12月12日に京都市にある清水寺で発表している。
[編集] 商品
- 漢字必携
- 漢字学習ステップ
- 過去問題集
- 財団法人日本漢字能力検定協会公認漢検DS
- 財団法人日本漢字能力検定協会公認漢検Wii漢字王決定戦
[編集] 沿革
- 1971年 - 松下電工の社員であった大久保昇が脱サラし、阪急桂駅前で貸しビル業を始め、パン屋を経営する。
- 1975年 - たまたま、貸しビル内に漢字塾があり、それに着目し任意団体として日本漢字能力検定協会(財団法人日本漢字能力検定協会の前身)を設立。理事長に株式会社オーク代表取締役であった大久保昇が就任。
- 漢字検定を同年から開始し、1991年まで行う。1989年には長男・浩がリクルートを退社し家業を手伝う。
- 当時の旧漢字検定試験は最高位の五段から小学校1年レベルの15級まで20段階の区分があり、現在の各級とはレベルは異なっていた。
- 1992年
- その後、各省庁の認定試験制度が廃止され文部科学省後援の検定となる。
- 2009年4月20日、文部科学省は当年度の試験に対し、後援の取り消しを決定した。
- 1995年 - 「今年の漢字」の募集・発表を開始。
- 2000年 - 協会本部2階に漢検漢字資料館開館。
- 2009年4月- 大久保昇理事長が辞職し、後任の理事長に鬼追明夫弁護士が就任。
- 2009年5月 - 大久保昇前理事長(73)大久保浩前副理事長(45)を背任の容疑で逮捕。
[編集] 多額利益および私物化問題
[編集] 当初発覚の問題
2009年2月、理事長らが法人の利益を以下のように不適切に且つ私的に利用していたとして問題となる。
- 京都市右京区の宝厳院にある大久保家の墓と同じ区画に、亡くなった幹部のための供養塔を350万円をかけて建立。
- 京都市左京区の6億7000万円の邸宅[1]を漢字資料館のためと称して購入したが、5年以上も用途を宅地から変更していない。
- 理事長および息子の副理事長がそれぞれ社長を務めるファミリー企業4社と総額66億円の取引をしていたが、文部科学省への報告をしなかった[2]。
大久保理事長は、同年2月6日の評議員会では「記者の態度が悪い」とマスコミを批判[1]。さらに、「いろいろな記者会見を見てきたが、どれも最後には必ず謝っている。私は謝りたくないので会見はしない」と話した[1]。また、長男の大久保浩副理事長が好きなプロ野球チームのユニホームに、協会が「漢検」のロゴマークを入れる計画を披露した[1]。
これらに対して、文部科学省は、2009年2月9日に、協会に対し立ち入り調査を行った[3]。同協会は、内部に調査委員会を設置したが[4]、検査を受けた後も、記者会見をはじめ肉声での説明は一切なく、協会のホームページには「調査に協力する」などのコメントだけが残っている[1]。また、漢検協会の取引先の「日本統計事務センター」はレーシングチームへの資金投入していることが判明し、代表の副理事長は協会内の数人にメールで「辞めたい」と漏らしたが、これを聞いた理事長が激怒して止めたこともあったとされている[1]。
また、これらファミリー企業や理事長、副理事長から、京都府内の自民・民主の国会議員ら4人の後援会や関連団体などに計942万円が献金されていた[5]。
同協会はこれ以前にも、1999年から2007年までに、指導監督基準違反があるとして13回の文部科学省の指導を以下のように受けていた。
- 検定料の値下げ(1999年から2007年にかけて4回) - 2007年に検定料を1級と準1級をそれぞれ1000円と500円引下げ(しかし、1級と準1級受験者は全体の1%にも満たない)[6]。
- 大久保昇理事長が代表取締役を務める出版会社オークから、協会本部ビルを年1億8000万円で借り受けていることの改善(2005年)
- 公益法人として必要な財務台帳の作成や公認会計士の監査を行うこと(2007年)
[編集] ファミリー企業の実態
内部調査委員会の報告によると、ファミリー企業4社の実態は以下のようなもので、これまでの17年間で総額250億円にも及ぶ業務委託は、協会の利益を不当に流出させているといわれても仕方のないものであった[7][8]。
- 株式会社オーク
- 代表者は、大久保昇(協会理事長)。協会からは書籍等製作を受託していたほか、協会に対し所有するビルを賃貸している。同社の売り上げ(2007年度は約12億1300万円)のうち、約78%が協会との取引によるものであった。しかも、書籍製作は、協会の職員が実質的に行っていた。
- 株式会社日本統計事務センター
- 旧商号は株式会社オーク・フード。代表者は、大久保浩(協会副理事長)。協会からは、システム開発と採点業務を受託。同社の売り上げ(2007年度は約13億8100万円)のうち、約82%が協会との取引によるものであった。
- 株式会社メディアボックス
- 旧商号は、株式会社大久保商事。代表者は、大久保昇(協会理事長)。協会からは、広報・広告の企画・製作を受託。同社の売り上げ(2007年度は約3億2300万円)は、ほぼ100%が協会との取引によるものであった。しかも、協会から委託された業務のうち、機関誌編集・印刷や広告印刷など業務は第三者に再委託し、他の広報企画・進行管理業務は理事長と副理事長自身が担当していたので、同社に委託させる意味はほとんどなかった。さらに、業務を担当している従業員は2人だけであった。
- 株式会社文章工学研究所
- オークが全株式を保有する子会社。代表者は、大久保昇(協会理事長)。協会からは、調査研究支援業務を受託。同社の売り上げ(2007年度は約700万円)のうち、約83%が協会との取引によるものであった。しかも、従業員は1人だけであった。
[編集] 協会の対応
批判を受けて、協会は、内部で調査委員会を設置して調査報告書を作成したのち、2009年4月15日に文部科学省へ報告書及び改善報告書を提出した。
- 調査委員会作成の「調査報告書」[9]
- 文部科学省に提出した「報告書」
- 文部科学省に提出した「実地検査の結果に基づく改善報告書」
- 添付書類「理事・評議員会 第一号議案 『調査報告書』に対する対応に関する件」
これにより、協会では以下の対応をとることとなった。
- 大久保理事長と息子の大久保浩副理事長が、理事の職を辞する。文部科学省の報告書作成までは、2人は理事として残って協会運営に関わり続けるとしていたが、報告書提出の際に、一転して理事職も辞することを表明した。
- 新理事長に、鬼追明夫弁護士(元日弁連会長)が就任する。
- 理事長ファミリー企業のうち、内部調査で実体がないとされた2社(メディアボックス、文章工学研究所)については、取引を止める。ただし、教材出版をしている「オーク」と、採点業務を委託している社「日本統計事務センター」の2社との取引は、継続する。
- 漢字検定の検定料を引き下げる。引き下げ額については検討を継続する(報道では100円~500円とも)。
- 漢字資料館名目で購入した邸宅は、売却する。
- 大久保家の墓に隣接して建立した供養塔は、建設費を理事長と副理事長が協会に支払う。
[編集] 新たな問題発覚
改善報告書提出の際の記者会見で、大久保理事長(当時)は、私的流用はない旨を明言したが、1週間も経たずに、下記の私的流用の疑いが報道機関で報道されるようになる[10][11]。
- 協会名義のクレジットカードを、大久保理事長(当時)が、個人的な飲食費や交遊費の支払に使用していた。協会のファミリー企業であり、自身が代表者を務める株式会社オークに弁済させ、理事長個人への貸付金として処理した。2008年12月現在で、オークの理事長への貸付金は4億8000万円にのぼる。
- 2007年9月に、大久保理事長(当時)が、理事長の職に在任中でかつ退任の意向がないにもかかわらず、理事会や評議員会の承認を経ることなく、退職金名義で約5300万円を受け取っていた。これは、2008年6月から2009年1月に返還されている。
- 大久保理事長(当時)の自宅警備費を、2002年11月9日から2009年4月15日(退任日)まで協会に負担させた。
- 更に大久保昇容疑者の娘を親族企業「文章工学研究所」の役員にあてがい、勤務実態が無いのにも関わらず年間約600万の役員報酬を不正に受け取っていた。漢字能力検定協会は平成18年4月~20年12月末の間に、同研究所に調査研究費1500万円を支払っており、これを着服し個人的な収入にし遊興費にしていた。(2009年5月25日)
[編集] 脚注
- ^ い ろ は に ほ へ 漢字検定協会:理事長「謝るのいや」 会見なく1カ月 毎日新聞 2009年3月9日 閲覧
- ^ 漢検協会、ファミリー企業に66億円業務委託 3年間で asahi.com 2009年2月9日(同日閲覧)、
漢検協会:広告取引、文科省に報告せず 理事長の関連会社分 毎日jp 2009年2月9日(同日閲覧) - ^ 漢検協会に立ち入り調査開始 文科省「利益水準大きすぎる」 NIKKEI NET 2009年2月9日(同日閲覧)、
受検者急増、清水寺で「今年の漢字」…成長の影で“専制”進む YOMIURI ONLINE 2009年2月9日(同日閲覧)、
もうけすぎ公益法人、漢検協会を文科省が立ち入り調査へ MSN産経ニュース 2009年2月9日(同日閲覧)、
漢検協会理事長系4社に66億円 業務委託名目で支出 47NEWS 2009年2月9日(同日閲覧) - ^ 調査委員会を設置=漢検協会 時事ドットコム 2009年2月9日(同日閲覧)
- ^ 漢検フアミリー 自・民に献金 しんぶん赤旗 2009年3月2日
- ^ 文科省が漢検協に指導、9年で13件…検定料値下げなど 読売新聞 2009年2月8日
- ^ 漢検協の関連4社、売上高の8割から全額を協会に依存 YOMIURI ONLINE・2009年4月14日
- ^ 漢検協会に「抜本改善」求める 文科省 MSN産経ニュース・2009年3月10日
- ^ なお、公表されている調査報告書からは、すでに報道で明らかとなっている理事長(当時)等の個人名が抹消されている。
- ^ 漢検協、前理事長がクレジットカードを私的使用 Yomiuri Online・2009年4月19日
- ^ 漢検協会:前理事長在職時に5300万円退職金 全額返却 毎日.jp・2009年4月21日
[編集] 関連項目
- 資格
- 検定試験
[編集] 外部リンク
最終更新 2009年9月16日 (水) 05:59 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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