日本SF大賞
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日本SF大賞(にほんエスエフたいしょう)は、1980年に日本SF作家クラブにより創設された賞である。主催は日本SF作家クラブ、後援は徳間書店。
目次 |
[編集] 概要
特徴はプロのSF関係者が既成の作家の商業作を選ぶことで、アメリカのネビュラ賞に相当する。もう一つの特徴としては、日本のSFであれば、メディアや芸術のジャンルにかかわらず受賞の対象となるということである。小説や映画等の各ジャンルごとの賞は数多く存在するが、本賞のように様々な形態の作品が同じ土俵で評価されるものは珍しい。これまでにSF小説以外に評論や漫画、映画、アニメが受賞しており、ゲームも候補に上がったことがある[1]。
従来、日本のSF賞は日本SF大会でSFファンの人気投票で決定する星雲賞や公募の新人賞であるハヤカワSFコンテストがあったが、プロが選ぶSF賞は本賞が初である。1980年6月の日本SF作家クラブの総会で賞の設置が決定された。当時、SF雑誌『SFアドベンチャー』を刊行し、SFに力を入れていた徳間書店が後援につき、副賞、授賞式、誌上発表についてSF作家クラブと協定が結ばれて発足した。当時の日本SF作家クラブの事務局長の筒井康隆の働きかけで制定され、直木賞の落選経験を持つ筒井の意向によって制定当初は、会員へのアンケート結果と候補作を発表しないことになっており、落選作が分からないように配慮されていた[2]。なお、筒井が本賞の制定に動いたのは、筒井が高く評価していた大江健三郎の『同時代ゲーム』が不遇だったため、受賞させて再評価させようという意図だったという[3]。
重複受賞は認められておらず、過去の受賞者は、その後どのような傑作を発表しようと受賞することはない。SFをプロパーしている作家による作品の受賞については「功労賞」的に与えられる場合も多く、1980年という時期的な問題もあり、小松左京、筒井康隆、半村良など、1980年代以前に意欲的にSFの創作をしたSF作家のベスト作品に与えていない場合も多いという意見もある[4]。
選定の手続きは、毎年9月1日から8月末の期間[5][6]に発表された日本人によるSFの商業作品を対象に、日本SF作家クラブの会員に書面アンケートを実施。日本SF作家クラブの総会で選ばれた選考委員がアンケート結果を基に候補作を決定し、改めて開催された選考委員会で受賞作を決定する[要出典]。
発表は、かつては『SFアドベンチャー』(休刊まで)のち『問題小説』で誌上で行われており、『SF JAPAN』創刊後は同誌上で行なわれている。かつてはアンケート結果、候補作ともに公表されていなかったが、現在は最終選考の前に公表されている。
受賞者には、日本SF作家クラブ発行の正賞と後援の徳間書店から賞金が副賞として贈られる。現在の正賞はSFイラストレーターの横山宏作のトロフィー。制定時に100万円だった副賞の賞金は、その後、200万円に増額された。
[編集] 受賞作一覧
[編集] 第1回から第10回
- 第1回(1980年) - 堀晃 『太陽風交点』
- 第2回(1981年) - 井上ひさし 『吉里吉里人』
- 第3回(1982年) - 山田正紀 『最後の敵』
- 第4回(1983年) - 大友克洋 『童夢』
- 第5回(1984年) - 川又千秋 『幻詩狩り』
- 第6回(1985年) - 小松左京 『首都消失』
- 第7回(1986年) - かんべむさし 『笑い宇宙の旅芸人』
- 第8回(1987年) - 荒俣宏 『帝都物語』
- 第9回(1988年) - 半村良 『岬一郎の抵抗』、横田順彌・會津信吾 『快男児・押川春浪』
- 第10回(1989年) - 夢枕獏 『上弦の月を喰べる獅子』、特別賞 手塚治虫
[編集] 第11回から第20回
- 第11回(1990年) - 椎名誠 『アド・バード』
- 第12回(1991年) - 梶尾真治 『サラマンダー殲滅』、特別賞 石原藤夫
- 第13回(1992年) - 筒井康隆 『朝のガスパール』
- 第14回(1993年) - 柾悟郎 『ヴィーナス・シティ』、特別賞 黒丸尚
- 第15回(1994年) - 大原まり子 『戦争を演じた神々たち』、小谷真理 『女性状無意識』
- 第16回(1995年) - 神林長平 『言壷』、特別賞 野田昌宏『「科學小説」神髄』
- 第17回(1996年) - 金子修介 『ガメラ2 レギオン襲来』
- 第18回(1997年) - 宮部みゆき 『蒲生邸事件』、庵野秀明 『新世紀エヴァンゲリオン』
- 第19回(1998年) - 瀬名秀明 『BRAIN VALLEY(上・下)』、特別賞 星新一、NHK人間大学(野田昌宏)『宇宙を空想してきた人々』、井上雅彦監修 『異形コレクション1~6』
- 第20回(1999年) - 新井素子 『チグリスとユーフラテス』、特別賞 光瀬龍
[編集] 第21回から第30回
- 第21回(2000年) - 巽孝之 『日本SF論争史』
- 第22回(2001年) - 北野勇作 『かめくん』
- 第23回(2002年) - 古川日出男 『アラビアの夜の種族』、牧野修 『傀儡后』
- 第24回(2003年) - 冲方丁 『マルドゥック・スクランブル』
- 第25回(2004年) - 押井守 『イノセンス』、特別賞 矢野徹
- 第26回(2005年) - 飛浩隆 『象られた力』
- 第27回(2006年) - 萩尾望都 『バルバラ異界』
- 第28回(2007年) - 最相葉月 『星新一 一〇〇一話をつくった人』
- 第29回(2008年) - 貴志祐介 『新世界より』、磯光雄 『電脳コイル』、特別賞 野田昌宏
[編集] 出典
- ^ 1987年の『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』(大森望『現代SF1500冊 乱闘編 1975-1995』太田出版、2005年、p51。
- ^ 筒井康隆『笑犬樓よりの眺望』新潮社、1994年、p205。
- ^ 筒井康隆「私の名作ブックレビュー 若者よ「同時代ゲーム」を再評価せよ」『週刊新潮』2008年8月7日号。
- ^ 大森望、豊崎由美『文学賞メッタ斬り!』PARCO出版、2004年、p295。
- ^ "日本SF大賞". 徳間書店. 2009-11-02 閲覧。
- ^ 『SF Japan 2008 SPRING』 徳間書店、2008年。
[編集] 参考文献
- 小松左京、筒井康隆「日本SF大賞を設定するにあたって」『太陽風交点』堀晃、徳間文庫、1981年
- 小松左京「SFの原点をいきいきと保持する作品――選評にかえて――」『太陽風交点』
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
最終更新 2009年11月2日 (月) 18:03 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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